学びたいことを1つに絞らなくていい。45以上の専攻から、自分だけの進路をデザインする3年間。
言語、歴史、心理、メディア、国際関係、犯罪学、アート——人や社会、文化に関心があるけれど「専門を1つに決めきれない」。そんな人にこそ向いているのが、クイーンズランド大学(The University of Queensland/UQ)の
Bachelor of Arts(文学士)です。UQのBachelor of Artsは、人文・社会科学を中心に非常に幅広い専攻(major)・副専攻(minor)から、自分の興味とキャリアに合わせて学びを組み立てられる、自由度の高い学位です。
UQはオーストラリアの名門大学グループ「Group of Eight」の一角。世界水準の環境で、幅広い教養と「考える力・伝える力」を身につけたい方に向けて、コースの中身・専攻の選び方・卒業後のキャリア・入学条件まで詳しく解説します。
専門を決めてから入る必要はない。UQ Artsの自由設計

Bachelor of Artsの最大の魅力は、その柔軟さです。入学時に専門を固定するのではなく、幅広い分野に触れながら、自分に合った専攻(major)を選び、副専攻(minor)や選択科目を組み合わせて「自分だけの学び」を設計できます。1つの専攻を深めることも、2つの専攻を掛け合わせることもできます。
学び方は、講義(Lectures)・チュートリアル(Tutorials)に加え、海外研修(Overseas study)やスタジオ型の実践科目など多様です。1年次には幅広い分野の入門・中級科目に触れ、学びながら方向性を定めていけます。「まだやりたいことが1つに決まっていない」人にとって、複数分野を試せる設計は大きな安心材料です。
さらに、法学・ビジネス・IT・理学など他分野と組み合わせるデュアル学位(例:Bachelors of Arts / Laws (Honours)、Bachelors of Journalism / Arts、Bachelors of Science / Arts など)も豊富で、教養に専門性を掛け合わせてキャリアの幅を広げることもできます。
選べる45以上の専攻・副専攻——まずは全体像から
UQのBachelor of Artsで選べる専攻(major)は、2026年時点で45以上。副専攻(minor)も含めると、組み合わせの幅はさらに広がります。まずは全体像をつかんでいただくために、関心の方向性別に一覧にしました(英語表記が正式名称です)。
| 関心の方向性 |
専攻名(Major) |
| 言語・異文化 | Chinese、Chinese Translation and Interpreting、French、French Advanced、German、Indonesian、Italian、Japanese、Japanese Advanced、Korean、Russian、Spanish、Ancient Greek、Latin、Linguistics、English as an International Language |
| 歴史・考古学・芸術 | Ancient History、Ancient History/History、Archaeology、Art History、History、Aboriginal and Torres Strait Islander Studies |
| 社会・政治・国際関係 | Anthropology、Criminology、Gender Studies、Geography、International Relations、Peace and Conflict Studies、Political Science、Sociology、Legal Education Studies、Sports Studies、Economics |
| 表現・メディア | Drama、English、English Literature、Film and Television Studies、Journalism and Mass Communication、Media and Digital Cultures、Music、Professional Writing and Communication、Writing |
| 思想・心理 | Philosophy、Religious Studies、Psychology |
| 数理 | Mathematics |
副専攻(minor)にはAustralian Studies、Music Psychology、Popular Musicがあります。最新の専攻一覧は
UQ公式ページで確認できます。
「好き」から逆算する——興味と目指す仕事で選ぶ専攻

上の一覧を見て、「専攻が多すぎてどれを選べばいいか分からない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。そこで、「どんなことに興味があるか」「将来どんな仕事をしたいか」から選ぶ考え方を、5つの方向性で整理してご紹介します。
言語・異文化に惹かれる人へ
語学や異文化に強くなりたいなら、言語系専攻やLinguistics(言語学)が候補です。「ことばの仕組みを科学したい」ならLinguistics、「複数言語を武器にしたい」なら各言語専攻を選ぶとよいでしょう。目指せる仕事は、通訳・翻訳、国際ビジネス、外交・国際機関、教育など。専門職としては、ことばの分析を使うForensic linguist(法言語鑑定家)のような道もあります。
歴史・文化・アートに惹かれる人へ
過去や文化、芸術に関心があるなら、History(歴史)やArchaeology(考古学)、Art History(美術史)などが向いています。「遺跡や遺物から歴史を読み解きたい」ならArchaeology、「美術や文化を扱いたい」ならArt History。目指せる仕事は、Gallery curator(ギャラリーキュレーター)、Museum curator(学芸員)、Cultural heritage manager(文化遺産マネージャー)など、文化・芸術機関での専門職です。
社会・人・正義に関心がある人へ
社会の仕組みや公正さに関心があるなら、Criminology(犯罪学)やInternational Relations(国際関係)、Political Science(政治学)などが候補です。「犯罪や司法に関わりたい」ならCriminology、「国際問題や開発に携わりたい」ならInternational Relations。目指せる仕事は、Humanitarian aid worker(人道支援)、政策担当、Cyber criminologist(サイバー犯罪分析)、公共・国際機関の専門職など。
表現・メディアで発信したい人へ
書く・伝える・つくることが好きなら、Writing(ライティング)やMedia and Digital Cultures(メディア・デジタル文化)、Drama(演劇)、Music(音楽)などが向いています。「物語や文章で表現したい」ならWriting系、「メディアや発信の仕組みを学びたい」ならMedia and Digital Cultures。目指せる仕事は、Content producer(コンテンツ制作)、Creative director(クリエイティブディレクター)、Communications adviser(広報)、出版・広告・放送などのクリエイティブ職です。
思想・心理を深く掘り下げたい人へ
人の考えや心の働きに関心があるなら、Philosophy(哲学)やPsychology(心理学)が候補です。「物事の本質を論理的に考えたい」ならPhilosophy、「人の心を理解したい」ならPsychology。研究・教育・対人支援など、幅広い分野の土台になります。最新の専攻一覧はUQ公式ページで確認できます。
3年間で何を学ぶのか

UQでは学位課程を「プログラム」、科目を「コース」と呼びます。Bachelor of Artsは3年間(フルタイム)で、選んだ専攻の専門科目・副専攻・興味に応じた選択科目を組み合わせて履修します。分野を横断して学べるため、幅広い視野と深い専門性の両方を養えます。
具体的な科目の一例として、
Media and Society(メディアと社会)、Creative Writing: Narrative Fiction(創作:物語)、Introduction to Criminology(犯罪学入門)、Discovering Archaeology(考古学への招待)、Art in the Modern World(近代の美術)、On Country: Exploring Aboriginal Sites of Significance(先住民の聖地を訪ねる)などがあります。座学だけでなく、海外研修やフィールド型の科目を通じて、学びを実体験に結びつけられます。
学びの中心にあるのは、批判的思考力・調査力・文章力・異文化理解といった、どの業界でも通用する「移し替え可能なスキル(transferable skills)」です。これらは、変化の速い時代にこそ価値が高まる力です。
その学びは、どんな仕事につながるのか

Bachelor of Artsは特定の職業に直結するというより、幅広い業界で活かせる汎用性の高さが魅力です。UQによれば、卒業生は政府・メディア・ビジネス・国際開発・クリエイティブ分野など、世界中のあらゆる業界で活躍しています。選んだ専攻によって、次のようなキャリアを目指せます。
| 職種 |
主な分野・活躍の場 |
| コミュニケーションアドバイザー/広報 | 企業・行政・国際機関の広報・PR |
| コンテンツプロデューサー/クリエイティブディレクター | メディア・広告・出版・放送 |
| ギャラリー/博物館キュレーター | 美術館・博物館・文化機関 |
| 文化遺産マネージャー/芸術祭ディレクター | 文化・観光・イベント |
| 人道支援ワーカー/政策担当 | 国際開発・NGO・政府 |
| 法言語鑑定家/サイバー犯罪分析 | 司法・セキュリティ・調査 |
「人や社会を理解する力」と「考えを言葉で伝える力」は、AI時代にこそ求められるスキルです。専攻や副専攻の組み合わせ次第で、キャリアの可能性は大きく広がります。
このコースが「ぴったりハマる」のはこんな人

このコースは、人・社会・文化・言語・表現などに幅広く関心があり、「やりたいことを1つに決めきれない」人に特におすすめです。複数分野を学びながら自分の方向性を見つけられる柔軟さは、進路を模索している人にとって大きな安心材料になります。
また、語学や異文化に強くなりたい人、書く・伝える・調べる力を武器にしたい人、将来は国際的な現場や文化・メディア・公共分野で働きたい人にも向いています。特定の専門学位(法学・ビジネス等)と組み合わせるデュアル学位を選べば、教養と専門性の両方を身につけることもできます。
日本の大学では学部をまたいだ横断的な学びが難しいと感じている人にとって、UQのArtsは「自分の興味を軸に学びを設計できる」魅力的な選択肢です。
入学条件と進学ルート

留学生がBachelor of Artsに直接出願するには、学力(高校の成績)と英語力の基準を満たす必要があります。英語力は
IELTS(Academic)総合6.5(各バンド6.0以上)が基準です。学力面では、オーストラリアの高校12年生(Year 12)相当の成績が求められます。
高校の成績が直接出願の基準に届かない場合でも、UQには進学準備課程(
Foundation Program/UQ College)を経由してからBachelor of Artsに進むルートがあります。英語力が現時点で基準に届かない場合も、大学付属の英語コースを受講してから本課程に進む方法があります。自分の成績・英語力からどのルートが最適かは一人ひとり異なるため、まずはお気軽にご相談ください。
UQ以外の選択肢:QUTのBachelor of Artsとの違い

「幅広い専攻から選べるArts系の学位」という点では、同じブリスベンにある
QUT(クイーンズランド工科大学)のBachelor of Artsも比較対象になります。ただし、設計の考え方はUQとかなり異なります。
UQのBachelor of Artsは45以上の専攻から選べる伝統的な人文・社会科学系の学位で、Group of Eight(オーストラリアの主要研究大学グループ)としての研究の厚みが特徴です。一方QUTは、2027年から10専攻に絞り込んだ新しいBachelor of Artsを開講予定で、全専攻に必修のコミュニティ・エンゲージメント科目とインターンシップが組み込まれているのが大きな特徴です。「university of technology」らしく、デジタルスキルや実践的な業界経験を重視した設計になっています(QUT公式サイト、2026年8月確認時点の情報)。
学費は、UQが年間AUD $48,080(2027年度)であるのに対し、QUTは年間AUD $41,900(2027年度、96クレジットポイント)とやや抑えられています。英語条件(IELTS Academic総合6.5、各6.0以上)やキャンパスの立地(UQ:St Lucia、QUT:Kelvin Grove、いずれもブリスベン市内)は近い水準です。
研究の厚みを重視して45以上の専攻からじっくり選びたい方にはUQのBachelor of Arts、在学中から必修のインターンシップ・実務経験を積みたい方や学費を抑えたい方にはQUTのBachelor of Artsが向いていると言えます。どちらが上ということではなく、専攻の幅を優先するか、必修インターンシップなど実務経験の組み込まれ方を優先するかで、選ぶべき大学は変わります。QUTのBachelor of Artsは2027年開講予定の新しい設計のため、最新の専攻構成・入学条件は出願前に必ず公式サイトまたは当社でご確認ください。
コース概要
| 項目 |
内容 |
| 大学名 | The University of Queensland(クイーンズランド大学) |
| コース名 | Bachelor of Arts(文学士) |
| 期間 | 3年(フルタイム) |
| 学費 | 年額AUD $48,080(5,529,200円、留学生・2027年)。3年間の総額は年度により変動するため、最新の学費・入学日一覧で確認することをおすすめします |
| 専攻 | 人文・社会科学を中心に多数の専攻(major)・副専攻(minor) |
| 入学時期 | 2月(セメスター1)・7月(セメスター2) |
| キャンパス | セントルシア(St Lucia/ブリスベン、クイーンズランド州) |
| 学位コード/CRICOS | 2000/001942A |
クイーンズランド大学(UQ)の他の学部・大学院コースの学費・CRICOS・入学日は、
クイーンズランド大学(UQ)学費・入学日一覧【2027年版】もあわせてご覧ください。
出願前によくいただく質問
| Q. | 出願時に専攻(Major)を決めておく必要がありますか? |
| A. | 幅広く学びながら在学中に専攻を決めていくことができます。「人文・社会系に興味はあるが専門を決めきれない」という方も、複数分野を試しながら方向性を固められます。 |
| Q. | 専攻はいくつまで選べますか?副専攻(minor)と組み合わせられますか? |
| A. | 1つの専攻を深めることも、2つの専攻を掛け合わせることもでき、副専攻や選択科目と組み合わせて学びを設計できます。組み合わせ方はご相談ください。 |
| Q. | 文系の学位で就職に不利になりませんか? |
| A. | 批判的思考力・調査力・文章力・異文化理解など、業界を問わず求められる「移し替え可能なスキル」が身につきます。政府・メディア・ビジネス・国際開発・文化など幅広い分野で活躍できます。 |
| Q. | 法学やビジネスなど専門分野も一緒に学べますか? |
| A. | はい。Arts / Laws (Honours) や Journalism / Arts、Science / Arts などのデュアル学位があり、教養と専門性を組み合わせられます。 |
| Q. | 成績や英語力が足りない場合はどうすればいいですか? |
| A. | 進学準備課程(Foundation Program)や大学付属の英語コースを経由するルートがあります。現在の成績・スコアから必要な準備を含めてサポートします。 |
| Q. | 在学中に留学・海外研修はできますか? |
| A. | 海外研修(Overseas study)や交換留学の機会があり、語学や国際系の専攻と組み合わせると特に活かせます。 |
| Q. | 卒業後、オーストラリアで働くことはできますか? |
| A. | 卒業後の就労に関するビザ制度(Temporary Graduate visaなど)は、Department of Home Affairsが定める要件によって決まり、変更されることもあります。学位の取得がそのままビザ取得を保証するものではないため、最新の制度情報や個別の該当可否については、公式情報とあわせて当社にご相談ください。 |
| Q. | 心理学(Psychology)を専攻すると心理職に就けますか? |
| A. | Bachelor of ArtsのPsychology専攻は土台になりますが、登録心理士等を目指す場合は追加の課程が必要です。将来像に応じた進み方をご案内しますので、ご相談ください。 |
カウンセラー 林 真生から一言
「人や社会、文化に興味はあるけれど、専門をまだ絞りきれない」——Bachelor of Artsは、まさにそういう方にぴったりの学位だと思います。UQは専攻の選択肢がとても多いので、1〜2年生のうちにいろいろな分野を学んでみてから、自分に合うものを選べます。当社からも毎年、語学・国際関係・メディア・犯罪学など、本当にいろいろな方向を目指す学生さんを複数名お手伝いしています。出願書類の準備だけでなく、専攻・副専攻の組み合わせ方や日本の成績からのGPAの見方、現地到着後の学生生活サポートまで一貫して対応できるのは、これまで多くのUQ出願を見てきた当社ならではだと思っています。
文系の学位というと「就職が心配」という声もよく聞きますが、実際には「考える力」「調べる力」「伝える力」はどの業界でも重宝されます。法学やビジネスと組み合わせるデュアル学位という選択肢もあります。どの専攻・組み合わせが合いそうかは、これまで好きだったことやこれからやりたいことを聞かせてもらえれば一緒に整理できます。まずは気軽にご相談くださいね。
クイーンズランド大学(UQ)Bachelor of Artsへの進学相談はオーストラリア留学センターへ
専攻・副専攻の選び方、デュアル学位、成績や英語力の不安、進学ルートなど、Arts留学に関するご相談は、経験豊富なカウンセラーがサポートします。
お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。すべて
無料でサポートしています。