学生寮について

学生寮とは、語学学校や大学が提供または提携する宿泊施設で、様々なタイプがあります。語学学校に通う留学生はオーストラリアに到着後6~12週間程度、生活に慣れるためにホームスティや学生寮で過ごし、その間に内見をした上でシェアハウスを決めて移動するのが一般的です。一方、大学に通う留学生はキャンパス内やキャンパス近くの学生寮に長く滞在する人も多くいます。
学生寮の特徴
学生寮とホームステイの違い
学生寮での生活は、
キッチン・バス・トイレ等は共同で利用する”一人暮らし”のような感覚です。ホームステイに比べて自由度が高くなる一方、自炊など自分で行わなければならないことも増えます(食事付きの場合もあります)。食器や調理道具、家電、家具などは備え付けのものを利用することができます。また、タオルやシーツなどのリネン類、光熱費やWiFi利用料なども寮費に含まれていることが多く、ジムなど建物内の施設を利用できる場合もあります。
また、ホームステイよりも多くの人と交流することができます。
学生寮とシェアハウスの違い
学生寮での生活は、共同生活を送る点や自炊をしなければならない点などシェアハウスと類似した点も多いです。大きな違いは、門限などやや自由が制限されること、一緒に住む人が選べないことです。また、学校などが管理するためトラブルがあった場合の相談しやすかったり、より多くの人と交流することができたりするというメリットもあります。
学生寮ごとの違い
管理者の違い
語学学校が管理する学生寮:
一軒家や居住用マンションの1室を学校が管理し、宿泊施設として提供している学生寮です。「学校が管理するシェアハウス」とイメージするとわかりやすいでしょう。語学学校に多いタイプで、同居人は同じ語学学校の留学生となります。
語学学校が提携している学生寮:
民間企業が運営する総合学生寮と学校が個々に契約し宿泊施設として提供している学生寮です。そのため、同じ建物には他の学校に通う学生さんや社会人が住んでいる場合もあります。同じ総合学生寮であっても学校ごとに値段設定が異なります。こちらも語学学校に多いタイプです。
総合学生寮:
オーストラリアにはCampus Perth、Iglu、UniLodge、The Switch、SCAPEなど複数の民間企業が運営する総合学生寮があり、オーストラリア全土でアパートメントタイプの学生寮を提供しています。部屋のタイプは様々です。
大学が管理する学生寮:
大学のキャンパス内または近くにあり、一般的な学生寮のイメージです。マンションのような建物を学生寮としていることが多いですが、大学によっては1階建ての集合住宅のようなタイプもあります。食事は自炊の場合が多いです。
伝統的な学生寮:
大学のキャンパス内などにあり、イギリス名門校の寮文化や伝統の名残が今も残されている学生寮です。Group of 8などで提供されており、食事付のプランもあります。生活スタイルは英米の映画に出てくるような学生寮のイメージに近いと思います。
部屋タイプや設備の違い
部屋タイプは学生寮によって様々です。
語学学校が管理している学生寮は、例えば3LDKのマンションに3人以上で住むイメージのものが多いです。1つのベッドルームに1人の場合はシングルベッドルーム、2人以上の場合はシェアベッドルームとなり、
リビング・キッチン・バス・トイレ等は共同で利用します。オンスイート(Ensuite)と呼ばれるベッドルームには専用のバスルームが付いています。
総合学生寮や大学が管理する学生寮も3LDKのマンションに3人以上で住むイメージのものが多いですが、キッチンやダイニングは部屋に備え付けてある場合、階ごとに設置されている場合、建物に1つの広いスペースが設置されている場合などがあります。トイレやバスルームについても部屋に付いている場合と階ごとに設置されている場合があります。ベッドルームは1つ1つにドアが付いているタイプのほか、仕切りで区切られているだけのタイプもあります。
伝統的な学生寮などはホテルのような間取りの場合もあります。1つの部屋に1人(シングルルーム)、1つの部屋に2人以上(シェアルーム)といった感じで、トイレやバスルームは部屋に備え付けられている場合や階ごとに設置されている場合があります。
<主な部屋タイプ>
シングルルーム |
複数あるベッドルームのうち、1つのベッドルームを1人で利用します。 |
シェアルーム /ツインルーム |
複数あるベッドルームのうち、1つのベッドルームを2人以上で利用します。ベッドが2つ並んでいる場合や、仕切りはあるけど独立したベッドルームではない場合などがあります。 |
4ベッドルーム /6ベッドルーム |
1部屋に4つのベッドルーム / 6つのベッドルームがある部屋です。 |
スチューディオ |
日本の一人暮らし用のマンション(1K)のイメージです。 |
利用できる設備や宿泊費(寮費)に含まれている費用も異なります。例えば、勉強することを考えるとWiFiの有無などは事前にチェックしておくべきポイントと言えます。また、リネンについても備え付け、貸出、リネンパックを購入など様々ですから、初日から快適に生活するためにも確認しておくことが大切です。
学生寮のメリット / デメリット
学生寮のメリット
通学の便利さ
多くの学生寮はキャンパス内やキャンパスから徒歩圏内にあるため、通学に便利です。また、交通費を抑えることができます。
学生同士の交流
様々な国籍の学生と交流することができます。また、イベントを開催している学生寮もあり、同じ部屋の学生以外とも交流の機会があります。知り合いが多くなれば、それだけ多くの情報も入ってくるため、アルバイト探しや地域コミュニティ参加につながる可能性もあります。
安心感
学校や専門の会社が運営しているため、セキュリティ面で安心できます。また、トラブルがあった場合も相談先が明確です。
生活準備のしやすさ
日常生活に必要な備品のほとんどが揃っているため、自分で準備しなければならないものが少なくて済みます。また、光熱費やWiFi、ジムの利用料なども含まれている場合は、個別に契約しなくても使えるので便利です。
学生寮のデメリット
家賃の高さ
立地がいい場所にある学生寮も多く、特に都市部では家賃が高い傾向にあります。また、様々な設備が含まれている場合が多いため、シェアハウスなどより割高な傾向にあります。
騒音
学生が集まるため、騒がしく感じることがあります。
プライバシーの確保と盗難などのリスク
共有スペースも多いため、プライベートな空間を確保しにくい場合があります。プライバシーを重視する人は、できるだけ一部屋の人数が少ないタイプを選ぶ、シングルルームを選ぶとよいでしょう。また、複数人で1つの部屋を利用するため、稀に、盗難が発生する可能性もあります。貴重品の管理には十分に注意してください。
ルームメイトとの相性
ルームメイトを選ぶことはできないため、生活習慣や文化の違いから、ストレスを感じる場合があります。様々な文化や価値観を知ることができるのはメリットですが、大きな問題と感じることがあれば、学校スタッフや管理会社スタッフに相談しましょう。
門限やルール
独自の門限やルールがある場合があり、シェアハウスに比べると自由度は制限されます。アルバイトなどをする場合は、働ける時間などをきちんと把握しておきましょう。週末やホリデーなどで外泊する場合のルールなどについても確認しておきましょう。
学生寮の申し込みの流れ
語学学校通学者向け
通学予定の語学学校が管理する/提携する学生寮がある場合、希望する方は、カウンセリング時に担当カウンセラーへお知らせください。学生寮の費用を含めた語学学校のお見積もりをご案内します。申し込みは英語コースの申し込みと同時に行います。
総合学生寮などに直接申し込む場合は、原則としてご自身でのお手続きとなります。
大学進学者向け
原則、ご自身でのお手続きとなりますが、お手続き方法などをご案内します。学生寮を希望する場合は、カウンセリング時に担当カウンセラーへお知らせください。
人気のある学生寮は、半年以上前から満室となり、部屋が空くまで待たなくてはならない学校もあります。学生寮に入居を希望している場合、早めにお手続きすることをおすすめします。
学生寮の費用例
学生寮にかかる費用は、提供している学校、含まれているもの(食事・リネン・利用可能な設備など)、立地、1部屋の利用人数などにより大きく異なります。ここではいくつかの例をご紹介します。
語学学校が管理する学生寮:ラングポーツ・イングリッシュ・ランゲージ・カレッジ(ゴールドコースト)
地域 |
サーファーズ・パラダイス(キャンパスまで徒歩6~7分) |
利用できるお部屋タイプ |
①シングルベッドルーム(専用のバスルーム付き) / ②シングルベッドルーム(バスルーム共用) / ③シェアベッドルーム(バスルーム共用) |
宿泊手配費 |
A$320 (約31,360円) |
1週間の宿泊費 |
①A$570 (約55,860円) / ②A$540(約52,920円) / ③A$440(約43,120円) |
保証金など |
A$400 (約39,200円)
※到着時に支払い。条件を満たしていれば、出発時にA$150 (約14,700円)の清掃費を差し引いて返金される。 |
その他利用できる施設等 |
プール、ジム、BBQ設備、シネマルーム、コインランドリー等 |
※4週間以上のお申込みとなります。
※WiFiは含まれていません。
※詳細は担当カウンセラーへご確認ください。
語学学校が提携している学生寮:Impact English College(Melbourne)
地域 |
メルボルン市内(キャンパスまで徒歩15分) |
利用できるお部屋タイプ |
シングルベッドルーム
※6つのベッドルームでなる部屋のプライベートルーム。バスルームは部屋内、キッチンはアパートメント内共用 |
宿泊手配費 |
A$350 (約34,300円) |
1週間の宿泊費 |
A$510 (約49,980円)⇒2025年7月1日以降お申込み/2026年滞在はA$550 (約53,900円) |
入寮前の清掃費 |
A$200 (約19,600円)⇒2025年7月1日以降お申込み/2026年滞在はA$250 (約24,500円) |
その他利用できる施設等 |
WiFi、平日の朝食、ジム、スタディースペース、シネマルーム、自動販売機、自転車置き場、共用リビングルーム、コインランドリー等 |
※5週間以上(2025年7月1日以降にお申し込みの場合は4週間以上)のお申込みとなります。
※詳細は担当カウンセラーへご確認ください。
総合学生寮
オーストラリアにはCampus Perth、Iglu、UniLodge、The Switch、SCAPEなど複数の学生寮専門会社があります。立地、部屋のタイプ、契約期間などにより金額が異なります。1部屋あたりの人数が少ない、また都市部に近くなるほど金額は高くなります。
1週間の宿泊費 |
A$250 – A$800 / 週 (約2万円 – 約8万円 / 週) |
※宿泊手配費や保証金、その他必要な費用(リネン代や清掃費など)、利用できる施設などについては各学生寮提供会社のウェブサイトをご確認ください。
大学が管理する学生寮:マッコーリー大学
地域 |
キャンパス内 |
利用できるお部屋タイプ |
①ツインルーム(スタディスペース(2つ)、キッチン、冷蔵庫、バスルーム ※2名で共用、個室にはなっていない)
②6ベッドルーム(個室スタディスペース、キッチン、冷蔵庫、リビング、バスルーム ※個室以外は6名で共用)
③6ベッドルーム(個室スタデイースペースが広めの6ベッドルーム)
④4ベッドルーム(個室スタディスペース、キッチン、冷蔵庫、リビング、バスルーム ※個室以外は4名で共用)
⑤スチューディオ(スタディースペース、簡易キッチン、冷蔵庫、プライベートバス)
⑥アクセス・スチューディオ(バリアフリーのスチューディオ)
⑦ワンベッドルーム(スタディスペース、簡易キッチン、冷蔵庫、リビングルーム、プライベートバス) |
1週間の宿泊費 |
①A$283 (約27,734円) ②A$401 (約39,298円) ③A$412 (約40,376円) ④A$424 (約41,552円) ⑤A$519 (約50,862円) ⑥A$519 (約50,862円) ⑦A$592 (約58,016円) |
保証金 |
宿泊費4週間分 |
その他の費用 |
年次清掃費など ※要確認 |
その他利用できる施設等 |
WiFi、ゲームルーム、スタディースペース、コモンスペース、キッチン、ダイニングスペース、ラウンジ、コインランドリー等 |
※セッションごと、もしくは1年単位のお申込みとなります。
※マッコーリー大学にはほかにもキャンパスから徒歩圏内に複数の学生寮があります。
※詳細は担当カウンセラーへご確認ください。
大学の伝統的な学生寮:西オーストラリア大学
地域 |
セント・ジョージズ・カレッジ(西オーストラリア大学に隣接) |
利用できるお部屋タイプ |
シングルベッドルーム(シングルベッド、机、クローゼット、シャワー・トイレ)※1年目はシャワー・トイレは共用 |
契約料 |
A$2,450 (約240,100円) ※入寮オリエンテーションやカレッジメンバーシップ会費などを含む |
寮費 |
A$13,300 (約1,303,400円) / セメスター(半年)
A$26,500 (約2,597,000円) / 年間 |
駐車場代 |
A$250 (約24,500円) / セメスター(半年) |
その他利用できる施設等 |
1日3食の食事、食堂、音楽室、チャペル、図書室、光熱費、WIFI、エアコン、寝具・タオル、週1回の清掃、洗濯機利用、西オーストラリア大学のジム会員、カレッジクラブ会員、夏季ホリデーの荷物預かり(翌年寮に戻ってくる人のみ)等 |
※セメスターごとのお申込みとなります。また、スクールホリデー時は別料金で滞在費用がかかり、寮によってはキッチンが閉まり食事が提供されないことがあります。
※西オーストラリア大学はにはほかにも4つの伝統的な学生寮があります。
※このタイプの学生寮は、入寮のために面接がある場合があります。
※詳細は担当カウンセラーへご確認ください。
学生寮の注意点
利用条件を確認しておこう
学生寮は、大学や語学学校のキャンパス内を含めキャンパスから便利な場所に立地していることが多く、通学には非常に便利です。一方で、食事の有無、共同で利用する設備を何人で利用するのか(部屋についているのか、建物全体で1つなのか、各階にあるのかなど)、部屋のタイプ(シェアや個室)、WiFiなどの設備の有無など様々です。自分が利用したい条件の学生寮なのか、事前に確認した方がよいでしょう。
メリット/デメリットを理解しておこう
学生寮は相部屋になることも多く、滞在中のトラブルに繋がることもあります。また、様々なバックグラウンドを持つ多くの人が1つの建物で共同生活を送ることもあるため、騒音などその他、学生寮を利用する上での、メリット・デメリット(長所と短所)を把握した上で、利用することをオススメします。
早めのお手続きを
近年はライフスタイルの変化から、より自分のペースで過ごしやすいシェアハウス型の学生寮を希望される方も増えています。人気のある学生寮は、半年以上前から満室となり、部屋が空くまで待たなくてはならない学校もあります。学生寮に入居を希望している場合、早めに手配することをおすすめします。
契約解除の条件を理解しておこう
「シェアや他の学生寮に移りたい」など自分の都合で契約期間よりも早く学生寮を出る場合、支払った金額が戻ってこない場合があります。また、残りの期間代わりに入居してくれる人がいる場合は契約解除できるなどの条件がある場合もあります。シェアや他の学生寮へ移動したい場合は、まず契約解除が可能か、返金されるかどうかを確認しましょう。
学生寮生活を楽しもう!
文化の違いを楽しむ!
日本とオーストラリア、またその人が持つバックグラウンドによって文化、生活習慣、考え方がまったく違います。カルチャーショックを受けることも多いかもしれません。「日本ではこうじゃないのに」、「こんなはずではなかった」というふうに考えていては、せっかくの学生寮での生活がつまらないものになってしまいます。考え方をプラス志向に変えて、「日本とはこんなに違うんだ」というふうに受け入れてしまえば、オーストラリアで過ごす時間を楽しむことが出来るでしょう。
言いたいことははっきり言う!
言葉の面でも最初は慣れない英語が上手く伝わらず、もどかしさを感じることもあるでしょう。しかし、「雰囲気で察する」とか「言わなくてもなんとなくわかってくれる」のは日本人特有の文化です。オーストラリアでは言葉にしないと伝わりません。
英語がうまく話せないからと言って、コミュニケーションがとれないということもありません。言いたいことがなかなか通じなくても、自分でわかる限りの文法、単語を駆使し身振り手振り、直接話すことが難しければメモに書いてもいいです。とにかく伝えてみましょう。その中で生きた英語を身につけることが出来ます。
また、オーストラリアでは、ものごとをはっきり言う人が多く、ストレートな英語的な表現のせいで、ちょっとした言葉がきつい感じに聞こえることもあります。それをいちいち気にして落ち込んでいては大変です。あまり気にしすぎないようにした方がいいでしょう。
不便はあって当たり前
オーストラリアの生活は日本と比べると不便です。日本のように物が溢れているわけではありませんし、夜遅くまで営業しているお店もほとんどありません。「日本だったらこんな苦労はしなくていいのに」と思うことも多々あります。しかし、ここはオーストラリア。そんな”不便も楽しむ”ことが有意義な留学生活につながります。“何でも積極的にチャレンジしてみる”“不便なことはそのほかの方法で解決してみる”など、前向きな志向を持って、日本では体験できない生活をしましょう。
※備考※
・この情報は2025年6月現在のものです。
・日本円は弊社が取得できる最新の送金レート(A$1=98円) で換算しています。