ウーロンゴン大学で材料工学を学ぶ

ウーロンゴン大学 キャンパスの様子ウーロンゴン大学(University of Wollongong、以下UOW)のBachelor of Engineering (Honours) – Materials Engineeringは、金属・プラスチック・セラミックなど、あらゆる「材料」を研究・開発していく4年制の工学士(優等)コースです。この記事では、学べる内容やカリキュラム、入学条件・学費まで、ご案内していきます。


「材料工学」と聞いて、何を学ぶ分野なのかすぐに思い浮かぶ人は、あまり多くないかもしれません。


けれど、スマートフォン、自動車、飛行機、建物、バッテリー、人工関節など、私たちの身の回りにある製品や技術の多くは「材料」からできています。

もっと軽く、もっと強くするには? 高い温度に耐えられるようにするには? 環境への負荷を減らすには?

金属、セラミックス、ポリマー、複合材料などの性質を理解し、用途に合った材料を選んだり、性能を高めたり、新しい材料を開発したりするのが、Materials Engineering(材料工学)です。

材料が変わると、できることも変わる

材料工学が関わるのは、鉄や金属だけではありません。
例えば、飛行機や自動車では、強度を保ちながら軽量化できれば、燃料やエネルギーの消費を抑えることにつながります。医療では、人工関節やインプラントなど、人の体の中で使える材料が必要です。

バッテリーや再生可能エネルギー、電子機器などでも、その性能を左右する重要な要素の一つが材料です。

分野 材料工学が関わる例
航空・自動車軽くて強い合金、耐熱材料、複合材料
医療人工関節、インプラント、生体材料
エネルギーバッテリー、エネルギー貯蔵に使われる材料
環境リサイクルしやすい材料、環境負荷を抑えた素材・製造技術
製造・インフラ鉄鋼、合金、セラミックスなどの開発・加工・性能改善
つまり材料工学では、完成した製品だけを見るのではなく、「何でつくるか」「なぜその材料を使うのか」まで掘り下げて考えていきます。

UOWでMaterials Engineeringを学ぶ

ウーロンゴン大学 SMART Infrastructure FacilityUOWは工学・材料分野で世界的に高く評価されている大学です。
U.S. News Best Global Universities Rankings 2026ではMaterials Scienceが世界49位、QS世界大学ランキング(分野別)2026でもMaterials Scienceが世界87位にランクインしています。

その中でも、Materials Engineeringを学ぶうえで注目したいのが、UOWが長年取り組んできた材料研究です。
キャンパスには、Australian Institute for Innovative Materials(AIIM)という材料研究の拠点があります。

AIIMでは、新しい材料の研究から、その技術を実際の製品や社会で活かすところまでを見据えた研究が行われています。材料科学や工学だけでなく、化学、物理、生物学、医学など、異なる専門分野の研究者が連携していることも特徴です。

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バッテリーから医療まで広がる材料研究


例えば、AIIMを構成する研究機関の一つ、Institute for Superconducting and Electronic Materials(ISEM)では、超伝導材料や電子材料のほか、電気自動車やエネルギー貯蔵などにつながるバッテリー材料を研究しています。

また、Intelligent Polymer Research Institute(IPRI)では、機能性ポリマーなどの先端材料を研究し、エネルギーや医療、3Dバイオファブリケーションなどにつながる研究にも取り組んでいます

「材料」と一言でいっても、その先にはエネルギー、電子機器、医療、製造など、さまざまな分野が広がっています。

UOWで行われている研究を見ると、Materials Engineeringがどれほど幅広い技術につながる分野なのかが見えてきます。

1年次|Engineeringの基礎をつくる


Engineeringの共通科目を履修します。

数学や物理に加え、力学、材料、電気、設計、コンピューティングなど、2年次以降の専門分野につながる工学の土台を幅広く学びます。

Materials Engineeringにつながる科目の一つが、ENGG103 Materials in Design(設計における材料)

金属、セラミックス、ポリマー、複合材料などの基本的な性質を知り、用途に応じて材料をどう選ぶのかという、材料工学の入り口にも触れます。

ENGG102 Fundamentals of Engineering Mechanics(工学力学の基礎)
ENGG103 Materials in Design(設計における材料)
ENGG105 Engineering Design for Sustainability(持続可能性のための工学設計)
MATH141 Foundations of Mathematics: Algebra and Differential Calculus(数学基礎:代数・微分)
ENGG100 Engineering Computing and Analysis(工学コンピューティングと解析)
ENGG104 Electrical Systems(電気システム)
MATH142 Essentials of Mathematics: Integral Calculus and Series(数学:積分・級数)
PHYS143 Physics for Engineers(工学のための物理学)


2年次|材料の「中身」を見る


Materials Engineeringの専門的な学びが本格的に始まります。

例えば、MATE206 Structures and Phase Transformations in Materials(材料の構造と相変態)では、材料内部の結晶構造やその変化に注目し、「内部構造が変わると、なぜ材料の性質まで変わるのか」を学んでいきます。

こうした材料の構造と性質の関係を理解することが、その後の合金、セラミックス、材料の破壊・劣化などを学ぶ土台になります。

CHEM103 Chemistry For Engineering(工学のための化学)
ENGG251 Mechanics of Solids(固体力学)
MMMB203 Engineering Practice and Experimental Methods(工学実践と実験手法)
MATH283 Advanced Engineering Mathematics and Statistics(工学のための応用数学・統計学)
MMMB201 Materials Selection for Mechanical Systems(機械システムのための材料選択)
MMMB215 Mechanical Design 1(機械設計 1)
MATE206 Structures and Phase Transformations in Materials(材料の構造と相変態)
Elective 選択科目


3年次|「なぜ壊れる?」まで掘り下げる


金属・合金だけでなく、高分子やセラミックスなどへ扱う材料が広がります。

さらに、材料を「つくる」「選ぶ」だけでなく、実際に使われている材料に何が起こるのかまで学んでいきます。

例えば、MATE306 Fracture, Failure and Degradation(材料の破壊・損傷・劣化)では、材料の破壊だけでなく、腐食、摩耗、疲労とその防止についても扱います。

材料はなぜ壊れるのか。どうすれば、安全に長く使えるのか。

実際に製品や構造物で材料を使用するうえで欠かせない視点を学んでいきます。

ENGG252 Engineering Fluid Mechanics(工学流体力学)
MATE306 Fracture, Failure and Degradation(材料の破壊・損傷・劣化)
MMMB382 Manufacturing Engineering Principles(生産工学の原理)
MECH347 Heat and Mass Transfer(熱・物質移動)
MATE301 Engineering Alloys(工業用合金)
MATE303 Ceramics, Glasses and Refractories(セラミックス・ガラス・耐火材料)
Elective 選択科目
Elective 選択科目


4年次|材料を実際のものづくりへ


製鉄・製鋼や溶接・接合など、材料を実際の製造や製品へつなげる分野へと学びが広がります。

例えば、MATE423 Fundamentals of Iron and Steelmaking(製鉄・製鋼の基礎)では、鉄が原料からどのような工程を経て、用途に応じた鉄鋼材料になっていくのかを学びます。

また、ENGG434 Introduction to Materials Welding and Joining(材料の溶接・接合)では、材料同士をどのように接合し、必要な性能や強度を確保するのかを学びます。

さらに最終学年ではThesisにも取り組み、これまで身につけてきた工学・材料の知識を、一つの研究課題へとつなげていきます。

MECH346 Engineering Thermodynamics(工学熱力学)
ENGG461 Managing Engineering Projects(エンジニアリング・プロジェクト管理)
MATE423 Fundamentals of Iron and Steelmaking(製鉄・製鋼の基礎)
ENGG434 Introduction to Materials Welding and Joining(材料の溶接・接合)
MATE303 Ceramics, Glasses and Refractories(セラミックス・ガラス・耐火材料)
Thesis MMMB498 Thesis A(12cp)+Elective(6cp)、または MMMB499 Thesis B(18cp)

※上記は2027年版のカリキュラムをもとにしています。カリキュラムは今後変更される可能性があります。また、ThesisやElectiveなど、選択によって履修科目が異なります。

大学での学びを、実際の仕事へ ― Professional Experience

Bachelor of Engineering (Honours)では、卒業までに12週間(420時間以上)のProfessional Experienceが必要です。

大学で学んだEngineeringが実際の仕事でどのように使われているのかを経験しながら、卒業後のキャリアについて考える機会にもなります。

材料工学を学んだ先に広がるキャリア


Materials Engineeringで身につける知識は、材料そのものを開発する仕事だけでなく、製品開発、製造、品質・安全、鉄鋼・資源、エネルギーなど、さまざまな分野で活かすことができます。

このコースはEngineers Australiaおよびワシントン・アコード(Washington Accord)加盟国の技術者団体から、プロフェッショナルエンジニアレベルとして認定されています。

分野 具体的な仕事 職種例
研究・材料開発 新しい材料の研究・開発や、用途に合わせた材料の選定・性能改善に関わる Materials Engineer、Materials Consultant、R&D Engineer
金属・素材 鉄鋼や合金などの製造・加工、材料特性の改善などに関わる Metallurgist、Materials Engineer、Ceramic Engineer、Polymer Engineer
製造・生産 製品に適した材料や製造方法を検討し、生産工程やプロセスを改善する Manufacturing Engineer、Production Engineer、Process Engineer、Plant Engineer
品質・プロジェクト 材料や製品の品質・性能を確認し、製造やプロジェクトを技術面から支える Quality Control Engineer、Project Engineer、Design Engineer、Industrial Engineer
幅広い産業へ 材料の知識を活かし、航空宇宙をはじめとするさまざまな産業の製品・技術開発に関わる Aerospace Engineer など

Materials Engineeringはこんな人に向いている

屋外に集まるウーロンゴン大学の学生たち

Materials Engineeringは、ものづくりに興味があり、その中でも材料そのものの性質や変化を掘り下げて考えることが好きな人と相性のよい分野です。

  • 化学や物理が好き
  • 「なぜこの素材は強いのだろう?」と考えるのが面白い
  • 新しい素材や技術に興味がある
  • 自動車、航空宇宙、エネルギー、医療など幅広い分野に興味がある
  • 完成した機械そのものより、「何でつくるか」に興味がある
  • 研究だけでなく、実際の製品やものづくりにも関わりたい

という人には、ぜひ知ってほしいMajorです。

UOWのBachelor of Engineering (Honours)は1年次が共通カリキュラムのため、Engineeringの基礎を学びながら、それぞれの分野について理解を深めていくことができます。

Materials Engineeringだけでなく、Mechanical、Electrical、Civilなど、他のMajorとも比較しながら自分の興味に合う分野を考えてみるのもよいでしょう。

学費・コース概要

ウーロンゴン大学 メインキャンパスを歩く学生たち

項目 内容
大学名The University of Wollongong(ウーロンゴン大学)
コース名Bachelor of Engineering (Honours) – Materials Engineering
期間4年間(フルタイム)
学費2027年:A$51,025/年間(約592万円)× 4年
OSHC(海外学生医療保険)・Student Services and Amenities Fee(SSAF)等は別途必要です。
入学時期Autumn(2027年3月開始)/Spring(2027年7月開始)
キャンパスWollongong
ATAR-SR(参考)80
専門認定Engineers Australia認定(Professional Engineerレベル)

入学条件と進学ルート

学生とスタッフが相談する様子直接出願の場合、英語力はIELTS Academic6.0(各セクション6.0以上)が基準です。

成績や英語力が直接出願の基準にまだ届かない場合でも、UOW College経由のルートがあります。

ルート 入学要件(目安) 修了後
直接入学高校評定平均3.8/5以上、IELTS Academic 6.0(各6.0以上)Bachelor 1年次から開始
Diploma of Engineering(12〜18ヶ月)高評定平均2.5/5以上、IELTS Academic 5.5(Reading・Writing各5.5以上)所定の条件を満たして修了後、Bachelor 2年次へ進学
Diploma of Engineering Fast Track(9ヶ月)高評定平均3.0/5以上、英語はIELTS Academic 6.0(Reading・Writing各5.5以上)が目安所定の条件を満たして修了後、Bachelor 2年次へ進学

日本の高校卒業者の場合、成績(評定平均)の換算や、どのルートが適しているかの判断は個別の学業成績によって変わりますので、ぜひ、ご相談ください。

奨学金についてはこちらをごらください。
ウーロンゴン大学より最新奨学金のお知らせ

出願前によくいただく質問


Q.材料工学は数学や物理が苦手だと厳しいですか?
A.数学や物理は1年次のEngineering共通科目でも学び、その後の専門科目の土台になります。そのため、入学時点ですべてを得意としている必要はありませんが、数学や物理を使いながら材料の性質や現象を考えていくことにはなります。「得意ではないけれど、なぜこうなるのかを考えることは好き」という方であれば、学びながら基礎を固めていくことが大切です。

Q.材料工学は化学が中心ですか?
A.化学は材料の構造や性質を理解するうえで関わってきますが、材料工学は化学だけを学ぶ分野ではありません。物理、数学、力学、製造、設計なども学びながら、材料を「理解する」だけでなく、どの材料を選び、どう加工し、実際の製品や技術にどう活かすかまで考えていきます。

Q.Mechanical Engineeringとはどう違いますか?
A.Mechanical Engineeringでは機械の構造や動き、設計などを中心に学ぶのに対し、Materials Engineeringでは、その機械や製品を「どの材料でつくるのか」「その材料にどのような性能が必要なのか」という視点から考えます。どちらもものづくりに関わりますが、どこに一番興味を持つかがMajor選びの一つのポイントになります。

Q.途中で他のEngineering Majorに変更することはできますか?
A.UOWのBachelor of Engineering (Honours)は1年次が共通カリキュラムです。Major変更を希望する場合は、変更時期や履修状況などによって条件が異なるため、早めに大学へ確認することをおすすめします。

Q.Diploma経由と直接入学、どちらがいいですか?
A.高校の成績や英語力によって適したルートは異なります。直接入学の条件を満たしている場合はBachelorの1年次からスタートできます。一方、直接入学の条件に届かない場合でも、Diploma of Engineeringを所定の条件を満たして修了することでBachelorの2年次へ進むルートがあります。Fast Trackであれば9ヶ月でDiplomaを修了できるため、進学時期によってはBachelorへ直接入学する場合と同程度の期間で卒業を目指すこともできます。どのルートが適しているかは、成績証明書を確認しながらご案内しています。

Q.卒業後、オーストラリアで働くことはできますか?
A.Materials Engineeringの卒業生が活躍する職種や業界についてはご案内できますが、卒業後のビザや就労資格は、卒業時の制度や個々の状況によって異なります。ビザについてはDepartment of Home Affairsの公式情報をご確認いただくか、Registered Migration AgentまたはAustralian legal practitionerへご相談ください。

カウンセラーから言

材料工学は、「名前だけでは何を学ぶのかイメージしにくい」と感じる方も多いMajorです。 でも実際の科目を見ていくと、材料はなぜ強くなるのか、なぜ壊れるのか、どの材料を使えばより軽く、安全なものをつくれるのかなど、身の回りの製品や新しい技術につながるテーマを学ぶことが分かります。また、UOWでは1年次にEngineeringの基礎を共通で学んでから専門分野へ進みます。

「工学には興味があるけれど、どのMajorが自分に合うのかまだ迷っている」という方は、UOWで学べる10のEngineering Majorを紹介した半導体からロボット、街づくりまで。未来の社会をつくる工学|ウーロンゴン大学で学べる10の専攻もあわせてご覧ください。それぞれのMajorで何を学び、どのような仕事につながるのかを比較してご紹介しています。

Materials Engineeringだけに絞らず、Mechanical、Electrical、Civilなど他のMajorとも比べながら、「自分は工学の中でも何に一番興味があるのか」を考えてみると、専攻を選びやすくなると思います。


出願に向けての準備


1. まずは英語試験を受けましょう
まずはIELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
日本英語検定協会
https://www.eiken.or.jp/ielts/
JSAF
https://jsaf-ieltsjapan.com/
IDP Education
https://ieltsjp.com/
2. 出願に必要な書類を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
  • 最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • 最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
  • パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、オンライン申込みフォームを送信してください。その後、正式にウーロンゴン大学への出願手続きをスタートします。

留学相談&お問い合わせ先


当社オーストラリア留学センターはウーロンゴン大学を含め全豪28大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。


お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください
※備考※
・本記事は2026年8月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2027年度学費をご案内しております。
※日本円は弊社が取得できる最新の送金レート(A$1=116円) で換算しており、実際はお支払い時にご利用の金融機関の為替レートが適用されます。



CRICOS Provider No: 00102E
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号G175)
留学カウンセラー歴23年。高校時代の短期留学をはじめ、ワーキングホリデー、学生ビザでの専門学校進学など、私自身もシドニーでさまざまな留学を経験してきました。留学は一人ひとり目的も状況も異なり、「正解」が一つではないことを実感しています。こうした経験が、現在のカウンセリングの土台になっています。 インターネットには多くの情報がありますが、同じ留学プランがすべての方に合うわけではありません。留学の目的や英語力、ご予算、これまでの経験、将来の希望などを丁寧に伺いながら、選択肢を一緒に整理し、その方に合った現実的なプランを考えることを大切にしています。 過去には東京オフィスにも勤務し、現在はシドニー現地で、ワーキングホリデーから長期語学留学、専門学校、大学・大学院進学まで、幅広い留学に携わっています。日本で留学を考え始める段階から、現地での生活や学び、そして卒業までを見据えてサポートしています。何から考えればよいか分からない段階でも大丈夫です。一緒に情報を整理し、ご自身に合った留学への第一歩を見つけていきましょう。 このカウンセラーに質問する

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