100以上の専攻から組み合わせ可能!シドニー大学の「共有プール」システム



オーストラリアのトップ大学の一つ、シドニー大学。多くの高校生が世界中の優秀な仲間と興味のある分野を学ぶため、シドニー大学を目指していますが、様々なことに興味があり学部や専攻を1つに決められない方も多いと思います。

シドニー大学は、現代の複雑で変化の速い社会において、専門知識だけでなく異なる分野の知識やスキルを組み合わせる能力が重要であると認識しているため、学生が多様な興味や視点を持ち、複合的な問題解決能力を養うことができるよう、柔軟なカリキュラム設計をサポートする「共有プール(Shared Pool)」システムを採用しています。



目次

共有プール(Shared Pool)とは

「共有プール」とは、専門分野だけでなく、他の学部や学科を超えて科目を履修できるように設計された「選択科目のグループ」です。これにより、学生は複数の分野にまたがる知識を得ることができ、将来のキャリアにおいて幅広い視野と柔軟性を持つことが可能となります。


共有プールから科目を選択できるのは、いくつかの学士課程(Bachelor Degree)で、学部の必修、主専攻以外副専攻・第2主専攻、選択授業を、100以上の異なる広い分野から柔軟に選択し学ぶことができます。

大学のカリキュラムでは、選択授業も自分の学部に近い学部から選択となることが一般的ですが、シドニー大学の場合は、理系文系を超えて組み合わせることも可能です。実際、共有プールが利用できる学部では、必修科目と主専攻科目、オープンラーニング環境科目(OLE)で1.5〜2年となるため、残りの1〜1.5年は全く違う分野の勉強をすることができます。

◎共有プールが適用されるコース◎

シドニー大学で志願者の多い学部を中心に、下記の学部で共有プールを利用できます。

Bachelor of Advanced Computing(高度コンピューティング)
Bachelor of Applied Science (Exercise and Sport Science)(応用科学ー運動・スポーツ科学)
Bachelor of Arts(アーツ)
Bachelor of Commerce(商学)
Bachelor of Economics(経済学)
Bachelor of Music(音楽)
Bachelor of Project Management(プロジェクトマネジメントー主専攻のみ)
Bachelor of Psychology(心理学学ー副専攻のみ)
Bachelor of Psychology Honours(心理学学優等学位ー副専攻のみ)
Bachelor of Science(理学)
Bachelor of Visual Arts(視覚芸術学)
All combined Bachelor of Advanced Studies degrees(総合上級研究学士号)



共有プールで学べる領域

共有プールには、下記の領域科目が含まれます。

科目名 頭文字科目エリア
A-C会計学、アメリカ研究、解剖学および組織学、古代ギリシャ語、古代史、動物の健康、病気および福祉、動物生産、人類学、応用医学、アラビア語およびアラビア文化、考古学、美術史、アジア研究、銀行学、生化学および分子生物学、生物学、ビジネス分析、ビジネス情報システム、ビジネス法、化学、中国研究、コンピュータサイエンス、コンピュータシステム、犯罪学、文化研究
D-Hデータサイエンス、デザイン、デジタル文化、デジタル音楽、障害と参加、離散数学とアルゴリズム、多様性研究(副専攻)、生態学と進化生物学、計量経済学、経済政策、経済学、教育学、英語、環境、農業および資源経済学、環境研究、ヨーロッパ研究、映画研究、金融、金融経済学、金融数学と統計、食品科学、フランス語とフランス語圏の研究、ジェンダー研究、遺伝学とゲノミクス、地理学、地質学と地球物理学、ゲルマン研究、健康、聴覚、音声学とコミュニケーション、ヘブライ語(現代)、スポーツにおけるハイパフォーマンス、歴史、科学史と哲学
I-O免疫学(副専攻)、免疫学と病理学、先住民研究、インドネシア研究、労使関係と人的資源管理、感染症、イノベーションと起業家精神、国際ビジネス、国際比較文学研究、国際関係、イタリア研究、日本研究、ユダヤ文明、思想と文化、韓国研究、ラテン語、言語学、経営とリーダーシップ、海洋科学、マーケティング、数理モデリングと計算、数学、医薬品化学、微生物学、現代ギリシャ研究、音楽、神経科学、栄養科学
P-Z病理学(副専攻)、薬理学、哲学、身体活動と健康、物理学、生理学、植物生産、植物科学、政治経済学、政治学、プロジェクト管理、心理科学、サンスクリット語(副専攻)、社会法学、社会学、ソフトウェア開発、土壌科学と水文学、スペイン語とラテンアメリカ研究、統計学、宗教学(副専攻)、持続可能性、演劇とパフォーマンス研究、都市研究、ウイルス学(副専攻)、視覚芸術と野生生物保護(副専攻)


カリキュラムの組み立て方

共有プールを含むカリキュラムを組み立てるときは、まず、コースの必修科目(コアユニット)を確認し、専攻や副専攻などを決めていきます。


コースページのFaculty Handbookを見ると、卒業に必要な単位数と、構成される必修科目、専攻、副専攻などの単位数がそれぞれ記載されていますので、この単位数に沿って項目ごとのグループ(Table)から科目を選んでいきます。

専攻

希望するコースに専攻がある場合は、希望する専攻で決められた科目をすべて修了する必要があります。専攻とは、特定の分野における専門知識を提供する一連の学習単位であり、正式な学位証明書に記載されます。



例)Bachelor of Commerceの場合
Bachelor of Commerceのハンドブックを確認すると、学位を得るための単位は、下記のような構成になります。



◎卒業単位:144クレジットポイント(単位)
クレジットポイント(単位数) 選択エリア
学部必修 24クレジットポイント 学部必修をすべて選択
主専攻 48クレジットポイント Table Aから選択
副専攻単位、もしくは第2主専攻 36クレジットポイント*

もしくは、48クレジットポイント
Table A、もしくはTable Sから選択
オープンラーニング環境(OLE)単位** 6クレジットポイント Table Oから選択
選択単位 144単位から上記までの単位を引いた単位分* Table A、Table SもしくはTable Oから選択
【注】*は、学びたい内容により、単位数が異なります。
**OLE単位は、学生が新しいスキルの組み合わせを構築し、他の学習分野を探求することで知識を広げるのに役立つように設計されています。

・Table A:学部科目
・Table S:共有プール科目
・Table O:オープンラーニング環境科目



ハンドブックにある「Table S」が「共有プール」を指しますので、ここでは、副専攻科目(もしくは第2主専攻)、選択科目を決める際に、共有プール(Table S)から希望する科目を履修していくことができます。

これを見ると、共有プールの単位は、必修、主専攻の単位とおおよそ同じくらいの単位を取得することができるため、2つの違う分野に興味がある場合でも、しっかり学ぶ事ができるとわかります。また、多くの異なる分野を学びたい場合は2つの副専攻を選ぶことも可能です。

●コースの構成についての説明動画●


カリキュラム例


実際のカリキュラム作成例を見てみましょう!

Aさんは「ビジネスに興味がありますが、同時に、海洋動物についても高い関心があります。
Commerce学部の主専攻ではマーケティングを選び、インターンシップのような実践にも参加をしたい」
との希望がありました。

主専攻以外で自分が選べる授業の単位数を確認します。


・Bachelor of Commerce(必修24単位)
・マーケティング専攻(48単位)
・オープンラーニング環境(OLE)(6単位)

選択できるのは下記となります。下記はどちらも共有プールから選択ができます。

副専攻(36単位)、もしくは、第2主専攻(48単位)
選択科目(18〜30単位)


Bachelor of Commerce Subject area


Aさんは希望に沿って「Commerce必修+マーケティング専攻+海洋科学第2主専攻+選択科目」で、卒業に必要な144単位を作りました。

サンプルカリキュラム

コース:Bachelor of Commerce
学部必修科目(4科目/24単位)
Future of Business(ビジネスの未来)
Quantitative Business Analysis(定量的ビジネス分析)
Accounting for Decision Making(意思決定のための会計)
Leading and Influencing in Business(ビジネスにおけるリーダーシップと影響力)
専攻:マーケティング(8科目/48単位)
Marketing Principles(マーケティングの原則)
Marketing Research(マーケティングリサーチ)
Consumer Behaviour(消費者行動)
Marketing Analytics(マーケティング分析)
Marketing in Practice(マーケティング実践)
Digital Marketing(デジタルマーケティング)
Marketing Strategy and Planning(マーケティング戦略と計画)
Industry and Community Project(産業とコミュニティプロジェクト)
第2主専攻:海洋生物(8科目/48単位)
From Molecules to Ecosystems(分子から生態系へ)
Earth, Environment and Society(地球・環境・社会)
Biology Experimental Design and Analysis(生物学実験設計と分析)
Oceans, Coasts and Climate Change(海洋、海岸、気候変動)
Marine Biology(海洋生物学)
Coastal Environments and Processes(沿岸環境とプロセス)
Marine Science Interdisciplinary Project(海洋科学学際プロジェクト)
GIS for Land and Coastal Management(土地・沿岸管理のためのGIS)
OLE(オープンラーニング科目)(3科目/6単位)
Culture and Urban Environmental Design(文化と都市環境デザイン)
Modern Alchemy: Molecules on the Menu(現代の錬金術:メニューの分子)
Writing About Music(音楽について書く)
選択科目(3科目/18単位)
Business Consulting Practicum(ビジネスコンサルティング実習)
History(Birth of the Present: The World Since 1750/現代の誕生:1750年以降の世界)
Philosophy(Reality, Ethics and Beauty/現実、倫理、そして美)
【注】上記はサンプルの履修科目です。履修年度や学期などにより受講できる科目や受講条件は異なります。また、理系科目の場合、数学や物理、生物など高校で学ぶ科目が受講の前提条件になることが多いので、受講の前提条件によっては、希望科目が受講できない場合もあります。

このように、多様な学びを自由に組み合わせられるこの共有プールシステムは、あなたの「好き」や「得意」を新しいかたちでつなぎ、将来に向けた道を広げてくれるでしょう。

シドニー大学への進学方法



高校を卒業してからシドニー大学へ進学する場合、2通りの進路があります。

1. ファウンデーションコース経由で大学に入学する(日本の普通高校卒業から)

シドニー大学提携カレッジであるTaylors College(テイラーズカレッジ)では、シドニー大学進学向けファウンデーションコースを開講しています。日本の高校を卒業後、ファウンデーションコースを規定の成績で修了すると、シドニー大学の1年次に入学できます。(特殊なコースは除く)

大学へ進学するために必要な、ファウンデーションコースでの成績や英語力は、学部によって異なります。

USFPファウンデーションプログラム(スタンダード)入学要項
条件日本の高校卒業(GPA 2.5以上/5教科の上位4科目の平均)
英語IELTS 5.5〜6.5(各5.5〜7.0)以上、TOEFL-IBT 62〜85 (各スコアはコースによる)以上*など
入学2月/7月
期間52週間(4ターム)
学費A$46,450(約465万円)(2025年度)、入学金A$370、教材費A$220
【注】入学金、教材費は2026年費用が発表され次第、変更の可能性があります。
*必要な英語力は、進学する大学のコースによって変わります。


◎英語力によって期間の異なるUSFPファウンデーションプログラム(インテンシブ)、成績優秀者のHAPPファウンデーションプログラムもあります。
◎ファウンデーションコースは、高校2年生修了時からでも進学可能です。

詳細は、シドニー大学進学~テイラーズカレッジ~をご参照ください。

【英語とのパッケージについて】

Bachelor of Commerce、Bachelor of Economicsを除いて英語コースとファウンデーションコースのパッケージが可能です。英語学校はテイラーズカレッジで開講する進学英語コースに、10週間まで通うことができます。

ただし、Bachelor of Commerce、Bachelor of Economicsは、事前の英語コースとファウンデーションコースのパッケージはできないため、ファウンデーションコースに入学するための英語力条件を、オフィシャル英語テストで満たす必要があります。

Future Leaders Award奨学金
現在、テイラーズカレッジでは、ファウンデーションプログラムに入学予定の日本国籍の方で査定をパスした方を対象に学費20%オフになる奨学金をオファーしています。

【通常】年間A$46,450(約465万円)- A$9,290→【奨学金後】年間A$37,160(約372万円)
※学校の都合により、予告なく終了となる場合があります。



2.大学に直接入学をする(IBや海外の高校卒業)

下記の「成績条件+英語力条件」を満たしていれば、直接大学に入学できます。

【成績条件】IB 24〜41以上、日本の高校卒業証明書+SAT 1090〜1430以上 など

【英語条件】IELTS 6.5〜7.5(各スコア6.0〜8.0)以上、TOEFL-IBT 62〜85 (各スコアはコースによる)以上など*

+海外の高校卒業の場合、国や州により入学条件が異なります。ご相談ください。
*必要な英語力は、進学する大学のコースによって変わります。



2026年まで入学者向け奨学金
現在、シドニー大学では、2026年までに大学に入学をされる日本国籍の方で査定をパスした方を対象に学費20%オフになる奨学金をオファーしています。入学条件を満たし、エッセイの審査にパスをするともらえる奨学金となりますので、出願時にエッセイを提出する必要があります。詳しくはこちらをご参照ください。

【通常】年間A$57,700(約577万円)→【奨学金】年間A$46,160(約462万円)
【3年間合計】A$173,100→A$138,480



留学相談&お問い合わせ先


当社オーストラリア留学センターはシドニー大学を含む全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。学力、英語力、希望内容、ご予算など詳しくお伺いしたうえで、おひとりおひとりに合う大学をご提案しております。


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※備考※
・本記事は2025年5月現在の情報に基づいており、内容については変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2025年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、レートA$1=100円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。




CRICOS Provider Number 00026A
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号G176)
英語の習得はもちろん、様々な経験やチャンスを得られるシドニー。最終的な目標を是非お知らせ下さい!時間もお金も無駄にしないよう、効率的な方法をご案内します。もちろん、留学中は自分の方向性を見失った時、辛い時にもしっかりサポート。一緒に頑張っていきましょう! このカウンセラーに質問する

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