地球上に残された秘境であり、人類の未来を左右する気候変動の鍵を握る場所・・・それが「南極」と、それを取り巻く「南氷洋」と言われています。 南氷洋は地球全体の熱や二酸化炭素を吸収する巨大な「ショックアブソーバー(緩衝材)」として機能しており、その動向を理解することは、地球の気候変動(鼓動)を理解することに他なりません。
この未知なる領域を解明する「知の最前線」として、世界の研究機関から注目されているのが オーストラリアのタスマニア州にある
タスマニア大学 (University of Tasmania) 海洋南極科学研究所(Institute for Marine and Antarctic Studies / IMAS)です。
IMASでは、Fisheries & Aquaculture(水産養殖)、Ecology & Biodiversity(エコロジー&生物多様性)、Oceans & Cryosphere(海洋&雪氷圏)の3つのリサーチセンターがあります。
海洋学・海洋科学・海洋生物・海洋資源などの各世界ランキングで高い評価を受けており、タスマニア大学卒業後は海洋学のプロフェッショナルとして、海洋政策や海洋資源開発に携わったり、水産養殖や海洋物流の分野、また研究者としてのキャリアに進むことができます。
CWUR(Center for World University Rankings Marine & Freshwater Biology(海洋淡水生物学) 世界 2位
ARWU (Global Ranking 2025) Oceanography(海洋学) 世界 8位(国内 1位)
QS World Rankings (2025) Earth & Marine Sciences(地球海洋科学) 世界 51-100位
THE Impact Rankings (2025) SDG 14: Life Below Water(海洋資源の保全と持続可能な利用) 世界 14位
THE Impact Rankings (2026) SDG 13: Climate Action(持続可能な開発目標) 世界 1位
南半球最大の海洋・南極研究「知の集積地」
タスマニア、特に州都ホバートは、南半球において海洋・南極研究者が最も密集している都市です。
学内の施設には、最先端の技術が集結しており、IMASの学生は、世界トップクラスの研究者たちと日常的に肩を並べて学びます。
IMAS ホバート・ビルディング
統合海洋観測システム(IMOS)や南氷洋観測システム(SOOS)の本拠地でもあり、グローバルなデータ観測の中枢を担っています。
■IMASの紹介動画
VIDEO
IMOS(統合海洋観測システム)
オーストラリア政府が資金を提供している国家的な研究インフラプロジェクトです。全豪各地の沿岸から外洋にかけて、衛星、自律型水中ドローン(グライダー)、センサー付きの係留系など、多種多様な観測機器を配備しています。収集された膨大なデータは「AODN(Australian Ocean Data Network) 」を通じて世界中の研究者に無料公開され、海洋環境の変動や気候予測に役立てられています。
SOOS(南氷洋観測システム)
南極周辺の南氷洋(Southern Ocean)に特化した、国際的な観測連携プラットフォームで MAS内に国際事務局が置かれています。世界各国の研究機関と協力して、物理・化学・生物学的な観測データを統合・共有することを目指しています。地球全体の気候に多大な影響を与える南氷洋の現状を把握し、海氷の減少や海洋生態系の変化を長期的に監視する役割を担っています。
世界でも非常に珍しいコース
“Marine and Antarctic Science”(海洋・南極科学)という名称を冠した学位は、世界でも非常に珍しいコースです。
“Marine Science”(海洋科学)を専攻とする大学は数多くありますが、タスマニア大学の特徴として “Antarctic”(南極) と入れている大学は世界でも極めて限られています。他国の 南極研究に強い他校でも、学位名自体は「海洋学」であることが多いです。
なぜ「世界で唯一」と言われるのか?
タスマニア大学が「世界で唯一の学習体験」を謳うのには、以下の物理的な理由があります。
■南極への最短距離
ホバートは世界に5つしかない「南極へのゲートウェイ(玄関口)」の一つです。
■政府機関との完全統合
キャンパスの至近距離にはオーストラリア連邦科学産業研究機構(
CSIRO )、オーストラリア南極局(
AAD )、南極海洋生物資源保存委員会(
CCAMLR )といった国際機関が集結しており、学生はこれらの専門家から直接的な指導を受けるという、他では得がたい機会を得ることができます。
■専用の観測船とフィールド
学生が実際に南極海域に近い環境で、最新の砕氷船や観測技術に直接触れながら学べるプログラムは、他に類を見ません。
単なる海洋学ではなく、「南極海域の物理・生物・政策」を一貫して学べる「唯一の総合パッケージ」として世界中から学生が集まっている事実から「タスマニア大学と同じ経験ができる学位」は他にない、といえます。
Bachelor of Marine and Antarctic Science
タスマニア大学の南極海洋学学士号コースの詳細はこちらとなります。
入学概要
入学月
2月、7月
期間
3年間
キャンパス
ホバート
学費(年間)
2026年度:A$47,450(日本円で年間 約546万円)
英語力
以下のいずれかをクリアすること
IELTS Academic 6.0(各セクション 5,5)以上
PTE Academic 50 (各セクション 42 以上)以上
タスマニア大学付属語学学校のEAP2(進学準備英語)を60%(各セクション 55%)以上
入学条件
以下のいずれかをクリアすること
日本の高校の成績2.75以上(5段階評価)
IB Diploma(国際バカロレア)24以上
タスマニア大学のファウンデーションコースを終了すること
科目条件
上記の成績があれば大学直接入学ができる可能性がありますが、後述する専攻で必要な前提科目条件が異なります。
Marine and Antarctic Governance、Sustainable Aquaculture, Marine Resource Management の3つのいずれかの場合は、特に高校での履修科目は問われませんが、Marine Biology と Oceans, Ice and Climate の専攻は、高校時代の前提履修科目が問われますのでご注意ください。
Marine Biology 専攻:Chemistry (科学)、General Mathematics (数学)
Oceans, Ice and Climate 専攻:Mathematics Methods (数学)Physical Sciences (物理と化学)
Marine and Antarctic Governance 専攻:特になし
Sustainable Aquaculture 専攻:特になし
Marine Resource Management 専攻:特になし
専門一覧
Marine and Antarctic Governance 南極海洋ガバナンス
「Governance:ガバナンス」という言葉が入っていることからわかるように、南極海洋学とその地域における国際政治の枠組みや政策的な理解を深めます。
1年次に南極海洋学、政治・公共政策、国際関係等の基礎を学び、海洋資源や生態の保全、南極海の国際的な枠組みの策定等、複雑な南極海におけるガバナンスについて学びます。
Marine Biology 海洋生物学
海洋生物学では、温帯海洋、南洋、南極の生態系に生息する植物や動物について、微細なプランクトンや大型生物について学びます。卒業生は、世界で通用する海洋生物学の幅広いスキルと知識を身につけることができます。
Oceans, Ice and Climate 海洋学
海の気候や気温、海流、南極の氷や海面レベルの変化、気候システムにおける海洋の役割について学ぶことができます。
1年次に南極海洋学の基礎や、海洋物理学に必要な数学を学び、海洋データの採取や分析、海流のモデリングや気候変動の影響等、知識を深め実践に結びつけていきます。
Marine Resource Management 海洋資源マネジメント
人口が増え続け資源の確保が急務となる一方、環境への負荷も増大しており、その影響は南洋にも大きく現れています。
海洋科学や海洋生態学、生物学、微生物学、データ分析等を1年次に学び、海洋資源や海洋生物の経済、海洋資源開発や環境評価等の知識を深め、海洋資源開発について考えていきます。
Sustainable Aquaculture 持続可能な水産養殖
水産養殖分野において「サステナビリティ」は重要なキーワードです。産業界のニーズも汲みながら、環境への影響も配慮しつつ、経済活動の持続可能性を探っていきます。
海洋科学や生物学、生態学、海洋生物の行動学等について学び、海洋生物のヘルスや栄養学、養殖方法、環境評価等、水産養殖に直接かかわる分野を深めていきます。
Master of Marine and Antarctic Science
タスマニア大学の修士課程(Master of Marine and Antarctic Science)では、学士号と同様、南氷洋特有の生態系や物理現象をダイレクトに研究対象とする「贅沢な学び」が約束されています。その教育を支える「情熱」は 学部の学生から研究者まで、IMASに集う人々には共通のパッションが流れています。
入学概要
入学月
2月、7月
期間
2年間
キャンパス
ホバート
学費(年間)
2026年度:A$48,450(日本円で年間 約557万円)
英語力
以下のいずれかをクリアすること
IELTS Academic 6.0(各セクション 6.0)以上
PTE Academic 50 (各セクション 50 以上)以上
タスマニア大学付属語学学校のEAP2(進学準備英語)を60%(各セクション 60%)以上
入学条件
学士号にて・生物学・化学・環境学・動物学・植物学・海洋生物学・生命科学系のコースを修了していること。
Governance and Policy 専攻の場合、生命科学に関する科目を学んでいれば、公共政策等の分野の学士号でも入学が認められます。
専門とカリキュラム
1年目
1年目は4つのコア科目と、こちらの専門から学ぶ分野を決めて4つの科目を学びます。
– Fisheries Management:漁業管理
– Sustainable Aquaculture:持続可能な水産養殖
– Marine Biology:海洋生物学
– Governance and Policy:ガバナンスと政策
2年目
2年目は、Research StreamもしくはProfessional Streamに分かれます。
Research Streamはその名の通り研究を行うストリームで、1年目の成績が優秀でなければ選ぶことができません。Professional Sreamでは、2つ目の専門を学ぶことができます。
*Graduate Diploma of Marine and Antarctic Science(1年間)のオプションもあります。
奨学金
タスマニア大学の学士号・修士号ともに、過去の学業成績の優秀者には学費25%免除の奨学金(Tasmanian International Scholarship)が給付されます。
奨学金 Tasmanian International Scholarship (TIS)
内容 授業料の25% 減免(所定の成績維持が条件で卒業まで適応されます)
対象者 新規に入学する留学生(学士課程または修士課程のコースワーク)
選考基準 学業成績(Academic Merit)に基づきます。
過去の学業成績(高校、専門学校、大学など)が審査対象
国によって採点基準が異なるため、大学側が個別に換算・評価
申請方法 別途の申し込みは不要
大学へ出願と同時に自動審査
奨学金適応の場合のみ Offer Letter内に記載
注意点(対象外のコース)
医学(Bachelor of Medical Science and Doctor of Medicine)
認知症ケア(Bachelor of Dementia Care)
AMCの船員養成コース(Seafaring courses)
また、すでにタスマニア大学に在籍している学生は申請不可(あくまで入学時のみ)。原則として他の授業料減免型奨学金との併用はできず、最も条件の良いものが適用されます。
■参考:2026年度の Tasmanian International Scholarship(25%免除)が適用された場合のそれぞれの学費はこちらです。
学士:年間A$47,450 → A$35,587.50 (日本円で年間 約409万円)
修士:年間A$48,450 → A$36,337.50 (日本円で年間 約418万円)
タスマニア大学への進学
海洋・南極科学では世界でも唯一と言って良い学びを得る機会が、タスマニア大学にはあります。
留学カウンセラーの齋藤 新(さいとう あらた)より
例えば Bachelor of Marine and Antarctic Science に興味のある学生は、次のステップとして何を専攻するか?を考えてみましょう。
【海藻や南極のクジラを現場で守りたい】
↓
Marine Biology(海洋生物学)専攻がオススメ
この専攻では「タスマニアの巨大なケルプ(海藻)から、南大洋の鳥類や哺乳類(クジラなど)」までを対象としており、現場での研究デザインや実践的な保全活動を学びます。
【Pythonや数式を駆使して、地球の気候メカニズムを解明したい】
↓
Oceans, Ice and Climate 専攻がオススメ
この専攻では「プログラミング基礎(Pythonを用いたアルゴリズム思考の構築)」や「数学」といった科目が組み込まれており、南極の研究者が日常的に使用しているオープンソースソフトウェアを活用して、膨大な科学的データを処理・分析するスキルを学びます
【国際会議の場で、南極を守るための新しい政策を提案したい】
↓
Marine and Antarctic Governance(海洋・南極ガバナンス)がオススメ
この専攻では 南極条約体制や国際関係、環境政治などを多角的に学び、意思決定者に対して政策を提言するコミュニケーション能力を養います。
【水産資源を守りながら、持続可能な漁業のための仕組みをデザインしたい】
↓
Marine Resource Management(海洋資源マネジメント)がオススメ
この専攻では「食糧確保(漁業)」と、「海洋環境・生態系の保護」という2つのバランスを取り、海洋資源を持続可能かつ公平に利用するためのアプローチを追求する専攻です。
【テクノロジーと生物学で、未来の環境に優しい食糧生産(養殖)システムに貢献したい】
↓
Sustainable Aquaculture(持続可能な水産養殖)がオススメ
急速に成長している食糧生産分野である「水産養殖」において、環境への負荷を抑えながら安全な水産物を生産するための技術とイノベーションを学ぶ専攻です
上記のいずれかに興味が 当てはまるなら 海洋・南極科学 はオススメです。
出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験 を受験しましょう。
IELTSスコアは足りない場合は大学付属属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類4点を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
IELTS(Academic) の スコア結果
パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォーム を送信してください。その後、正式に出願手続きへ進みましょう。
留学相談&お問い合わせ
当社オーストラリア留学センターはタスマニア大学を含む
全豪28大学 の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、さらに現地サポートまで
すべて無料 で提供しております。学力、英語力、希望内容、ご予算など詳しくお伺いしたうえで、おひとりおひとりに合うプランをご提案しております。
・本記事は2026年4月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2026年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、弊社の取得できる最新の為替レートにて計算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。