南オーストラリア州の州都アデレードに3つのキャンパスを構えるフリンダース大学。
フリンダース大学は、医学・
看護などの医療分野、
ソーシャルワーク、教育などの分野で評価の高い大学です。 日本人には、日本人宇宙飛行士「毛利 衛」氏が卒業された大学としてご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますし、掃除ロボット「ルンバ」生みの親「ロドニーブルックス」氏の卒業大学としても有名です。
そのフリンダース大学では、全豪の中でも数少ない
Social Impact(ソーシャルインパクト)を専攻として学べる大学の一つです。
Social Impact – ソーシャルインパクト とは?
Social Impact – ソーシャルインパクトは、日本語では「
社会的影響力」と訳されます。
これは、個人、企業、団体が活動を通して プラスの影響(またはマイナスの影響)のことを指します。
ソーシャルインパクトとして語られるのは「社会貢献活動」で、代表的なものは 貧困問題の解決、環境問題への取り組み、教育への支援、地域活性化などですが、単に社会貢献活動を行うだけでなく「
社会にプラスの影響を与えることを目的とした活動」であると定義されるようになりました。
また近年では、ソーシャルインパクトという言葉は、特に
企業活動において重要視されるようになっています。
企業や社会全体が、利益追求だけでなく、社会課題の解決や持続可能性への取り組みを重視するようになっていることを反映しているからです。
また2020年代に入り、ソーシャルインパクト投資が注目されています。社会課題の解決に貢献する企業や団体に投資することを目的とした投資です。
ソーシャルインパクト投資は、投資家にとってのリターンだけでなく、社会的なインパクトも重視する投資として注目を集めています。
フリンダース大学でSocial Impact – ソーシャルインパクトを学ぶ

フリンダース大学は、オーストラリアの研究機関
National Centre for Social Impact の研究大学の一つとして名を連ねており、提供されるプログラムは「
社会にプラスの影響を与える ソーシャルインパクト 分野におけるリーダー育成」を目的としています。
フリンダース大学は、ソーシャルワーク、コミュニティサービス、国際関係学、環境科学など、ソーシャルインパクト分野の主要な学問・機関と緊密な関係を築いており、業界との強い繋がりも一つの利点です。
Social Impact – ソーシャルインパクト を短期集中で学びたい方へ
Social Impact – ソーシャルインパクト の単体コースは、Graduate Certificate と呼ばれるコースで学べます。
学位レベルとしては、学士号(Bachelor)と修士号(Master)の間という位置ですが、コース期間も半年間の設定です。
日本で学士号を終えたばかりの学生、企業勤めの方、政府・行政機関、NGO/NPOなどでお勤めの方など、幅広く学ぶ機会があります。
コース名 | Graduate Certificate of Social Impact |
料金 | 2024年 A$18,800(約179万円) |
キャンパス | アデレード・シティ |
期間 | 半年間 |
開始日 | 2月、7月、10月 |
英語 | IELTS Academic overall 6.5(各バンド 6.0) 以上 |
条件 | ・日本の大学にて学士号を終了(学部不問) |
■Graduate Certificate of Social Impact の履修科目は下記の4科目(必修)となります。
実際にどのような科目内容なのかをお確かめください。
BUSN8011 Social Impact in Context |
ソーシャル・インパクトとは何か?なぜ重要なのか?
ソーシャル・インパクトの基礎となるトピックです。このトピックでは、進化するソーシャル・インパクトの概念と、現代の組織実践、システム、コミュニティにとってのその価値について理解を深めます。
トピックの内容
・社会的投資、ソーシャル・イノベーション、起業家精神、ソーシャル・エコノミーなど、ソーシャル・インパクトにおけるローカルおよびグローバルなトレンド
・倫理的行動、目標の共有、データ、説明責任など、ソーシャル・インパクトの原則
・社会的インパクト(および集団的インパクト)のための新しい/進化するコラボレーションの形、公共、民間、フィランソロピーのセクターやアクター間の機会の創出。
・社会的課題の表現
・ソーシャル・インパクトと平等
エビデンス、アイデア、優先事項の中で、ソーシャル・インパクトをどのように考え、ソーシャル・インパクトとイノベーションをどのように文脈化するかを学びます。 |
BUSN8012 Leadership for Social Impact |
ソーシャル・インパクトのリーダーになるには何が必要か?
ソーシャル・インパクト・リーダーシップとは、組織の中での肩書きや地位ではなく、自身の行動すべてに社会的インパクトのレンズを向けることです。
それは、どのような状況においても力強い質問を投げかける能力であり、「通常のビジネス」の限界を押し広げる社会的インパクトのビジョンを明確に示す能力です。
このトピックでは、あらゆる状況において社会的インパクトに影響を与え、推進するためのリーダーシップの理論と実践について学びます。
学生は、価値観と使命に基づくリーダーシップ、権力と影響力、成果をもたらすリーダーシップ、多様なステークホルダーとのセクターを超えたリーダーシップについて検討します。
成果を重視しながらも課題への対応、意欲を喚起するコミュニケーション、チェンジマネジメント、リスクと信頼に重点を置き、社会的インパクトのための個人や組織のリーダーシップの実例から学ぶ機会を提供します。 |
BUSN8013 Innovation for Social Impact |
伝統的なイノベーションとソーシャル・イノベーションの違い、そしてソーシャル・イノベーションがソーシャル・エコノミーの一部として、どのようにポジティブな社会変革に影響を与え、創造し、推進することができるのかを探求します。
学生は、複雑な社会問題に取り組むシステム全体のアプローチにおけるソーシャル・イノベーションの役割と、持続可能なシステムの変化を発展させるシステム思考の役割を検討します。
また、この「ソーシャルインパクトのためのイノベーション」では、戦略、プログラム、政策を設計、開発、テストするための貴重なツールとして、デザイン思考とプロトタイピングに関する洞察も扱います。実際のケーススタディを通して、学生は、ソーシャル・イノベーションの文脈における、企業、政府、非営利セクター、およびより広いコミュニティなどのパートナーとの効果的なセクター横断的協力関係を構築し、維持することの複雑さについての見識を深めます。
持続的でポジティブなソーシャルインパクトのメカニズムとして、ソーシャル・インパクト投資まで、ソーシャル・イノベーションのビジネスモデルについて学びます。 |
BUSN8014 Demonstrating Social Impact |
ソーシャルインパクトの実証は、社会変革活動の持続可能性と完全性にとって極めて重要です。 フィランソロピーから政府機関、営利・非営利団体に至るまで、ソーシャルインパクトの評価、測定、モニ タリング、報告に対する強固で厳格なアプローチへの期待と需要は高まっています。機関は幅広いステークホルダーに対して説明責任を負っており、社会変革のビジネスも進化しています。
このトピックでは、社会的成果の達成を目指すプログラムやプロジェクトの有効性を評価するために使用される、現代のモデル、テクニック、ツールの概要を提供します。
受講生は、評価とモニタリングの目的と利点、そして様々なアプローチや手法の限界について検討すます。このトピックでは、成果のフレームワークの設計、測定・評価プロセスの計画、データ収集、データ分析、エビデンスからソーシャルインパクトへの移行について取り上げます。 学生は、ソーシャルインパクトの評価と測定アプローチの設計、計画、実施について、実際のケーススタディにも触れて知識を深めます。 |
MBAの専攻として Social Impact を選択
フリンダース大学では、Master of Business Administration(MBA-経営学修士号)の専攻として Social Impact – ソーシャル・インパクト を選択できます(2024年度から)。
本ページの冒頭でもお伝えしていますが、近年、ソーシャル・インパクトは 企業活動で多く語られることが多く、その知識を求められる機会は今まで以上に多くあることは容易に想像できます。
ソーシャル・インパクトの単体コースは、Graduate Certificate of Social Impact のコースになりますが、企業経営における ソーシャル・インパクト(社会的影響力) を取り入れつつ MBA を学ぶのは、昨今のトレンドにあった選択だと思います。
コース名 | Master of Business Administration (Social Impact Major) |
料金 | 2024年:年間 A$39,400(約374万円) |
キャンパス | アデレード シティ |
期間 | 2年間 |
開始日 | 2月、10月 |
英語 | IELTS Academic overall 6.5.(各バンド 6.0) 以上 |
条件 | ・学士号を修了(学部不問) |
こんな人にオススメ
■社会課題の解決に貢献したい人
貧困、環境破壊、教育格差など、世界が直面している様々な社会課題の解決に貢献したいと考えている人にとって、ソーシャルインパクトを学ぶことは、これらの課題の根本原因を理解し、効果的な解決策を開発するための知識とスキルを身につけるのに役立ちます。
■ビジネスで社会貢献したい人
企業が単に利益を追求するだけでなく、社会課題の解決に貢献することが求められている昨今、ソーシャルインパクトを学ぶことは、ビジネスを通じて社会に貢献するための知識とスキルを身につけるのに役立ちます。
■政府機関で働きたい人
政府機関は、社会福祉、教育、環境保護など、様々な社会課題の解決に取り組んでいます。ソーシャルインパクトを学ぶことは、政府機関で働くために必要な知識とスキルを身につけるのに役立ちます。
■NPOやNGOで働きたい人
NPOやNGOは、市民社会の重要な役割を果たし、様々な社会課題の解決に取り組んでいます。ソーシャルインパクトを学ぶことは、NPOやNGOで働くために必要な知識とスキルを身につけるのに役立ちます。
■起業したい人
社会課題の解決につながるようなビジネスを立ち上げたいと考えている人にとって、ソーシャルインパクトを学ぶことは、ビジネスアイデアを開発し、実行するための知識とスキルを身につけるのに役立ちます。
■まとめ
ソーシャルインパクトを学ぶことは、世界をより良い場所にするための第一歩です。
上記のような人々にとって、ソーシャルインパクトを学ぶことは、自身のキャリア目標を達成し、社会に貢献するための貴重な経験となるでしょう。
フリンダース大学へ出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合はフリンダース大学アカデミーのEAP(進学準備英語コース)とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類4点を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
- 最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- 最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
- パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォームを送信してください。その後、正式に出願手続きへ進みましょう。
留学相談&お問い合わせ

弊社オーストラリア留学センターは フリンダース大学を含む
全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで
全て無料で提供しております。
※備考※
・本記事は2024年7月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2023年度学費をご案内しております。
・日本円は弊社が取得できる最新の送金レート(A$1=95円) で換算しており、実際はお支払い時にご利用の金融機関の為替レートが適用されます。