「会計は未経験だから」を理由に、キャリアの選択肢をあきらめる必要はありません。
会計は、数字を扱うだけの仕事ではありません。企業の意思決定を支え、時には自分の名前で会計事務所を開業することもできる、専門性と裁量の大きいキャリアです。とはいえ、これから会計を学ぼうとする方にとっては「専門用語が難しそう」「文系出身でもついていけるのか」といった不安もあるはずです。
QUT(クイーンズランド工科大学)のMaster of Professional Accountingは、そうした会計未経験の方が一からしっかり基礎を積み上げられるよう設計されたコースです。オーストラリアの税法・会計基準・監査実務を軸に、生成AIなどの最新テクノロジーへの対応力も身につけながら、CPA Australia・CA ANZ・IPAといった国際的な会計士資格への道を開きます。
会計・商学を専攻していなかった方でも、学士号(分野不問)とGPA条件を満たしていれば出願できるのが大きな特長です。文系・理系を問わず、これまでのキャリアや学部での学びを一度リセットして、会計という専門職に真正面から挑戦し直したい方に向けたコース設計になっています。「今はまったくの未経験だけれど、将来は国際的に通用する専門性を身につけたい」という方の最初の一歩として、じゅうぶん選択肢になり得るコースです。
なお、本コースは2026年まで「Master of Business」内の専攻の一つ(Professional Accounting major)として提供されていましたが、旧課程(Master of Business内の専攻としてのProfessional Accounting)の最終入学は2026年セカンドセメスターで、2027年からは独立した学位「Master of Professional Accounting」として新設されます。
会計未経験からプロへ。QUTの学びの仕組み
オーストラリアの会計基準(IFRS準拠)・税法・企業法をベースに、財務会計、税務、監査、経営管理会計を体系的に学びます。生成AIを含む
デジタル会計技術も学習内容に組み込まれており、会計プラットフォーム「Xero」の実践的な操作や認定取得の機会もあります。
最終学期の
キャップストーン科目では、企業(インダストリーパートナー)が抱える実際の課題に少人数グループで取り組む、実践色の強い学びが用意されています。履修する科目によっては、CPA Australia、Chartered Accountants Australia and New Zealand(CA ANZ)、Institute of Public Accountants(IPA)の認定要件を満たす学位となり、卒業後はイギリスのACCA(Association of Chartered Certified Accountants)やCIMA(Chartered Institute of Management Accountants)の資格プログラムでも科目免除の対象になります。
科目の多くには選択科目(Complementary studies)の枠が用意されており、2年プログラムでは合計4科目分を自分の興味やキャリアの方向性に合わせて選ぶことができます。監査を軸にしたいのか、税務を専門にしたいのか、それとも経営アドバイザリーの側面を強めたいのか、履修する科目の組み合わせ次第で学びの重心を調整できるのが魅力です。
どの方向に進みたいかによって、選択科目の選び方の考え方も変わってきます。以下は、目指すキャリアの方向性ごとの大まかな考え方です。
| 目指す方向性 |
選択科目の選び方の考え方 |
| 監査(Audit) | 核となるAudit and Assurance in the Digital Ageに加え、内部統制やリスク関連の分野を補強する選択科目を検討すると、監査法人でのキャリアに直結しやすくなります |
| 税務(Tax) | 核となるReal-World Tax: Law, Logic and Applicationに加え、企業法・ビジネス関連法規の理解を深める選択科目を組み合わせると、税務アドバイザーとしての専門性が高まります |
| 経営アドバイザリー・コンサルティング | データ分析やビジネスインテリジェンス系の学びを補強する選択科目を選ぶと、Senior Business AnalystやManagement Consultantのようなポジションに近づきます |
具体的にどの科目が選択科目として開講されるかは学期・年度によって変わるため、入学後にQUTの担当スタッフと相談しながら決めることになります。出願前の段階では、まず「監査・税務・アドバイザリーのどれに比重を置きたいか」という方向性を考えておくと、入学後の科目選びがスムーズです。
キャンパスはブリスベン中心部、ブリスベン川沿いのGardens Pointにあります。都市機能に近い立地は、在学中から会計事務所や企業とのつながりを持ちやすい環境と言えるでしょう。
会計士だけじゃない。広がるキャリアの選択肢
会計士としての実務資格取得はもちろん、企業の財務戦略を担うポジションや、将来的な独立開業まで幅広いキャリアパスが描けます。前のセクションで触れた選択科目の選び方とも連動する形で、目指す方向性ごとに主な職種と就職先をまとめました。
| 方向性 |
主な職種 |
主な業界・就職先 |
| 監査・会計 | Accountant(会計士)/Chartered Accountant | 会計事務所・監査法人・一般企業の経理財務部門 |
| 税務 | Tax Accountant(税務会計士)/Chartered Tax Adviser | 税理士法人・会計事務所・企業内税務部門 |
| アドバイザリー・コンサルティング | Senior Business Analyst/Management Consultant | コンサルティングファーム・金融機関 |
| 非営利・社会分野 | Nonprofit Accountant | 非営利団体・NGO |
| 経営 | CFO・General Manager等の経営ポジション | 各業界の企業(キャリアを積んだ卒業生の将来的なゴールとして) |
卒業後は、CPA(Certified Practising Accountant)プログラムやCAプログラムといった、国際的に通用する会計士資格プログラムへの登録要件を満たした状態でスタートできるのが大きな強みです。オーストラリア国内はもちろん、海外での就業も見据えたキャリア設計がしやすいコースです。
どの資格団体を目指すかによって、その後のキャリアの伸ばし方も変わってきます。監査法人でキャリアを積みたい人はCPA AustraliaやCA ANZ、税務分野で専門性を高めたい人はIPA関連の実務経験を積むなど、資格取得後の進み方は本人の希望に合わせて選べます。これらの資格は国際的に認知度が高いため、オーストラリアでの就業だけでなく、将来日本や他国に戻ってからのキャリアでも専門性を証明する武器として活用しやすい点が魅力です。
こんな人にこそ、挑戦してほしいコースです
「これから会計を学んでみたい」という段階の人にこそ、まず検討してほしいコースです。将来、公認会計士(CPA)や税理士に相当するキャリアを目指している人、会計・税務の知識を土台に将来自分の専門性を活かして独立・開業したい人、数字の分析力とデータ活用スキルの両方を武器にしたい人におすすめです。会計未経験・他分野の学士号からでもオーストラリアで会計士資格を目指せる(学部が会計以外でも出願可)ため、日本国内だけでなく海外でも通用する会計の専門資格を取得したい人にも向いています。
すでに日本で経理・財務の実務経験がある社会人の方にとっては、国際的に通用する会計士資格を取得することで、キャリアの選択肢を海外にも広げるチャンスになります。一方、大学を卒業したばかりでこれから専門性を身につけたいという方にも、学部の分野を問わず出願できる間口の広さは心強いポイントです。監査・税務・アドバイザリーのどれを目指すか今はまだ決めきれていない、という方でも、選択科目を通じて在学中に方向性を見極めていくことができます。
2年間でどう学ぶ?段階的に積み上げるカリキュラム
学部の背景や実務経験によって1年・1.5年・2年のいずれかのプログラムに振り分けられます(詳細は次の「入学条件」を参照)。以下は標準の2年プログラムの科目構成です。
| 時期 |
主な科目 |
| 1年目 前期 | Data-Driven Decision Making/Business Intelligence/Financial Analysis and Decision Making/Economic Analysis in Business |
| 1年目 後期 | Responsible Enterprise/Exploring Financial Accounting Systems/The Rules of Business: Law in Action/選択科目(Complementary studies) |
| 2年目 前期 | Real-World Tax: Law, Logic and Application/Accounting in the Corporate World/選択科目(Complementary studies) |
| 2年目 後期 | Audit and Assurance in the Digital Age/選択科目(Complementary studies)×2 |
(1年・1.5年プログラムでは科目構成が一部異なります。正式な履修計画は
QUT公表のCourse Structure PDFで最終確認することをおすすめします)
1年目はデータ活用や意思決定の基礎となる科目からスタートし、2年目にかけて税務・監査・会計の専門科目へと段階的に進んでいく構成になっています。基礎から専門へと無理なくステップアップできるカリキュラム設計のため、学部で会計を学んでいなかった方でも安心して専門性を積み上げていくことができます。
自分に合うルートは?入学条件と進学プラン
学歴・実務経験の組み合わせによって、2年・1.5年・1年のいずれかのプログラムに振り分けられます。
英語力はIELTS Academic以外にPTE Academic(総合58・各項目50以上)、TOEFL iBT(総合79・Listening16/Reading16/Writing21/Speaking18)、Cambridge C1 Advanced(総合176・各項目169以上)も認められています。英語条件を満たしていない場合は、QUT Collegeの英語コースを経由する進学ルートもあるので、個別にご相談ください。
早期修了ルート(Early exit)について:本コースの一部要件を満たした時点で、Graduate Diploma in Business(BS68)や
Graduate Certificate in Digital Business and Innovation(BS36)として早期に区切って卒業することも可能です(BS68は入学時に単独出願する課程ではなく、本コース在学中の早期修了先として案内されているものです。QUT公式サイト上に単独の課程紹介ページが見当たらなかったため、詳細は出願後にQUTまたは当社までご確認ください)。
日本の大学の成績表は、オーストラリアの大学が使うGPA(7点満点)の評価方法とは仕組みが異なるため、自分の成績がどのプログラムの条件を満たすのか判断しづらいという声をよく伺います。オーストラリア留学センターでは、成績証明書をもとにしたGPA換算の目安の確認から、2年・1.5年・1年のどのプログラムが現実的か、英語スコアが未達の場合の学習ルートまで、出願前の段階で一つひとつ整理させていただいています。
ひと目でわかる、コース概要
| 項目 |
内容 |
| 大学名 | Queensland University of Technology(クイーンズランド工科大学/QUT) |
| コース名 | Master of Professional Accounting(コースコード:BS13、CRICOSコード:120798C) |
| 期間 | 標準2年(フルタイム)。学歴・実務経験により1年・1.5年への短縮も可能 |
| 学費 | 2027年:年間AUD 51,500(フルタイム・96クレジットポイント)。学費は毎年見直される可能性があるため、標準2年間の総額や最新の金額はクイーンズランド工科大学(QUT)・学費・入学日一覧で必ずご確認ください |
| 入学時期 | 2月・7月 |
| キャンパス | Gardens Pointキャンパス(ブリスベン、クイーンズランド州) |
出願前によくいただく質問
| Q. | 会計を学んだことがなくても出願できますか? |
| A. | はい。2年プログラムは「分野不問の学士号+GPA4.00以上(7点満点)」が条件のため、会計・商学以外の学部出身でも出願できます。ただし、CPA Australiaなどですでに認定された会計学位をお持ちの方向けには設計されていないコースです。 |
| Q. | 最短でどのくらいの期間で修了できますか? |
| A. | 商学系の学士号や実務経験、QUTのGraduate Certificate(BS36)修了状況によっては、1年または1.5年での修了が可能な場合があります。出願時に対象プログラムを希望するかどうかを申告する必要があります。 |
| Q. | どの専門資格につながりますか? |
| A. | 履修する科目によりますが、CPA Australia、Chartered Accountants Australia and New Zealand(CA ANZ)、Institute of Public Accountants(IPA)の認定要件を満たすことができ、卒業後はイギリスのACCA・CIMAの資格プログラムでも科目免除の対象になります。 |
| Q. | 去年までの「Master of Business(Professional Accounting専攻)」とは別のコースですか? |
| A. | 実質的には同じ分野の後継コースです。これまではMaster of Business内の一専攻でしたが、旧課程の最終入学は2026年セカンドセメスターとなっており、2027年からは独立した学位「Master of Professional Accounting」に生まれ変わります。2027年以降に出願する方は、本記事で紹介している新課程が対象です。 |
QUTへの進学相談はオーストラリア留学センターへ
GPA条件や英語力、1年・1.5年・2年のどのプログラムが自分に合っているかなど、Master of Professional Accountingへの進学は確認すべきポイントが多いコースです。個々の学歴・キャリアプランに合わせたルート選びを無料でサポートしています。
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