フリンダース大学で「動物行動学」を学ぶ

オーストラリアにはさまざまな固有生物が生息しており、コアラやカンガルーなどはその代表的な存在です。
大変な被害となった山火事が原因の一つではありますが、近年オーストラリアの州によってはコアラの数が減少しています。これら個体数の増減については野生のコアラ生存数の確認作業で判明することですが、個体を捕獲してマーキングする従来の手法は、動物に心理的な苦痛を与えると考えられており敬遠されています。
そのため昨年あたりから ドローンを使った赤外線カメラで木の上のコアラを数えることで生存数の確認作業が行われており、いくつかの大学の研究でも用いられていますが、残念ながら、これらの過去の研究は個体を特定するものではなく、動き回っているコアラを二重に数えてしまう危険性が指摘されています。また、ドローンから騒音と赤外線カメラがコアラに与える心理的な影響も懸念されていました。

そんな中、フリンダース大学の動物行動学の教授が率いるチームで、コアラにウェアラブルデバイス(Fitbits)をつけてもらい生活環境におけるストレスなどの推移、また ドローンによる赤外線カメラの影響などを調査されました。その上で、心理的な影響が少ないないことを確認した上で、新しい顔認証ソフトウェアを使いコアラ個体数の確認作業を進める試験運用がされています。

参考:Koalas wearing Fitbits in the Adelaide Hills as researchers develop facial recognition software

フリンダース大学では、オーストラリアの大学の中では数少ない Animal Behaviour (動物行動学)を主専攻に学べるコースがありますし、冒頭のニュースはまさに動物行動学で学べる分野の一つです。

フリンダース大学の動物行動学

オーストラリアの大学では、動物に関して学ぶコースが(獣医学、動物科学、動物学、動物生態学、野生動物保護・保全など)いくつかありますが、その中でフリンダース大学で開講しているBachelor of Science(Animal Bahaviour)は、”動物行動の検証”という観点から学びます。 動物行動学に関連する「適応と進化」、「保全生物学」、「動物福祉の社会的、倫理的な要素」、「生態学」、「生物多様性」、などあらゆる分野をあわせて学びます。

Animal Behaviour 紹介ビデオ


フリンダース大学では 本コースを「科学知識よりも探究心が重要」と紹介しているくらいなので、「なぜ?」 を求め学ぶ姿勢が必要なコースになるでしょう。(もちろん全く科学の知識がなくても良いということではなく、それ以上に学びへの探究心を求めています)


1年生
    【必修(5科目)】
  • Molecular Basis of Life(生命の分子基盤)
  • Introduction to Animal Behaviour(動物行動学入門)
  • Nature of STEM(STEMの本質)
  • Evolution of Biological Diversity(生物多様性の進化)
  • Biostatistics(生物統計学)
    【必修オプション(1科目を選択)】
  • Chemical Structure and Bonding(化学構造と結合)
  • General Chemistry(一般化学)
    【選択(2科目を選択)】
  • Introduction to Biodiversity and Conservation(生物多様性と保全入門)
  • Biology and Society(生物学と社会)
  • Introduction to Marine Biology(海洋生物学入門)
  • Chemistry for Life Sciences(生命科学のための化学)
  • Earth and Environmental Sciences(地球・環境科学)
  • Marine Sciences(海洋科学)
  • Psychology 1A、1B(心理学1A,心理学1B)
  • Film Form and Analysis(映像形式と分析)
  • Introduction to Geographical Information Systems(地理情報システム入門)
  • GIS Airborne and Ground Data Capture for all Disciplines(あらゆる分野のGIS空中・地上データ)
  • Introduction to Tourism Studies(観光学入門)
  • Interpretation for Tourism(観光の解釈)
  • Introduction to Events(イベント学入門)
2年生
    【必修(6科目)】
  • Experimental Design and Statistics for Biology(生物学の実験計画と統計)
  • Animal Diversity(動物多様性)
  • Foundations of Animal Behaviour(動物行動学入門)
  • Genetics, Evolution and Biodiversity(遺伝・進化・生物多様性)
  • Ecology(生態学)
  • Disease and Immunology(疾患と免疫学)
    【選択(2科目を選択)】
  • Biodiversity and Conservation(生物多様性と保全)
  • Television Studies(テレビ研究)
  • Gender, Media, and Technology(ジェンダー、メディア、テクノロジー)
  • Listening Up: Colonialism, Race and Gender(植民地主義、人種、ジェンダー)
3年生
    【必修(6科目)】
  • Restoration Ecology(修復と生態学)
  • Plant Biology(植物生物学)
  • Research in Animal Behaviour(動物行動学の研究)
  • Marine and Freshwater Biology(海洋・淡水生物学)
  • Integrative Physiology of Animals and Plants(動物と植物の統合的な生理学)
  • Conservation and Ecological Genetics(保全と生態学的遺伝学)
    【選択(2科目を選択)】
  • Vertebrate Palaeontology(脊椎動物の古生物学)
  • Science Connect(サイエンス・コネクト)
  • Modelling in Space and Time, Geostatistics and GIS(空間と時間のモデリング、地球統計学とGIS)
  • Research Project in Science(研究プロジェクト)

コースは3年間で合計24科目を履修します。24科目中、18科目を 動物行動学 に関連する必修科目として履修します。
各学年で2科目X3年=6科目は関連性のある科目以外にも、他の学部の授業を選択することも出来ます。

つまり 冒頭のコアラのニュースなどに代表される野生動物の調査で必要なGIS(地理情報システム)はもちろんのこと、環境学、野生動物のための都市計画、持続可能な農業と漁業、保全管理、自然を利用した観光なども選択科目を通じて学ぶことができます。
また、動物との関わり合いで人間のケアをする側面が動物行動学にあるため、1年生の選択授業で心理学教科を選択することもできるように設定されています。

充実したラボ施設、フィールドワーク、キャンプと実践的な授業

フリンダース大学のBachelor of Science(Animal Behaviour) では1年生からラボルーム(研究室)での実験から、フィールドワーク(野外授業)、キャンプ(泊り込み)があり、動物行動に関する実施調査などを行います。

ラボとして利用される バイオロジー・ディスカバリー・センター では、マルチメディアハブとワイヤレス機器を備えた最先端の変形可能なクラスルームがあり、学生はクラスルーム内の個々の実験を開閉式のプロジェクションスクリーンで確認することができます。

さらに特筆すべき点は、800万ドルを投じて建設された バイオロジー・ディスカバリー・センター には動物保護エリアがあります。このエリアには、さまざまな鳥や動物が生息しており(その中には、繁殖コロニーの設立を目指しているGranite Island Penguin など)、擬似的な自然環境の中で動物たちを観察し、飼育を通じてさまざまな場所での習性や変化を観察することができるように設計されています。

フリンダース大学 バイオロジー・ディスカバリー・センター


これらの施設を利用した研究プロジェクトはもちろんのこと、野生動物を扱う実際のフィールドワーク、フィールドトリップ、キャンプを通じて動物行動科学の仕事を実践できるような授業内容です。

実際にコースに参加した留学生の体験談

フリンダース大学のBachelor of Science(Animal Behaviour) コースに参加された学生の中から網干 晴奈さんの体験談を紹介します。
実際の授業内容から、大学1年生、2年生と2回寄稿してくれましたので大学生活も含めご参考ください。
【体験談 1年生】好奇心と情熱があれば大丈夫! 〜フリンダース大学で動物行動学〜
【体験談 2年生】フリンダース大学で動物行動学の学生生活!

入学条件と授業料

Bachelor of Science(Animal Behaviour)へは、日本の高校卒業時の成績次第で、ダイレクトに進学できるか、またはFoundation コースの履修が必要か?が別れます。日本の高校の成績により Foundation 経由での進学になる場合は、アインズバリーカレッジにてフリンダース大学進学に向けた Foundationコースを開講しています。

Eynesbury College の Foundation

コース名Foundation Standard
期間8ヶ月〜1年間
入学1月, 4月, 10月
学費年間 28,000ドル(2022年度)
英語 ・IELTS Academic overall 5.5 (各セクション5.0)以上
出願条件 ・日本の高校2年次を評定3(5段階)以上で修了していること

日本の高校の成績評価が査定により認められた場合は、ダイレクトに進学できます。
IB DIPLOMA をお持ちの方はスコア25以上でダイレクトに進学できます。

Bachelor of Science(Animal Behaviour)

コース名Bachelor of Science(Animal Behaviour)
期間3年間
入学3月, 7月
学費年間 36,500ドル(2022年度)
英語 ・IELTS Academic overall 6.0(Speaking と Writing が 6.0)以上
出願条件 ・日本の高校卒業で、80%以上(生物学の履修済を推奨)の成績
または
・Eynesbury College の Foundation Program を 350 以上の成績で修了
または
・IB Diploma 25点以上

出願に向けての準備


1. まずは英語試験を受験してください
まずはIELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
日本英語検定協会
http://www.eiken.or.jp/ielts/
JSAF
http://www.jsaf-ieltsjapan.com/?p=431
IDP Education
https://ieltsjp.com/
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合は大学付属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願書類4点をご準備ください
出願には下記4点の書類をご準備ください。
  • 高校の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • 高校の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
  • パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、オンライン申込みフォームを送信してください。当社にて出願手続きをスタートします。

当社について、安心の現地サポート


オーストラリア専門の無料留学エージェント
当社オーストラリア留学センターは、日本に東京オフィス、そしてオーストラリア国内の主要6都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、アデレード、パース)に自社の現地サポートオフィスを構え、全オフィスに日本人スタッフが常勤している唯一の日本エージェントです。

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エージェント選びにおいて、そのエージェントから提供される情報量と質、提案力はもちろん、自分が留学する都市にそのエージェントの自社オフィスがあるのか?日本人スタッフが常勤しているのか?も重要なポイントとなります。留学はスタートしてからが本番です。留学前の準備段階において無駄なお金や時間を費やさないよう利用するエージェントはしっかり見極めて選びましょう。
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豪政府認定教育カウンセラー資格

当社のカウンセラーはオーストラリア政府公認の教育カウンセラー資格保持者QEACとして正式に登録されており、オーストラリア留学のアドバイス、進学プラン提案をする上で高い専門知識を保有するプロフェッショナルです。

また、オーストラリアの各大学も認定する留学エージェントを厳選しており、近年、有資格カウンセラーが所属していることを条件としている大学が増えています。

留学会社選びはもちろん、担当カウンセラーが「PIER認定のQEACに登録されているかどうか」もエージェント選びの重要なポイントです。利用するエージェント選びの基準にされると良いでしょう。
当社のQEAC登録カウンセラーは「オーストラリア政府認定留学カウンセラー資格(QEAC/PIER)」をご覧ください。

留学相談&お問い合わせ


当社オーストラリア留学センターはフリンダース大学を含む全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。

同学以外にも映像・映画製作を学べる大学は複数あり、学力、英語力、希望内容、ご予算など詳しくお伺いしたうえで、おひとりおひとりに合う大学をご提案しております。
オーストラリアの大学進学は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください
※備考※
・本記事は2021年9月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2022年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=82円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I009)
オーストラリア歴は24年目になりました。QLD州、NSW州、SA州の主要都市で仕事と生活していましたので、都市の違いから皆さまの目的に沿ったベストなアドバイスを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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