日本語教師インターンシップ(体験談)
2012年1月30日
「これをきっかけに、自分が将来、本当にやりたいことを見つけたいと思っています」
山炭 朋子さん(27歳)
ワーキングホリデーで来豪した目的のひとつにボランティア体験がありました。そんな時に、オーストラリア留学センターのボランティア・プログラムを知って、様々な種類のボランティアの中で、特に日本ではできないことをしたいと考え、それが、日本語を教えることだと思いました。現地の高校で、教育現場と日本語の教授法を見てみたいという興味と、現地のオーストラリア人の中に入っていきたいという思いから日本語教師アシスタントのプログラムに参加することを決めました。十分な英語力もなかったので、日本語と英語を使ってコミュニケーションを取る環境は、最適だと思ったのも理由のひとつです。
日本の高校を想像していたので、現地の高校を見て、大きな違いに驚きました。受験勉強的な型にはまった日本の教育方針に対して、オーストラリアの教育現場は、学生に興味を持たせるような教育、指導を行っていました。実際に日本語の授業では、教科書などはなく、様々な教材から抜擢したものを使っていました。
最初は日本語教師アシスタントの経験はもちろん、日本語を教えたことすらなかったので、どのようにして教えたらいいのか分かりませんでした。初めのうちは学生たちの様子を覗っていましたが、反応はありませんでした。そこで、自信を持たないとダメだと実感し、学生たちに、「分かる?」と尋ねたり、自分から話し掛けていったり、誉めてあげたりしながら、学生たちとのコミュニケーションを取るようにしていきました。また、オーストラリア人の日本語教師の授業を見て真似したり、資料を読んだり、自分なりに考えてみました。プログラムが開始して2週間ほどで学校の環境にも慣れ、積極的に自分を学生たちにアピールしていくことができました。そう過ごしていくうちに、学生たちも声を掛けてきてくれるようになりました。
私がアシスタントをしていたのは、ハイスクールで日本語を勉強している12歳~15歳の学生たちでした。授業では、イラストを見せながら日本語で単語の発音をして聞かせたり、黒板に漢字(山・川・上などの初級レベルのもの)を書いたり、学生のノートを見て回ってチェックをして、手を挙げてくる学生たちの質問に答えたり、日本語文の訂正なども要点をつかんで教えたりしました。そんな中で、学生たちが、授業以外のことを聞いてくることもあって、楽しかったです。それ以外に、私の知らない英単語を日本語で表してくれたので、日本ではあまり使わない英単語を知ることもできたし、日本人がよく使う英語とは違う、学生たちの普段の英会話や言いまわしを聴けたのも勉強になりました。
授業は朝の9時~午後3時までで、充実感とやりがいがあり、毎日、学校に行くのが楽しかったです。自分の考え方しだいで、良くも悪くも事は進むんだなと思いました。経験がなくても、自分しだいで達成できるし、同プログラムに参加してよかったと思っています。これをきっかけに、自分が将来、本当にやりたいことを見つけたいと思っています。
次回、オーストラリアに戻ってきたら、もう一度、日本語教師アシスタントのボランティアをしようと予定しています。