日本で言う学士号は、オーストラリアのBachelorに当てはまります。
ただこのBachelorはオーストラリアの大学のみで開講されている訳ではなく、
TAFE(Technical and Further Education)と呼ばれるそれぞれのオーストラリアの州が運営している
職業訓練専門学校でも開講していることがあります。
TAFEの魅力は、市場のニーズや需要に対応し、常にタイムリーな専門知識、スキルを身に付けることができる点です。Bachelorコースであっても大学で開講されているコースよりカリキュラムに実践的な内容が含まれている場合も多数あります。
今回は、メルボルンのTAFEでどのようなBachelorが習得できるのか、そして、TAFEと大学で習得するBachelorの違いについてご説明します。
TAFEにてBachelorを習得するメリット
”学士号を大学以外で習得する”というイメージは日本にはないので、最初は戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、大学のほうがサポートもしっかりしていて施設も大きいですし、そこからのコネクション、インターンシップ、選択授業の多さ、大学の知名度など、様々な利点が考えられます。また選択授業の多さも大学を選ぶメリットです。ご自身の希望されている分野の学士号を大学で習得出来、費用やコースの内容がご自身の条件に当てはまるのであれば、そちらに越したことはありません。
ですが、これからご紹介するいくつかのメリットを考えた時に、大学ではなく専門学校でのBachelor習得を考えられる方がいらっしゃるのも事実です。そして、必ずしもTAFEで学士号を得たからと言って、
知名度がないので就職に苦労するというわけでもないのです。
オーストラリアでは、卒業後職を探す上で、大学の知名度やその卒業校がその分野で有名かという点はもちろん大事です。ただ日本でよく言われるような”大学名が全て”ではありません。
学生生活の中でどのような経験をしてきたのか、どのような企業経験やコネクション作りをしたのか、また成績をどのくらい収めたのか、等を希望就職先にアピールすることがとても大事です。
大学に比べ費用が下がる
こちらはTAFEで学士号習得すると決断する上での大きな理由の一つになると思います。たとえばメルボルンにキャンパスを持つ、ある大学とTAFEでコース別に値段を比べました。
上記からも分かるようにコースや大学によっては、30−40%の違いが出る可能性もあります。ただTAFEを選ぶ場合は値段だけに固執するのではなく、そのTAFEのBachelorコースでご自身が勉強したい教科やプログラムが履修できるかどうかを予めしっかり確認して、内容に納得してから選ばれることを強くお勧めします。
Bachelorに行くか決断できない場合は、まずはDiplomaから開始
TAFEで開講されているコースはBachelorよりも明らかにCertificateやDiplomaコースが多いです。ですので、もしまだBachelorまで進みたいかわからないということであれば、まずはDiplomaのみを受講されることをお勧めします。
もしその間に、やっはりこの分野を突き詰めたい、もっと勉強したい!と思えれば、Dipomaコースが終わる前までに決断して、Bachelorコースに再出願することが可能です。その場合、Bachelorに入る時に再度英語力を満たす必要はなく、Diplomaの修了をもって免除されることがほとんどです。
またDiplomaで得られた単位は免除される可能性がありますので、すでに1年Diplomaで勉強していれば、1年免除となり、Bachelorでは残り2年分を履修するだけ、ということも多いです。ただこちらはTAFEやコースによっても変わりますので、予め弊社までお問い合わせください。
例えばTAFEでDiplomaを修了してその後大学に編入することも出来ますが、大学とTAFEが提携を結んでいない限り単位免除の有る無しは出願しないとわかりません。
同じTAFEのDiplomaからBachelorに編入する場合は、Diplomaが始まる前に何単位単位免除可能か、を知ることも出来ますし、ご希望であればまとめて申し込みしてビザも申請することが可能です。
英語力や過去の成績基準が大学より少し低く求められる可能性あり

ご存知の方も多いと思いますが、留学生がオーストラリアの大学に入学する場合は、試験はなく過去の成績や英語力で査定され合否が決まります。
TAFEでBachelorを目指される場合、この英語力や成績基準が大学のものよりも少し低くなる可能性がありますので、成績に自信がなくオーストラリアの大学進学を諦めようと思っていらっしゃる方は一度ご相談ください。
コースや大学にもよりますが、基本メルボルン(ビクトリア州)の大学への英語の入学基準はIELTS6.0(すべての分野で6.0)以上、もしくはそれに相当する英語力が求められます。それに対してTAFEへの英語の入学基準はIELTS6.0(すべての分野で5.5)、もしくはそれに相当する英語力から認める、としているところが多いです。

ちなみにほとんどのTAFEには付属英語コースがありますし、もしくは私立の英語学校と提携しているところも多数ありますので、現時点で英語力が足りない場合は、英語学校を経由してIELTS等の試験無しで入学も可能です。
実務的な授業が多く含まれる場合あり
こちらも選ばれるコースにもよりますので一概には言えませんが、TAFEは州立の職業訓練校と呼ばれていますので、Bachelorであっても実務的な内容が多く含まれている場合があります。
例えば、ホスピタリティー&観光系の専門TAFE「ウィリアム・アングリス」で開講されているBACHELOR OF RESORT AND HOTEL MANAGEMENTコース。3年と4年のコースから選べます。
4年のコースでは、最終年はProfessional Practiceとなり、授業の一環として業界で働きながら単位を得ます。フルタイムで有給ポジションとして、働きながら経験と知識を一年間まるまる身につけることが出来ます。
「ホルムスグレン」で開講されているBachelor of Nursingは、他の大学と同じ様に国から定められた臨床経験の時間が必要になりますので、学校外の病院にてプレースメントの手配はあります。
ですが、キャンパス内に併設されている最新のトレーニング機器や施設を備えた病院にて多くの看護実践をシュミレーションすることが授業内で可能です。
ホルムスグレンの学校コース詳細は
こちらご確認下さい。
Bachelorコースを提供しているメルボルンのTAFEのご紹介

William Angliss Instituteはホスピタリティー・ツーリズム専門のTAFE(州立専門校)です。飲食業、接客・サービス業、旅行業界においてオーストラリア内でも高評価を誇っており、キャンパス内にはレストランやキッチンなど、生徒が授業で利用する充実した最新の実務トレーニング施設・設備が整っていて、実際にお客様を招いて実践も行います。
TAFEにめずらしいメルボルン中心地の立地は通学やアルバイトにとても便利です。

Melbourne Polytechnicでは、幅広い種類のコースが開講されており、ビジネス、調理師などの人気コースから、ブドウ栽培、競馬、園芸などの他ではあまりやってないコースまで様々です。
留学生用のコースは6つのキャンパス(プレストン、コリンウッド、エッピング、フェアフィールド、ヘイデルバーグ、プラーン)で開講されています。

Holmesglenのコースは6つのキャンパスで開講されていますが、主に留学生のコース開講が多いのは、メインキャンパスとなるChadstoneと学校が運営をしている病院が併設しているMoorabin、緑が豊かなWaverleyの3つとなります。特に看護コースは有名で、学校運営での病院では様々な臨床経験を得ることが出来ます。

1924年に創立されたボックス・ヒル・インスティチュートはメルボルン市内から13キロ東側に位置するボックスヒルのメインキャンパス含み合計3つのキャンパス(ボックスヒル、リリデール、メルボルン市内)をもっています。特にコンピューターシステムや音楽系のコースも多く人気となります。
TAFEで勉強できるBachelorコース
では実際にそれぞれのTAFEでご案内しているBachelorコースをご案内します。Diplomaから開始できる場合もありますので、興味があるコースがある方は別途ご相談ください。
William Angliss Institute
勉強分野 | コース名 |
イベントマネージメント | BACHELOR OF EVENT MANAGEMENT |
調理マネージメント | BACHELOR OF CULINARY MANAGEMENT |
調理(食) | BACHELOR OF FOOD STUDIES |
ホテルマネージメント | BACHELOR OF RESORT AND HOTEL MANAGEMENT |
ホテルマネージメント | BACHELOR OF RESORT AND HOTEL MANAGEMENT (PROFESSIONAL PRACTICE) |
ホスピタリティー | BACHELOR OF TOURISM AND HOSPITALITY MANAGEMENT |
ツーリズム | BACHELOR OF TOURISM |
ツーリズム | BACHELOR OF TOURISM (MARKETING) |
ツーリズム | BACHELOR OF TOURISM (ECOTOURISM) |
Melbourne Polytechnic
勉強分野 | コース名 |
会計 | BACHELOR OF ACCOUNTING |
ホスピタリティー | BACHELOR OF HOSPITALITY MANAGEMENT |
教育 | BACHELOR OF EDUCATION (EARLY YEARS AND PRIMARY) |
芸術 | BACHELOR OF ILLUSTRATION |
ビジネス | BACHELOR OF BUSINESS |
建築環境 | BACHELOR OF BUILT ENVIRONMENT |
音楽 | BACHELOR OF MUSIC |
音楽 | BACHELOR OF SONGWRITING AND MUSIC PRODUCTION |
IT | BACHELOR OF INFORMATION TECHNOLOGY |
エンジニア | BACHELOR OF ENGINEERING TECHNOLOGY (CIVIL) |
農業(ワイン醸造) | BACHELOR OF AGRICULTURE AND TECHNOLOGY(Viticulture and Winemaking) |
農学 | BACHELOR OF AGRICULTURE AND TECHNOLOGY(Agronomy) |
Holmesglen
勉強分野 | コース名 |
看護 | Bachelor of Nursing |
会計 | Bachelor of Business (Accounting) |
ビジネス | Bachelor of Business Administration |
インフォメーションシステム | Bachelor of Information Systems |
スポーツビジネス | Bachelor of Sport Business |
口腔衛生 | CSU Bachelor of Oral Health |
ホスピタリティー | Bachelor of Hospitality Management |
建設 | Bachelor of Construction Management |
教育 | Bachelor of Early Childhood Teaching |
Boxhill institute
勉強分野 | コース名 |
商業 | Bachelor of Commerce (Applied) |
ホスピタリティー | Bachelor of Hospitality Management |
教育 | Bachelor of Early Childhood Teaching |
ファッション | Bachelor of Fashion |
ファッション | Bachelor of Fashion Merchandising |
コンピューターシステム | Bachelor of Computer Systems |
音楽 | Bachelor of Applied Music (Composition) |
音楽 | Bachelor of Applied Music (Performance) |
音楽 | Bachelor of Applied Music (Audio Production) |
音楽 | Bachelor of Applied Business in Music Industry |
音楽 | Bachelor of Sound Production |
福祉 | Bachelor of Community Services |
バイオセキュリティ | Bachelor of Biosecurity Science |
出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合は語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
- 高校の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- 高校の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
- パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォームを送信してください。出願の手続きをスタートします。
TAFEへの進学
オーストラリア留学センターは、上記各TAFEの日本の公式相談・出願窓口として、皆さまの大学進学を無料でお手伝いしております。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
コース選択から必要な英語力、大学への出願方法までそれぞれのご要望にあったアドバイスをさせて頂きます!
※携帯電話のメールをご利用の場合は、セキュリティ設定の関係でメールが届かないこともございますので、パソコンからのメールを受信できるように設定をお願い致します。
※備考※
・本記事は2021年2月現在のTAFEの情報に基づいており、コース概要や、学費、入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=80円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。
・コロナウィルスの影響により一部コース内容が変更もしくはキャンセルになったり、オンライン授業に差し替わる可能性もあります。