MBA取得の理想と現実
2013年11月1日
学位取得後の実務が勝負!
実践の業務において、MBAの適応能力がもっとも重要!!
1990年より経営のプロを育成するための、大学院修士として、企業による社費留学や個人による私費留学をする人たちに注目されているMBA(経営学修士)。アメリカやイギリス、ヨーロッパ諸国におけるビジネスマンたちの取得率が高いことや、日本企業のMBA取得者への高額報酬における優遇がすすめられてきたことより、幹部候補などを目指す人たちが進んで取得する学位として定評があります。
しかし、今や日本企業では、MBA取得後の実践業務における能力を重視する傾向に移行してきています。そのため、きちんとした目的意識を持ってMBAを取得しなければ、実務面での効用は少ないため、企業での評価を受けることが難しいのが現状です。
というのも、MBA受講中は休職して留学することになり、その間、常に状況が変化する「現場(職場)」を離れることになります。その際、現場を受け持つ社員は、日常の実務をこなし、日々のビジネス上での状況判断能力などのスキルを上げていくことになりますから、MBA取得者は、それを上回るビジネス・スキルや世界各国の人脈を作るなどの差を備え持つ必要が出てきます。
従いまして、「MBAを通して、何を習得したのか」が重要なポイントとなり、MBA取得後、職場に戻った際にどのような業務をこなしていくのか、また、自分の企業でのポジションでするべき役割を十分に把握した上での受講を強くおすすめします。
例えば、MBAで金融や会計などの知識を習得したところで、帰国後の企業で配属される部署がマーケティングを任されることになった場合、MBAで習得した新しい知識やスキルは、即戦力として役立てることができないことが想定されます。さらに、MBAで取得したビジネス理論をあらゆる実践のビジネスケースやシチュエーションにおいて応用することができなければ、企業からは高い評価を得ることは難しいといえます。
よって、どこの大学でMBAを取得するかは慎重に決定する必要がありますが、それ以上に、将来のビジネス・スキルに合わせた、自分の視点や目的をどこに定めるのかを明確にしてから、MBAプログラムを受講することを提案します。