短期間で実践的で高度なエンジニアリングマネジメント知識・スキルの習得を目指したい。
そんな方は、
メルボルン大学(the University of Melbourne)のMaster of Engineering Managementがお勧めです。
メルボルン大学のMaster of Engineering Managementは、メルボルン大学ビジネススクールと共同でコースを開講しており、エンジニアとしての技術的な問題解決能力はもちろん、組織のマネジメントや組織変革の実行、プロジェクト遂行能力を身に着けることができます。
これからエンジニアリングマネージャーとしてのキャリアをお考えの方、すでにマネジメントポジションでお仕事をされている方にも役立つカリキュラムとなっています。
カリキュラム詳細
メルボルン大学のMaster of Engineering Managementは、1年の短期間で専門知識と実践的スキルを学べるカリキュラムを提供しています。
Sepcialisation 専門科目
Master of Engineering Managementでは、Change ManagementとProject Management、2つの専門が開講されています。
■Change Management
マネジメント職で、リーダーシップ、組織変革や経営的な視点を学びたい人向け。こちらの科目から3つ、もしくは2科目+Project Managemeentの科目から1つの組み合わせができます。
– Management and Leadership for Engineers
– Building Information Modeling
– Managing Change for IS Professionals
– Engineering Entrepreneurship
– Quality and Reliability
■Project Management
マネジメント職でさらに高度なプロジェクトマネジメントの知識・スキルの習得を目指したい方向け。こちらの科目から3つ、もしくは2科目+Change Mangementの科目から1つの組み合わせができます。
– Sustainable Infrastructure Engineering
– Project Management Practices
– Engineering Project Implementation
– Engineering Contracts and Procurement
– Transport System Modelling
Elective 選択科目
こちらの科目からご興味分野に応じて3つ選んで受講します。
– Accounting for Decision Making
– Managerial Economics
– Financial Management
– Human Resource Fundamentals
– Supply Chain Management
– Operations and Process Management
– Management Competencies
– Business Analysis & Decision Making
Capstone キャップストーン
キャップストーンは、コースで学んだことを活用してプロジェクトやリサーチを進める科目でこちら2つがあります。
– Engineering Management Capstone
– Strategic Management
授業内容詳細は下記体験談をご参照ください。
※科目については、年度によって開講科目が変わることもありますので参考としてご覧ください。
入学概要
Master of Engineering Managementの入学概要をご案内いたします。
期間 |
1年 |
入学時期 |
2月、7月の年2回 |
出願締め切り |
[2月入学]10月末
[7月入学]3月末 |
※メルボルン大学は査定に時間がかかる場合も多いので、締め切りよりも早めに出願をすることがお勧めです。
学費 |
A$57,984(約609万円) |
英語力条件 |
IELTS6.5(アカデミック:各セクション6.0以上) TOEFL iBT79(W21, S18, RL13以上)
メルボルン大学提携語学学校のホーソン・メルボルンで学び英語力条件を満たす方法もあります。 |
入学条件 |
・オーストラリアの4年相当のエンジニアリング関連分野の学士号を65%以上の成績で修了していること。
もしくは、
・オーストラリアの3年相当の学士号を65%以上の成績で修了しており、2年以上の関連分野での職歴があること。学士号の分野はケースバイケースで判断。 |
Master of Engineering Management体験談
2021年にMaster of Engineering Managmentを卒業した方の体験談をご紹介いたします。
学べる内容
本コースの特徴は、メルボルン大学とMelbourne Business School(メルボルン大学のビジネススクール)が一体となって、多くの講義を提供しているという点です。
そのため
、技術者の立場からビジネスや経営の視点を含めた、プロジェクトやチーム、組織のマネジメントについて学ぶことが出来ます。
また、本コースは「Project Management」と「Change Management」の2つの専門領域に分かれ、私が選択した「Change Management」では、BIM(Building Information Modeling)やDigital Twinなどの先端技術を活用したマネジメント手法や、リーダーシップ、品質向上や新規事業計画等に関するノウハウを身に着ける事が出来ます。本コースを通して、
何か新たなアイディアにチャレンジする際、実際に実行に移すために必要となるスキルを総合的に学ぶことが出来るコースだと言えます。
1週間のスケジュール
通常1セメスター4科目を受講しますが、夏休み期間に1科目履修していため、最終セメスターで履修したのは3科目でした。
また、本コースとは別に「UniMelb StartUp’21」というプログラムに参加しました。これは、Faculty of Business and Economicsが運営しているスタートアップコンペティションで、グループで考えた起業アイディアを、ワークショップでLean CanvasやMarketingツールを使いながらアイディアを具体化し、最後にプレゼンテーションを行う、というものでした。
この他、私はソーシャル活動の一環としてメルボルン大学ラグビー部の活動にも参加していました。最終セメスターの1週間のスケジュール例は以下のような感じです。
各科目グループワークに割く時間が非常に多く、一緒になったメンバーにもよりますが、私の場合は毎週決まった時間にグループワークを実施する形が多かったです。空いている時間も、基本的には課題対応、散歩ついでの買い出し、他のソーシャル活動への参加、といった感じの生活を送りました。
印象に残った科目
最も印象に残っている科目は、「Engineering Management Capstone(必修科目)」です。
この講義では、他の科目で学ぶ様々なプロジェクトマネジメントに関する内容もカバーされており、コースを通して学んだことのレビューという意味でも有意義でした。また、建設業界で活躍しているプロジェクトマネジャーをゲストスピーカーとして招き、実際のプロジェクト現場でのマネジメント事例紹介を聞ける機会も多く、とても興味深かったです。
演習はCapstone Projectと呼ばれる総合演習課題で、学生はグループでCapstone Projectのリスト(例えば途上国技術支援プロジェクトやEVステーション整備プロジェクトなど)から1つを選択し、本コースで学んだ知識を使い、各プロジェクトのマネジメントレポートを作成します。
基本的には既に完成しているプロジェクトをレビューする形なのですが、私の年では初の試みとして、まだ完成していないプロジェクトをベースに実施するという選択肢があり、私はそれを選択しました。
このプロジェクトは、西ビクトリア州の農家の意思決定プロセスや導入技術の現状整理、分析等を行うコンサルティングプロジェクトで、プロジェクトマネジメントスキルを駆使して農業生産性向上を提言するというものでした。
活動の中には、教授陣と共に1泊2日で実際に西ビクトリア州の農家へ訪問し現状を視察したり、10件程の農家への電話インタビューを通して情報を集めたり、長い時で朝から晩までグループワークを行いDecision TreeやValue Stream Mapping等、他の講義で習得した知識を適用するなどして、レポート完成までは通常のCapstone projectに比べて不確定要素も多く困難な面もありましたが、その分得られるものも非常に多かったと思います。
また、嬉しいことにこれらの努力が報われ、
最終報告書の内容が高く評価されて、Semester終了後も学会投稿に向けたミーティングを教授、グループメンバーと継続するなど、講義の枠を超えた貴重な機会を得ることもできました。
次に印象的だった科目は、「Strategic Management(必修科目)」です。
この科目は、講義を通した経営戦略に関する知識習得と、「CAPSTONE」と言うビジネスシミュレーションを使用した演習で構成されます。講義では、企業内戦略、業界内戦略、垂直統合戦略、多角化戦略などを網羅的にカバーし、毎回講義テーマに即したケーススタディによる少人数でのディスカッションもありました。
演習課題の「CAPSTONE」を用いたグループワークでは、他のグループが競合他社となり、自社製品の売り上げを如何に伸ばすか、「Strategy」「R&D」「Marketing」「Production」「Finance」等の意思決定をしていくというもので、私のグループではメンバーそれぞれ1部門を担当する形で役割分担をしました。
シミュレーションに入力する数値を決めるグループミーティングでは、各部門担当者がベストだと思う提案をしても、予算配分上の制約もあるため、他社の動向や売上見通し等も予測しながら、現実のビジネスさながらの熱い議論が繰り広げられました。
私はこの科目をSummer Break中に履修しました。通常のSemesterに比べ講義・演習の進行速度は倍になり、予習・復習・グループワークで非常に忙しくなりますが、その分
集中して1つの科目を学べる点はメリットが大きいと感じました。また、チームメイトは金融機関や炭鉱業、マーケティング系など、社会人学生も含む多様性に富んだグループだったため、各自の専門分野を上手く活かす形で演習を進めることが出来ました。
その他、特に印象に残っている科目は、「Engineering Entrepreneurship(選択・専門)」です。
この科目は、スタートアップ(起業)のためのプロセスを学ぶことが出来ます。講義でLean Canvasなどのツールを学び、グループワークを通して実際に起業アイディアを考え、そのアイディアをどのように検証、具体化していくかを学んでいきます。
毎週、講義で紹介された手法・セオリーを実際に実行し、翌週クラス内で発表する形式だったため、それらの課題対応や潜在顧客、関連企業等へのインタビュー調査(特にインタビューによるビジネスアイディアの検証が重視されます)など、講義時間外で要求される時間が非常に多かったですが、
アイディアをゼロから形にしていくプロセスは非常に勉強になりました。
また、通常のEntrepreneurshipとの違いですが、基本的なツールは共通ですが、本科目では事例やゲストスピーカー等をエンジニア分野のトピックで構成している点だと教授が仰っていました。また、
新規ビジネス計画にも共通するプロセスが多いので、実際に起業を考えていない場合でも活かせる部分は多いと思います。
なお、履修科目は以下の通りです。
1学期目
|
Management Competencies |
Financial Management |
Business Analysis & Decision Making |
Building Information Modelling |
夏学期 |
Strategic Management |
|
2学期目 |
Engineering Management Capstone |
Engineering Entrepreneurship |
Sustainable Infrastructure Engineering |
|
大学院の勉強で重要なこと
本コースは1年間で履修科目も8科目となるため
、自身のこれまでのキャリアや修了後のビジョンを踏まえて最適な履修計画を立てる事がまず重要になると思います。そうすることで、講義で学んだ内容をいかに自身のキャリアに活かすか具体的なイメージを持ちながら学ぶ事が出来、課題に追われる苦しい中でもモチベーションを維持することができると思います。
また、
グループワーク課題の比率も大きいため、メンバーとの意思疎通を大切にし、スケジューリングや役割分担、作業場の問題点などを小まめに確認し合う関係を築くことも重要だと感じました。
予習ではリーディング課題が指定される事も多く、じっくり読む時間も限られると思うので、
時間が無い時は要点のみを掴み、最低限の睡眠時間を確保した上で講義に臨む、というサイクルを早めに作れると1週間のペースが掴みやすいと思います。
各レポート課題には採点基準の一覧表も併せて提示されるので、その基準をしっかり理解する事が大切になります。また、配点は低めですが、
プレゼンテーションが課される科目も多いため、アカデミックなライティングとスピーキングスキルは日々コツコツと鍛えていくことが重要だと感じました。
期末試験に関しては、過去問が大学図書館のWeb上にストックされているケースもあり、試験対策に活用していました。
多くの科目で教授との個別質問(チュートリアル)の時間が別に設けられていたため、講義中に理解できなかった点や試験対策のアドバイス等に活用すると良いと思います。特に質問が無い場合でも、余裕があれば
教授とのディスカッションを楽しむのも様々な話が聞けてお勧めです。
また、科目によっては事前に試験で使用するケーススタディが配布され、試験中にエッセイ(例:2時間で500文字×5本など)を書くタイプのものもありました。対策として
試験問題を予想し、エッセイを事前に準備しながら講義内容の理解を深め、本番に備えるのは有効だったと思います。
メルボルン大学での学び
私は社会人経験を経ての留学であったため、帰国後のキャリア、業務に活かせる多くの事を学びたいと考えていました。そのため、当初は1年間で8科目というカリキュラムに対し、物足りなさを感じていました。しかし、実際には各科目は講義と演習がセットで構成され、そこに個人課題やグループワークが加わるため、
予習・復習まで含めると余裕は殆どありませんでした。
その一方で、1科目に費やす勉強時間が必然的に多くなるため
、自身で厳選した専門分野をより深く理解し、マネジャーとして新たな戦略を検討していくための実用的なスキルや視点を養うという意味では非常に役に立つコースだったと思います。
教授陣も、非常にフレンドリーな方が多く、講義後やメールでの質問にも丁寧に対応して頂けました。
学生に関しては、各科目、Engineering Management以外のコースの学生(例えば土木、機械、環境、経済など)と一緒に学ぶ機会が多く、また社会人学生や社会人経験のある学生も比較的多かった印象で、
幅広い年齢層で多様な国籍・バックグラウンドを持つ学生との分野横断的な会話をする機会があるのも、総合大学ならではの魅力だと思います。
私は最初のセメスターは全てオンラインとなり、最終セメスターはキャンパスでの授業も再開されました。まだ完全に学生が戻ってきている訳ではなかった事もありますが、キャンパス内は非常に落ち着いた雰囲気で、図書館も様々な場所にあり、
勉強する環境としては非常に恵まれていると思います。
また、Society(サークル活動の様な位置づけ)も活発で、私はラグビーの他にも建設関係のSocietyにいくつか所属し、オーストラリアの建設業界をリードする企業とのディスカッションの機会や、エンジニア分野の学生との交友を広める事ができました。この他にも、年間通して様々なセミナーやプログラムも運営されているので、
留学を実りあるものにするための機会が幅広く提供されている大学だと感じました。
メルボルン大学への進学相談
オーストラリア留学センターは、メルボルン大学の日本の公式出願相談・相談窓口として、皆さまのメルボルン大学進学を無料でお手伝いしております。
メルボルン大学のMaster of Engineering Management進学にご興味のある方は、お気軽に
お問い合わせ下さい。
お問い合わせ時にこちら情報をお伝えいただけますと、より具体的にご相談をすることができます。
[学歴]大学・大学院の卒業(予定)年月・専門・成績
[職歴]お持ちの場合は在職期間(年月~年月)と主な職務内容
[英語力]IELTS(アカデミック)やTOEFL iBT等お持ちの場合は合計得点と各セクション(RWSL)の得点
**備考**
・本記事は2025年1月10日現在の情報に基づいており、入学基準や学費は変更されることもございますのでご留意ください。
・ご参考の日本円は1ドル=105円換算としております。