オーストラリアの医学部進学への道〜基礎情報編

オーストラリアの医学部は多様性と個性を兼ね備え、留学生にとって理想的な学びの場となっています。世界中の留学生の異なるバックグラウンドやライフスタイルに対応するため、柔軟で質の高い医学教育を提供するオーストラリアの大学なら、自分らしい医学の道を見つけることができます。

オーストラリアで医師を目指す価値 ― 深刻な医師不足が続く成長市場

オーストラリアは世界有数の医療水準を誇る国ですが、その一方で慢性的な医師不足という大きな課題を抱えています。人口の増加や高齢化、地方・遠隔地における医療アクセスの格差により、今後も医師への需要は高い水準で推移すると予測されています。

オーストラリア政府の医療人材需給予測では、現在から2048年まで医療従事者の需給を分析しており、特にオーストラリア政府は、2033年までにフルタイム換算で約7,000人分の専門医が不足し、2048年には約12,800人分の不足が生じると予測しています。また、総合診療医(GP)についても2033年までに約7,700人分、2048年には約12,400人分の不足が見込まれています。 (ソース:Whole of Medical Workforce Supply and Demand Study)

このような背景から、オーストラリア政府は医師の養成だけでなく、海外で教育を受けた医師の受け入れや登録制度の整備にも積極的に取り組んでいます。2025年には、イギリス・アイルランド・ニュージーランドなどの医師を対象とした登録手続きの迅速化制度が導入され、100名を超える海外GPが短期間で登録されました。これは、オーストラリアが医師不足の解消を国家レベルで進めていることを示しています。

さらに、2024〜25年にはGPを受診したいと思っても約27%の人が受診を延期または断念しており、その理由として待ち時間の長さや医療サービスへのアクセス不足が挙げられています。これは、医療サービスに対する需要が供給を上回っている現状を示しています。 (ソース:aihw.gov.au)

オーストラリアの医学部留学は「海外で学ぶ」だけではない
オーストラリアの医学部へ進学することは、単に海外で医学を学ぶことではありません。卒業後には、世界水準の医療システムの中で臨床経験を積み、国際的なキャリアを築く可能性が広がります。医師不足が続くオーストラリアでは、優秀な医師への需要は今後も高く、適切な登録・研修を経ることで、長期的に現地で活躍できるチャンスがあります。

「世界レベルの医学教育」と「将来性の高い医療市場」の両方を手に入れられることは、オーストラリア医学部を目指す大きな魅力の一つといえるでしょう。

オーストラリアの医学部

オーストラリアの大学で医学を学ぶ場合、学士号の医学コースとドクターコースの2つの選択肢があります。
学士号の医学部はBachelor of Medicine and Bachelor of Surgeryコース(通称MBBS)と呼ばれ、ドクターコースはDoctor of Medicineコース(通称MD)として知られています。

各大学により開講されているコースは異なりますが、近年では、フリンダース大学が先駆的に導入した「学士号(3年)+Doctor of Medicine(4年)」の医学コースを開講する大学が増加傾向にあります。


Bachelor of Medicine and Bachelor of Surgery(MBBS)について


開講している大学例カーティン大学(2027年度入学はISAT/UCAT不要)
ジェームス・クック大学(2027年度入学はISAT/UCAT不要)
期間5〜6年(大学により異なる)
入学に必要なIELTS7.0(各バンドは大学により異なる)
学歴・英語試験以外のテスト ISAT、UCAT(大学や年度により異なる)

Doctor of Medicineについて

開講している大学例西オーストラリア大学
アデレード大学
クイーンズランド大学
グリフィス大学
メルボルン大学
ディーキン大学
ウーロンゴン大学
マッコーリー大学
フリンダース大学
西シドニー大学
タスマニア大学
期間5〜8年(学士号からMD卒業まで)、4〜5年(MD直接入学)
入学に必要なIELTS7.0(各バンドは大学により異なる)
学歴・英語試験以外のテストGAMSAT、MCATだがタスマニア大学、西シドニー大学はISAT

オーストラリアの医学部を選ぶ理由

自分のバックグラウンドに合った大学を選べる

大学ごとに出願基準が異なり、中には、医学とは関係のない学士号を卒業した方でも、Doctor of Medicineに入学できるチャンスがある場合も。自分のバックグラウンドを考慮して、出願する大学を選ぶことができます。

日本の高校から進学できる

インターナショナルスクール、IB Diploma、A Levelの方はもちろん、日本の普通高校から医学部に進学されている学生さんもいます。

少人数制、サポート充実の大学も

慣れない国での留学には不安がつきものですが、特にほぼ勉強漬けの毎日を送る医学部生にとってサポート体制は大切な要素。個性豊かなオーストラリアの大学の中から、留学生を親身になってサポートしてくれる教授陣やスタッフが揃っている大学を選べばより安心です。

高校卒業後、最短5年で医学部卒業!

オーストラリアの学士号からスタートする留学生でも、最短5年で医学部を卒業できるプログラムもあります。短期間で医学の専門家としてのスキルを磨くことができ、同時に滞在費用なども抑えられるというのも魅力です。

オーストラリアで医学部に通う現役学生の声

タスマニア大学医学部3年目のYuさんは、高校生の時、海洋学留学を考えていました。そこで、たまたま見ていたオーストラリアの大学のパンフレットで「海洋学」のすぐ下に「医学」が紹介されていたことが、医学部に興味を持ち始めたきっかけだったそうです!(2026年現在、タスマニアの病院でインターン中)

・実際の勉強はどんな感じ?
・どうしてタスマニア大学の医学部を目指したのか?
・日々の課題で工夫をしていること
などオーストラリアのリアルな医学部ライフが見られます↓



オーストラリアの医学部出願で抑えるべきポイント

年齢制限や最終学歴を卒業した時期

大学によっては、年齢制限を設けていないところもあります。ただし、「出願時に18歳であること」や「高校卒業以上の資格コースで学んでいないこと」「最終学歴を卒業して10年以内」などの条件がある場合もあります。出願前に大学の要件をしっかり確認しましょう。

IB校出身でも英語力証明を求められることがある

IB校出身者であっても、出願時にIELTSやTOEFLなどの英語能力試験のスコア提出が求められる場合があります。あらかじめ受験しておくと良いでしょう。

Doctor of Medicine出願のための学士号分野は大学によって異なる

Doctor of Medicineに出願する際、必要な学士号の分野には大学により異なります。例えば「cell biologyやsystems physiologyを学んだこと」を条件に求める大学もあれば、「学士号の分野は問わない」とする大学も存在します。
意外ですが、医療系とは全く関係のない、Bachelor of Artsなど、他学部卒業者も、Doctor of Medicineの査定対象とする大学もあります。

入学の判断基準は学歴・英語力だけではない

出願書類の内容は大学ごとに異なります。以下の出願書類のほかにも、Supporting documents(自分で用意する、出願に有利になりそうな追加書類)を提出できる場合もありますが、大学によっては、提出書類の数に制限がある場合もあります。それぞれの大学要件を把握しつつ、柔軟なアプローチで出願に臨むことが成功の鍵といえます。

・過去の成績
・英語力
・面接
ISAT、UCAT、GAMSAT、MCATなどのスコア
・志願書
・その他、CASPerテストなど

上記の項目を総合的に審査され、入学許可のオファーが発行されます。また、成績の高い順からオファーが発行されますので、例えば「IB36」が入学基準とされている大学でも実際は「37以上ないとオファーが出ない」ということも頻繁にあり、なるべく高い成績を取っておくこともとても大切なことです。

UCAT ANZをチェックしよう

高校卒業後入学型医学部で広く利用されています。

評価項目
Verbal Reasoning
Decision Making
Quantitative Reasoning
Abstract Reasoning
Situational Judgement

ISATをチェックしよう

一部大学ではInternational Student Admissions Test(ISAT)が必要です。

評価項目
Critical Thinking
Problem Solving

ISATについては、オーストラリア留学センターのISAT情報ページもご確認ください。

医学部の授業料

医学部の学費は学年により異なりますが、年間A$80,000(日本円で約9,120,000円)(2026年度)〜A$123,000(日本円で約14,022,000円)(2026年度)程度が一般的です。また、大学により大きな費用差があります。

卒業後は医師になれる?

医学部卒業後はすぐに専門医になるわけではありません。

一般的には

  1. Doctor of Medicine / MBBS修了
  2. Internship(PGY1)を修了する
  3. 医師登録(General Registrationを取得)
  4. Resident Medical Officer(PGY2以降)
  5. GP Training

という流れになります。オーストラリアでは認定医学課程を修了後、インターンシップなど所定の要件を満たすことで医師登録へ進みます。(ソース:Health, Disability and Ageing)

出願のタイミング

コマースやITコースなどは入学日間近まで出願を受け付けていますが、多くの大学の医学部ではRound1、Round2など出願期限が設けられています。必ずしも、第一Roundまでに出願しなくてはいけないというわけではなく、第一Round以降に出願しても良いのですが、定員があるコースのため早めの出願をおすすめします。
また、3月に高校を卒業される方の医学部入学時期は翌年2月が主流です。

オーストラリア留学センターは全豪28大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。

合否は個人個人の出願書類の査定により決定します。まずはお問い合わせフォームから、ご質問をお送りください。
※備考※
・本記事は2026年7月の情報に基づいており、詳細は変更されることもございますのでご留意ください。

豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I005)
留学カウンセラー歴25年。パースにいるからこそ、お伝えできることがあります。学校情報は、インターネットやAIでも調べられる時代です。でも、「自分にはどんな留学が合っているのか」「卒業後につながる留学にするにはどうしたらいいのか」といった答えは、一人ひとり違います。私はパースで生活を続けながら、学校の様子や生活環境、学生さんたちのリアルな声に日々触れ、リアルな現地情報をお伝えしています。私が大切にしているのは、「留学すること」ではなく、「留学して良かった」と思える選択を一緒に考えること。どの大学や学校が自分の将来のプランに合っているのか、パース留学がどんなものになるのか。現地にいるからこその視点で、不安や疑問にお答えしています。パース留学を考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。 このカウンセラーに質問する

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