シドニー大学で学ぶ野生動物保護



地球上には多くの野生動物や生物が存在していますが、産業の発展や気候変動などによる環境の変化が進む中で、生態系のバランスが崩れ始めています。このバランスを保つことは、人も動植物も共存するために重要であることから、動物保護や環境保護に関する研究や活動が進められています。

各国では固有の動物を守るための取り組みが行われ、研究者たちは人間と野生動物の共存方法を探り、コミュニティを巻き込んだ活動も展開しています。これらの努力は、地球の未来を守るためにますます重要な課題となっています。

シドニー大学では、動物の保護活動や教育において高い専門性を持つタロンガ動物園とパートナーシップを組み、Taronga Wildlife Conservationコースを開講しています。



目次

オーストラリアで動物保護を学ぶ理由

戦後、世界では経済成長が進むにつれ環境汚染も進み、動植物も影響を受けるようになってきたことから、1960〜1980年代を中心に環境保護や絶滅危惧種の保護に関する法律が成立しました。そして、先進国では、共通の課題として「外来種から固有の在来種を守ること」「野生動物の生息地を確保すること」「気候変動や産業による環境汚染」が大きなテーマになり、研究が進められています。


特に、オーストラリアは、固有の動植物が多くいるため、絶滅危惧種や外来種問題についての研究が盛んです。国立公園や保護地区も多く、保護活動や生態系の管理が行われています。また、国際的なネットワークも広がっており、大学や研究機関が提供する野生保護活動のプログラムも充実しています。そのため、一般の人々への教育も進んでいます。

日本でも国立大学を中心に教育や研究が行われていますが、オーストラリアの大学は以下の点で日本より進んでいると言われています。

フィールドワークの充実度

オーストラリアには国立公園や保護区がたくさんあり、政府と非営利団体の連携により、特有の生態圏でのフィールドリサーチがしやすい環境が整っています。また、大学の研究設備も充実しているため、動植物の研究や観察が行いやすい環境があります。

保護施設と動物園

オーストラリアでは、野生動物の保護に特化したセンターやリハビリテーション施設が多く、外来種の駆除や絶滅危惧種の保護に力を入れています。また、動物園も含め各施設では教育活動も盛んに行われており、一般の人々も参加できるプログラムが多く用意されています。

以上のように、オーストラリアで野生動物保護を学ぶことで、実践的で進んだ「絶滅危惧種の保護や外来種の駆除」「法律の整備」「先進的な保護手法」などを、日本の野生動物保護活動に活かすことができます。


シドニー大学の動物保護コースの特徴

シドニー大学のBachelor of Wildlife Conservation(Taronga)コースは、2024年まで4年間のコースが開講されていましたが、動物保護関連業界からのフィードバックを踏まえ改定され、2025年より3年間のコースがスタートします。

このコースは、「次世代の野生動物保護専門家」のために作られたコースで、下記4つの特徴を持っています。

タロンガ動物園の専門家からから学べる

動物の保護活動や教育において高い専門性を持つ「タロンガ動物園」とパートナーシップを組んでいることから、動物保護に関する実践的なスキルや知識を直接学ぶことができます。

【タロンガ動物園】
シドニーにある動物園。野生動物保護や教育に積極的に取り組んでおり、オーストラリア国内だけでなく国際的な保護プログラムにも積極的に参加、海外の絶滅危惧種の保護活動にも関与しています。国際的な連携、研究機関のとの連携、教育活動の多様化において特に優れた動物園です。


学際的な統合カリキュラムで学べる

他のオーストラリアの大学の中でも、環境科学、生態学、政策など、さまざまな分野を統合したカリキュラムが強みです。また、近隣の国立公園や保護区でのフィールドワークなどもあり、実践的かつ多角的に学ぶことができます。


ネットワーキングに強い

シドニー大学は他大学に比べ国際的な研究者や団体との連携が強く、特に、医学、環境科学、ビジネス分野において世界中から専門家が集まる大学です。そのため、環境保護や野生動物管理に関しても専門家が集まり、卒業生ネットワークが世界に広がることから、インターンシップや職業体験の機会活かすことができるネットワーキングに強い大学です。


世界ランキングが高い

環境科学分野では、QS世界大学ランキング2024年で58位(オーストラリアで5位)となり、雇用率ではオーストラリア2位と産業界からも評価をされています。



*タロンガ動物園とのパートナーシップで開講されていたBachelor of Science and Bachelor of Advanced Studies (Taronga Wildlife Conservation) は、2025年からBachelor of Wildlife conservationにリニューアルされました。

動物保護コースのカリキュラム

このコースは、生態学と保全管理+動物・獣医学の2つの分野が組み合わされたものとなり、「野生動物に関する専門知識と科学的概念」、「自然保護の課題に取り組む方法」の習得を目指しています。


コースのカリキュラムは、「サイエンス必修+動物保護コースの主専攻+選択授業」となっており、主専攻は下記から選びます。卒業単位は144単位(およそ24科目)です。

・動物の健康、疾病、福祉
・生物学
・環境学
・遺伝学とゲノム学
・海洋科学

サンプルタイムテーブル

コース:Bachelor of Wildlife Conservation (Tronga)
学部必修科目(2科目+1000レベル 2科目)
Sydney Science 2050: Towards the Future(シドニー・サイエンス2050 未来に向けて)
Foundations of Data Science(データサイエンスの基礎)
Discrete Mathematics for Computation(計算のための離散数学)
Mathematics 1B(数学1B)

主専攻:タロンガ野生生物の保護(8科目*)
From Molecules to Ecosystems(分子から生態系へ)
Life and Evolution(生命と進化)
Biology Experimental Design and Analysis(生物学 実験デザインと分析)
Ecology and Conservation(生態学と保全)
Wildlife Conservation(野生生物保全)
Ecology(生態学)
Taronga Project(タロンガ・プロジェクト)
Taronga Interdisciplinary Project(タロンガ学際プロジェクト)

*必修:1000レベル2科目、2000レベル2科目、3000レベル3科目/選択:3000レベル学際的プロジェクト 1科目

主専攻1:動物の健康、疾病、福祉(8科目**)
Introductory Veterinary Pathogenesis(獣医病態学入門)
Microbiology(微生物学)
Animal Behaviour and Welfare Science(動物行動学・福祉学)
Agents of Disease(疾病の原因物質)
Animal Health and Disease(動物の健康と疾病)
Laboratory Disease Investigations(実験室での疾病調査)
など

*必修:1000レベル1科目、2000レベル2科目、3000レベル1科目/選択:1000レベル1科目、2000レベル1科目、3000レベル(学際的プロジェクト含) 2科目

選択科目など(4科目)
サイエンス選択科目、オープンラーニング科目から4科目


【注】Bachelor of Wildlife Conservation (Tronga)は、既存コースからアップデートされた新しいコースであるため、2024年までのTaronga Wildlife Conservation(Major)を参考にサンプル科目をご案内しています。2025年に変更の可能性がありますのでご留意ください。

卒業生の進路


予想される就職先、就労部署は下記となります。

就労先 ・野生動物保護関連団体/企業
・持続可能性を扱う団体/企業
・環境コンサルティング会社
・動物の健康と繁殖の研究機関/団体/企業
・政府や公的機関などの政策立案部署
・NGO団体
・教育関連団体/企業
・ビジネスと分析を扱う部署
・遺伝学を扱う部署
など

動物保護コースへの進学方法



高校を卒業してからシドニー大学へ進学する場合、2通りの進路があります。

1. ファウンデーションコース経由で大学に入学する(日本の普通高校卒業から)

シドニー大学提携カレッジであるTaylors College(テイラーズカレッジ)では、シドニー大学進学向けファウンデーションコースを開講しています。日本の高校を卒業後、ファウンデーションコースを規定の成績で修了すると、Bachelor of Wildlife Coservationコース1年次に入学できます。

【成績条件】GPA 6.9 以上
【英語条件】C 以上

USFPファウンデーションプログラム(スタンダード)入学要項
条件日本の高校卒業(GPA 2.5以上/5教科の上位4科目の平均)
英語IELTS5.5以上(各5.5以上)
入学2月/7月
期間52週間(4ターム)
学費A$46,450(約465万円)(2025年度)、入学金A$370、教材費A$220
【注】入学金、教材費は2025年費用が発表され次第、変更の可能性があります。

英語力によって期間の異なるUSFPファウンデーションプログラム、成績優秀者のHAPPファウンデーションプログラムもあります。
詳細は、シドニー大学進学~テイラーズカレッジ~をご参照ください。

Future Leaders Award奨学金
現在、テイラーズカレッジでは、ファウンデーションプログラムに入学予定の日本国籍の方で査定をパスした方を対象に学費20%オフになる奨学金をオファーしています。
【通常】年間A$46,450(約465万円)- A$9,290→【奨学金後】年間A$37,160(約372万円)
※学校の都合により、予告なく終了となる可能性があります。

2.大学に直接入学をする(IBや海外の高校卒業)

下記の「成績条件+英語力条件」を満たしていれば、直接大学に入学できます。

【成績条件】IB 29以上+
【英語条件】IELTS 6.5以上(各スコア6.0以上)
+海外の高校卒業の場合、国や州により条件が異なります。ご相談ください。



【予防接種要件】

このコースを受講する学生は、破傷風の予防接種が必須です。またQ熱については必要がある場合、予防接種を求めらることがあります。詳細については、こちらをご参照ください。

Bachelor of Wildlife Coservation 入学詳細・費用


入学要項
【入学】2月、7月
【学費】年間A$57,700×3年間=A$173,100(約173.2万円)(2025年度)
【条件】シドニー大学ファウンデーションプログラム(USFP)6.9以上(科目ごとの規定あり)
【条件】英語力 IELTS 6.5以上(各スコア6.0以上)/TOEFL IBT 85(R,L,S 17/W 19)
【IB】29以上
【キャンパス】Camperdown/Darlingtonキャンパス・+Mosman(Taronga Conservation Society)

※その他、留学生保険OSHCが月A$60ほど、教材費適宜、施設使用料学期ごとA$200ほどかかります。
※学費は年間5%ほどずつ上がることが予想されます。
コース詳細ページ

2025年入学者向け奨学金
現在、シドニー大学では、2025年に大学に入学をされる日本国籍の方で査定をパスした方を対象に学費20%オフになる奨学金をオファーしています。入学条件を満たし、エッセイの審査にパスをするともらえる奨学金となりますので、出願時にエッセイを提出する必要があります。詳しくはこちらをご参照ください。
【通常】年間A$57,700(約577万円)→【奨学金】年間A$46,160(約462万円)
【3年間合計】A$173,100→A$138,480

留学相談&お問い合わせ先


当社オーストラリア留学センターは現地の無料エージェントであり、シドニー大学を含め、全豪多数の大学の公式出願窓口となっており、ご相談~出願手続き~現地生活サポートまで無料でご利用頂けます。
お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください
※備考※
・本記事は2024年10月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2025年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレートA$1=100円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。



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