2020年 12月6日午前2時31分〜午前2時33分ごろ、はやぶさ2本体から分離されたカプセルがオーストラリアに帰還しました。このニュースは 多くの方がご覧になられたのではないでしょうか?
はやぶさ2のカプセルが帰還した地は、オーストラリアは アデレードを州都とする南オーストラリア州のウーメラです。 アデレードから北西に約500キロほどが、はやぶさ2 カプセル回収班の滞在拠点ウーメラですが、実際のカプセル帰還地はそこから北へ350キロほど圏内のオーストラリア軍施設内(立ち入り禁止区域)です。 ウーメラから北に400キロほどが クーバーペディと呼ばれる地下の街(オパール採掘の街)になり、ウーメラとクーバーペディの中間地点と言うことになります。
本ページでは、2020年7月の時点で カプセル帰還について下記のようにご案内しておりました。
更新日:7月21日
7月9日、日本の安倍晋三首相と オーストラリアのモリソン首相が バーチャル形式の首脳会議(サミット)を開催したことはニュースでご存知の方も多いと思います。「防衛・安全保障面」で連携を深める方策を協議するための首相会議ですが、事案の一つに「宇宙協定」が発表されています。
引用:日豪首脳テレビ会談の開催(外務省)
この宇宙協定は日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、2018年に設立されたオーストラリア宇宙局(ASA / Australian Space Agency) が宇宙科学の 「研究教育部門」で協力関係を発展させることを話し合われました。両国の 宇宙機関が「宇宙科学、宇宙研究、宇宙教育の分野」でより大きな協力関係を発展させることの取決めになります。(2020年末に予定されている小惑星探査機「はやぶさ2(JAXA)」のカプセルの帰還 は、オーストラリアの南オーストラリア州が予定されています)
今回、実際にドキドキしながらJAXAのライブ中継を見て、無事にカプセルの帰還がわかり安心したとともに、あらためて世界の宇宙開発技術の進歩に感動しました。
そのカプセル大気圏突入のリアルタイム実況は JAXA のYoutubeチャンネルよりご覧頂けます。
VIDEO
また、JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)と ASA(オーストラリア宇宙局)、そして NASA(アメリカ航空宇宙局)の協力があって成し遂げられた偉業と言っても過言ではありません。アデレード空港にはNASAからの観測機もサポートにきており、当日も上空を観測のため飛んでおりました。
やはり宇宙開発技術と言う点では、アメリカを筆頭に日本も大変優れた技術を持っていますから、同分野でキャリアを目指す場合、日本で進学するのが1番最初の候補になるかとは思いますが、上記の通り、今回のはやぶさ2のカプセル帰還および回収など、それぞれの宇宙局が「情報」「システム」「技術」を共有しあいプロジェクトを進めています。
何より 今回のような偉業達成をオーストラリア側の技術者、宇宙関連職の立場で参加できる日がくるかもしれません。
オーストラリア宇宙庁(Australian Space Agency)とは?
オーストラリアはつい数年前まで、独自の宇宙機関を持たない国家でした。かつては、CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation / オーストラリア連邦科学工業研究機関)という「あらゆる技術」を研究する国家機関が宇宙研究の中心となっており、自国での衛星製造やロケット開発などは行わず、地球観測分野(リモートセンシング)に注力してきた歴史があります。
2018年、オーストラリア宇宙庁(Australian Space Agency)の 創立が宣言され、2020年2月19日、南オーストラリア州アデレードに
オーストラリア宇宙局(ASA)本庁舎 を正式に開所しました。オーストラリア宇宙局(ASA)は、衛星技術の開発や実証を行うミッション・コントロール・センターと、科学・技術・工学・数学(STEM)教育や宇宙ミッションのシミュレーションなどを提供するスペース・ディスカバリー・センターが設立されます。
昨年、オーストラリア政府は、宇宙関連ビジネスおよび技術に対して今後5年間に1億5,000万豪ドル(約109億円)を投資することを表明しています。この投資分野は、オーストラリア宇宙庁(ASA)と米航空宇宙局(NASA) が連携し、両国の協力分野を決定したものです。オーストラリアでは、既に採掘作業などで 活用されているロボット工学やオートメーション(自動化)、人工知能(AI)、地球観測 などの分野への貢献です。1億5,000万豪ドルの予算は、こうした分野でのオーストラリア企業による事業の支援や、宇宙産業の国際競争力強化などに充てられています。オーストラリアが注力してきた 地球観測分野で 大量に生成される衛星画像に対しても、 人口知能(AI)を活用して画像解析を行うことが 進められておりオーストラリアが力を入れる2技術(地球観測分野と AI )を組み合わせて利用していくことが期待されています。
今後、2030年までにオーストラリアは、宇宙産業の市場規模を3倍に拡大し、
最大2万人の雇用を創出 する考えです。宇宙産業は オーストラリアでより多くの雇用、新しい技術、ビジネスへの投資をもたらすと期待されており、宇宙産業への投資は、GPSの改善などを通じて「災害対策」や農地管理、干ばつ予測などを向上させ、日常生活にも恩恵をもたらすとしています。
アデレード で 宇宙(Aerospace)を学ぶ
南オーストラリア州の州都アデレードには、2018年に創設され、2020年2月に本庁舎を開所したオーストラリア宇宙庁(ASA / Australian Space Agency)があり、2つの大学(アデレード大学、南オーストラリア大学)にて、宇宙分野について学べるコースを開講しています。
アデレード大学
宇宙科学・天体物理学 (Space Science & Astrophysics)
アデレード大学では、宇宙科学・天体物理学 のコースが開講しています。
宇宙と天体物理学の研究者 および 技術研究開発におけるキャリアを目指すためにコース構成されており、教科は、物理学に重点を置いた「天文学」と「宇宙科学」です。コース中は、宇宙科学と天文物理学の専門家から直接指導を受けることが出来、また 実績のある科学者とプロジェクトワークに参加する機会も与えられます。
期待される職種
・防衛機関(省庁) ・気象局 ・宇宙開発機関 ・特定分野の研究施設
コース名 Bachelor of Science(Space Science & Astrophysics) (学士号)
期間 3年間
入学 2月、7月のみ
学費 年間 41,500ドル(2021年度)
英語
・IELTS Academic overall 6.5(各セクション 6.0)以上
または
・アデレード大学付属英語学校のPEPコースを規定レベルで卒業すること
出願条件
・アデレード大学カレッジの Foundation コースを終えること。アデレード大学カレッジからの詳しい進学方法は下記ご参考ください。
参考:アデレード大学への進学方法
奨学金情報 奨学金は下記のページをご参考ください。
[2021〜2025年]アデレード大学から奨学金のお知らせ
アデレード大学
宇宙工学 (Aerospace Engineering)
アデレード大学では前述の宇宙科学・天体物理学の他、メインとなる宇宙工学のコースも学士号(Bachelor)〜修士号(Master)を通じて開講しています。
航空機産業、防衛、通信、あるいは衛星技術企業で、航空機、宇宙船、関連技術の設計、製造、革新技術の開発に携わる航空宇宙エンジニアを目指す方に最適なコース。
期待される職種
・航空宇宙エンジニア ・衛星技術者
コース名 Bachelor of Engineering (Honours)(Mechanical – Major Aerospace Engineering) (学士号)
期間 4年間
入学 2月、7月のみ
学費 年間 43,000ドル(2021年度)
英語
・IELTS Academic overall 6.5(各セクション 6.0)以上
または
・アデレード大学付属英語学校のPEPコースを規定レベルで卒業すること
出願条件
・アデレード大学カレッジの Foundation コース、または Degree Transfer Program(Engineering)を終えること。アデレード大学カレッジからの詳しい進学方法は下記ご参考ください。
参考:アデレード大学への進学方法
奨学金情報 奨学金は下記のページをご参考ください。
[2021〜2025年]アデレード大学から奨学金のお知らせ
コース名 Graduate Diploma in Engineering (Aerospace Engineering) (修士号)
期間 1年間
入学 2月、7月のみ
学費 年間 44,500ドル(2021年度)
英語
・IELTS Academic overall 6.5(各セクション 6.0)以上
または
・アデレード大学付属英語学校のPEPコースを規定レベルで卒業すること
出願条件
・機械工学、メカトロニクス、航空宇宙、自動車工学の学士号を修了していること。
奨学金情報 奨学金は下記のページをご参考ください。
[2021〜2025年]アデレード大学から奨学金のお知らせ
コース名 Master of Engineering (Aerospace Engineering) (修士号)
期間 2年間
入学 2月、7月のみ
学費 年間 44,500ドル(2021年度)
英語
・IELTS Academic overall 6.5(各セクション 6.0)以上
または
・アデレード大学付属英語学校のPEPコースを規定レベルで卒業すること
出願条件
・機械工学、メカトロニクス、航空宇宙、自動車工学の学士号を修了していること。
奨学金情報 奨学金は下記のページをご参考ください。
[2021〜2025年]アデレード大学から奨学金のお知らせ
南オーストラリア大学(UniSA)
宇宙学(宇宙工学)
南オーストラリア大学では、半年間の修士号 Graduate Certificate にて宇宙学(Space Studies)を開講しています。同コースは、米国の
International Space University (ISU) との共同プログラムで開催されており、入学条件として、ISUの
Southern Hemisphere Space Studies Program (SHSSP) を受講済みであることが前提条件となっているのが特徴です。SHSSPは、宇宙工学士を優秀な成績にて修了されている方が対象となり非常に難易度の高いコースになります。
地球観測・リモートセンシング、宇宙政策と規制、宇宙ミッションの設計、宇宙技術の応用、宇宙科学技術(宇宙打上げシステムの設計、宇宙船の部品設計、衛星ペイロードの設計などのキャリアをお考えの人にオススメです。
期待される職種
・航空宇宙エンジニア ・衛星技術者
コース名 Graduate Certificate in Space Studies (修士号)
期間 6ヵ月
入学 1月、7月
学費 年間 35,300ドル(2021年度)
英語
・IELTS Academic overall 6.5(Reading & Writing 6.0)以上
出願条件
・機械工学、メカトロニクス、航空宇宙 などの関連する学士号を修了していること、且つ、Southern Hemisphere Space Studies Program (5週間で約14,000ドル)を修了していること。
アデレードで 宇宙分野への進学について
宇宙開発分野では、圧倒的に日本の方が予算 (JAXA/1800億円)もあり、アカデミアも東京大学を筆頭に多くの実績もあります。 オーストラリアでは、宇宙工学分野では、まだまだコレからの分野ではありますが、今後、オーストラリアは 宇宙庁の開所を含め、国力をあげて宇宙分野へ進出することが予定されていますから、オーストラリアで宇宙分野を学ぶことは、オーストラリア国内はもとよりオセアニアにおける宇宙分野の産業に貢献できるチャンスでもあります。
出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験 を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合は大学付属属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類4点を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォーム を送信してください。その後、正式に出願手続きへ進みましょう。
留学相談&お問い合わせ
当社オーストラリア留学センターは アデレード大学、南オーストラリア大学を含め
全豪29大学 の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで
全て無料 で提供しております。
※備考※
・本記事は2020年7月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2021年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=75円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。