オーストラリアで理学療法を学ぶ
理学療法コース入学の英語力条件
基本、理学療法学(AHPRAの認可コース)への入学英語力基準は、IELTS Academic 7.0(各セクション 7.0)となっています。各大学付属英語学校とのパッケージですが、大学により下記の2つのパターンのいずれかになります。
- 大学付属英語学校とのパッケージ不可。IELTS 7.0 提出が必須。
- 大学付属英語学校とパッケージ可能。その成績を利用、もしくは大学開始前にIELTS 7.0 提出が必須。
オーストラリアの理学療法士登録を目指して、大学のフィジオセラピーコースへ進学する際に、IELTS7.0という高い英語力入学基準の壁が立ちはだかります。
日本でコツコツ英語力向上のための英語学習も大事な要素ですが、まずは一度、IELTS Academic や TOEFL iBT、PTEアカデミックなどの英語力検定試験を受けられることをご検討ください。
ご自身の現在の英語力を客観的に図り、その後の勉強方法や留学までの学習計画を立てるために、英語力検定テストを受験いただくのが最もわかりやすいです。(TOEICはどの大学のフィジオセラピーコースでも受付していません)
その結果、留学において英語コースだけを考えるのではなく、ご自身のバックグラウンドを元に、
英語学校も含め、進学できる大学の選択肢はあるのか? など、出願する大学の方向性が決まったら進学希望の大学の付属英語学校で学ぶことを検討していきましょう。
進学準備英語コース + 大学理学療法コースのパッケージのキャンセルチャージについて注意点。
進学準備英語コースを終えた時点で、IELTS Academic Overall 7.0 以上(各セクション 7.0)がクリアできなかった場合、残念ながら大学へ進学できません。その際は、大学へ払い込みの授業料を返金してもらうのですが、大学によってはキャンセルチャージ(%は大学による)や、デポジットの何割かだったり、キャンセル手続き費用がある、など、各大学にて返金規定が異なります。返金規定は オファーレター内のキャンセルポリシーを事前にご確認することをオススメします。また、理学療法コースのオファーは翌年に延期ができないこともあります。ご注意ください。
オーストラリアのフィジオセラピーについて
オーストラリアは世界でも有数の、医療福祉先進国といわれています。まず、オーストラリアでは教育の中で、患者の権利、プライバシーについて、道徳的・人道的観点にもとづく非常に徹底した訓練がされます。
オーストラリアと日本の理学療法の大きな違いは「オーストラリアでは理学療法士が診断をくだせる」「フィジオセラピークリニックを開業できる」ところでしょう。
つまり、医師の指示を待たなくても患者を診察し、自らの診察で診断書を発行することもできるのです。
オーストラリアでは患者の症状、訴え、問診、何が問題の原因なのかを探し、治療へ導くという一連の流れを、様々なエビデンスと論理的思考を用いて診断まで至るクリニカルリーズニング(clinical reasoning)をベースに理学療法が行われています。
オーストラリアで理学療法士になるためには?
オーストラリアで理学療法士を目指すためには、現時点での
「学位」「理学療法士資格の有無」「英語力の有無」によって、オーストラリアの理学療法士資格取得までのプランが変わると考えてください。
【学位について】
理学療法協会の指定する学位は、Bachelor以上(学士号理学療法コース卒)のAQFレベル7以上となっています。
AQFレベルについては →
こちら
【英語力について】
基本的に
Academic IELTS 7.0レベル(各バンド 7.0以上)か、
OETであればA、B判定、
PTE Academic 65(各バンド 65以上)が必須条件となります。
(1番)- 日本の大学卒業資格、理学療法学の学士号(大卒)、理学療法士資格を保持
日本で学士号(理学療法学部もしくは学科)を終了しており、日本国の理学療法士資格も取得済み。日本で理学療法士としての就労経験がある場合、オーストラリアの学士号に編入、もしくは大学院に進学、卒業後はAHPRAに登録する学歴を得ることができます。
(2番)- 日本の医療短大、理学療法専門学校卒業資格と理学療法士資格を保持
最終学歴が日本の理学療法専門学校、医療短大の方は、「オーストラリアの大学の理学療法コース進学、学士号を取得する」という進路が理学療法士登録方法になりますが、大学によっては査定により、編入が可能なこともあります。編入ができた場合、通常の理学療法コース4年間より短い期間(3年)にて、オーストラリアの大学を卒業することができます。
(3番)- 理学療法以外の学士号を保持している
オーストラリアで理学療法の学士号か修士号を取得します。もし日本の大学で筋骨格解剖学、人間生物学、生理学、神経学的解剖学などを学んでいる場合は、大学院に進学できる可能性もあります。
(4番)-高校を卒業後、理学療法士資格も保持していない
オーストラリアでフィジオセラピーの資格を得るには、大学か同等の高等機関において、学士号(Bachelor Degree)以上の学位を取得しなければなりません。オーストラリアのフィジオセラピーコースの学士課程は4年となっています。もし日本での最終学歴が高校卒業の場合は、理学療法コース入学の前にファウデーション(Foundation)コース、または Diploma コースなど履修することになります。
現在では、オーストラリアにある
大学のうち17大学が、Physiotherapyの学士号コース(4年間) を開講しており、日本の高校卒業の場合、そのほとんどの大学が 大学開始前に Foundationコースへの入学を条件としています。
一部の大学では併設の付属カレッジにて Diploma of Health Care、Diploma of Health Studies などのコースから2年次編入または 1年次の単位の数教科を免除と言う形で編入制度があります。
お薦めの大学・大学院の理学療法士コース一覧
カーティン大学 / Curtin University (@パース)
コース | Bachelor of Science (Physiotherapy) (Abbreviated)
※※現在このコースは開講しておりませんが、シラバスと単位免除フォームを提出し、査定の結果、通常の理学療法コース(4年)が短くなるシステムを採用しています※※ |
期間 | 3年間 |
入学 | 1月 |
学費 | 年間 38,6000ドル(2021年度) |
出願条件 | ・学歴:学士号以上
・臨床経験:3ヶ月以上の勤務経験の証明
・資格:日本の理学療法士資格保持者
・英語:Academic IELTS7.0(各セクション 7.0以上)付属語学学校とのパッケージで学生ビザの取得が出来ます。
|
コース | Bachelor of Science (Physiotherapy) |
期間 | 4年 |
入学 | 2月 |
学費 | 年間 38,000ドル(2021年度) |
出願条件 | ・学歴:ファウンデーションコース、もしくは付属カレッジの Diploma of Health Sciences Stage 2(1年)を規定の成績で終えること・英語:Academic IELTS7.0(各セクション 7.0以上)Diploma コースと英語コースのパッケージはできません。IELTSスコアの提出が必須です。
・同学の詳しい理学療法詳細ページはこちら |
コース | Doctor of Physiotherapy (extended masters) |
---|
期間 | 3年 |
入学 | 1月 |
学費 | 年間 43,400 ドル(2021年度) |
出願条件 | ・学歴:サイエンスの学士課程または修士課程をWAMで70%以上の成績で終えていること、また 人間生物学、生理学、神経学的解剖学などに関連する教科を履修していること。・英語:Academic IELTS7.0(全セクション 7.0以上)。
付属語学学校とのパッケージで学生ビザの取得が出来ます
|
---|
ラトローブ大学 / La Trobe University(@メルボルン)
コース | Bachelor of Physiotherapy (Honours) |
---|
期間 | 4年間 |
入学 | 3月 |
学費 | 年間 50,200ドル(2021年度) |
出願条件 | 日本の高校の全科目オール5。英語、生物、化学、数学、体育か物理を選択していること。もしくはファウンデーションコースを規定の成績で卒業していること。
・英語:Academic IELTS 7.0(全セクション 7.0 以上)
|
コース | Master of Physiotherapy Practice |
---|
期間 | 2年間 |
入学 | 1月 |
学費 | 年間 51,400ドル(2021年度) |
出願条件 | ・学歴:過去5年以内に学士号をWAM65%以上で卒業していること。学士号で筋骨格解剖学、人間生物学、生理学、神経学的解剖学などを学んでいること。・英語:Academic IELTS 7.0(全セクション 7.0 以上)
|
西シドニー大学 / Western Sydney University (@シドニー西部郊外)
コース | Bachelor of Physiotherapy |
---|
期間 | 4年間 |
入学 | 3月 |
学費 | 年間 30,480ドル(2021年度) |
出願条件 | ・学歴:高校を5段階で4以上で卒業、もしくはファウンデーションコースを規定の成績で卒業していること。・英語:Academic IELTS 6.5(全セクション 6.0 以上)
|
グリフィス大学 / Griffith University (@ゴールドコースト)
コース | Diploma of Health Sciences + Bachelor of Physiotherapy |
---|
期間 | 3年(Diploma 1年 + Bachelor 3年半) |
入学 | 1月、6月 |
学費 | 年間 33,500 ドル(2021年度) |
出願と進学条件 |
大学付属 Griffith College
・ 日本の高校をGPA 2.8 以上
・ 英語 Academic IELTS 6.5(各セクション 6.0)以上
↓
Bachelor of Physiotherapy(1年次) 編入・ Griffith College にて Diploma of Heath Sciences を規定の成績で終えること
・ 英語 Academic IELTS7.0(全セクション 7.0以上)を別途必須。
付属語学学校とのパッケージで学生ビザの取得が出来ますが、大学開始前に別途 IELTS 7.0の提出が必須です。
|
南オーストラリア大学 / University of South Australia (@アデレード)
コース | Diploma of Health Science + Bachelor of Physiotherapy (Honours) |
---|
期間 | 4年(Diploma 1年 + Bachelor 4年/1年次に5教科免除) |
入学 | 2月、7月 |
学費 | Diploma 年間 32,000 ドル(2021年度)
Bachelor 年間 37,800ドル(2021年度)
|
出願と進学条件 |
大学付属 SAIBT
・ 日本の高校を GPA 2.8 以上
・ 英語 Academic IELTS 6.5(各セクション 6.0)以上
↓
Bachelor of Physiotherapy (Honours) に入学・ SAIBT にて Diploma of Health Science を規定の成績で終えること。
・ 英語 Academic IELTS7.0(全セクション 7.0以上)を別途必須。
付属語学学校とのパッケージで学生ビザの取得が出来ますが、大学開始前に別途 IELTS 7.0 の提出が必須です。
|
コース | Bachelor of Physiotherapy (Honours) |
期間 | 4年 |
入学 | 2月 |
学費 | 年間 37,800ドル(2021年度) |
出願条件 | ・学歴:高校を5段階で4以上で卒業、もしくはファウンデーションコースを規定の成績で卒業していること。・英語:Academic IELTS 7.0(全セクション 7.0 以上) |
※理学療法コースは定員が厳しく設定されているため、成績上位の出願者からオファーが出ることもあり、上記の出願資格を持っているからといって必ずしも入学を確定するものではありません。またDiplomaコース+学士号のオファーが出ていても必ずしも大学の理学療法コースに入学ができるとは限りません。ご了承下さい。