私たちの生活に欠かせないデジタル技術。スマートフォンやタブレットは、多くの人達の生活に欠かせない”必需品”となりました。
2000年の「IT革命」以降、さまざまなツールやデバイスのデジタル化・モバイル化が実現され、私たちの生活を大きく変えていきました。金融、製造、小売、自動車業界は、人工知能、ビッグデータ、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)によって劇的な変化を遂げましたが、次に注目されているのは、
ヘルスケア(医療)業界です。
現在、最先端のデジタルヘルス技術/改革を設計、開発、実行、管理できる専門家の需要が急増しています。
電子カルテ、リアルタイムデータ収集、ウェアラブル・デバイス(腕時計やヘッドホン型の装着型コンピュータ)、mHealthアプリ(モバイルヘルス/医療アプリ)などは、現在の緊迫した医療システムの改善を促進する新しいデジタルヘルス技術の一例になります。
この需要に応えるための専門的な知識とスキルを身につけるために開発された、ラ・トローブ大学の修士号コース(Master of Digital Health)を本日はご紹介します。
デジタルヘルス(Digital Health)とは
医療業界のシステムでテクノロジーをうまく活用することです。
オーストラリアは世界的に見ても、優れた医療システムを持っています。特にコロナウィルスのパンデミックを経験して、オーストラリアでテレヘルスと呼ばれる遠隔医療(病院に足を運べない方への電話やオンライでの受診と診断)は急速に普及しました。
テレヘルスは遠隔通信技術を活用して遠隔臨床医療を実現するサービスです。これを利用することで通院や病院での待ち時間を省きストレスを軽減させることも期待出来ます。テレヘルスサービスには、医師との電話やビデオ通話、メールでのやり取りから、治療記録やテスト結果の閲覧、オンラインシステムの予約などが含まれます。
現在オーストラリアの多くの病院では上記のサービスを提供しています。自宅での受診は仕事前やランチ中にも可能で便利ですし、検査結果のメールでの受領は、次の病院にメールで自身て転送出来るなど、時間の有効利用や費用節約の面で多くのメリットを感じることが出来ます。
ラ・トローブ大学で学ぶデジタルヘルス
このコースは、デジタルヘルスを利用したサービス提供や、治療を変える現代のヘルスケア業界で働きたいと考えている方のためのコースです。
健康増進やケアの向上のために、ヘルスケアシステムの内外で技術をどのように利用できるかを合理的かつ客観的に考えて理解すること、そしてそれによって現在および将来の技術の可能性を最大限に引き出し、ヘルスケア業界でテクノロジーが効果的に使用されることを目的にしています。
技術システムを作ることには重点を置かれてませんが、デジタル・ディバイド(情報格差)に取り組む方法や、テクノロジーが健康格差を悪化させたり、新たに生み出したりしないようにする方法、データのプライバシーや不正使用の懸念への対処方法、そして一個人がデータをよりコントロールできるようにする方法についても考察します。
このコースで学べる4つの柱
ラ・トローブ大学のMaster of Digital Healthでは主に下記の4つを学びます。
Medical informatics and virtual health
[医療情報学とバーチャルヘルス] |
デジタルヘルス革新の設計、開発、順応性、応用性を知り、アクセス可能で手頃で効果的なヘルスケアを提供するためにそれらがどのように利用されているかを探る |
Big Data in health and the Internet of Medical Things
[医療ビッグデータとIoMT(Internet of Medical Things)] |
健康分野におけるビッグデータの現状を理解し、実生活でアプリやIoMTがどのように適用できるかを探る |
Future of digital health
[デジタルヘルスの未来] |
医療従事者、患者、技術専門家の役割と責任への影響を踏まえて、現在および今後のデジタルヘルスの革新的なアプリやソフトウェアを検討する |
Health communication in the digital age
[デジタル時代のヘルスコミュニケーション] |
デジタルプラットフォームが、迅速かつ効果的なヘルスコミュニケーションツールとなることを発見し、デジタルにおいて戦略的かつ効率的なコミュニケーションを行うための基本的スキルを身につける |
コース後のキャリアプラン例
ヘルスケアシステムのデジタル化が進むにつれ、今後世界各国でヘルスケアとデジタル技術の接点で実践するための追加スキルをもつ人材が必要となります。
このコースを卒業生は、キャリアプランとして下記のようなものが挙げられます。病院、政府機関、医療技術やデジタルヘルス企業、研究センター、医療機関、医療保険会社、中小企業(SME)など、デジタルヘルス分野に進出している医療機関、サービスプロバイダー、テクノロジー企業に就職のチャンスがあります。
▪ Healthcare analytics professional【医療分析の専門家】
▪ Digital health transformation manager【デジタルヘルス導入マネージャー】
▪ Digital health technopreneur【デジタルヘルス・テクノプレナー(テクノロジー起業家)】
▪ Digital health researcher【デジタルヘルス研究者】
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Master of Digital Healthの入学要項
ラ・トローブ大学のMaster of Digital Healthへの入学概要は以下となります。
IT系や医療系の大学を卒業している必要はなく、学士号を取得していれば出願が可能です。
キャンパス | バンドゥーラ・キャンパス *一部科目はCityキャンパスあり |
授業料 | 78,800ドル(7,801,200円)-2025年 |
就学期間 | 2年 |
入学時期 | 3月、もしくは7月 |
英語力基準 | IELTS Academic 総合点数6.5以上で各バンドスコアが6.0以上、もしくは同等の英語力。 |
学力条件 | Bachelor degree(学士号)を習得していること
WAM(Weighted Average Mark)が65%以上であること
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※英語力条件を満たせない場合は、ラ・トローブ大学付属英語学校で勉強をして、進学を目指すこともできます。
※大学のコース詳細は
こちらから
コース内容と履修科目
2年のマスターコースは、1年間で120クレジットポイント(CP)、合計で240CPの習得が必要になります。2年目は、ReserchかIndustryプロジェクトのどちらかを選びますので、その予定に沿って1年目から選択科目(Core Choice)も選びます。
1年目:必須7科目+Core choiceより選択2科目(合計:120CP)
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- ACADEMIC INTEGRITY MODULE【アカデミック・インテグリティ(勉強理念)】(0CP)
- BIG DATA AND THE INTERNET OF MEDICAL THINGS【ビッグデータとIoMT】(15CP)
- COMMUNICATING DIGITAL MEDICINE【デジタル医療コミュニケーション】(15CP)
- DATABASE FUNDAMENTALS【データーベース基礎】(15CP)
- HEALTH DATA FOR DECISION MAKING: EPIDEMIOLOGY AND BIOSTATISTICS【意思決定のための健康データ: 疫学と生物統計学】(15CP)
- INTRODUCTION TO PROGRAMMING【プログラミング入門】(15CP)
- TRENDS IN DIGITAL HEALTH【デジタルヘルスの傾向】(15CP)
- Core Choiceより(15CP)※選択はこちら参照
- Core Choiceより(15CP)※選択はこちら参照
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リサーチ・プロジェクトでは、学生は選択した分野の研究を設計および実施するために必要なスキルと知識を身につけます。学生はワークショップや研究指導者からの指導を通じて、研究の過程をサポートされます。このプロジェクト教科は正式な研究プロジェクトの小論文で評価されます。
2年目:8科目(合計:120CP) |
- MINOR THESIS A−D【小論文A-D】(合計60CP)
- Specialisation Electivesより【専門分野より4科目】(合計60CP)
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インダストリー・プロジェクトとしての「ACTION LEARNING STUDY」の科目では、アクションラーニングのフレームワークを用いて、実際のヘルスケアや公衆衛生の問題に分析や問題解決の戦略を適用し、実践的な経験を積みます。
学生は、デジタルヘルスの教科で得たスキルと知識を統合、分析し、プロジェクト管理、計画、評価のスキルを深めることで、健康の改善に関連するアクション・ラーニング・プロジェクトを完成させます。また、キャリア開発のための学習や専門家との連携の機会があります。
このプロジェクト教科の評価は小論文ではなくプレゼンテーションなどが含まれます。
2年目:6科目(合計:120CP) |
- ACTION LEARNING STUDY【アクション・ラーニング研究】(45CP)
- Specialisation ElectivesとNonspecialisation Electivesより【専門分野科目と専門分野外選択科目より5科目】(合計75CP)
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2年目で選ぶ専門分野
上記で説明したように、2年目でResearchかIndustryのプロジェクトを選びますが、それ以外の2年目の残りの単位で、Specialisation Electives(専門分野)を1つ選び、そこから科目を履修します。下記の選択肢から、デジタルヘルスのより細かな分野を特化して学べます。
・Health data analytics and visualisation
【健康データの分析と視覚化】
・Applied eHealth
【eHealthの適用】
・Tele and virtual health
【テレヘルスとバーチャルヘルス】
・Health technopreneurship and biodesign
【テクノプレナーシップ(テクノロジーを使ってビジネスを革新する起業家精神)とバイオデザイン(デザイン思考をもとにした医療機器の新しい捉え方)】 |
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学生は最初から専門分野を決定しておく必要はありませんが、特定の進路のためには必要な前提条件がある場合があるため、コースに入学したら出来るだけ早くコーディネーターに相談して、履修科目や専門分野のプランニングをすることをお勧めします。
また専門を絞らずSpec subjects(選択専門分野選択科目)の中から好きな科目を4つ選ぶことも出来ます。
Industry Projectを選んだ場合は、ACTION LEARNING STUDY以外で2年目に75CP(5科目)履修が必要です。ほとんどの専門分野は4科目(60CP)から成り立つので、その場合は1科目を Free Elective(専門分野外選択科目)から選びます。
出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合はラ・トローブ大学付属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
- 大学の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- 大学の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
- パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォームを送信してください。出願の手続きをスタートします。
ラ・トローブ大学への進学相談
オーストラリア留学センターは、日本に東京オフィス、そしてオーストラリア国内の主要6都市(シドニー、メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、アデレード、パース)に自社の現地サポートオフィスを構え、全オフィスに日本人スタッフが常勤している
唯一の日本エージェントです。ラ・トローブ大学の日本の公式出願相談・相談窓口でもあり、皆さまの大学進学を無料でお手伝いしております。
オーストラリアの主要6都市にスタッフが在住しているメリットを最大限に生かし、
「現地にいるからこそわかる、本当の学校情報をそのまま皆様にお伝えする」というシンプルな方針のもと、過剰な広告や留学フェアなどといった宣伝活動を一切行わず、オーストラリアの教育機関から支払われるサポート費のみで運営しております。ですので、よくある日本の留学エージェントと違い、
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