グリフィス大学の
Master of International Tourism and Hospitality Management (国際観光・ホスピタリティ・マネジメント修士)は、観光・ホテル・イベントの現場を率いる人を育てる大学院課程です。
この記事では、3つのルート、科目、入学条件、学費、出願前の確認点をまとめました。
現場を動かす側へ。観光・ホテル・イベントの「経営」を学ぶ修士の特徴
観光・ホスピタリティを「ビジネス」として学ぶ
この課程は、観光・ホテル・ホスピタリティ(おもてなし)の産業で、マネジメント(現場を動かす側)を目指す方向けの修士です。戦略・人材・収益・運営・デジタル化といった経営の視点から、産業を学びます。
大学は、次のような内容を柱に挙げています。
• リーダーシップと人材マネジメント
• 収益管理(価格設定や需要予測の手法)
• 持続可能で再生型の観光
• 観光商品のデザインとイノベーション
観光研究の拠点で学ぶ
Griffith Institute for Tourism はオーストラリアで最も大きい規模の研究機関です。「観光・ホスピタリティの研究」というとイメージがつかないかも知れませんが、
・観光・ホスピタリティを産業として確立させる方法
・発展途上国におけるホテル開発、労働者の人権確保について
・観光が環境に与える影響と対処
・観光/ホテル業界の動向を数字で分析
・よりサステイナブルに大型イベントを開催するためのメソッド
など、観光・ホスピタリティ分野において重大な課題についての研究を進めています。最前線で研究を進める研究者が講師としてグリフィス大学で教鞭を取っているため、まさに同業界で最も進んでいる知識やスキルを学ぶことができるのです。
学び方の特徴
学び方にも特徴があります。授業は1年を3学期に分けるトライメスター制で進み、短期集中型(Intensive)の科目も組まれています。キャンパスは
グリフィス大学のゴールドコーストキャンパス です。
さらに、希望者は研究論文(Dissertation)に取り組む道も用意されています。観光やホスピタリティの特定テーマを自分で調べ、将来の研究や博士課程につなげたい方向けの選択肢です。
グリフィス大学の観光学の全体像は、教授への取材をもとにした
観光学トップのグリフィス大学で学ぶべき理由 の記事でも紹介しています。
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向いているのはどんな人? 別のコースを見たほうがよい人は?向いているのは、観光・ホテル・イベント・航空・クルーズなどの産業で、将来マネージャーや経営側に進みたい方です。あるいは観光推進・誘致を行う官公庁や自治体などで働く方もいます。
今まで観光業界の未経験者はもちろんのこと、すでに経験がある方が学び直す場合にも対応できる設計です。
また、「自分に合う仕事がまだ決まっていない」という方にも選択肢になります。完璧な答えを最初から探すより、産業の共通言語であるマネジメントの力を積み上げ、その上で自分の強みを見つけていく進み方もあります。
一方で、次のような希望の場合は、別のコースも比較したほうがよいでしょう。
ホテルの調理や客室など、実技の技能を磨きたい場合は、TAFEなどの職業教育のほうが合う場合があります。また、観光よりも一般的な経営学を広く学びたい場合は、MBAなど別の課程と比べることをおすすめします。
なお、修士を取れば自動的に管理職になれるわけではありません。現場経験、英語での対人スキル、人とのつながりがそろって初めて、マネジメントの仕事に近づけます。
観光・ホテル分野を学部から段階的に学びたい方は、
グリフィス大学のBachelor of International Tourism and Hotel Management とGriffith CollegeのDiplomaの記事もあわせてご覧ください。
1年・1.5年・2年。あなたはどのルートで修了できる?同課程を修了するには合計160クレジットポイント(CP/大学の単位の数え方)が必要です。過去の学歴・経験によりコース期間が決まります。
ルート
内容
1年ルート 観光・ホスピタリティ学に関連する学士号+関連する就労経験
1.5年ルート 観光・ホスピタリティ学に関連する学士号
2年ルート 関連のない学士号
どのコース期間になるかは大学の出願・査定後に決定します。
コア8科目で学ぶ、観光・ホテル経営の中身全ルートに共通するコア科目は8科目・80CPです。観光とホスピタリティの運営から、収益、人材、持続可能性、デジタル化までを一通り学びます。
科目コード
コア科目(8科目・各10CP・計80CP)
7202THS The Hospitality Experience(ホスピタリティ体験)
7205THS Managing the Tourism and Hospitality Workforce(観光・ホスピタリティ分野の人材マネジメント)
7204THS Competitiveness, Strategy and Risk Management(競争力・戦略・リスク管理)
7209THS Sustainable and Regenerative Tourism(持続可能で再生型の観光)
7201THS Tourism and Hospitality Operations Management(観光・ホスピタリティの運営管理)
7252THS Tourism and Hospitality Revenue Management(収益管理)
7218THS Manage Tourism and Hospitality Information(観光・ホスピタリティの情報管理)
7234THS Tourism Product Design, Innovation and Digitization(観光商品のデザイン・革新・デジタル化)
この8科目で、現場の運営から経営判断までを一通りたどることになります。収益管理や人材マネジメントは、卒業後に管理職を目指すうえで直接使える内容です。
2年ルートでは、これに先立って基礎科目40CPを履修します。観光とホスピタリティの基本、業務上の管理の入門、キャリア開発、マーケティングの基礎などが含まれます。
科目コード
基礎科目(2年ルート)
7258THS Foundations of Tourism and Hospitality(観光・ホスピタリティの基礎)
7260THS Introduction to Tourism and Hospitality Control(観光・ホスピタリティ業務の管理入門)
7042GBS Business Career Development(ビジネスキャリア開発)
7003MKT Marketing Foundations(マーケティングの基礎)
※科目の構成は、入学する学期によって変わることがあります。
研究論文(Dissertation)に進みたい場合、コア科目全体の成績平均(GPA)が5.5以上であること、研究の進め方を学ぶResearch Design(7010GBS)を先に修了していること、論文のテーマと指導教員(Supervisor)が認められることなど条件が定められています。
専攻で深めるUQか、経営の土台を広げるグリフィスか観光・ホテル分野の修士を比べるとき、同じクイーンズランド州のUQ(クイーンズランド大学)のMaster of Tourism, Hotel and Event Managementを並べて検討する方が多いです。
大きな違いは、専攻を選んで深く学ぶUQと、全員が同じ経営の核を学ぶグリフィスという点です。
項目
グリフィス
UQ
課程名 Master of International Tourism and Hospitality Management Master of Tourism, Hotel and Event Management
期間 1年/1.5年/2年 1.5年/2年
専攻 専攻の選択はなし。コア8科目を全員が履修 イベント/ホテル/旅行・観光の3専攻から1つを選ぶ
学費(2027年度・年額) A$43,000(日本円で約4,859,000円) A$56,800(日本円で約6,418,400円)
2年ルートの総額 A$86,000(日本円で約9,718,000円) A$113,600(日本円で約12,836,800円)
学歴・成績 学士号とGPA4.0/7満点 分野を問わない学士号とGPA 4.5/7点満点
英語(IELTS) 総合6.5、各バンド6.0 総合6.5、各バンド6.0
実習・論文 実習は選択制・論文は希望者のみ(コア科目のGPA 5.5以上などの条件あり) 実務実習か修士論文を選択科目から選べる
キャンパス ゴールドコースト ブリスベン
2年ルート同士で比べると、グリフィスのほうが総額でA$27,600(日本円で約3,118,800円)低くなります。
ただし、これは単価と年数だけの単純計算です。認定される単位や入学時期で総額は変わりますので、出願時の最新額で比べてください。
専攻を絞ってホテルやイベントの専門性を深めたい方は、UQの比較対象にする価値があります。
一方、観光とホスピタリティの経営を広く学びつつ、認定があれば1年で終える道や費用を抑える道も残したい方は、グリフィスが候補になります。
どちらが優れているという話ではなく、「専門を絞るか」「経営の土台を広く作るか」という優先順位の違いです。
ほかの大学も含めたオーストラリアの観光学の全体像は、
オーストラリアで学ぶ観光学 のページにまとめています。
ルート別の学費総額と、授業料20%減額の奨学金学費は1CP(単位)あたりの単価で決まります。年額の目安と、ルート別の総額を表にまとめました。
項目
2026年度
2027年度
1CPあたりの単価 A$512.50(日本円で約57,913円) A$537.50(日本円で約60,738円)
年額の目安(フルタイム80CP) A$41,000(日本円で約4,633,000円) A$43,000(日本円で約4,859,000円)
ルート
履修するCP
総額の目安(2027年度の単価で単純計算)
1年ルート 80CP A$43,000(日本円で約4,859,000円)
1.5年ルート 120CP A$64,500(日本円で約7,288,500円)
2年ルート 160CP A$86,000(日本円で約9,718,000円)
学費は毎年見直され、入学する学期の料金が適用されます。総額は目安です。このほか、現地実習やフィールドトリップの費用がかかる場合があります。
項目
内容
奨学金名 International Academic Merit Scholarship(成績優秀者向け奨学金)
内容 授業料が20%減額されると大学が案内
対象 2026年と2027年に入学する留学生で成績優秀
申請 出願時に自動査定
卒業後はどんな仕事に進める? 在学中にやっておきたいこと大学は、進路の例として、ホテル・リゾート運営、観光地のマーケティング組織、観光事業者や行政機関、イベント運営、航空会社・クルーズ、テーマパークや観光施設、博物館、国立公園の管理機関などを挙げています。
ただし、これらは進路の例であり、卒業後すぐにその職に就けることを保証するものではありません。
これまでの職歴、英語力、在学中の経験、人とのつながりが大きく影響します。
在学中は、授業で学ぶだけでなく、現場に近い経験を積むことが力になります。インターンシップやボランティア、アルバイトを通じて現地の業界との関係をつくり、大学のキャリアサービスも早めに使うことをおすすめします。
学部時代にこの分野を学ばなかった方ほど、業界とのつながりを意識して動いておくと、履歴書に書ける内容が増えます。
※オーストラリアでの就労を目指す場合、ビザ制度や申請資格は変更される場合があります。最新情報は移民局のウェブサイト で確認してください。個別のビザ相談については、ビザ代行の有資格者(ビザ弁護士、行政書士)へご相談ください。
ひと目でわかるコース概要・入学条件最終確認:2026年10月19日(当社にて大学の最新情報を確認)
項目
内容
大学名 Griffith University(グリフィス大学)
コース名 Master of International Tourism and Hospitality Management(コード5709)
CRICOS 094982A
期間 1〜2年(フルタイム。認定される過去の学習により変わります)
合計単位 160CP
学費 年額A$41,000(日本円で約4,633,000円)(2026年度)/A$43,000(日本円で約4,859,000円)(2027年度)
入学時期 年3回(第1・第2・第3学期)
キャンパス ゴールドコースト
入学条件 学士号GPA4/7、IELTS(Academic)6.5(各科目6.0以上)
出願前の疑問にお答えします。よくある4つの質問このコースについて、日本からの留学を検討されている方からいただくご質問をまとめました。
修了までの期間の決まり方、観光・ホテル以外の学部からの出願、そして学費——実際に多いのはこの3つです。
Q. 1年で修了できるのは、どんな人ですか?
A. 大学が認めた過去の学習や関連する職務経験がある場合に、単位として認められ、最短1年で修了できる場合があります。どこまで認められるかは大学が個別に判断しますので、成績証明書や職務経歴をもとに当社で見通しをご案内します。
Q. 観光やホテルの学部を出ていなくても出願できますか?
A. 最終判断は大学が行いますが、関連のない学士号からでも同課程への入学は認められています。
Q. 学費を抑える方法はありますか?
A. 主な方法は2つあります。1つ目は、過去の学歴や職務経験が認められて期間が短くなること(1年・1.5年ルート)です。学費は単位数で決まるため、履修する単位が少ないほど総額が下がります。2つ目は、成績優秀者向けのInternational Academic Merit Scholarshipで、授業料が20%減額されると大学が案内しています。出願時に自動で査定されます。
Q. オンラインでも学べますか?
A. オーストラリアで学生ビザを取得して学ぶためには、フルタイムでの就学が必須です。ですが入学後に科目の一部をオンラインで受講ができる可能性があります。(ビザや大学の規則の範囲内)
カウンセラーから一言(オーストラリア留学センター 関川 祐利弥)AIが急速に進む今、観光やホスピタリティのような「人間らしい体験」は価値が高まる仕事だと感じています。おもてなしの質や、人の気持ちに寄り添う力は、簡単には置き換えられません。
また、ゴールドコーストやブリスベンのあるクイーンズランド州では2032年のブリスベンオリンピックに向けて、観光・ホテル・イベントの分野で人材が求められていくと見られています。この分野を経営の視点で学んだ人が活躍できる場面は、これから増えていくはずです。
私自身、グリフィス大学の教授に直接お話を伺う機会がありました(
取材記事はこちら )。観光とホスピタリティの未来を語る姿が本当に情熱的で、「この先生たちから学べるなら、学生にとって大きな財産になる」と強く感じたのを覚えています。
観光業界でキャリアを積みたい方は、ぜひグリフィス大学をご検討ください!
グリフィス大学への進学相談はオーストラリア留学センターへ
自分が1年・1.5年・2年のどのルートに当てはまるか、成績証明書や職歴をもとに具体的にご案内します。
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