大学進学者のための、進学準備コースって何?
2013年10月31日
留学生を対象にした、大学入学準備のためのファンデーション・プログラム、または、パスウェイ・プログラムと呼ばれるものです。
オーストラリアの大学は通常3年制をとっていて、1年目より専門分野を履修することになります。日本の大学にある一般教養学習は含まれていないわけです。ですからオーストラリアでは、高校を卒業した時点で、大学の専門分野の就学開始に備えた学習を修了しておく必要があります。そのため、大学への入学を目指す留学生は、特別に準備学習をすることで、よりスムーズに大学の科目を履修することが可能になります。
この進学準備プログラムは、進学先の大学内で実施されているものと、大学以外の教育機関が主催するものがあります。大学の学部に直接入学するには英語力や成績が足りない場合に、これらのプログラムを受講してから学部に進学するように、進学条件のひとつとして大学側から提示される場合もあります。
プログラムの内容は、通常半年~1年間で、希望する学部の入学条件に合わせて必修科目と選択科目を履修します。大学によって異なりますが、選択科目は、英語、数学、生物、化学、物理、経済、経営、情報技術などから選ぶことができます。また、専門科目に関連した用語や履修科目の案内、そのほか、大学の授業を想定した聴講方法、エッセーの書き方や長文の読み方、プレゼンテーション方法、インターネットを使用したリサーチ方法なども学習することができます。一般的にプログラム修了後は、大学にエスカレーター式に進学することができ、文学、教育、社会学、ビジネス・経済学、観光、法律、農業、環境、海洋学、獣医、看護などの学部への入学が可能になります。なお、進学する学部によっては、プログラムで履修した科目の単位を大学入学後に免除されることもあります。
オーストラリアの大学では、入学後の授業についていくためにはそれなりの努力が求められ、日本の大学のように「入ってしまえばなんとかなる」というものではありません。一見回り道に思えるファンデーションやパスウェイ・プログラムですが、大学入学後のことを考えればむしろ近道。「急がば回れ」「急いてはことを仕損じる」の諺通りですね。