オーストラリアで放射線技師

オーストラリアで放射線技師(2021年2月18日更新)

2020年 3月以降、世界的に 新型コロナウイルスに起因する医療分野での労働力需要が急増しています。その多くが、医師や看護師に注目されますが、放射線技師もその専門性の高さから現場で必要とされる職種の一つです。

特に 人口100万人あたりのCT数で世界2位となる、ここオーストラリアでも重要な 職業として認知度の高い「放射線技師」についてご案内します。

オーストラリアの放射線技師の業務と種類

放射線技師の医療における主な業務は、特殊技術・特殊機器を用いて体内の撮影、医用画像を介しての診療や治療のサポート、放射線照射による具体的な疾患の治療などになります。

特殊技術・特殊機器とは、レントゲン撮影、CT検査、血管撮影、核医学検査、MR検査、超音波検査(エコー検査)など多岐に渡ります。これらの特殊技術や特殊機器は、それぞれが使用方法が異なる場合もあり、オーストラリアでは、放射線技師と呼ばれる 仕事内容においても、いくつかに細分化されます。

・Medical Diagnostic Radiographer (診断放射線技師)
・Medical Radiation Therapist (放射線療法士)
・Nuclear Medicine Technologist (核医学技術者)
・Sonographer (超音波検査士)

オーストラリアで放射線技師になるには?


Medical Radiation Practice Board of Australia (MRPBA) にて認可を受けている学士号を終える必要があります。

重要なポイントは、登録に必要な1年間の臨床研修が組み込まれた4年間のコースを選択することです。
下記の4大学は、この認可を受けている 学士号(4年間)となり、3年間の学科と1年間の臨床研修が組まれたコースになります。全豪の中でも Full Accredited(4年間) の認可コースは非常に少なく、次項にてご案内する 南オーストラリア大学カーティン大学クイーンズランド工科大学ディーキン大学の4大学をオススメしています。 また、放射線技師 の中でも ご希望のキャリア(診断放射線技師放射線療法士核医学技術者)」に基づいて、いずれかの大学にてコースを終えることで、Medical Radiation Practice Board of Australia (MRPBA) への登録権利を得ます。

Medical Diagnostic Radiographer (診断放射線技師)

最もメジャーなコースで、こちらの診断放射線技師で、一般医師(GP)や、画像下治療の専門医(Interventional Radiology) と連携し、X線装置やその他の医用画像診断機器を用いて病気の診断に必要な医用画像を撮影する仕事です。
下記の4大学にて開講している、Medical Imaging のコースを履修する必要があります。

南オーストラリア大学/University of South Australia

コースBachelor of Medical Radiation Science(Medical Imaging)
留学先アデレード
期間4年間
入学2月
学費年間 37,800ドル(2021年度)
出願条件 【学歴】 付属カレッジ SAIBT にてDiploma of Health Science を GPA 6.5/7.0 以上で修了していること(大学1年編入時に6教科免除されます)、または同等の学力証明。
【英語】 IELTS Academic 7.0 (全セクション 7.0) 以上
注意事項 ・SAIBTのDiploma of Health Science 経由の英語力は、IELTS Academic overall 6.5(各セクション6.5) またはCELUSAにてAE6レベル修了にて Diplomaコースに入学できます。
・Bachelor of Medical Radiation Science(Medical Imaging) は、コース席数が限られています。
・Diploma 修了時の成績は 最低でもGPA 6.5/7.0以上ですが、6.5以上で 学士号への進学を約束するものではありません。 成績上位の学生から進学可能となります。2021年2月入学のDiploma成績基準で GPA 6.7/7.0 の成績でも進学できない学生もいます。

カーティン大学/Curtin University

コースBachelor of Science (Medical Radiation Science / Major:Imaging)
留学先パース
期間4年間
入学2月
学費年間 36,600ドル(2021年度)
出願条件 【学歴】 日本の大学にて1年次を終了していること(履修科目:Physics と Mathematics必須)、または同等の学力証明。
【英語】 IELTS Academic 7.0 (全セクション 7.0) 以上
注意事項 ・日本の大学1年次(履修科目:Physics と Mathematics必須)を修了していない場合、同分野での専門学校を卒業していることでも認められる場合があります。

クイーンズランド工科大学/Queensland University of Technology

コースBachelor of Medical Imaging(Honours)
留学先ブリスベン
期間4年間
入学2月
学費年間 34,600ドル(2021年度)
出願条件 [学歴]日本の大学にて1年次を終了していること(履修科目:Physics と Mathematics必須)、または、日本の高校卒業(Physics と Math B必須) と SAT試験 Score of 1380以上。
[英語]IELTS Academic 7.0 (全セクション 6.5) 以上
注意事項 ・日本の大学1年次(履修科目:Physics と Mathematics必須)を修了していない場合、同分野での専門学校を卒業していることでも認められる場合があります。

ディーキン大学/Deakin University

コースBachelor of Medical Imaging(Honours)
留学先ジーロング
期間4年間
入学2月
学費年間 38,400ドル(2021年度)
出願条件 【学歴】 付属Deakin College にて Foundation コースを成績 80%以上修了することが最低条件。
【英語】 IELTS Academic 7.0 (全セクション 7.0) 以上
注意事項 ・Bachelor of Medical Imaging(Honours) と Foundationコースはパッケージ出来ません。
・Foundation と 他ヘルスサイエンス系コースでのオファー発行となり、Foundation終了時の成績が最低でも80%以上で且つ Medical Imaging へのコース変更査定で合格することで編入可能となり,
成績上位者から正式なオファー発行となります。

Medical Radiation Therapist (放射線療法士)

放射線療法士は、放射線腫瘍医や医学物理士と協力して、主にがん患者への放射線治療が業務になります。大学にて Radiation Therapist のコースを履修する必要があります。全豪で下記の2大学にて開講しています。

南オーストラリア大学/University of South Australia

コースBachelor of Medical Radiation Science(Radiation Therapist)
留学先アデレード
期間4年間
入学2月
学費年間 37,800ドル(2021年度)
出願条件 【学歴】 付属カレッジ SAIBT にてDiploma of Health Science を GPA 6.5/7.0 以上で修了していること(大学1年編入時に6教科免除されます)、または同等の学力証明。
【英語】 IELTS Academic 7.0 (全セクション 7.0) 以上
注意事項 ・SAIBTのDiploma of Health Science 経由の英語力は、IELTS Academic overall 6.5(各セクション6.5) またはCELUSAにてAE6レベル修了にて Diplomaコースに入学できます。
・Bachelor of Medical Radiation Science(Radiation Therapist) は、コース席数が限られています。
・Diploma 修了時の成績は 最低でもGPA 6.5/7.0以上ですが、6.5以上で 学士号への進学を約束するものではありません。 成績上位の学生から進学可能となります。2021年2月入学のDiploma成績基準で GPA 6.7/7.0 の成績でも進学できない学生もいます。


カーティン大学/Curtin University

コースBachelor of Science (Medical Radiation Science / Major:Radiation Therapist)
留学先パース
期間4年間
入学2月
学費年間 36,600ドル(2021年度)
出願条件 【学歴】 日本の大学にて1年次を終了していること(履修科目:Physics と Mathematics必須)、または同等の学力証明。
【英語】 IELTS Academic 7.0 (全セクション 7.0) 以上
注意事項 ・日本の大学1年次(履修科目:Physics と Mathematics必須)を修了していない場合、同分野での専門学校を卒業していることでも認められる場合があります。

Nuclear Medicine Technologist (核医学技術者)

核医学技術者は、放射性医薬品と呼ばれる放射性物質の準備および投与を行い、患者の 疾患を診断、治療が必要な 臓器、身体機能を評価する業務になります。大学にて Nuclear Medicine のコースを履修する必要があります。放射線技師のコースの中では、全豪でも 南オーストラリア大学にて開講しています。

南オーストラリア大学/University of South Australia

コースBachelor of Medical Radiation Science(Nuclear Medicine)
留学先アデレード
期間4年間
入学2月
学費年間 37,800ドル(2021年度)
出願条件 【学歴】 付属カレッジ SAIBT にてDiploma of Health Science を GPA 6.5/7.0 以上で修了していること(大学1年編入時に6教科免除されます)、または同等の学力証明。
【英語】 IELTS Academic 7.0 (全セクション 7.0) 以上
注意事項 ・SAIBTのDiploma of Health Science 経由の英語力は、IELTS Academic overall 6.5(各セクション6.5) またはCELUSAにてAE6レベル修了にて Diplomaコースに入学できます。
・Bachelor of Medical Radiation Science(Nuclear Medicine) は、コース席数が限られています。
・Diploma 修了時の成績は 最低でもGPA 6.5/7.0以上ですが、6.5以上で 学士号への進学を約束するものではありません。 成績上位の学生から進学可能となります。2021年2月入学のDiploma成績基準で GPA 6.7/7.0 の成績でも進学できない学生もいます。

Sonographer (超音波検査士)

Sonography (超音波検査)は 放射線を使用しない画像診断です。 超音波検査士は、学士号で Medical Radiation 履修 + 修士号で Sonography/Ultrasound を履修・卒業し、The Australian Sonographer Accreditation Registry (ASAR) にて登録・認可を受け 正超音波検査士となりますが、残念ながら Sonography については 留学生が参加できるコースは開講されていません(2020年4月現在)


どの大学のコースに選択するか?(進学方法)

まずは、臨床研修の1年間を含めた Full Accredited の上記4大学(南オーストラリア大学, カーティン大学, クイーンズランド工科大学, ディーキン大学)から検討しましょう。


特に、Medical Diagnostic Radiographer (診断放射線技師)、 Medical Radiation Therapist (放射線療法士)、 Nuclear Medicine Technologist (核医学技術者) のいずれかを目指せる 南オーストラリア大学では、3つのMajor は全て同じ入学条件となりますし、何より付属カレッジのDiploma of Health Studiesから編入することが可能です。

一般的な進学ルート(最短で5年間)だと、日本の高校卒業後に、医療関連で日本の大学1年次を終了(または大学Foundationコースを終了(1年間))し、且つ IELTS Academic overall 7.0(各セクション 7.0)以上の英語力があって、オーストラリアの大学 Bachelor of Medical Radiation Science 1年へ進学(4年間)します。

南オーストラリア大学では、日本の高校卒業後に 付属カレッジのDiploma of Health Studiesを経由して、 Bachelor of Medical Radiation Science 1年へ進学しますが、Diplomaで履修した教科から、Bachelor にて6教科単位(年間8教科単位)分が単位認定され学費も単位認定分が控除されます。
また、付属英語学校からのIELTS無しでの進学も可能なため、英語コース + SAIBT Diploma of Health Studies + Bachelor of Medical Radiation Science の全てがパッケージできる唯一の大学になります。

より詳しくは「南オーストラリア大学への進学・編入方法」をご確認ください。


その他、モナッシュ大学、シドニー大学、ニューカッスル大学、キャンベラ大学、チャールズスタート大学などでも開講していますが、弊社では契約のない大学となりますため、ご案内できません。あらかじめご了承ください。

なお、上記の大学のいくつかのコースは、Accredited with the imposition of conditions となっており、コース期間中に 1年間の臨床経験がコース中に含まれていないものが存在します(例:シドニー大学の修士号は臨床研修は含まれません)。登録に必要な臨床研修は 大学卒業後に、Post Study Work Visa(卒業生ビザ)などを申請して、その間に、ご自身で臨床研修のできる病院などを探して、経験を積んだ後、Medical Radiation Practice Board of Australia (MRPBA) へ登録と言う流れになります。
せっかく大学を終えたのに、1年間の臨床研修ができない、と言うケースも考えられますので、ご注意ください。

オーストラリアの放射線技師の将来性

Medical Radiation Practice Board of Australia (MRPBA) にて認可を受けた放射線技師であれば、オーストラリア全土でその資格が有効になります。
放射線技師 の雇用については、Australian Government Department of Employment, Occupational Employment Projections 2019(2019年度 オーストラリア政府雇用省、職業雇用予測)に基づくと、オーストラリアの労働市場では、2024 年 5月までに ヘルスケア分野では 252,600人の雇用の増加は見込まれ、放射線技術者についての雇用は 9.8%増加すると予測されています。

また、冒頭の通り、新型コロナウイルスに起因する医療分野での労働力需要が急増していますが、有事の際はもちろんのこと、今後も人材不足が深刻化が懸念されている分野でもあります。
さらに言えば、新型コロナウイルス など未知の病原菌に対処し、生命を守る医療従事者には、リモートワーク・在宅ワークはできない仕事です。放射線技師は、あまり注目を集める職業ではないかもしれませんが、非常にやりがいのある仕事の一つと言っていいでしょう。
ご興味のある方は、ご相談ください。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I009)
オーストラリア歴は24年目になりました。QLD州、NSW州、SA州の主要都市で仕事と生活していましたので、都市の違いから皆さまの目的に沿ったベストなアドバイスを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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