ニュージーランドの高校からオーストラリアの大学への進学方法



オーストラリアの大学へ進学を希望する学生の中には、日本の高校を卒業した学生だけでなく、世界各国で高校生活を送った日本人留学生も多くいます。特にニュージーランドでは、現地の学生だけでなく、他国からの留学生もオーストラリアの大学進学をすることから、ニュージーランドで高校留学中の日本人学生もオーストラリアの大学を検討する機会が増えています。そのため、ニュージーランドに留学中の高校生が進路を考える際には、「オーストラリアの大学進学のプロセスや要件」について理解しておくと安心です。

今回は、「ニュージーランドの高校からオーストラリアの大学に進学するための基本的な流れと、押さえておくべきポイント」について詳しくご紹介していきます。

目次


オーストラリアの大学進学を検討する2つの理由

写真:クイーンズランド工科大学


オーストラリアの大学の特徴と魅力

オーストラリアには、公立私立を含め42の大学があります。ニュージーランドの大学と同様に3年間で学士号取得ができるコースが多いですが、ニュージーランドの大学と比較すると大規模校が多く学生数が多いことから、コースの選択肢が増えるため、自分の目的に合わせて都市や大学選びをすることが重要です。

また、「世界大学ランキングで上位に位置する大学が多い」、特に「ビジネス、工学、IT、医学などに強い」、「留学生が多く、国際的なネットワークを広げやすい」などの特徴があります。そのため、国際的な環境で学びたい学生や、業界との連携が強い大学で実務経験を積みたい学生には、特にお勧めです。


ニュージーランドの高校から進学するメリット

ニュージーランドとオーストラリアは、大学進学に関する相互認証が進んでおり、大学進学のための学力試験・NCEAの成績がオーストラリアの大学でそのまま認められます。これにより、オーストラリアの大学が求める入学基準を満たしていれば、スムーズに進学手続きを進めることができます。

また、ニュージーランドの高校卒業レベルNCEA Level 3を修了した場合、その成績はオーストラリアの大学入学に必要なATARスコアに換算され、そのまま大学1年次への直接入学が可能になります。そのため、日本の高校卒業生が直接入学ができない大学やコースでも、ニュージーランドでの高校卒業生は、スムーズに行けば規定通りのコース期間で卒業が可能です。


進学のための要件と準備

写真:メルボルン大学


必要な資格:NCEA Level 3とは?

NCEA(National Certificate of Educational Achievement)とは、ニュージーランドの高校Year 11~13の学期末に行われる学力試験です。ニュージーランド政府教育機関NZQAが管轄するNational Qualificationで、ニュージーランドの専門学校や大学進学の判定基準となるため、必須の試験です。

資格レベルは3つ。
NCEA Level 1 = Year 11(高校1年生)
NCEA Level 2 = Year 12(高校2年生)
NCEA Level 3 = Year 13(高校3年生)

オーストラリアの大学へ直接入学するにはNCEA Level 3が必要です。

NCEAの成績4段階の成績
・Achieved with Excellence(優)
・Achieved Merit(良)
・Achieved (可)
・Not Achieved(成績査定には入りません)

オーストラリアの大学へ直接入学するには、Year 13を修了し、NCEA Level 3 を取得することが条件です。ただ、NCEAの成績基準を明確にしている大学は少ないため、事前に判定結果を予想をすることが難しい点もあります。

成績の判定で重要となるのは、NCEA Level 3のクレジット数と成績です。

通常、Level 3で評価済みのベストな90クレジット以上(1つの科目から24クレジットまで)が、オーストラリアの大学へのダイレクトエントリーの査定に使われます。この90クレジットの中で、Excellence, Merit, Achievedの成績がいくつあるかによって、スコアが算出されるので、できるだけExcellenceやMeritを取得すると有利になります。


ATAR(オーストラリア・テリトリー入学ランク)の計算方法

NZQAにてNCEAの成績をATARに換算をしてもらえますが、メルボルン大学やクイーンズランド大学など、発表はされていない場合でも、独自の計算方法で成績を算出している大学もあります。

参考)ニュージーランドの高校からメルボルン大学へ進学!

NZQAのサイトではNCEA成績の換算方法の説明がありますが、大学やコースごとに基準となる最低スコアや必要な成績が異なりますので、事前に希望校の成績基準についてご確認ください。

【注】

・予測スコアはありません。
・大学ごとに基準となる最低スコアや成績が異なる可能性がありますので、事前に希望校の成績基準についてご確認ください。


オーストラリアの大学入試プロセス

写真:西オーストラリア大学


出願の流れ

多くの大学で、入学希望日程から1年を切ると出願をすることが可能となります。人気校や人気コース(医療系やIT、ビジネス系など)は定員が少なく、規定人数が埋まりやすい傾向にあるため、コースが決定している場合は、早めの出願がお勧めです。

最初の出願では、一般的に条件付きオファーが発行され、フルオファー(条件なしオファー)を得るための必要条件が記載されます。高校卒業時にその条件を満たすことができれば、その後、フルオファーとなります。

必要書類は受験する大学、コースにより追加で必要な提出書類や作品、エッセイなどが課される場合があります。また、選抜のあるコースは締切日が別途設けられその日程に合わせて出願が必要なことが多いため、出願日程や提出物は早めに確認をしておきましょう。


出願に必要な書類

高校卒業前
・ニュージーランドの高校の成績表(Year11から出願時までの最新の成績が記載された成績表)

・パスポートコピー

・公式英語力証明(IELTSなど、受験から2年以内のもの)
高校卒業後
・最終成績表(Final transcript)

・NCEA Level 3修了証(Proof of completion)

・NZQA修了証まとめ(NZQA qualifications summary)

・英語力証明(未提出の方)
  
・アート系のコースなどの場合、ポートフォリオ

など


入学時期とタイミング

写真:シドニー工科大学


オーストラリアの大学の入学時期

ニュージーランドの高校は12月に卒業となり、NCEAの結果が翌年1月中旬に発表となることから、オーストラリアの大学のセメスター1(2月末)入学を希望しても、学生ビザの認可が間に合わない可能性が高いです。そのため、一般的には卒業翌年のセメスター2(7月末)入学、コースによっては、1年後のセメスター1(2月末)入学を目指すこととなります。1年後となると少し期間が空いてしまうため、事前に大学の入学日の確認をし、どのタイミングで入学するかを決めておくと安心です。


入学準備のスケジュール

【例】2026年7月入学の場合
2025年8〜10月頃まで Year 13の2学期までの成績で大学に出願、IELTSアカデミック受験
2025年9月〜11月頃 条件付きオファーの発行
2025年11月中旬〜12月初旬頃 NCEA試験 受験
2025年12月 高校を卒業
2026年1月中旬頃まで NCEA結果発表、NZQAよりATARスコア換算発行(事前登録が必要)
2026年2月頃まで 高校の卒業証明書、成績証明書、NCEA結果、IELTS結果表などを出願先の大学へ提出
2026年3月〜4月頃 フルオファー(条件なしオファー)の発行
2026年3月〜4月頃まで フルオファーが発行された大学の中から進学先を決定
2026年4月頃まで 大学受諾手続き、学費の納入、及び、ビザ申請、宿泊施設の手配
2026年5〜6月頃 渡航準備(航空券、海外旅行傷害保険の手配
2026年7月以降 オーストラリアの大学本科コース(必要に応じて英語コース)開始

【注意】

*上記は一例ですが、個々の英語力や、志望大学(志望学部)により変わります。
*学校によってはオーストラリアの高校生と同じ公的機関から、出願を求められる場合もあります。この場合、公的機関によっては、上記のスケジュールの「2学期までの成績で出願」の部分ができない場合もあります。
※オーストラリアの学生と同じ公的機関からの出願となる場合、州によってはATARスコアの換算が有料になることもあります。


よくある質問(FAQ)

写真:アデレード大学

Q. NCEAを取得していない場合はどうなりますか?
A. Year 13を卒業してもNCEAを受けていない場合、または、Year12修了で大学進学を目指す場合、オーストラリアの大学へ直接入学することは出来ませんので、ファウンデーションコースからのスタートとなります。


また、オーストラリアにはDiplomaなど大学1年次相当の勉強ができるコースもありますが、NCEAを取得していない場合はディプロマコースからの入学も難しいケースが多いです。
Q. 英語力の証明は必要ですか?
A. 大学によっても求められる基準は異なりますが、公式テストの受験がお勧めです。
ニュージーランドの高校に5年以上通学していた方以外は、高校の成績のみで条件を満たせないことが多いこと、また、オーストラリアの学生ビザで公式英語テストの提出を求められることが多いためです。


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写真:グリフィス大学

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