《現役生が解説》サンシャインコースト大学のEnvironmental Scienceコース


国連の持続可能な開発目標における気候変動対策で世界第28位にランクされているサンシャインコースト大学(THE Impact Rankings 2023より)。同学のEnvironmental Scienceコースでは植物生態学、化学、水文学、土壌修復学、気候変動、沿岸研究、地理空間科学、保全と修復について学びます。そして将来、企業や政府に対して、自然の生態系や資源を保護することについて、そして、人間と自然のニーズのバランスを保つことについて助言し、彼らが正しい意思決定ができるようサポートするようなキャリアを目指します。

2022年にサンシャインコースト大学に入学し、現在Bachelor of Environmental Scienceコースに在籍している現役の日本人の学生さんに話を聞いてみましょう。

Environmental Scienceコースではどんな勉強をしていますか?

勉強内容は、大きくこの3つに分けることができます。

1.地質や水などの環境サイクル
2.動物と植物
3.統計の分析

授業形式はこちらの6種類がありますが、
– Lecture
– Tutorial
– Lab
– Computer lab
– Field work
– Seminar

Lab, Computer lab, Field tripを中心に授業が進む事が多いです。Computer labやLabでは、Field workで採取したサンプルやデータを調査・分析します。これらのデータ分析を課題の一つとして、レポートを書き提出します。

また、Minor(副専攻科目)では、環境保全、環境管理、海洋環境、地理分析、生態系保護、農業と養殖、持続可能性のうち1つを選ぶことができます。最初のセメスターはIntroductory class(基礎)が中心なので、もし最初のセメスターの授業を受けてから副専攻を決めたい場合は大学に相談するのも良いかもしれません。

↑2023年Semester2の時間割

今までで一番面白かった授業は?

1. Molecular biology
僕はBiologyとMicrobiology に興味があるので、生物の内容が授業で出てくるときはとても楽しいし、やりがいを感じます。現在、Elective class として履修しているMolecular biology はDNAを中心とした授業で、LabではPractical Manual に沿って作業をします。PCR法、電気泳動法、遺伝子操作などの作業を、主に遠心機や定温機、ピペットを用いて、進めます。僕が実際にやったのは蜘蛛の糸の遺伝子の抽出、増幅、精製、連結です。

例えば、精製について簡単に説明すると、まず蜘蛛の糸がコードされているDNAの入ったマイクロチューブのコラムに何種類かの溶液を入れます。それぞれの溶液を入れた後に遠心機にかけ、DNA以外の物質を取り除いていきます。今回のプロセスにインキュベーターの使用はなく、常温に1分ほど放置した後、溶出液を含んだコラムを遠心機にかけます。これが、シリカに集積しているDNAを、マイクロチューブに移すという、最後の過程Elutionです。基本的にはDNAを取り出して電気泳動で分析する事がこの実験の目的です。

一方、Tutorialでは各週ごとに割り振られた授業内容についての理解をより深める為に、いくつかのshort answer quizが用意されていて、それに関しての授業になる事がほとんどです。内容としてはDNAに焦点をおいたセントラルドグマ、ウイルス感染、遺伝子修復などに加え、可動遺伝因子や遺伝子発言、遺伝子クローニングなどがあります。

この授業での課題はクイズ、中間テスト、期末テストの3つから構成されていて、レポートはありません。

この授業は、内容や単語は難しいとは思うものの、しっかりと勉強していれば意外と慣れてきますので、そこを乗り越えれば普通に楽しい授業だと感じていますし、授業でわからない事はtutorに気軽に質問できます。

2. Soil Properties, Process and Rehabilitation
この授業では主に地層、地質、特定の地域の環境対策について学びます。Lectureは全てオンラインです。Week 1-2で学ぶ地質の基本知識を始め、Week4-7では物理的特徴、地球化学的性質、Week 9では劣化地質・地層、Week10-11では地質更生を学びます。全体的にたくさんの学びのあるクラスでした。Geologyが好きな人は満足できるはずです。

《Semester 2, 2023の課題》
Task 1:Field workbook for week 1 & 2 [10%]
Task 2:Soil Core report [30%]
Task 3:Field workbook for week 9, 10 & 11 [40%]
Task 4:Presentation [20%]

Task 1とTask 3はField studyを基に仕上げられるWorkbookの提出になります。このクラスではField tripが計5回あり、site erosionの状況と解決策を理解します。

Task 2はWeek 1 & 2で取得したsoil core sampleの分析の結果を基にしたreportになります。

Task 4のPresentation はWeek 9, 10, 11のField tripで訪れたsiteから一つ選び、地質情報と解決策をグループの仲間と話し合って、スライドに纏めます。

《野外授業》
Week 1-2のField learning ではaugerという道具を使って実際に地層を取得します。UniSCのキャンパス屋外で行われますが、場所によって地層の状態が全く異なり、望んでいた地層が手に入らない場合もあります。いくつかのグループに分かれてやりますが、僕の所だけ泥水の混じった地層を採取してしまい、後のWeekでのsoil analysis には向かないため、その期間は他のグループに参加させてもらいました。

Week 9-11のField research では実際にいくつかの環境対策が必要となるエリアに行きます。今回のsemester ではCotton Tree (Maroochydoor)、Kin kin &Pomona (Noosa)の3カ所に行き、Field researchをしました。いずれも、それぞれ異なる環境対策が施されている、もしくは施される予定となっている場所になります。

《授業を通して感じたこと》
この授業は環境科学分野やコースの主軸を担っていると思います。クラスには環境保護の会社や国内の公式環境保護機関での経験を既に持つ学生が沢山いました。僕はただでさえ英語に劣勢な状況なのに、経験や知識でも彼らと同等に渡り合う事はできませんでした。
実際、presentation や Field research では環境保護に対する知識の差を痛いほど感じましたが、同時に、知識豊富なオーストラリアの社会人の方々が周りにいると、やっぱり社会は甘くないなと思い知らされ、自分なりに頑張るしかないんだな、とある意味自分のベストが尽くす事ができた気がします。結論として、このクラスでは地質や環境対策のこと以上に、環境分野を勉強する意味を改めて考えさせられた気がします。

Filed Tripではどんなリサーチを行いましたか?

Field Tripは大学近郊の国立公園などで行うことが多いです。川の水質を分析専用の器具を使って調べたり、植物の多様性を調査したりします。

1. Hydrology and Geomorphology
川と陸地の関係性に焦点を当てて学ぶ授業で、このクラスのField tripではBuderim forest という森林地域に行きます。測量器を使い川の長さや高さを計測したり、流量、流速を流速計を用いて調べます。これらのデータ以外にもGPSや地形のデータを集め、調査した地域の形態や環境下での重要性を導き出します。

この授業での課題は、クイズ、レポート、プレゼンテーションの3つでした。それらの課題では収集した全てのデータを使うのですが、一例として、Manning’s equation というformulaを使い、流速平均を導きます。

Rが径深、Sがエネルギー勾配、nが開水路でのエネルギー損失、そしてVが流速平均になります。全ては説明出来ませんが、このformulaがこの授業でよく扱われます。


2. Plant Diversity and Ecology
植物に焦点を当てた授業です。まずField trip でGlass House Mountain の森林に行き、そこから得た3つの異なった植物データをExcelを使って、それぞれ平均値と標準偏差を出します。

その後、SPSSを使い、t値とp値を割り出し、調査地域での植物多様性の偏りを分析します。それら全ての情報を軸にしてレポートをまとめます。植物に焦点を当てた授業で、思っていた以上に幅が広く、僕としては正直課題が難しかったです。

Field researchでは、例えばquadratという正方形のパイプを地面におき、パイプの内側、パイプの周り半径5m以内の植物のfamilyの数をそれぞれ記録します。それを一つのサンプルとして、いくつかのサンプルデータを集めます。こんな感じで作業が進みますが、これらはグループで活動し、tutorが定期的に見に来てくれるので、安心してやれます。

最後に、文系からでもEnvironmental Scienceコースを目指せますか?

USCのEnvironmental Scienceでは、ほとんどの授業でサンプルのデータをさまざまな手法を用いて分析します。にもかかわらず、僕は文系の高校だった為、数学、生物、化学、地学はあまり勉強した事がなかったので、大学に入ってから一からやりました。英語で聞き取るのは最初は慣れませんが、次第にしっかり授業についていけるようになります。そのため、理系でない事だけを理由にこのコースを諦める必要はないと思っています。

〜以上、現役生の体験談でした〜

サンシャインコースト大学入学要項


日本の高校の成績が優良な方(目安として60%以上)は、高校卒業後、直接サンシャインコースト大学に入ることができます(ファウンデーションコース免除)。
コースBachelor of Science
期間3年
入学2月/7月
学費A$28,600×3年=A$85,800(約8,923,200円)(2024年度)
条件高校の成績
目安として60%以上修めていること

英語力
IELTS(Academic)6.0/各5・5以上、または、USC付属語学学校EAP2コース修了

2024年サンシャインコースト大学奨学金情報

同学はもともと全豪で最も学費がリーズナブルな大学の1つですが、それに加え、2024年入学者を対象に2種類の奨学金が提供されています。

【1】大学の授業料が15%OFF
International Student Scholarship

審査無しですべての2024年入学者が対象で、授業料が15%OFFとなります

【2】大学の授業料が20%OFF
English Excellence Scholarship

入学基準よりも高い英語スコアをお持ちの方を対象に、授業料が20%OFFとなります

※出願とは別途、奨学金の申請は不要です。出願すると自動的に奨学金の対象となります

出願に向けての準備


1. まずは英語試験を受けましょう
まずはIELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。Academicモジュールで受験してください。
日本英語検定協会
http://www.eiken.or.jp/ielts/
JSAF
http://www.jsaf-ieltsjapan.com/?p=431
IDP Education
https://ieltsjp.com/
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合は大学付属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類4点を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。

  • 高校の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • 高校の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
  • パスポートコピー

※高校卒業前でも出願できます。目安として高3前期の成績が出たあとに出願しましょう。

3. 出願手続きスタート
最後に、オンライン申込みフォームを送信してください。その後、正式に出願手続きをスタートします。

留学相談&お問い合わせ


当社オーストラリア留学センターはサンシャインコースト大学を含む全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。
お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください
※備考※
・本記事は2023年12月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2024年度学費をご案内しております。
・日本円は弊社が取得できる最新の送金レート(A$1=104円) で換算しており、実際はお支払い時にご利用の金融機関の為替レートが適用されます。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H318)
13歳でのメルボルン短期留学をきっかけに「英語」と「海外」に目覚め、その後カナダ(語学留学)とアメリカ(大学留学)にも留学。卒業後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ再渡豪し、オーストラリア留学センターでワーペリ。帰国と同時にオーストラリア留学センター日本窓口が開設され現職へ。留学生を現地オーストラリアで「迎え入れる立場」と日本から「送り出す立場」、両側での勤務経験を通して、双方の視点からアドバイスすることを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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