クイーンズランド大学|Master of Conservation Science(保全科学修士号)とは?

クイーンズランド大学 Master of Conservation Science
野生動物や生態系を”科学の力”で守る、そんな仕事に興味はありませんか。

クイーンズランド大学(UQ)のMaster of Conservation Scienceは、絶滅危惧種の保護から国立公園の管理、環境政策の立案まで、保全科学(コンサベーション・サイエンス)を実践的に学べる大学院コースです。

世界的な研究拠点であるCentre for Biodiversity and Conservation Science(生物多様性・保全科学センター/CBCS)Centre for Marine Science(海洋科学センター/CMS)を活用しながら、通常2年分の学びを1.5年という集中プログラムで修了できるのが大きな特徴です。CBCSは各国の政府・研究機関・NGOと連携して生物多様性の保全課題に取り組む世界有数の研究拠点、CMSはオーストラリアでも最大級の海洋研究者が集うセンターで、いずれも第一線の研究者のもとで学べる環境が整っています。

QS世界大学ランキング2026では、UQの環境科学分野はオーストラリア国内1位、世界18位にランクインしており、研究レベルの高さも折り紙付きです。

生き物や自然環境を守る仕事を本気で目指したい人にぴったりのコースです。

“好き”を”科学の力”に変える、UQならではの学び

グレートバリアリーフに浮かぶサンゴ礁の島
UQのMaster of Conservation Scienceは、生物多様性の保全、環境哲学、国内外の保全政策、そして体系的な保全の意思決定プロセスまで、幅広い知識を実践的なフィールドワークとあわせて学べる全32ユニットの大学院プログラムです。

特に注目したいのが、グレートバリアリーフに浮かぶHeron Island Research Stationや、Minjerribah(ノース・ストラドブローク島)のMoreton Bay Research Station、内陸のHidden Vale Wildlife Research Stationなど、実際のフィールドで学べる環境です。上の写真のようなサンゴ礁の島も、実習フィールドの一例です。キャンパスの講義で理論とデータ分析を学んだあと、屋外での個体数調査や植生の計測といった実習に出る、という流れが日常的に組み込まれています。

教科書だけでなく、現場で研究者と一緒に手を動かしながら学べるので、”生きた保全科学”が身につきます。

また、必修科目22ユニットを土台に、研究プロジェクトを選ぶか選択科目を積み増すかを自分で決められる柔軟な設計になっており、研究者としての道と実務家としての道、どちらも視野に入れられます。将来の方向性をまだ決めきれていない人でも、学びながら軌道修正できるのは心強いポイントです(詳しい科目構成は「カリキュラム」セクションで紹介しています)。

卒業後、自然を守る仕事はこんなに広がっている

ブリスベン市街とUQキャンパスの空撮
卒業後は、野生動物や自然環境の保全に関わるさまざまな仕事の選択肢が広がります。UQで得られる専門知識は、政府機関からNPO、コンサルティング業界まで幅広く求められています。

職種 主な業界・就職先
絶滅危惧種エコロジスト政府機関・研究機関
害虫管理リサーチャー農業・環境コンサルティング
自然資源マネージャー国立公園・自治体
政策立案担当(ポリシーデベロッパー)政府機関・NGO
環境サステナビリティマネージャー民間企業・コンサルティング
国立公園・野生生物オフィサー国立公園局
アグリビジネスコンサルタント農業関連企業
動物学者(Zoologist)研究機関・動物園
ブッシュ再生コンサルタント環境コンサルティング
エコツーリズムマネージャー観光業

seek.com.auのデータでは、エコロジスト(生態学者)の年収目安はAUD 9万〜11万ドル、動物学者はAUD 9.5万〜11.5万ドルとされています(給与相場は変動するため最新情報の確認をおすすめします)。

オーストラリア国内はもちろん、保全科学の知見は日本や世界各国でも高いニーズがあります。政府の環境部局、国際NGO、コンサルティングファームなど進路の幅が広いのもこのコースの強みで、「研究職に進むか、政策や実務の現場に出るか」を在学中に見極めやすいカリキュラム構成になっています。

「自然が好き」を仕事にしたいあなたへ

UQ St Luciaキャンパスでのキャンパスライフ
将来、絶滅危惧種の保護や国立公園の管理、環境政策づくりに関わる仕事がしたい人におすすめのコースです。

生態学・環境学・海洋科学・動物学などを大学で学んだ人はもちろん、数学や統計学のバックグラウンドを保全の現場で活かしたいという人にも向いています。教室での座学だけでなく、グレートバリアリーフや離島でのフィールドワークを通して本物の自然の中で学びたい人、日本ではなかなか体験できない研究環境に飛び込んでみたい人にぴったりの環境が整っています。

「自然が好き」という気持ちを、科学的な分析力や政策提言力に変えていきたい人にとって、UQのキャンパスライフは刺激的な1.5年になるはずです。写真のように、同じ志を持つ仲間と学べる環境も、モチベーションを保つ大きな支えになります。

1.5年に凝縮された、”現場で使える”カリキュラム

UQの講義室での授業の様子
このコースは全32ユニットで構成され、必修科目22ユニット研究プロジェクト0〜8ユニット選択科目2〜10ユニットという内訳になっています。通常2年分の学びを1.5年という集中スケジュールで修了できる設計です(UQ公式コース要件ページ、2027年度情報より)。

写真のような講義室での授業では、実際の環境問題のケーススタディをスクリーンで示しながら、データに基づいた議論が展開されます。理論を学ぶだけでなく、”現場で使える分析力”を養うことを重視した授業スタイルが特徴です。

研究職を目指す人は、CONS7004(Major Research Project & Seminars、8ユニット)を選択して本格的な研究プロジェクトに取り組むことも可能です。研究者としての道と、実務家としての道、どちらも視野に入れられる柔軟なカリキュラムです。

必修科目の例

必修科目では、保全科学の土台となる知識を体系的に学びます。Conservation in Context(保全科学概論)から始まり、Conservation & Wildlife Biology(保全・野生生物学)、Conservation Policy(保全政策)、Environmental Philosophy(環境哲学)などで理論を固めたうえで、Space Invaders: Invasive Species, Field skills & GIS Mapping(外来種問題とフィールド調査・GIS技術)、Marine Conservation(海洋保全)、Rainforest Conservation(熱帯雨林保全)など、フィールドワークと直結する実践科目にも取り組みます。

科目コード 科目名
CONS7029Conservation in Context
CONS6009Conservation & Wildlife Biology
CONS7008Sampling Design & Analysis in Conservation Science
ENVM7505Conservation Policy
TIMS7328Strategies for Sustainable Systems Transition
PHIL7221Environmental Philosophy
CONS7022Space Invaders: Invasive Species, Field Skills & GIS Mapping
CONS7024Marine Conservation
CONS7025Rainforest Conservation
CONS7030Conservation & Agriculture
ENVM7512Environmental Problem Solving
GEOM7005Geographical Information Systems

選択科目の例

必修科目に加えて、2〜10ユニット分を選択科目から履修します。環境政策の国際的な枠組みから、GIS・リモートセンシングなどの技術系科目、環境影響評価まで幅が広く、自分の興味やキャリアの方向性に合わせて組み合わせられるのが魅力です。

科目コード 科目名
ENVM6017Landscape Ecology
ENVM7001Foundations in Environmental Studies
ENVM7003Applied Research Methods
ENVM7123Regulatory Frameworks for Environmental Management & Planning
ENVM7124International Regulatory Frameworks for Climate Change & Environmental Management
ENVM7200Coastal Processes & Management
ENVM7201Catchment Processes & Management
ENVM7206Environmental Impact Assessment
ENVM7524Carbon & Energy Management
ENVM7530People, Fire & Environment
ENVM7536Sustainable Business Practice
GEOM7000Introduction to Earth Observation Sciences (EOS)
GEOM7002Spatial Analysis & Modelling
GEOM7004Geospatial Processing & Web Mapping
GEOM7200Fundamentals of Geographic Information & Technologies
PLAN7615The Global Metropolis
QBIO7002Multivariate Data Analysis & Machine Learning in Biology

このほか、准学部長(アカデミック)が個別に承認した科目を選択できる場合もあります。最新の科目一覧はUQ公式コース要件ページでご確認いただけます。

自分に合った進学ルートを見つけよう

UQ St Luciaキャンパスの回廊
出願には、植物学・保全学・生態学・環境学・進化学・数学/統計学・海洋科学・動物学のいずれかの分野での学士号(またはそれに相当する資格)が必要で、直近の学位でGPA5.0(7点満点中)以上が目安とされています。

該当する学士号を持っていない場合でも、Graduate Certificate in Conservation Biologyを修了することで進学ルートを確保できます。この場合のみ、1月開始のSummer Semesterからの入学も可能です。また、より研究色の強いMaster of Conservation Biologyという関連プログラムも用意されており、自分の興味や将来のキャリアに合わせてコースを選べる点もUQならではの強みです。

ルート 必要な成績 英語力(目安)
学士号から直接出願GPA 5.0(7点満点)IELTS総合6.5(各6.0以上)
Graduate Certificate経由Graduate Certificate in Conservation Biology修了IELTS総合6.5(各6.0以上)

IELTS以外にも、TOEFL iBT(総合87)、PTE Academic(総合64、各60以上)、Cambridge English(C1 Advanced等、総合176)でも出願可能です。ただしOETは対象外なので注意しましょう。英語力に不安がある場合は、UQ提携の英語コースを経由するルートもあります。「今のスコアで足りるか分からない」という段階でも大丈夫なので、まずは個別にご相談ください。

迷ったらここだけチェック!コース早見表

UQのモダンな校舎建築
学費や入学時期など、まず押さえておきたい基本情報をまとめました。じっくり読む時間がない人は、このテーブルだけでも十分に全体像がつかめます。

項目 内容
大学名The University of Queensland(クイーンズランド大学)
コース名Master of Conservation Science(プログラムコード:5597)
期間1.5年(全32ユニット、集中プログラム)
学費年間目安 AUD $91,428(24ユニット・フルタイム換算、2027年度)。総額は履修ユニット数により変動するため要確認
入学時期Semester 2(2027年6月24日)、Summer Semester(2028年1月3日、Graduate Certificate in Conservation Biology修了者のみ)
キャンパスSt Lucia(ブリスベン、クイーンズランド州)
CRICOSコード082609K
AQFレベルレベル9

クイーンズランド大学(UQ)の他の学部・大学院コースの学費・CRICOS・入学日は、クイーンズランド大学(UQ)学費・入学日一覧【2027年版】でまとめて確認できます。

先輩たちも気になった、よくあるギモンにお答えします

UQキャンパスで相談する学生たち
これまで多くの方からいただいたご質問の中から、特に多いものをまとめました。ここに載っていない疑問も、遠慮なくお問い合わせください。

Q.英語力に自信がなくても出願できますか。
A.IELTS総合6.5(各6.0以上)が基準です。届かない場合はUQ提携の英語コース経由のルートもあるので、個別にご相談ください。

Q.保全・生態学系以外の学士号でも出願できますか。
A.植物学・保全学・生態学・環境学・進化学・数学/統計学・海洋科学・動物学のいずれかが対象です。それ以外の分野は個別審査となるため、大学への事前確認をおすすめします。

Q.関連分野の学士号を持っていない場合はどうすればよいですか。
A.Graduate Certificate in Conservation Biology(5550)を修了することで、このコースへの進学ルートを確保できます。

Q.現地でのフィールドワークはありますか。
A.Heron Island Research Station、Moreton Bay Research Station、Hidden Vale Wildlife Research Stationなど、実際の自然環境の中で学ぶ機会が用意されています。

Q.研究とコースワーク、どちらを選べばよいですか。
A.必修科目22ユニットを終えたあと、CONS7004(Major Research Project & Seminars、8ユニット)を選ぶか、選択科目を積み増すかを選べます。将来のキャリアに合わせて個別にご相談ください。

Q.UQの環境科学分野の評価はどれくらいですか。
A.QS世界大学ランキング2026で、環境科学分野はオーストラリア国内1位、世界18位にランクインしています。

カウンセラー 林 真生から一言

保全科学は、「自然や生き物が好き」という気持ちを、データと科学の力で社会に活かせる分野だと考えています。UQのMaster of Conservation Scienceは、Heron IslandやMoreton Bayでの実地調査など、教室の外で学べる機会が多いのが大きな魅力です。研究者を目指す方はもちろん、政府機関・NGO・環境コンサルティングなどで実務家として働きたい方にとっても、確かな土台になります。

一方で、より短期間で修了したい方や、海洋・野生生物など特定の分野に絞って学びたい方は、Master of Conservation Biologyや他の環境系プログラムのほうが合うこともあります。関連分野の学修歴による期間短縮(1.5年)の可否や、日本の成績からのGPAの見方も含めて、一人ひとりに合った進め方をご提案しますので、迷ったらお気軽にご相談ください。

クイーンズランド大学への進学相談はオーストラリア留学センターへ

英語力や成績への不安、Graduate Certificate経由のルート選びなど、気になることは何でもお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。すべて無料でサポートしています。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I008)
留学カウンセラー歴22年。ブリスベン現地オフィスで、オーストラリア留学・進学の相談を担当しています。2002年にワーキングホリデーで渡豪し、現在は豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I008)として、高校生の大学進学、大学生の休学・認定留学、社会人のキャリアチェンジまで幅広くサポートしています。 これまで1500名以上の学生を見てきて強く感じているのは、留学は「入学できるか」だけで決めるものではないということです。英語力、成績、費用、ビザ、現地生活、そして卒業後の進路まで含めて、その人にとって本当に続けられる選択かどうかを見極めることを大切にしています。希望だけで話を進めるのではなく、必要な場合は厳しいこともお伝えしながら、現実的で納得できる留学プランを一緒に考えています。 ブリスベンで留学している学生、これからブリスベンでの進学を目指す方に向けて、制度の説明だけではなく、現地で日々留学生をサポートしているからこそ伝えられる判断材料をお届けしています。「相談してよかった」と思っていただけるよう、一人ひとりの状況に合わせて丁寧に向き合っています。 このカウンセラーに質問する

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