オーストラリアで建築家


オーストラリアの主要都市は全体的な人口増加に伴い、過去15年間における賃貸物件の空室率は低水準で推移しています。現在、一時的な不動産ブームは落ち着いたものの、まだまだ需要の高い状況が続いており、 建物の設計や進行管理を担う「建築家」も認知度が高い重要な職業となります。

オーストラリアで建築家になるには?


オーストラリアでの資格名称は 「Architect(建築家)」または「Registered Architect(登録建築家)」となります。
日本での一級建築士に該当します。オーストラリアでArchitect(建築家)として登録するためには、下記の2通りになります。

(1)オーストラリアの大学院を卒業する
Architects Accreditation Council of Australia (通称AACA:オーストラリア建築家認定評議会)の認可コース(学士号3年+修士号2年)を修了後、2年の職歴を積み、その後にAPE(Architectural Practice Examination)試験の受験資格を得ます。APE試験合格後に各州への建築家登録へと進めます。
(2)自身の経歴から直接オーストラリアの建築家登録の査定を通過する
AACAにて直接査定を依頼し、海外での建築士としての 学歴、職歴、英語力も含め AACAの定めるオーストラリアの基準クリアを認められた場合のみ、APE(Architectural Practice Examination)試験の受験資格を得ます。APE試験合格後に各州への建築家登録へと進めます。
【注】各人のご経歴(学歴、職歴、資格、英語力)にて、直接AACAでの登録査定を希望される方は、ご自身にてAACAへご確認くださいませ。AACAでは 査定はケースバイケースと明言しています。弊社では、AACAの代わりに査定内容や直接の登録ステップ、合否をお答えできません。
参考:https://www.aaca.org.au/overseas-qualifications-assessment/

なお、建築家登録は、8つの地域(NSW州、VIC州、QLD州、SA州、WA州、TAS州、ACT、NT準州)にて、各州の建築士登録委員会の権限のもと審査されますが、Architects Accreditation Council of Australia (通称AACA:オーストラリア建築家認定評議会)が 設立されたことにより基本的には各州にて登録資格は統一されています。(登録プロセスにおける各州の違いはあります)

AACA 認可済の大学院とコースを終了する場合のステップは下記になります。

(1)建築学・建築デザイン学の学士号(3年)を修了
大学によりコース名は若干異なりますが、Bachelor of Architectural Studies、Bachelor of Architectural Design などが一般的です。詳しいコース詳細はお問合せください。
(2)AACA認可の 建築修士号(2年)を修了
AACA認可の修士号( Master of Architecture )を修了します。認可されているコースは修士号のみになりますので、最終学歴が学士号だけでは Architect(建築家)登録はできませんのでご注意ください。
(3)2年以上の建築士・または建築分野での就労経験
2年以上の職業経験が必要です。在学中の経験も加味されますが、修士号修了後の職歴が 最低でも1年以上が必要です。つまり在学中に2年以上の職歴を得たとしても、修士卒後に1年以上の職歴がないと認められません。通常、修士号を卒業後、2年間の卒業生ビザ期間中に1年以上の職歴を満たします。
(4)APE(Architectural Practice Examination:建築実務試験)を受験
(5)合格後、各州にて 登録(Registered)申請
通常、卒業した大学のある州での登録を済ませます。なお、建築士は前述の通り 各州毎の登録が必要になります。ただし、一度どこかの州での登録を済ませれば、他州の資格への申請切替は難しいことはありません。

参考:
NSW Architects Registration Board
Architects Registration Board of Victoria
Board of Architects of Queensland
The Architectural Practice Board of South Australia
Architects Board of Western Australia
Australian Capital Territory Architects Board
Board of Architects of Tasmania
Northern Territory Architects Board

どの大学院で学ぶべきか?


建築学で学ぶ内容は、設計の基本から始まり、建物が完成するまでの進行管理、そして最近ではリサイクルやエコ住宅、周辺環境との共存、自然環境との景観に至るまで多岐にわたります。建築士は、一般的な居住施設である 一戸建て住宅、アパートメント、マンションはもちろんのこと、店舗、病院、ショッピングセンター、高層ビル、公共施設、そして橋やダムに至るまで公共事業など様々な分野があります。

特に近年は周辺環境や自然環境への配慮などが顕著にあるため Master of Architecture and Master of Landscape Architecture などのダブルディグリーのコースも学生の選択肢として増えています。

実質、Architects Accreditation Council of Australia (通称AACA:オーストラリア建築家認定評議会)の認可コースMaster of Architecture は、コース内容における大学間の差はほぼありませんから、あとは建築学で評価の高い大学、学費面、都市、ダブルディグリーなどの選択肢で 検討することになります。
AACA認可コース(いずれも修士号) は 下記の大学院で開講しており、留学生も入学できるコースです。

ACT
キャンベラ大学(*1)Master of Architecture
NSW州
シドニー大学Bachelor of Design in Architecture (Honours) and Master of Architecture
NSW大学(*1)Master of Architecture
シドニー工科大学Master of Architecture
ニューカッスル大学(*1)Master of Architecture
QLD州
ボンド大学Master of Architecture (Professional)
クイーンズランド大学Master of Architecture
クイーンズランド工科大学 Master of Architecture
グリフィス大学 Master of Architecture
SA州
アデレード大学Master of Architecture
Master of Architecture and Master of Landscape Architecture(*2)
南オーストラリア大学Master of Architecture
TAS州
タスマニア大学Master of Architecture
VIC州
RMIT大学Master of Architecture
ディーキン大学 Master of Architecture
メルボルン大学 Master of Architecture、
Master of Architecture and Master of Urban Planning
Master of Architecture and Master of Construction Management
Master of Architecture and Master of Landscape Architecture(*2)
Master of Architecture and Master of Project Management
Master of Architecture and Master of Property
Master of Architecture and Master of Urban Cultural Heritage
Master of Architecture and Master of Urban Design
モナッシュ大学(*1)Bachelor of Architectural Design and Master of Architecture
スウィンバーン工科大学Master of Architecture
Master of Architecture and Urban Design
WA州
西オーストラリア大学Master of Architecture
カーティン大学Master of Architecture
ノートルダム大学(*1)Master of Architecture

(*1)オーストラリア留学センターでは、キャンベラ大学、NSW大学、モナッシュ大学、ノートルダム大学のご案内とお手続きは行っておりません。キャンベラ大学、NSW大学、モナッシュ大学、ノートルダム大学をご希望の方は、大学まで直接お問合せくださいませ。

(*2) Master of Architecture and Master of Landscape Architecture は、建築家とランドスケープアーキテクトの2つの資格認可コースです。(ランドスケープアーキテクトについてはこちら

上記全て留学生も入学できますが、希望する大学によっては、学士号と修士号のパッケージ(学士3年+修士2年)になっている大学もあります。その場合は同じ大学にて専攻します。

オーストラリアの大学院から始める場合

修士号へのパスウェイが確保されているので、通常は学士号(3年)から学びはじめ、続けて修士号で5年間の履修が一般的です。

ただ日本で建築学の学士号を修了しており、同分野での職歴含めて、修士号から開始できる可能性もあります。
通常コースよりも 出願書類は多くなります(ポートフォリオは必須です)が、アデレード大学の Master of Architecture を例にご案内します。

アデレード大学
Master of Architecture
【都市】アデレード
【期間】2年間
【学費】年間 40,500ドル(2022年度)
【入学】2月、7月のみ
【条件】
●IELTS Academic 6.5 (全てのセクションで6.0以上)の証明
●CV(英文履歴書)
In relation to work experience, technically speaking, not necessarily. However, evidence of any work experience / relevant internships completed may be advantageous. If the student does have work experience / has completed an internship(s), please include the information in their CV to maximise the probability of success.

CV(英文履歴書)における実務経験は、厳密に言えば必ずしも必要ではありません。しかし、実務経験や関連するインターンシップを経験したことを示す証拠があると有利です。実務経験やインターンシップを経験している場合は履歴書に記載することで、合格の可能性を最大限に高めることができます。
●アデレード大学のBachelor of Architectural Designを卒業
または
●アデレード大学のBachelor of Architectural Design と同等の学士号を卒業
●ポートフォリオ
The portfolio shall be printed on A3 in hardcopy and submitted in electronic form. All CAD drawing files are to be supplied as PDF’s in a single document not exceeding 100MB. Consider the legibility and the hierarchy of your images and text. The portfolio is used to assess design skills and knowledge and should demonstrate familiarity with a range of design processes and media. Representation media should ideally include, but are not limited to: Adobe Photoshop, In-Design, Illustrator, AutoCAD, Revit and other 3D packages, as well as hand drawing, sketching, painting, collage, model-making and photography of models. In addition to final rendered images, include information on the process of design and development and construction documentation if any. The folio may include material developed with others in an office/practice situation where this is clearly referenced and the applicant’s contribution explained.

・ポートフォリオはA3に印刷したハードコピーとし、電子ファイルで提出すること。
・全てのCAD図面ファイルは、100MBを超えない範囲で1つのドキュメントにまとめ、PDFとして提供すること。
・画像やテキストの読みやすさや階層性を考慮すること。
・ポートフォリオは、デザインのスキルと知識を評価するためのものであり、さまざまなデザインプロセスとメディアに精通していることを示すものでなければなりません。
代表的なメディアとしては、以下のものが理想的ですが、これらに限定されるものではありません。
Adobe Photoshop、In-Design、Illustrator、AutoCAD、Revitなどの3Dパッケージや、手描き、スケッチ、絵画、コラージュ、モデル制作、モデルの写真撮影など。
最終的なレンダリング画像に加えて、デザインや開発のプロセス、建設ドキュメントがある場合はその情報も含めてください。ポートフォリオには、オフィスなどで他の人と一緒に開発したものを含めても構いませんが、その場合は参照を明確にして詳細を説明してください。

各大学で細かい条件は異なりますが、全ての大学院でポートフォリオは必要になります。
ご用意頂けない場合は出願さえできないので、ご注意ください。

出願に向けての準備

1. まずは英語試験を受験してください
まずはIELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
日本英語検定協会
http://www.eiken.or.jp/ielts/
JSAF
http://www.jsaf-ieltsjapan.com/?p=431
IDP Education
https://ieltsjp.com/
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合は大学付属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願書類4点をご準備ください
出願には下記4点の書類をご準備ください。
  • 最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • 最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
  • パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、オンライン申込みフォームを送信してください。当社にて出願手続きをスタートします。

当社について、安心の現地サポート


オーストラリア専門の無料留学エージェント
当社オーストラリア留学センターは、日本に東京オフィス、そしてオーストラリア国内の主要6都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、アデレード、パース)に自社の現地サポートオフィスを構え、全オフィスに日本人スタッフが常勤している唯一の日本エージェントです。

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エージェント選びにおいて、そのエージェントから提供される情報量と質、提案力はもちろん、自分が留学する都市にそのエージェントの自社オフィスがあるのか?日本人スタッフが常勤しているのか?も重要なポイントとなります。留学はスタートしてからが本番です。留学前の準備段階において無駄なお金や時間を費やさないよう利用するエージェントはしっかり見極めて選びましょう。
日豪全7オフィスの所在地は「当社について」、各カウンセラーとその所属オフィスは「スタッフ紹介」、当社のポリシーについては「皆様へのお約束」をご覧ください。
豪政府認定教育カウンセラー資格

当社のカウンセラーはオーストラリア政府公認の教育カウンセラー資格PIER(Professional International Education Resources)を保持しており、オーストラリア留学のアドバイス、進学プラン提案をする上で高い専門知識を保有するプロフェッショナルであるQEAC(豪政府認定教育エージェントカウンセラー)として正規登録されております。

また、オーストラリアの各大学も認定する留学エージェントを厳選しており、近年、PIER資格を持つカウンセラーが所属していることを条件としている大学が増えています。

留学会社選びはもちろん、担当になるカウンセラーが「PIER認定のQEACに登録されているかどうか」もエージェント選びの重要なポイントです。利用するエージェント選びの基準にされると良いでしょう。
当社のPIER認定のQEAC登録カウンセラーは「PIER資格保持者紹介」をご覧ください。

留学相談&お問い合わせ

当社オーストラリア留学センターは 全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。
学力、英語力、希望内容、ご予算など詳しくお伺いしたうえで、おひとりおひとりに合う大学をご提案しております。
オーストラリアの大学進学は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください
※備考※
・本記事は2021年11月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2022年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=82円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。


豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I009)
オーストラリア歴は24年目になりました。QLD州、NSW州、SA州の主要都市で仕事と生活していましたので、都市の違いから皆さまの目的に沿ったベストなアドバイスを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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