日本の公認会計士資格の勉強をしているという大学生や、すでに日本の公認会計士資格を取得して働いているという社会人の方から留学の相談をいただくこともあります。この記事では、日本の公認会計士資格を活かしてグローバルに活躍するキャリアを描いている方向けの留学プランをご紹介します。
オーストラリアで会計学を勉強して「日本の公認会計士」を目指すことはできるの?
残念ながら、オーストラリアの公認会計士資格は、CPA 、CA、IPAともに日本の公認会計士資格とは互換性がありません。また、日本の会計法とオーストラリアの会計法は基準となる考え方が大きく異なります。ですから、日本の公認会計士資格を取得して日本をベースに働きたい方は日本で国家試験にチャレンジすることをおすすめします。
オーストラリアで会計学を勉強してUSCPAを取得することはできるの?
将来、グローバルに活躍するために「日本の公認会計士」とあわせてUSCPAを取得したいというご相談もよく受けます。
CPA Australiaなどのオーストラリアの公認会計士資格は、USCPAと互換性があります。ただし、資格そのものを切り替えるのではなく、条件を満たせばCPA Australiaの資格を使って米国で公認会計士として働けるというものです。こちらの条件にはオーストラリアの市民権やオーストラリアで働く権利のあるビザを持っていることなどが含まれるため、日本をベースに働く場合には活用するのは難しいでしょう。
英語で会計学を学ぶという点については同じですが、オーストラリアの会計法と米国の会計法は基準となる考え方が大きく異なります。会計用語を英語で理解するという点においては、オーストラリアで会計学を学ぶ意義はあると思いますが、USCPAが必要な方は、USCPAの講座などでしっかり学ぶことをおすすめします。
グローバルに活躍する「日本の公認会計士」
では、日本の公認会計士資格取得を目指す方、日本の公認会計士資格を持って働いている方がオーストラリアに留学するのはキャリアとして遠回りなのでしょうか。
実は、日本の公認会計士資格を活かしてグローバルに活躍している方はたくさんいます。
ボーダーレス化する社会ですから、例えば、大手監査法人(いわゆる「Big 4」と提携している4大会計事務所)には国際部があり、また、海外出向などにより、海外にある日系企業の監査や税務、海外進出のサポートなどを行っています。
また、日系企業が海外子会社を新設する場合、経理・財務部門の責任者を現地に置くケースも少なくありません。1つの企業で働く場合、公認会計士の資格は不要ですが、確かな知識とスキルがある人材が必要であり、公認会計士資格や公認会計士として働いた経験をその証明として採用条件とする場合もあります。
日本の公認会計士資格を持つ人の中には、国連機関で働いている人もいます。国際機関で働く留学経験者の話
※1にもありますが、国際協力の領域では特に、大学で何を学び、どんな学位・資格を持っているか、それが将来の方向性と合っているかを、すごく見らるとのことで、やはり確かな知識とスキルがある人材として公認会計士資格や公認会計士として働いた経験が活かされるポジションもあります。
※1: 『留学後、どうしてる?ー世界の国際協力の現場で、難民支援に携わっていますー』
このようなポジションで活躍するには、公認会計士資格に加えて、英語力・日本とは異なる考え方への理解と対応力・マネジメント力などが問われます。これがまさに、オーストラリア留学で身につけられるスキルです。
「日本の公認会計士」のキャリアと留学プラン
そのようなスキルを身につけ、日本の公認会計士としてグローバルに活躍するキャリアを描く場合、どんな留学プランがあるのでしょうか。
大学生の場合
例えば、大手監査法人や海外展開する日系企業などに就職して海外出向を目指す場合、やはり高い語学力が求められます。大学生の間に長期語学留学をして
CEFR C1レベルの英語力(TOEIC 800~950 / IELTS 6.5~7.5 / Cambridge FCE~CAE)を取得する、すでに一定の英語力がある方はスタディーアブロードなどで
専門知識を英語で議論できるようになるのはどうでしょうか。
日本の公認会計士資格試験に向けての勉強が中断してしまう心配もあると思いますが、最近はオンライン講座も一般的になっています。英語の勉強と公認会計士資格取得試験対策を並行するのは大変かもしれませんが、留学時期の選び方や留学中のタイムマネジメント次第ではないでしょうか。
【長期語学留学・スタディーアブロードの詳細】
CEFR C1レベルを目指す長期語学留学
専門知識を英語で議論できるようになるスタディーアブロード
「日本の公認会計士」資格を取得して働いている社会人の場合
すでに日本の公認会計士資格を取得し、働いている社会人の方は、休職制度や転職の間のギャップなどを利用してMBA(Master of Business Administration: 経営学修士号)を取得するのはどうでしょう。MBAは通常1.5~2年ですが、ビジネス関連学部を卒業している場合や、職歴次第では1年でMBAを取得できる大学もあります。経営に必要な知識やスキルを幅広く学ぶ企業のリーダー(マネージャー)を育てるプログラムなので、経営目線での広い視野やマネジメントスキルを必要とするシニアポジションへのキャリアアップなどを目指すことができます。
また、グローバルな環境の中での振る舞い方・自分の常識ではあり得ないことが起こったときの対処の仕方・これまでの自分になかった考え方など、問題解決力の向上や視野の広がりを「留学をとおして成長したと思うこと」としてあげる留学生は多いです。これらのグローバルに活躍するために必要なスキルの取得も期待できます。
【1年間で取得できるMBA】
大学名 |
フリンダース大学 (Flinders University) |
コース名 |
Master of Business Administration Future Business |
入学時期 |
3月、7月、10月 |
学費 |
2025年度 A$62,100(約596万円) |
入学条件 |
・学士号(Bachelor Honours)を 修了 (職歴・役職不問)
または
・関連する学士号(Business, Management,Commerce,Economics など)を修了(職歴・役職不問)
・推薦状(2名) |
英語 |
IELTS Academic Overall 6.5(各セクション 6.0)以上 |
ランキング |
2025 Times Higher Education World University Ranking 301〜350位内 |
詳細 |
『フリンダース大学でMBA』
※1年間という短い期間でありながら、WILにて 最大26週間のIndustry Placement(現場実習/インターンシップ) への参加も可能です。 |
大学名 |
マードック大学 (Murdoch University) |
コース名 |
Master of Business Administration |
入学時期 |
1月、5月、8月 |
学費 |
2025年度 A$55,620(約534万円) |
入学条件 |
・学士号(Bachelor)修了+ 2年以上の管理職経験 |
英語 |
IELTS Academic Overall 6.0(各セクション 6.0)以上 |
ランキング |
2025 Times Higher Education World University Ranking 401〜500位内 |
※その他のMBAコースは『オーストラリアでMBA取得』を参照ください。
ここに挙げたのは、留学プランの例です。みなさんそれぞれの状況(目的、キャリア、英語力、職歴、最終学歴(学業成績)、留学期間、予算など)によって、ご案内できる留学プランはさまざまです。
オーストラリア政府認定留学カウンセラーと一緒に留学プランを考えましょう。
オーストラリアの公認会計士を目指す場合
これまでの経験や知識を活かしてオーストラリアの公認会計士を目指すこともできます。ただし、前述のように「日本の公認会計士」資格との互換性はありませんので、1からチャレンジすることになります。
詳しくは『
オーストラリアで会計士を目指す』を参照ください。
留学相談&お問い合わせ

当社オーストラリア留学センターはご相談から出願手続き、更に現地サポートまで
全て無料で提供しております。また、
全豪29大学の公式出願窓口となっています。
「日本の公認会計士」資格を活かして、グローバルに活躍するキャリアを描いている方、
お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
※備考※
・本記事は2024年10月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2025年度学費(コースの総学費)をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=96円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。