【2027年入学】グリフィス大学Bachelor of Arts|インターン必修の人文学位

グリフィス大学ゴールドコーストキャンパスの外観Bachelor of Artsは、グリフィス大学(Griffith University)の人文・社会科学を束ねた3年制の学士課程です。2027年入学向けに、専攻の選び方、必修科目、学費、入学条件、そして「文学部を出て何になるのか」への答えを整理します。


「何を学ぶか」を、入学時点で1つに決めなくてよい学位です。

日本の高校生から進路の相談をいただくとき、いちばん多いのが「興味は複数あるけれど、どれを仕事にしたいのか決められない」という悩みです。

オーストラリアのBachelor of Artsは、学位は1つでも中に独立した専攻が並び、入学後に選ぶ構造になっています。

さらに現行のカリキュラムでは、必修科目にIndustry Internship(インターンシップ)が組み込まれています。「学んで終わり」にしない設計に変わっているのが、2027年入学で見ておきたい点です。

「文学部」と訳すと見えなくなる、BAの本当の守備範囲

大学の講義室で学ぶ学生たちBachelor of Artsは日本語では「文学士」「文学部」と訳されることが多いのですが、この訳語は誤解を招きます。中身は文学だけではありません。

専攻一覧にはSociology(社会学)、Political Science and Public Policy(政治学・公共政策)、Human Geography(人文地理学)、Psychology(心理学)、Economics(経済学)まで並びます。

つまりこの学位は、人間と社会を扱う学問の入口をまとめて用意した枠です。作品を読み解く道も、データで社会を分析する道も、同じ入口から始まります。

大学の紹介では、コミュニケーション、批判的思考、創造性、リサーチ、協働、問題解決といった力を育てる学位として説明されています。AIと共に働く時代を見据え、AIリテラシーや倫理的な判断力にも触れています。

2027年入学の目玉は、必修10科目にインターンまで入ったこと

図書館で資料を広げて学習する学生卒業に必要な240単位(credit points、以下CP)は、3つの枠で構成されます。必修(Core)100CP、専攻(Major)、自由枠(Flexible)80CPです。

専攻の単位数は公式の構成ページに明記がなく、240から計算すると60CPになります。この60CPは計算上の数字なので、出願時に大学で確認します(要確認)。

枠 内容
必修(Core)100CP。下の10科目をすべて履修
専攻(Major)選んだ専攻の科目。単位数は計算上60CP(要確認)
自由枠(Flexible)80CP。第2専攻+選択科目、または選択科目のみ

必修10科目は、書く・伝える・調べるという土台から、公共政策、デジタル、インターンまでを一直線につなぐ作りです。

科目コード 必修科目(各10CP) 開講
1117LHSMaking the Modern WorldT1・T3
1720LHSPassion and Purpose in Professional LifeT1
1721LHSWriting and Reading in a Changing WorldT1
1722LHSEnvironment and HeritageT2
1723LHSTowards A Just WorldT2・T3
1519LHSCommunicating Ideas ProfessionallyT2
2170LHSEngaging the Digital WorldT2
2111LHSPublic Policy for ChangeT2
3531LHSIndustry InternshipT1・T2・T3
3300LHSWicked ProblemsT2

表は2027年トライメスター1開始の構成です。開講時期は変わることがあるため、入学時期ごとに構成を確認してご案内します。

Industry Internshipは、大学が「クイーンズランド州で最大級のインターンの幅」を掲げる部分です。ただし、配属先や内容は個別に決まるもので、希望どおりになる保証はありません(個別条件は要確認)。

専攻はいくつ選べる? 現行の専攻一覧と、確認が必要な点

グループワークで議論する学生たち公式ページの専攻一覧は、紹介ページで23分野、学位構成のページで25分野と表記が分かれています。差分はFrench Language(フランス語)とRussian Language(ロシア語)です。

この2分野が2027年入学で選べるかは、公式の表記が一致しないため「わからない」とお伝えするのが正確です。出願時に大学へ確認します(要確認)。

専攻(Major) どんな方向性か
Creative Writing(創作・ライティング)小説・脚本・エッセイなどを書きながら、表現技術を鍛える
Theatre(演劇)舞台芸術を、実践と理論の両面から扱う
History(歴史学)史料の読み方と、歴史を検証する手続きを身につける
Indigenous Studies(先住民研究)オーストラリア先住民の歴史・文化・現代の課題を学ぶ
Islam–West Relations(イスラム・西洋関係論)宗教と地政学が交差する領域を専門的に扱う
Language and Society(言語と社会)言語が社会のなかでどう機能するかを分析する
Journalism(ジャーナリズム)取材・執筆・編集を通じて、報道の実務を学ぶ
Literary Studies(文学研究)作品を批評的に読み解く力を鍛える
Political Science and Public Policy(政治学・公共政策)政治の仕組みと、政策がつくられる過程を学ぶ
Screen Studies(映像研究)映画・テレビ・配信映像を、作品と産業の両面から扱う
Psychology(心理学)人間の行動と心のはたらきを、科学的な手法で扱う
Human Geography(人文地理学)都市・人口・環境と人間活動の関係を分析する
Economics(経済学)経済の仕組みを理論とデータで読み解く
Sociology(社会学)社会構造・格差・制度を実証的に研究する
Strategic Communication(戦略的コミュニケーション)組織の広報・ブランド・情報発信を設計する

語学の専攻は、履修の形が言語ごとに違います。公式ページによると、Chinese・Italian・Japanese・Spanishの4言語は表記上、通常の専攻です。

German・Indonesian・Korean・Modern Greekの4言語は、他大学との単位互換(cross-institutional study)で履修できる専攻と明記されています。

EconomicsとPsychologyは他学部が提供する専攻のため、1年次に土台となる科目を選択科目として履修する必要が出ることがあります。

第2専攻の一覧は、2027年入学の構成ページでは「Second Major and Electives」としか確認できませんでした。選べる分野は要確認です。

専攻の組み合わせ方は3パターン。あなたはどれ?

ブリスベンのキャンパスを歩く学生自由枠が80CPあるため、専攻を軸にした組み立て方は大きく3つに分かれます。ここは当社が相談で最もよく整理する部分です。

パターン 組み立て 向いている人
専攻+第2専攻自由枠で第2専攻を取り、2つの軸を持つ関心が2分野に定まっている
専攻+産業の入口学問の専攻と、実務に近い第2専攻を組む卒業時に語れる強みを増やしたい
専攻+自由選択自由枠をすべて選択科目にして幅を残すまだ方向を絞りたくない

私が勧めるコツは、学問的な関心と産業の入口を1本ずつ持つ組み合わせです。Literary Studiesで読み書きを鍛え、実務寄りの第2専攻を足すと、卒業時に語れる内容が増えます。

関心が1分野にはっきり向いているなら、第2専攻でも同じ領域を深掘りするのが力になります。どちらが正解ということはなく、目的の違いです。

「文学部を出て、何になるのか」という問いに、正直に答えます

オフィスで打ち合わせをする若手社会人このコースの検討で最もよく受ける質問です。看護や理学療法のように資格と直結した学位ではないため、不安になるのは自然なことです。

正直にお伝えしているのは、この学位を取ればこの職業になれる、という形の答えは存在しないということです。それは弱点ではなく、この学位の性質です。

Bachelor of Artsが渡すのは資格ではなく能力です。長い英文資料から要点を取り出す力、筋道立てて書く力、人前で説明する力、社会の出来事を構造として捉える力が該当します。

ここで大事なのは、「学位+経験+スキル」の3点セットで考えることです。2027年入学の構成では、必修にインターンがあるため、経験を積む入口が最初から用意されています。

在学中は、学内のキャリアサービスの利用、ボランティア、興味のある業界の求人票を読んでの逆算など、できることを前倒しで動かしてください。

なお、就職の可能性やビザ制度は、教育情報とは切り離して考える必要があります。ビザ制度や申請資格は変更される場合があるため、最新情報はDepartment of Home Affairsで確認してください。

個別のビザ相談については、Registered Migration AgentまたはAustralian legal practitionerへご相談ください。

こんな人におすすめ、別の選択肢を比べたほうがいい人

キャンパスの芝生で語り合う学生たち向いているのは、人間や社会の仕組みそのものに関心がある人、複数の興味を1つの学位のなかで組み合わせたい人、英語で読み書きする力を武器にしたい人です。

まだ方向性が決まっていないが、腰を据えて力をつけたい人にも合います。向いているかどうかは、やってみてできるようになってから分かることが多いからです。

一方で、別の選択肢を比べたほうがよい場合もあります。卒業と同時に特定の職業資格を得たい方、たとえば看護師・理学療法士・薬剤師を目指すなら、この学位ではなく専門の学士課程を選ぶべきです。

心理学にも補足があります。Psychology専攻は心理学を学ぶ専攻であり、それだけで心理士として登録できるわけではありません。心理職が目的なら、専門課程と必ず比較してください。

また、日本語母語話者が日本語専攻を取るのは、通常は勧めていません。英語で読み書きする機会が減り、この学位の価値を活かしにくいためです。

グリフィス大学の中で迷ったら:BA・Communication・Languagesの選び分け

大学のキャンパス内を移動する学生の後ろ姿人文・コミュニケーション系で迷いやすいのは、以下の3つの学位です。違うのは「幅」で、どれも3年制です。

迷っているポイント 検討したいコース
関心が複数あり、入学後に決めたいBachelor of Arts(1021/CRICOS 000609M)。専攻と自由枠から組み立てる
報道・広報の実務を軸に据えたいBachelor of Communication(1685/CRICOS 114984G)。2027年の条件は要確認
語学そのものを専門にしたいBachelor of Languages and Linguistics(1116/CRICOS 019661G)。2027年の条件は要確認

判断の順序は、実務の型が先に決まっているかを自分に聞くことです。決まっているならBachelor of Communication、決まっていないならBachelor of Artsを軸に比べます。

学ぶ場所については、ゴールドコーストの雰囲気は別記事のグリフィス大学ゴールドコーストキャンパスで紹介しています。観光分野に関心がある方はグリフィス大学の観光・ホテル分野もあわせて比較してください。

学費はいくら? 3年間の総額と、授業料20%減額の奨学金

出願書類を確認する様子学費は1単位(CP)あたりの金額で決まります。公式ページの目安は年額A$38,000 4,256,000円で、1CPあたりはA$475 53,200円です。

項目 金額の目安(2027年入学)
1CPあたりA$475 53,200円
年額(フルタイム80CP)A$38,000 4,256,000円
3年間(240CP)A$114,000 12,768,000円(単純計算)

学費は毎年改定され、入学するトライメスターの料金が適用されます。総額は目安で、教材費や実習関連の費用が別にかかる場合があります。

項目 内容
奨学金名International Academic Merit Scholarship
内容授業料20%減額(大学の案内による)
対象2026年・2027年入学の留学生
注意このコースが対象か、受給条件は個別確認が必要(要確認)

20%減額が適用された場合の総額は、A$114,000 12,768,000円から単純計算でA$91,200 10,214,400円ですが、これは仮の数字です。対象外だった場合に備え、資金計画は減額なしの金額で立てるのが安全です。

入学条件と英語力:日本の高校卒業で出願できる?

モニターを前に学ぶ学生たち公式ページで日本を選択すると、学歴の条件はUpper Secondary School Graduation Diploma(高校卒業資格)と、最終学年の成績で平均3.5(5段階)と表示されます。

表示は「条件には次が含まれる」という書き方です。ほかの条件が加わる可能性もあるため、成績証明書をもとに個別に確認することをおすすめします。

英語力は、IELTS(Academic)総合6.5で、各スコアは6.0以上が条件です。ほかの英語試験でも出願でき、結果の有効期間は2年以内です。

英語試験 基準(公式ページの表記)
IELTS(Academic)総合6.5、各スコア6.0以上
TOEFL iBT(2026年1月21日以降受験)総合4、リスニング・リーディング・ライティング各4以上、スピーキング3.5以上
Pearson PTE Academic(2025年8月7日以降受験)総合55、各スコア47以上
Cambridge C1 Advanced / C2 Proficiency総合176、各スコア169以上
LanguageCert Academic総合70
Michigan English Test(MET)総合59

IELTS 6.5を満たすことと、授業を余裕をもってこなせることは同じではありません。このコースは英文のレポートと読解の量が多く、ディスカッション形式の授業も中心になります。

英語力や成績が基準に届かない場合は、大学附属のGriffith Collegeや英語コースを経由するルートがあります。コース名、条件、編入できる年次は、年度ごとに変わるため要確認です。

また、過去の学習や仕事の経験は、単位認定(Credit / RPL)の対象になる場合があります。認定されると、卒業までの期間が短くなることがあります。

コース概要

情報の最終確認:2026年10月19日(当社にて大学の公式ページを確認)

項目 内容
大学名Griffith University(グリフィス大学)
コース名Bachelor of Arts
プログラムコード1021
CRICOSコード000609M
期間3年(240CP)フルタイム
入学時期年3回(Trimester 1・2・3)。2027年の開始日は要確認
キャンパスゴールドコースト/ブリスベン南部(ネイサン)
英語条件IELTS(Academic)6.5(各スコア6.0以上)
学費の目安年額A$38,000 4,256,000円(2027年)
備考ブリスベン南部で学ぶ場合、Economics、Political Science and Public Policy、Islam-West Relationsの一部科目はブリスベン市内(City)キャンパスで開講

出願前によくいただく質問

このコースについて、日本の高校生とその保護者の方からいただくご質問をまとめました。

専攻はいつ決めるのか、学費はいくらか、そして専攻は2つ取れるのか——実際に多いのはこの3つです。

Q. 専攻(Major)はいつ決めるのですか?
A. 出願時点で確定させる必要はありません。入学後に履修計画を立てるなかで決めていきます。ただし、EconomicsやPsychologyのように他学部が提供する専攻は、1年次に土台となる科目を履修する必要が出ることがあります。

Q. 専攻を2つ取ると、3年より長くかかりますか?
A. 卒業に必要な単位は240CPで、第2専攻を取っても総単位数は変わりません。自由枠の80CPを第2専攻に使うか、選択科目に使うかの違いです。幅を残すか、深さを取るかの選択になります。

Q. 学費は年額いくらかかりますか?
A. 公式ページの目安は、2027年入学で年額A$38,000 4,256,000円です。1CPあたりA$475 53,200円で、3年間の単純計算はA$114,000 12,768,000円です。入学するトライメスターの料金が適用されます。

Q. Psychology専攻を選べば、心理士になれますか?
A. なりません。このコースのPsychology専攻は心理学を学ぶための専攻であり、それ自体が職業登録につながる課程ではありません。心理職を目指す場合は、専門課程や大学院との接続を前提に進路を組む必要があります。

Q. オンラインで学ぶこともできますか?
A. 大学のページにはOnlineも表示されていますが、当社では原則おすすめしていません。インターンや現地の人脈づくりが、卒業後の選択肢に影響するためです。学生ビザで学ぶ場合の制限は、大学と内務省の最新情報で確認してください。

カウンセラーから一言(オーストラリア留学センター 関川 祐利弥)

このコースのご相談をいただいたとき、私が最初に聞くのは「将来やりたいこと」ではありません。「今いちばん気になっていることを3つ挙げてください」です。

3つの中身が近い分野に集まっているなら、専攻と第2専攻で深く掘るほうが力になります。ばらばらに散っているなら、1専攻と実務に近い科目で1本の筋をつくったほうが、卒業時に語れることが増えます。

そのうえで、卒業後に日本へ戻るのか、オーストラリアで経験を積みたいのかも確認します。答えによって、在学中に何を優先すべきかが変わるからです。

資格と職業が1対1で結びついた進路を望む方には、このコースを積極的にはおすすめしません。その代わり、まだ決めきれていないが、逃げではなく力をつけたいという方には、よく噛み合う学位だと思います。

決めきれないことは、弱さではありません。決めないまま3年を過ごしてしまうことだけが問題です。そこは一緒に設計しましょう!

グリフィス大学への進学相談はオーストラリア留学センターへ

専攻の組み合わせ、キャンパス選び、成績や英語力から見た現実的なルート——ご自身だけで判断しきれない部分は、遠慮なく投げてください。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。すべて無料でサポートしています。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I094)
留学カウンセラー歴12年。オーストラリアで最も成長している都市・ゴールドコースト在住です。 私の役目は、皆さんがオーストラリアという新しい世界の扉を開ける時の「鍵(Key)」となり、現地に来てから夢を叶え、成功するための「繋がり(Link)」を作ることです。
私自身、人生の様々なステージで留学体験をしてきました。

・10代で海外に飛び込んだ「留学」
・20代で自由と可能性を追いかけた「ワーキングホリデー」
・30代で未来を変えるために挑戦した「社会人大学院」

自分自身がこのステップをすべて経験してきたからこそ、リアルで実践的なアドバイスを心がけています。あなたの挑戦を、現地ゴールドコーストから全力でバックアップします。 プライベートでは2人の男の子の母として、オーストラリアでの育児に日々奮闘中です。 このカウンセラーに質問する

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