会計学を学びたいと考えている方からよく聞かれる質問を現役大学院生に聞いてみた 2

現役の会計学部の学生へインタビュー第二弾。オーストラリアの会計学部への進学を考えている方から、よく聞かれる質問に答えてもらいました。

Interviewee
Ryoさん | The University of Sydney | Master of Professional Accounting and Business Performance | 在学中
日本の大学の英米学科を卒業。在学中からグローバルに働くことを見据え、「英語+α(専門)が絶対に必要だ」と感じ、大学の授業と並行してUSCPAを学ぶ。大学卒業後はすぐに大学院へ進学することが決まっていたが、オーストラリアの新学期が7月からのため、4か月のギャップを使って大学病院の経理課での勤務を経験。日本企業の財務部でのインターン経験もあるそうです。


会計的なバックグラウンドがないと、会計学を学ぶのは難しいですか?

ーオーストラリアの大学院の会計学修士課程は会計分野の学士号がなくても進学することができます(*1)が、会計学的なバックグラウンドがないので不安という方もいます。

留学生活は、最初は新しい環境や生活に慣れながら授業を受けることになります。まったく無理とは思いませんが、留学で初めて会計学に触れるとなるとかなり大変かもしれません。実際に、日本でUSCPAを学び始めたときは会計の知識もなく、すべてが「何これ?」という状態でした。ただ、当時は一人暮らしにも慣れ、自分の生活のペースをつかんでいたので、勉強だけに集中することができたのが、留学で初めて学ぶ状態との違いだったと思います。

ー会計分野に初めて触れるという方は、事前に英語コースなどを受講して、生活基盤を整える時間をつくるなどのプランを組んでおくとよさそうですね。宮前さんは、直接大学院に入学されましたが、そういった点でも、USCPAを留学前に取得しておいてよかったと思いますか?

簿記などの基本的な内容はオーストラリアで学ぶ会計学と同じです。それまで会計学の知識は一切なかったので、USCPAを学んでおくことで、スムーズに大学院の授業に入っていけたと思います。

ーUSCPAを取得し「英語+α」を身に付けることができたと思います。さらに留学して会計学修士を学びたいと思ったのはなぜですか。

大都市からは遠く離れた地方の出身なので、もっと広い世界を見てみたいという思いがずっとあり、いつか留学したいという憧れがありました。社会人になってからでも留学は可能かもしれませんが、やはり人生において自由な時間が多い20代前半にやりたかったことを思いっきりやりたいと留学を決めました。この留学は、キャリアだけでなく、人生においても自分にとって大きなターニングポイントになると感じています。

また、大学院ではより実践的で深い学びができるのが大きな違いです。例えば、選択科目では、4大会計事務所の1つから提起された実際のクライアントの問題を議論し、プレゼンするという科目を受講しました。このような業界・専門実務を扱えるのも魅力ですが、それについて様々な人の意見を聞いたり、議論ができるというのも大きな成長につながっていると思います。

数学が苦手なのですが、会計学を学ぶのは難しいですか?

ー会計学はビジネスの重要な部分を担うため興味を持つ方も多いですが、「会計学=数字」のイメージが強く、中には学んでみたいけど数学が苦手なので不安という方もいます。

文系なので数学は得意というわけではありません。「会計学=数字」というより「会計学=数学」のイメージになっていると思いますが、実際には計算とシンプルなグラフの動きが分かれば大丈夫だと思います。

英語で学ぶのって難しいですか?

ーどの学問でもそうですが、専門用語も多い大学や大学院の授業に英語でついていけるか不安という方も多いです。

USCPAで会計の専門用語を英語で習得していたというのもあると思いますが、英語や専門用語で困ったことはありません。クラスメイトの多くは中国からの留学生ですが、彼らのアクセントが聞きづらいと思ったこともないです。

ー英米学科を卒業されており、英語に苦手意識がないというのも大きいと思いますが、小さい頃から英語に興味があったのですか?

前述のとおり、海外への憧れはありましたが、特に具体的に動いたことはなく、高校も公立高校の普通科でした。本格的に英語にフォーカスしたのは、大学に入ってからです。

ーでは、英語で学ぶ以外に大変だと感じることはありますか?

大学時代に勉強に集中できたのは生活基盤はあったからです。留学でまったく知らない土地に来て、一から生活基盤を整えるのが一番大変でした。今は、シドニーでの生活にも慣れ、アルバイトなどをする余裕もあります。

学期中にアルバイトをする時間はありますか?

ーオーストラリアは、留学生もアルバイトができるのが魅力の1つとも言えますが、勉強が忙しくてアルバイトなどをする時間はないのではないかと心配している人もいます。

勉強だけでは息が詰まってしまいます。そういった意味ではアルバイトもいい息抜きになっています。最初はシティの日本食レストランで働いていましたが、今は世界的企業の店舗で週4日働いています。

シドニー大学を選んだ理由はなんですか?

ー会計学はオーストラリアのほとんどの大学で開講されていますが、シドニー大学を選んだ理由はなんですか?


世界ランキングなども参考にしましたが、一番は立地です。日本の大学在学中にも日本企業の財務部でインターンシップをしましたが、実際に動いている現場で学べることは多く、留学中にもインターンシップを経験したいと考えています。他にも興味のある大学はあったのですが、シドニー大学以上にビジネスの中心街が近く、インターンシップ先の候補となる企業が多い場所はないと思いました。

また、日本でのインターンシップを通して、世界のマーケット(株式債権市場)にアクセスし、ダイナミックに活躍する「財務」に興味を持ちました。シドニー大学の会計学修士は「ビジネス・パフォーマンス」にも重きを置いて学べることからシドニー大学を選びました。

ーインターンシップをするのが目標とのことですが、選択科目にもインターンシップはありますね。

大学のプログラムでインターンシップをする場合、競争率も高く、業務内容やレベルなど自分が希望している企業にアサインしてもらるかわかりません。また、インターンシップとして従事する期間も決まっています。なので、大学のプログラムではなく、シドニーにいる日本人の会計士さんなどとのコネクションを生かして自分で探すつもりです。そのチャンスが多いのもシドニーの魅力だと思います。

ーシドニー大学ビジネススクールのキーワードは「雇用可能性を高める」。そのためのプログラムだと感じることはありますか?

昨今のビジネス環境では、テクノロジーを使えるのは当たり前です。そういった意味でプログラミングについての学びもカリキュラムに含まれています。プログラミングをするのは会計士の仕事ではありませんが、それをどのように解釈して、ビジネス的な判断をするのか。データの読み取りや分析は必要不可欠なスキルだと思います。


今回、インタビューに応じてくれたRyoさんは、現在は2学期目(1年目後期)を受講中。「今学んでいるビジネスに必要な解釈・判断をするためにプログラミングについて知ること」や「ダイナミックな市場の動き」などまさに自分や学びたかったことが学べているとのこと。やりたいことにまっすぐで、そのために何をすべきかしっかり考えている姿が印象的でした。これから、インターンシップに向けて動き出しさらに忙しくなると思いますが、学ぶことを楽しんでくださいね!
*1:関連分野の学士取得により受講できないコース、関連分野の学士取得により期間が短くなるコースなどもあります。詳細はカウンセリング時にご相談ください。

※本記事は2025年3月現在の情報に基づいており、カリキュラムの内容などは変更されることもございますのでご留意ください。
※会計学について詳しく知りたい方は「オーストラリアで会計士を目指す」をご覧ください。
※シドニー大学のMaster of Professional Accounting and Business Performanceについて詳しく知りたい方は「シドニー大学で会計学修士を学ぶ 今、会計士に求められているスキルとは?」をご覧ください。


 
会計業務などを担当しています。2012年ワーキングホリデーで渡豪。2015年11月にはサザンクロス大学会計学修士課程(Master of professional Accounting)を卒業しました。 趣味は旅行・散歩・カフェ巡り。これまでに23カ国を訪問。オーストラリアでもたくさんの都市に出かけました。オーストラリアで出会ったコーヒーも大好きです。

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