
オーストラリアの
Doctor of Philosophy (PhD)や
Master of Philosophy (MPhil)は、学部(Bachelor)や授業中心の修士課程とは、出願の方法そのものが違います。
指導教員(一般に「スーパーバイザー」、UQの出願手続き上は「Advisor」と呼ばれます)を自分で探し、奨学金を獲得してはじめて入学できる仕組みです。探す場所は
UQ Experts(旧UQ Researchers)という研究者検索サイトです。
この記事では、クイーンズランド大学(The University of Queensland/UQ)のリサーチ学位について、PhDとMPhilの違い、入学条件、指導教員の探し方、EOIから本出願までの5ステップ、入学の条件となる奨学金、そして出願にかかる期間までを実務目線でまとめました。
先にお伝えします。UQのPhDは、奨学金を受けていない場合は入学ができないコースです。
留学生は、競争的に獲得した奨学金を確保していることが入学の絶対条件です。
出願時にあわせて奨学金への応募も行いますが、奨学金が得られなければオファーレターは発行されません。
【要確認】MPhilにも同じ条件が適用されるか、現在UQへ確認中です。
UQのリサーチ学位は、学部(Bachelor)や修士(Master)の出願とは、方法そのものが違います。
学部や授業中心の修士課程であれば、コースを選び、成績と英語スコアが条件を満たしていれば出願でき、大学が合否を判断します。学費を払う準備があることも、そのまま前提として通用します。
UQのリサーチ学位は、この形になっていません。

学部・修士の出願手順をそのまま当てはめると、最初の一歩からつまずきます。
違いは大きく2つです。
ひとつ目は、
自分を受け入れてくれる指導教員(Supervisor/Advisor)を、自分で探さなければならないことです。UQの2,000名を超える研究者の中から、自分の研究テーマと重なる人を見つける必要があります。
その研究者から支持(サポート)が得られなければ、書類がどれだけ整っていても出願は前に進みません。
ふたつ目は、
留学生は学費を自己負担してリサーチ学位に入学することができないことです。競争的に獲得した奨学金を確保していることが、入学の条件になっています。
つまり、「コースを選んで、学費を用意して、出願する」という進み方が成立しません。
指導教員を見つけ、奨学金を勝ち取って、はじめて入学できる——これがUQのリサーチ学位の構図です。
ここを理解しないまま「とりあえず出願書類を作る」と、時間だけが過ぎていきます。まずは全体像から整理していきます。
リサーチ学位(HDR)とは何か

オーストラリアでは、研究を主体とする大学院課程をHigher Degrees by Research(HDR/研究による高等学位)と呼びます。Research Higher Degrees(RHD)や「postgraduate research degrees」と表記されることもありますが、指しているものは同じです。
授業を受けて単位を積み上げる
コースワーク型の修士(Master of ○○)とは、評価のされ方から在籍の管理まで別物だと考えてください。試験やレポートで単位を取るのではなく、研究の進み具合そのものが評価対象になります。
UQでリサーチ学位にあたるのは、Master of Philosophy(MPhil/哲学修士)とDoctor of Philosophy(PhD/博士)の2つです。
このほかに、獣医臨床科学のDoctor of Veterinary Clinical Scienceなど、臨床研修と学位論文を組み合わせた専門職博士(Professional Doctorate)もあります。
「マスターのリサーチコースに行きたい」というご相談をいただくことがありますが、UQの場合、それはコースワーク修士の中の研究科目のことではなく、このMPhilを指します。
MPhilとPhD、どちらを選ぶか

MPhilとPhDは「短い方」「長い方」という関係ではありません。求められる研究の水準も、その後に開ける道も違います。
| 項目 |
Master of Philosophy(MPhil) |
Doctor of Philosophy(PhD) |
| 期間 | 1.5〜2年(フルタイム) | 3.5〜4年(フルタイム) |
| 修了要件 | 約40,000語の学位論文+口述試験 | 約80,000語の学位論文+口述試験 |
| 位置づけ | PhDの約半分の長さ・分量。条件を満たせばPhDへの移行(transfer)が検討できる | 大学が授与できる最高学位。多くの研究職・大学教員職で求められる資格 |
| CRICOSコード | 0100215/0100216(研究分野により異なる) | 0100213/0100214(研究分野により異なる) |
MPhilからPhDへの移行には条件があり、誰でも自動的に上がれるわけではありません。「まずMPhilで入って、後からPhDに変える」という前提だけで進路を決めるのは、当社としてはおすすめしていません。
一方で、研究経験がまだ十分でない方や、PhDの学歴条件にわずかに届かない方にとって、MPhilは現実的な入口になります。この判断は成績証明書と研究歴を見ないとできませんので、個別にご相談ください。
UQのリサーチ学位は「学期」ではなく「リサーチクオーター」で動く

コースワークの学部・修士課程がSemester 1/Semester 2で動くのに対し、リサーチ学位はResearch Quarter(RQ/リサーチクオーター)という3か月単位の区切りで管理されます。
| リサーチクオーター |
期間(開始できるのは各クオーターの初月) |
| RQ1 | 1月1日〜3月31日(開始は1月) |
| RQ2 | 4月1日〜6月30日(開始は4月) |
| RQ3 | 7月1日〜9月30日(開始は7月) |
| RQ4 | 10月1日〜12月31日(開始は10月) |
入学時期が年4回あるということは、日本の大学院と比べて開始のタイミングを選びやすいということです。ただし留学生の場合、各クオーターで開始できる最終日が国内学生より早く設定されています(RQ1であれば1月14日)。
在籍中の評価は、試験や課題ではなくProgress Review(進捗レビュー)で行われます。決められた時期に研究の進み具合を報告し、審査を受けながら次の段階へ進んでいく形です。
つまり、入学してからの数年間は「試験を乗り切る」のではなく「研究を止めずに前へ進める」ことが求められます。この点は、進学前にご家族とも共有しておいていただきたい部分です。
出願の全体像は5ステップ

UQのリサーチ学位への出願は、次の5段階で進みます。順番を飛ばすことはできません。
| ステップ |
やること |
| 1. 入学条件の確認 | MPhilとPhDそれぞれの学歴条件・英語条件を満たしているかを確認する |
| 2. 指導教員/研究テーマ探し | UQ Experts(研究者検索、旧UQ Researchers)で、自分の研究と重なる研究者を探す |
| 3. 書類の準備 | CV、成績証明書、学位記、英語スコア、パスポート、推薦者2名の情報などをそろえる |
| 4. EOIの提出 | オンラインでExpression of Interest(関心表明)を提出する。入学の条件となる奨学金の希望チェックもここで行う |
| 5. 本出願 | EOIが承認されたら本出願へ。必要に応じてエージェントを指名する |
日本の大学院入試との最大の違いは、ステップ2とステップ4です。この2つを軽く見た出願は、ほぼ確実に止まります。
ステップ1:入学条件を確認する

UQのリサーチ学位の入学条件は、研究の準備ができているかを見るために設計されています。判断の軸は、研究経験があるか、認められた大学の学位を持っているか、英語力の基準を満たしているか、の3つです。
学歴条件はMPhilとPhDで異なります。代表的なものを整理します。
| 出願の入口 |
MPhilの学歴条件(いずれかを満たす) |
PhDの学歴条件(いずれかを満たす) |
| リサーチ修士号 | — | Master of Philosophy、またはその他のリサーチ修士号 |
| 学士号(Honours) | 認められた大学の学士号で、Honours Class IIB以上(または同等)+関連する経験 | 認められた大学の学士号で、Honours Class IIA以上(または同等) |
| コースワーク修士号 | — | UQの7段階評価でGPA5.65以上、かつ関連する研究経験があり学部長が承認したもの |
| 大学院学位(1年以上) | 7段階評価のGPA5.0以上+関連経験、学部長の承認 | 7段階評価のGPA5.0以上、かつHonours Class IIA相当の研究経験が示せる場合は個別に判断 |
| 学士号+経験 | 2年以上の関連する実務経験(書面で証明できるもの)、学部長の承認 | 2年以上の関連する研究経験(研究業績を含む) |
| その他 | 入学水準を満たすことを示せる、その他の資格または経験 | — |
PhDの場合、認められた学位は「提案する研究テーマに関連する分野」であること、そして「取得から10年以内」であることが求められます。学部卒業から時間が経っている方は、ここが最初の確認ポイントになります。
日本の大学にはHonoursという区分がないため、「自分がHonours Class IIA相当なのか」は成績証明書だけでは判断できません。評価方法は大学によって異なり、最終判断はUQが行います。当社では成績証明書を拝見したうえで目安をお伝えしていますので、個別にご相談ください。
英語条件は次のとおりです。臨床系(clinical)の分野だけ基準が高く設定されています。
| 試験 |
必要スコア(MPhil・PhD共通) |
| IELTS(臨床系以外) | Overall 6.5、各セクション6.0以上 |
| IELTS(臨床系) | Overall 7.0、各セクション7.0以上 |
| TOEFL iBT | Overall 87以上 |
| TOEFL(ペーパー) | Overall 570、TWE 5.0、Reading・Listening各54以上 |
数字だけ見ると「IELTS 6.5なら手が届きそう」と感じる方が多いのですが、各セクション6.0という条件のほうが実際にはネックになります。Writingだけ5.5で止まる、という形で足踏みするケースをよく見ています。
さらに現実的な話をすると、入学条件を満たすスコアと、80,000語の英語論文を書き切れる英語力は別ものです。条件クリアは出発点であって、ゴールではないとお考えください。
ステップ2:指導教員(スーパーバイザー)を探す

ここがオーストラリアのリサーチ学位で最も重要な部分です。UQには2,000名を超える研究者が在籍しており、その中から自分の研究テーマと重なる人を探します。
探す場所は
UQ Experts(旧UQ Researchers)という研究者検索サイトです。研究分野、所属組織、キーワードなどから絞り込めます。
UQのPhDは奨学金の確保が入学の条件になるため、指導教員を探す段階から、
奨学金がすでに確保されたプロジェクトを探すという方法もあります。
UQ Graduate Schoolの
Find a graduate research project with a scholarshipで、奨学金付きの募集プロジェクトを検索できます。
指導教員側がテーマと奨学金をあらかじめ用意しているため、奨学金獲得の不確実性を減らせるのが利点です。
ここで多くの方が悩むのが「いきなり先生にメールを送っていいのか」という点です。UQの場合、その必要はありません。EOI(関心表明)のフォーム自体が、研究者にアプローチするための仕組みとして用意されています。
とはいえ、EOIの内容が研究者の関心と噛み合っていなければ、支持は得られません。相手が今どんなテーマに取り組んでいるのか、直近の論文は何かを読み込んだうえで、自分の研究がその延長線上にあることを示す必要があります。
なお大学によっては、UQと違って事前に指導教員とやり取りした証拠(メールのやり取りの記録など)を出願書類として求めるところもあります。複数校を並行して検討する場合は、大学ごとに要求が違う前提で準備を進めてください。
ステップ3:必要書類をそろえる

必要書類は次のとおりです。英語以外の言語で発行された書類は、すべて翻訳が必要になります。
| 書類 |
注意点 |
| Academic CV/Resume(研究用の履歴書) | リサーチ学位を始める準備ができているかを判断する中心的な書類。大学が指定する見出しの構成があるため、就職用の履歴書を流用しない |
| Academic transcript(成績証明書) | 英文のもの。発行に時間がかかるため早めに手配する |
| Degree certificate(学位記) | 英文のもの |
| 英語力の証明書類 | IELTS・TOEFLなどのスコアレポート |
| パスポート | 本出願の段階で必要 |
| 推薦者(Referee)2名の情報 | 氏名と連絡先を提出する。大学から直接、推薦者へレポートの依頼が届く |
| その他(改姓の証明など) | 該当する場合のみ |
CVで最も重要なのは、
研究経験と研究スキルをできる限り具体的に書くことです。学会発表、共同研究、実験手法、使えるソフトウェア、データ分析の経験など、研究者として何ができるかが伝わる情報を厚くします。
推薦者は、肩書きの立派さよりも「あなたの研究能力について語れる人」を選んでください。大学は提出された連絡先に直接メールを送り、書面でのレポートを求めます。推薦者本人がそのメールに気づかない、あるいはPDFフォームがうまく開けない、といった理由で審査が止まることが実際にあります。
依頼した推薦者には、大学からメールが届くことと、いつ頃届くかを事前に伝えておいてください。ここで数週間を失うケースは珍しくありません。
また、受け入れ先の学部・研究所(Administering Organisational Unit/AOU)が、独自にResearch Proposal(研究計画書)やExtended Abstract(拡張要旨)を求めることがあります。
これは研究分野によって異なるため、指導教員候補に確認しておくと安全です。
ステップ4:EOI(関心表明)を提出する

書類がそろったら、
apply.uq.edu.auからEOIを提出します。EOIは、指導教員候補に自分の研究を届けるための最初の関門です。
奨学金は、
この段階でチェックボックスにチェックを入れることで審査対象になります。別ルートで申請するのではなく、EOI・出願の中に組み込まれている点が特徴です。
留学生にとって奨学金は入学の条件そのものですから、
ここでのチェック漏れは致命的です。当社でも、奨学金の項目をどう埋めるべきかというご相談は毎回いただきます。迷ったら提出前にご相談ください。
もうひとつ、EOIの段階で意外と効いてくるのが
スペルミス・表記ゆれです。氏名の綴り、大学名、学位名の表記が書類間でずれていると、内容を読まれる前に機械的にはじかれることがあります。
提出前に、パスポート・成績証明書・CV・出願フォームの4点で氏名と学歴の表記が完全に一致しているかを、必ず突き合わせてください。当社が出願サポートで最初に確認するのもこの部分です。
ステップ5:EOI承認後の本出願とエージェント指名

EOIが指導教員候補(Principal Advisor)に承認されると、本出願へ進みます。
日本国籍の方は、UQの審査上Level 3に区分されないため、この段階でエージェント指名の手続きは発生しません。本人またはエージェントが直接、本出願を提出する流れになります。
【要確認】一部の国(Level 3に区分される国)からの出願者には、StudyLinkからエージェントを指名するよう案内メールが届き、EOI Approved Agent Nomination Formへの記入とGraduate Research School(GRS)への送付が必要になりますが、これは日本国籍の出願者には通常発生しません。
出願からオファーまでの期間

提出からオファーレターの受領まで、
通常およそ12週間かかります。日本の大学院入試の感覚でいると、かなり長く感じられるはずです。
この12週間には、不足書類の追跡、受け入れ先の学部・研究所が本当に支援するかの確認、推薦者からのレポート到着待ち、そしてGenuine Student(本物の学生か)およびSanctions(制裁対象者ではないか)のチェックが含まれます。
推薦者のレポートがそろわない、書類に不足がある、学部・研究所の承認が下りない——このいずれかがあると、審査そのものが始まりません。「提出したのに何も動いていない」ように見えるとき、原因はたいていここにあります。
さらに奨学金ラウンドに応募している場合は、通常より時間がかかります。結果はそのラウンドの発表日まで出ないため、ラウンドの日程を前提にスケジュールを組む必要があります。
現地からの進学を考えている方は、
ご自身のビザの有効期限と、この12週間+ビザ手続き期間を必ず並べて確認してください。
ビザの種類によっては、オーストラリア国内から学生ビザに切り替えられない場合があります(Department of Home Affairsおよびオーストラリア政府のStudy Australiaが公表する制度情報による)。
個別のビザ判断は当社では行っておりませんので、必ず最新の政府情報をご確認ください。
奨学金は「あれば助かるもの」ではなく入学の条件

ここは、UQのPhDを検討するうえで
最も重要な前提です。UQのPhDは、
奨学金を受けていない場合は入学ができません。
競争的に獲得した奨学金を確保していることが、入学の条件になっています。「学費を全額支払うので受け入れてほしい」という進み方は、UQでは成立しません。
日本の大学院の感覚だと「お金を用意できれば行ける」と考えてしまいがちですが、UQのリサーチ学位はそもそも入口の設計が違います。
奨学金を獲得できるかどうかが、進学できるかどうかそのものです。
したがって準備の力点も変わります。書類を整えることよりも、指導教員の支持を得て学部・研究所から推薦されるところまで到達できるかが勝負になります。
主な奨学金は次のとおりです。
| 奨学金 |
内容 |
| UQ Graduate Research School Scholarship(UQGRSS/資料によりUQGSSとも表記) | 生活費として年額A$39,220(日本円で約4,431,860円)(2026年度レート・非課税・毎年改定)。PhDは3.5年、MPhilは2年。学費とSingle OSHC(留学生用の医療保険・単身分)も対象。留学生・国内学生の双方が応募可能 |
| Fellowship Support Scheme(研究プロジェクト連動型) | 大型研究プロジェクトに参加する形の奨学金。金額はUQGRSSと同水準だが、対象は国内学生のみ。応募時期はプロジェクトによって異なる |
| 外部奨学金 | UQのLiving Scholarship水準を最低限満たし、PhDは3.5年、MPhilは2年まで支給されるものが評価対象。基準に満たない場合は補填の可否が個別に検討される |
UQGRSSに応募するには、
指導教員(Advisor)を確保していることと、
所属予定の学部・研究所から推薦(nominate)されることの両方が必要です。書類を出せば自動的に審査されるものではありません。
UQGRSSに採用されると、生活費・学費・Single OSHC(留学生用の医療保険・単身分)がまとめてカバーされます。外部奨学金を持ち込む場合は、UQのLiving Scholarship水準を満たしているかが審査されます。
外部奨学金の中には学費が対象外のものもあります。その場合に補填が受けられるかは個別に検討されるため、応募前に要件を必ず確認してください。
つまり、UQGRSSは生活費と学費がセットで支給される一方、外部奨学金は生活費のみのケースが多く、学費は別途確認が必要です。実務上は、UQGRSSの獲得が入学の事実上の条件になるとお考えください。
参考までに、奨学金がカバーしている学費の規模は次のとおりです。研究分野によって2つの区分があります。
| 区分 |
年間学費の目安(2026年度・フルタイム) |
| 建築・クリエイティブアーツ・教育・IT・経営・数学・社会科学など | A$46,796(日本円で約5,287,948円) |
| 農学・環境・歯学・工学・保健科学・薬学・心理学・獣医学など | A$56,888(日本円で約6,428,344円) |
PhDを3.5年で計算すると、学費だけで区分1でおよそA$163,786(日本円で約18,507,818円)、区分2でおよそA$199,108(日本円で約22,499,204円)という規模になります。
この金額を自分で払う選択肢はUQにはありません。裏を返せば、採用されればこの負担がなくなり、さらに生活費と医療保険まで支給されるということです。
【確認中】MPhilおよび外部奨学金の扱いについて
ここまでの「奨学金がなければ入学できない」というルールは、PhDについては確定情報です。
MPhilにも同じ条件が適用されるか、また外部奨学金がどこまで認められるかは、現在UQへ確認中です。確認が取れ次第、この記事を更新します。
奨学金ラウンドの日程(留学生向け)

UQGRSSは年間を通じて複数のラウンドで審査されます。
日本など海外から出願する留学生(Offshore International)向けの直近のラウンドは次の日程です。
| 項目 |
RQ4 2027/RQ1 2028 入学のラウンド |
| EOI受付 | 2026年8月20日から受付中 |
| 出願締切 | 2026年10月19日(月) |
| 一次選考の通知 | 2026年11月18日 |
| 最終結果 | 2027年2月22日(月)以降 |
| 受諾期限 | 2027年3月31日 |
締切から最終結果まで4か月以上あります。この間に指導教員探しや書類準備をやり直すことはできませんので、
締切の3〜4か月前から動き始めるのが現実的なスケジュールです。
つまり、2027年後半から2028年初頭の入学を目指す方は、すでに動き出す時期にあります。「まず英語スコアを取ってから考える」と後回しにすると、次のラウンドまで待つことになります。
なお、ここでいう留学生(Onshore International)とは、学生ビザでオーストラリアに滞在して学んでいる方、オーストラリア・ニュージーランドの市民権や永住権を持たない方、一時滞在の在留資格の方を指します。
実際の出願サポートで起きていること

当社ではオーストラリアの大学院リサーチ課程への出願を実際にサポートしています。
ひとつ目は、
スペルミスによる機械的な不合格です。名前や大学名の表記が書類間でずれているだけで、内容を読まれる前に止まることがあります。当社が出願フォームを確認するとき、まず見るのはここです。
ふたつ目は、
推薦者まわりの遅延です。大学から推薦者へ直接メールが届く仕組みのため、推薦者が気づかない、PDFフォームに書き込めない、といった理由で審査が数週間止まることがあります。依頼時に一言添えておくだけで防げます。
三つ目は、
ビザの有効期限と審査期間のすれ違いです。審査に12週間かかることを前提に逆算しないと、結果が出る頃には現在のビザが切れている、という事態が起こり得ます。入学時期の選択は、この点まで含めて決める必要があります。
いずれも、研究の中身とは関係のないところで進学が遅れる例です。裏を返せば、事前に潰しておける部分でもあります。
複数の大学を並行して検討する場合

リサーチ学位への出願は、UQ1校だけに絞る必要はありません。実際、指導教員との相性や研究テーマの適合性次第で結果が変わるため、複数校を並行して進める方は珍しくありません。
ただし、大学ごとに求められる書類の形式が違います。CVの指定フォーマットが異なる、UQにはない「指導の合意を示す書類(Evidence of Supervision)」を求められる、といった違いが実際にあります。
「UQ用に作った書類をそのまま出せばいい」とは考えないでください。ここを甘く見ると、大学ごとに作り直す作業が締切直前に一気に降ってきます。
また、大学によって審査にかかる期間の傾向も違います。同じ入学時期を狙っていても、着手すべきタイミングは大学ごとに変わります。この見極めは、当社がお手伝いできる部分です。
UQリサーチ学位の概要
| 項目 |
内容 |
| 大学名 | The University of Queensland(クイーンズランド大学/UQ) |
| 課程 | Master of Philosophy(MPhil)/Doctor of Philosophy(PhD)/専門職博士 |
| 期間 | MPhil:1.5〜2年/PhD:3.5〜4年(いずれもフルタイム) |
| 学費 | 留学生は自己負担での入学不可。奨学金がカバーする学費の規模は年額A$46,796(日本円で約5,287,948円)〜A$56,888(日本円で約6,428,344円)(2026年度・研究分野により異なる) |
| 入学時期 | 年4回(1月・4月・7月・10月) |
| 英語条件 | IELTS Overall 6.5(各6.0以上)/臨床系はOverall 7.0(各7.0以上) |
| キャンパス | クイーンズランド州ブリスベン(セントルシア、ガトン、ヘルストンほか) |
| 奨学金 | 留学生は競争的に獲得した奨学金の確保が入学の条件。UQ Graduate Research School Scholarshipは生活費 年額A$39,220(日本円で約4,431,860円)+学費+Single OSHCをカバー |
| 問い合わせ先 | UQ Graduate Research School(graduateschool@uq.edu.au/+61 7 3346 0503) |
| CRICOS | UQ:00025B(課程ごとのCRICOSコードは本文の比較表を参照) |
情報の最終確認:2026年9月3日(当社にてUQの最新情報およびUQ Graduate Schoolによるエージェント向け説明内容を確認)
よくある質問
UQのリサーチ学位について、日本から進学を検討されている方、そしてオーストラリアで修士課程を修了された方からいただくご質問をまとめました。
指導教員をどう探すか、学費を自己負担すれば入学できるのか、そしていつから準備を始めればよいか——実際に多いのはこの3つです。
| Q. 指導教員に、自分から直接メールを送る必要がありますか? |
A. UQの場合、最初の接触としてメールを送る必要はありません。EOI(関心表明)のフォームが、研究者にアプローチする最初の手段として用意されています。
ただし、EOIが指導教員に支持されたあとは、面談の日程調整や研究内容のすり合わせで、メールのやり取りが発生するのが通常です。
EOIの内容が相手の研究関心と噛み合っていることが前提です。UQ Expertsで候補者の直近の研究内容を読み込んだうえで作成してください。
なお、大学によっては事前のやり取りの記録を書類として求めるところもあります。 |
| Q. 学費を自己負担すれば、奨学金なしでも入学できますか? |
A. PhDについてはできません。UQのPhDは、奨学金を受けていない場合は入学が認められません。
学費を全額支払う意思があっても、それだけでは入学が認められません。奨学金を獲得できるかどうかが、そのまま進学できるかどうかになります。
この点は、日本の大学院やコースワーク型の修士課程とは根本的に異なります。
【要確認】MPhilも同条件かは、現在UQへ確認中です。 |
| Q. 準備はいつから始めればよいですか? |
A. 奨学金ラウンドの締切から逆算して、3〜4か月前には動き始めてください。
指導教員探しに1〜2か月、英文CVと成績証明書・学位記の英文版の手配に数週間、推薦者への依頼と了承取りにさらに時間がかかります。
英語スコアが未取得の場合は、そこからさらに前倒しが必要です。 |
| Q. コースワークの修士号でもPhDに出願できますか? |
A. 可能性はあります。コースワーク修士号の場合、UQの7段階評価でGPA5.65以上、かつ関連する研究経験があり学部長の承認を得られることが条件です。
研究経験をどう示すかが分かれ目になります。学会発表、卒業論文・修士論文の内容、共同研究への参加などをCVでどう見せるかがポイントになります。
個別にご相談ください。 |
| Q. IELTSが各セクション6.0に届きません。どうすればよいですか? |
A. リサーチ学位はコースワークの課程と異なり、英語コース経由の進学ルートが用意されていないケースがあります。まずはスコアを満たすことを優先してください。
ただし、条件を満たすスコアと、数万語の英語論文を書き切る力は別ものです。
スコア対策と並行して、専門分野の英語論文を読む習慣をつけておくことをおすすめします。 |
| Q. すでにオーストラリアに滞在しているのですが、帰国せずに進学できますか? |
A. ビザの種類によって扱いが異なり、オーストラリア国内から学生ビザに切り替えられない在留資格もあります(Department of Home Affairsおよびオーストラリア政府のStudy Australiaが公表する制度情報による)。
個別のビザ判断は当社では行っておりませんので、必ず最新の政府情報をご確認ください。
進学のスケジュールを組む際は、審査に約12週間かかることと、現在のビザの有効期限を並べて確認してください。 |
UQのリサーチ学位への進学相談はオーストラリア留学センターへ
当社には、まずご自身で出願を進めてみたものの、EOIや奨学金の申請で行き詰まり、途中で止まってしまったというご相談が数多く寄せられます。
指導教員探し、EOIの書き方、英文CVの構成、奨学金ラウンドから逆算したスケジュールづくりなど、リサーチ学位の出願はご自身だけで進めるには判断が多すぎる手続きです。成績証明書を拝見したうえで、MPhilとPhDのどちらから狙うべきかもご案内できます。
このページで出願全体の流れをつかんだら、最初の一歩を踏み出す前に、一度
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