オーストラリアで学ぶ、モバイルアプリケーション開発
現在は世界で約37億人が利用している「スマートフォン」。
Appleに代表されるiPhoneを始め、SamsongのGaraxyや、SonyのXperiaなど、とにかくスマートフォンが一台あれば、何でも出来る世の中、と言うよりも、スマホが無いと不便な世の中になりました。
そしてこのスマートフォンの利用者数に応じて、求められているのが、スマートフォン内で動作する「
モバイルアプリケーション」です。
このモバイルアプリ。LINE、Instagram、Tiktok、Twitter、Google mapsなど「無料」で利用できるアプリもあれば、Adobeや、Youtube、Spotifyなど、サブスクリプションを含めた有料のアプリまで様々。そんな中、2019年度はモバイルアプリのダウンロード数が世界で2040億回を超え、消費総額は13兆を超えました。
また、このモバイルアプリ。更に需要は高くなり、2021年には14兆(!)を突破すると予測されていて、とてつもなく大きなマーケットでもあります。14兆・・・。数が大きすぎてピンときませんが、もしもいま「世界中の人に利用してもらいたいサービス」と考えた場合に、その候補として「モバイルアプリを使う」ことが選択肢の一つになるのは間違いありません。
そして、そこで求められているのが、モバイルに特化したアプリケーション開発者です。
オーストラリアのモバイルアプリ開発コースでは、急成長するモバイルソフトウェア開発市場に参入するために、モバイルに特化したシステムエンジニアとしての知識を身につけます。また、スマートフォン以外となるタブレット型のモバイルデバイスやモバイル用OSの仕組みを理解し、プログラム言語、クラウド、情報デザインなどを幅広く学ぶことができます。
世界のモバイルOSシェア率
と、この分野の基礎知識。
モバイル端末で稼働するオペレーションシステム(OS)の二大巨頭といえば、IOS(Apple)とAndroid(Google)ですが、現時点でどれくらいのシェアを確保しているかというと、こんな感じです。
Source: StatCounter Global Stats – OS Market Share
Android(Google)が70.68%、IOS(Apple)が28.79%で、99.5%はこの2社の独占状態です。
つまりコース選びの重要な点としては、この「
AndroidとIOSの両方で動くアプリを学べる」点。そして
オーストラリアのIT査定団体(ACS)にも認められているコースとなります。
上記2点を重視した場合、全豪の中では南オーストラリア大学のBachelor of Information Technoogy(Mobile Application Development)と、マッコーリー大学のBachelor of
Information Technology(Web and Mobile App Development)がオススメです。
モバイルアプリケーション開発のオススメコース
大学 3年コース
まず、モバイルアプリケーションの分野は、ここ数年で爆発的に需要が求められたこともあり、コース自体も他のIT系コース(ネットワークやシステムエンジニア)と比較すると、歴史が深い分野ではありません。
その中で、南オーストラリアのBachelor of Information Technoogy(Mobile Application Development)は、オーストラリア国内でも早い段階で開講したコースでもあり、「
モバイルアプリ開発の仕事を得ること」を目的としたカリキュラム作りで、実務に直結した内容を学ぶことができます。
まず、IT分野では必須とされるネットワーク、データベース、システム分析、サイバーセキュリティの基礎知識のほか、モバイルアプリケーションに関する内容を学びます。
モバイルアプリケーション開発の科目では、プログラム言語としてはC++を。また、ソフトウェア開発として、.NETはアジャイルを学び、必要なソフトウェアとしてはMicrosoft Visual Studio、Android Studio、Xcode等を利用します。
また、アプリケーション開発をすすめる上で、プロジェクトをどのように進めるかという点も学び、それに必要なプロジェクト管理ツール(TrelloやBasecamp等)の使い方も学ぶことができます。
その他、実際のモバイルアプリケーションがどのようにユーザーに影響を与えているかという点や、モバイルアプリに求められるインターフェースデザインなども学ぶことができ、最終プロジェクトでは、業界のパートナーと協力してWIL(企業インターンシップ)に参加することもできます。
特にプログラミングの分野は、実際の業界でしか感じることができない、「開発スピード」や「効率性」を肌で感じることが出来ることはとても重要で、企業で経験を積むことが出来るのはコースの大きな利点と言えます。
Year1 | Year2 | Year3 |
情報技術の基礎
プログラミングと問題解決方法の基礎
ネットワークの基礎
デザイン思考について
オブジェクト指向プログラミング
Webアーキテクチャや動的なWebサイトの基礎
システム要件とユーザーエクスペリエンス
|
ソフトウェアの設計と実装
システム設計の方法
OSとツールチェーン
データ構造の基礎
アジャイル開発とガバナンス
プロジェクトツールについて
WEB開発の技術
エンタープライズ向けのIOSアプリ開発
|
セキュリティの基礎
ビッグデータの基礎
C++を使ったデザインパターン(デバッグやコーディングについて)
Android上のゲーム開発
選択科目
クラウドプログラミング
スモールビジネスについて
ICTプロジェクト |
また、マッコーリー大学では、Bachelor of Information Technology(Web and Mobile App Development)が開講されており、南オーストラリア大学のコースとの違いはWEBに関する科目の割合です。
マッコーリー大学の場合は、WEBとモバイルアプリケーションのそれぞれの分野で、開発及び作成に必要な技術を学ぶ為、南オーストラリア大学には含まれていない、Web用のJavaScriptや、Web上のアプリケーション開発、Webデザインを含めて学べる点が、大きな違いです。
また、クライアントやエンドユーザーとのコミュニケーションの方法も重視し、ウェブやモバイルアプリケーションのセキュリティや、情報プライバシーを、きちんと「相手に伝えられるレベル」の知識を身につけます。
モバイルアプリケーション開発の技術力はもちろんですが、多くのモバイルアプリケーションはネット環境につながっていることが前提になっている点や、モバイルアプリケーションをエンドユーザーやクライアントへの案内。それらにはWEBの知識も必須という点を考えると、WEB+Mobile Applicationの2つを学ぶことができる、マッコーリー大学の同コースも候補にしていただくのは良いと思います。
また、多くの大学では上記のように3年のコース・カリキュラムが組まれていますが、TAFEやカレッジ経由で進学する場合、Diplomaコースを1年終了後、大学の2年時に編入→合計で3年間で卒業することも可能です。
専門学校1年+大学 2年コース
カレッジ名 | SAIBT |
コース | Diploma of Information Technology |
期間 | 8ヶ月 |
入学日 | 2月、7月 |
費用 | 1年間32,000ドル(2021年度)(1ドル68円計算で約217万円) |
認定機関 | ACSの認可を受けていません |
英語 | IELTS5.5(リーディングとセクション5.0以上)
または、付属英語学校からのPathway進学も可能 |
学歴 | 日本の高校卒業資格 |
大学名 | 南オーストラリア大学 |
キャンパス | アデレード(Mawthon Lakes Campus) |
コース | Bachelor of Information Technology (Mobile Application Development)
|
期間 | 2年 |
入学日 | 2月、7月 |
費用 | 1年間35,300ドル(2021年度)X2年間=70,600ドル(1ドル68円計算で約480万円) |
認定機関 | ACSの認可を受けています |
英語 | Diplomaで規定の成績を収めた場合免除 |
学歴 | Diplomaで規定の成績を収めた場合免除 |
また、残念ながらTAFEではモバイルアプリケーションにに特化したコースは開講していませんが、Diploma of Software Developmentの科目の一部として、学ぶことは可能です。
加えて、クイーンズランド工科大学や一部の大学では、Major(主専攻)ではなく、Minor(副専攻)としてMobile Applications developsを学ぶことができますが、モバイル開発に特化するのであれば、上記のBachelorコースがオススメです。
また、上記のコース期間はいずれも3年間ですが、今回の新型コロナウイルスのような「予想外のこと」が今後起きる可能性も0%ではありません。ただ、何らかの理由で、1年間でコースを終えた場合は、Diploma of Information Technologyの資格が、2年間を終えた時点では、準学士号となるAssociate Degree in Information Technologyの学位が授与されます。
もちろん、再度復学しコースを無事修了すれば、Bachelor of Information Technology(Mobile Application Development)の学士号が授与されますから、自分が学んだだけの学位が取得できます。
卒業後のキャリア
卒業後に候補となる職業は、以下の分野です。
- Mobile app developer
- Android and iOS app developer
-
Application developer
- Software applications programmer
- Web developer
- Entrepreneur
また、コース終了後に、さらなる知識と学位習得を目指し、下記の分野に進学される方もいます。
Bachelor of Information Technology (Honours)
Master of Information Technology (Enterprise Management)
Master of Cybersecurity
Master of Data Science
こんな方にオススメ
モバイルアプリの世界は、今後も発展し、将来性が高い分野ですが、まだまだモバイルアプリケーション開発に特化したコースは少ないのが現状です。
モバイル端末を通じて「使いやすいアプリを提供したい」「日々の生活をさらに便利にしたい!」「人を楽しませる」「とにかく自分が好きなアプリを作りたい」という方には是非参加して欲しいコースです。