オーストラリアでITを学ぶ
2020年現在、企業の中枢システムを支えているのは「IT技術」です。
しかし、IT技術といっても分野は様々。システム、ネットワーク、プログラマー、Webエンジニア、セキュリティ、データベース、モバイルアプリケーション、クラウド、ストレージ、プロジェクトマネジメント等それぞれの分野に応じた、専門知識や技術を身につける必要があります。
このページでは、そんな「IT業界」で活躍するために必要な技術と知識を身につける上で、必要な英語力やコースについて掲載していきたいと思います。
世界に通じる技術と資格
ITを学ぶ上で、最も魅力的な点の一つは、世界で通用する技術と資格が得られるということです。ITの技術が、もともと他の職業と比較すると歴史が浅いというのも一つの理由ですが、ITの分野を学ぶということは、自然に世界標準の知識と技術を学ぶことにもなります。
また、世界標準とされる「資格」も多く、ネットワークであればCiscoのCCNAやCCNP、LinuxであればLPIC、ITのサービスマネジメント技術であれば、「ITIL」。プログラマであれば、Java programmer。データベースであればOracle Master、プロジェクトマネジメン度であればPMPなど、その資格があれば、世界中のどの国でも認めてもらえます。
このように、世界で認められる資格が多いという点は、IT系の技術を身につける上でのメリットの一つと言えます。
ちなみに、IT技術と給与データに基づいた給与の高いIT職が下記に掲載されていますが、セキュリティ関連や、クラウド関連職が人気のようです。
https://www.globalknowledge.com/us-en/content/articles/top-paying-certifications/
好きじゃないとついていけない分野
すこし、この辺から厳しく書いてみます。IT系の職業は技術職としての強い一面がありますが、例えばネットワークや、セキュリティ、WEBデザイン、プログラミングなど、学校からの「課題」をこなすだけでは、一通りの知識は身につくものの、あくまでそこで止まってしまいます。
学校の授業では概念も含めて学ぶことになりますが、いざ即戦力になるような「技術と知識」を身につけるとなると、課題だけでは足りません。
「自分で学ばないと身につかない」ということは、IT系に限ったことではありませんが、特にIT系は夢中にならないと技術が身につかない分野です。時間があったら、自分のWEBサイトを作ってみたり、デザインを考えてみたり、学校の施設(または仮想化の環境)などで、サーバーやネットワークの負荷をテストするなど、やればやるだけ技術として身につきますので、「即戦力」として戦える力をコース中に見つけたいところ。つまり、好きでないと授業にもついていけず、技術も身につかない分野といえます。
この点は、調理師コースをイメージしてもらうのが、わかりやすいです。調理師コースに参加する生徒さんも、机の上で材料を見ても料理にはなりませんし、調理がうまくなることもありません。コース受講後にレストランなどで積極的に働くことで、初めて、理論に実践が加わって、技術が身に付いていきます。
兎にも角にも英語力
IT系では、最新のテクノロジーや製品は基本的に英語圏(基本的にアメリカ)から発信されます。仕様やドキュメントもすべて英語ですし、技術系フォーラムの書き込みも基本的に英語です。
また、自分一人で1から10迄作り上げるということは少なく、IT業界も分担業でプロジェクトを進めていきます。その中で、昨今は様々な国籍の方と仕事をすすめることになるため、IT業界で働くことを考えるのであれば、実践で使える英語力を、しっかりと身につけておく必要があります。
これは、大学やTAFE進学時にも言えることで、IELTSであれば入学基準となる英語力の0.5は上回る形で、進学頂くほうが良いです。もし、現時点でIT系のコースに進学できる予算が無くても、まず英語学校に通う時間と予算があるのであれば、英語力を身に着けておくほうことをオススメします。
なぜインド人はIT業界に強いのか
さて、そんなIT関連の先進国の一つにインドが挙げられます。IT関連のコースを受講する場合、「インド人留学生」の比率が高いことに驚くと思いますが、これには理由があり、大きなポイントは3つあります。です。
1点目は先述した英語力です。インド人は英語が堪能で、英語がほぼ母国語と言える国。つまり英語を話すという点での壁が殆どなく、海外でチャレンジする方が多い国です。
2点目はカースト制度(ヒンズー教の身分制度)です。カースト制度は法律上廃止されているものの、実際にはまだまだ色濃く国内で残っている制度の一つ。この制度は、身分による職業選択も含まれており、基本的には「親の職業が自分の職業」になります。つまり、どんなに努力をしたとしても、自分の望む職業には就けない事になります。
日本人としてはなかなか理解できない制度とも言えますが、ここにインドがIT分野に強い理由があります。
カースト制度内の「職業」とは、あくまで「カースト制度が設立された時代に存在した職業」になり、近年の職業は影響を受けません。つまり、IT産業はカースト制度内からは除外された職業で、身分に関係なくITの仕事に就くことができる為、これまで職業選択を諦めていた、ものすごい数の優秀な人材が、IT産業に流れてきているわけです。
3点目はスピードです。ITの分野を勉強するとと、日本人はソフトウェアやシステムを含めサービスを世にに出す上で、かなり「完成された形」で提供します。つまり発表されるまでに様々な確認が行われ、試行錯誤が繰り返された上で世に出される=時間がかかります。
ですが、インドではまずサービスを発表(提供)後、問題点や不具合を顧客から受け取り修正していきます。日本人とインド人の考えの違いとも言えますが、「質よりもスピード!世の中に出てこそ意味がある」と考える技術者が多いため、高い技術に加え、スピード感もあります!
特にITの分野では「海外で働きたい」と考えている生徒さんは、この現状を理解したほうが良いです。オーストラリアの教育機関でIT関連の技術をみにつけることはもちろんですが、「英語力に壁がない」+「人生を変えたい」との思いで留学する、彼らのハングリーな姿勢を見て学ぶことは多いと思います。
ITといっても分野は様々
ITと言っても、大学で学べる専攻もその分野の職業も多岐にわたります。
オーストラリアの大学Bachelor of ITコースでで学べる主な専攻
- Computer Science
- Networks and Cyber Security
- Data Science
- Information Systems and Business Analysis
- Software Technology
- Web Design and Development
- Software Development and Technology
- Computer Systems and Networks
- Enterprise Information Systems
- Software Design
- Software Information Systems
- User Experience Design
- Business Systems
- Network Technology
- Systems Analysis
- Systems Management
IT分野の職業
- ICT Business Analysts
- Systems Analysts
- Analyst Programmer
- Developer Programmer
- Software Engineer
- Computer Network and Systems Engineer
- Chief Information Officer
- ICT Project Manager
- ICT Managers NEC
- ICT Trainer
- ICT Business Analysts
- Systems Analysts
- Multimedia Specialist
- Web Developer
- Analyst Programmer
- Developer Programmer
- Software Engineer
- Software Tester
- Software and Application Programmer
- Database Administrator
- ICT Security Specialist
- Systems Administrator
- Computer Network and Systems Engineer
- Network Administrator
- Network Analyst
- ICT Quality Assurance Engineer
- ICT Support Engineer
- ICT Systems Test Engineer
- ICT Support and Test Engineer NEC.
- Web administrator
オーストラリアの認定機関はACS
IT系技術職の査定機関は、Australian Computer Society(ACS)と呼ばれる査定機関を利用することになり、このACSの認可をうけなければ、上記のようなIT職につくことが難しくなります。
ネットワーク系、プログラム系、ソフトウエアー、ハードウエアー、ミッドウエアー等、一連のComputer及び IT関連技術者及びマネージャーは全てACSが審査機関になりますが、多くの大学のコースはACSの認可を受けているコースになるため、ITの学士号を取得=ACSの査定に合格することでもあります。
本科コースを受講するための英語力
TAFEはIELTS5.5、BachelorコースはIELTS6.0〜6.5程、MasterコースはIELTS6.5以上の英語力が必要となります。
ただ、先述したように、これらの入学基準は「最低限必要な英語力」となるため、大学進学の際は、英語力に余裕を持って入学頂く事をおすすめします。