私たちは人生の大半の時間を職場で過ごすことになりますが、世界では1年間で実に2億人もの人が、仕事による身体的な事故/精神的な病を理由として亡くなっているのをご存知ですか?
死亡理由には工事現場での事故や悪質な化学物質による人体への影響、また精神的な鬱による死亡も含まれます。
この数字は問題視されていて労働環境の改善が求められていますが、何が原因なのかも分からないまま、同じスタイルで働き続けていることが多いようです。
そんな中、注目を浴びている職業がOHS(Occupational Health and Safety)の専門家、日本で例えるなら労働安全/衛生コンサルタントの仕事です。
職場での事故を未然に防ぐアドバイス、事故が起きたときの調査、それに対する対処などが出来る専門家です。現在、大きな企業にはこういった専門家が常駐することも増えており、今後需要がある職業の一つとしても注目を集めています。
クイーンズランド大学のBachelor of Occupational Health and Safety Science(Honors)はOHS協会にオーストラリアで初めて認定されたコースで、職場の安全・衛生についてを科学的、心理学的、法的観点から学ぶことが出来る、非常に中身の濃いコースとなっています。
同コースは、化学、生理学、解剖学など理系科目を多く学ぶ、理系のコースです。
一見労働安全/衛生と関係ないように感じますが、人間の身体がどう動くか、どういった化学物質が人体に影響を及ぼすかというのを熟知していなければいけないので、理系科目の勉強は必須です。また事故が起きた後の調査も行うため、例えば「飛行機事故が起きた後の原因解明」などの仕事を担当することがあります。ですから、理系の知識は必要となってきます。
授業の中にはIntroduction to Psychology: Physiological & Cognitive Psychologyという、心理学の導入編の授業もあります。
労働安全/衛生管理のアドバイザーして、企業が現場に常駐することもあるこの仕事では、「企業での保健室」のようなポジションを担うこともあります。従業員の精神的なケアや、そこからヒントを得て労働環境の改善をしていきます。
工事現場、飲食店、ホスピタリティの現場には、それぞれ「法律で決められたルール」が存在します。そのルールを理解し、それがちゃんと適用されているかをチェックする必要があるため、労働基準の法律、環境に関する法律などを学びます。
労働安全衛生を取り締まる政府機関や、大手企業の労働衛生の専門スタッフ、現場での安全管理スタッフとして働くことが出来ます。
農業、道路建設、病院、生産業、小売、観光業、運輸業など、幅広い業界でこのポジションが求められており、最終的にはコンサルタントとして独立する道もあります。
※学生が実習先のゴールドコースト・シーワールド(遊園地と水族館の複合施設)にて安全管理の確認をしている様子
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