
石油工学は、化石燃料(主に石油・可燃性天然ガス)の抽出と精製の学問です。 様々な学問と複雑に関係性があり、地質学、地球環境学、土木学、数学、コンピューターサイエンス、エンジニアリングの知識を組み合わせて学びます。
世界が炭素由来のエネルギー源から再生可能エネルギーへと徐々に移行していますが、今日の世界では、いまだ消費されるエネルギーのほとんどが 化石燃料に由来しています。今後、世界で使われるエネルギーが全て再生可能エネルギーになることは考えにくく、さらに石油から生成される樹脂、ビニール、化学繊維、溶剤や薬品、塗料やインクに至るまで石油が使われていないものはありません。
石油工学は、石油や天然ガスの開発が大きな産業になっている米国が最も盛んな分野ですが、資源国のオーストラリアでも 石油工学 を学ぶことができます。
そして資源の多くを輸入に頼っている日本の大学ではなかなか学ぶ機会のない分野かもしれません。実際に日本の大学では 石油工学科ではなく 資源開発工学の一部門として教育が行われているのが現状のようです。
オーストラリアの中でも数少ない 石油工学を学ぶことができる アデレード大学の Petroleum Engineeringをご紹介します。
アデレード大学の石油工学

アデレード大学 は 南オーストラリア州アデレード市にキャンパスを構える 1874年創立の歴史ある総合大学です。オーストラリアのトップ8大学で形成される Group of Eight(グループオブエイト)の1つとなり、2021年度のQS世界大学ランキングでは、オーストラリア国内第8位(世界106位)にランクインしています。(日本の大学では東北大学が世界79位、名古屋大学が世界110位です)
また アデレード大学の Australian School of Petroleum and Energy Resources は、石油に関する学習と研究を行う世界的に認められた機関であり、オーストラリアで唯一、且つ最高ランクの「石油」「未来の地球エネルギー資源」「炭素と水素の地中貯留」について学べる学際的な教育機関の一つとして数えられています。
特に、世界中のエネルギー産業が注目している「炭素貯蔵技術」や、将来の脱炭素化に貢献する重要な「水素貯蔵」についての学習も提供しています。
アデレード大学への進学
アデレード大学の石油工学は、学士号 と 修士号 で開講しています。特に修士号は、理数系学科を終えた日本の大学生で将来、日本のみならず石油・ガス、エネルギー関連起業へのキャリアを目指す方におすすめです。
学士号への進学
アデレード大学の石油工学の学士号への進学を目指す場合、日本の高校の成績と履修科目次第では、Degree Transfer Program を経由して、Bachelor of Engineering (Honours)(Petroleum /石油工学)への進学が可能です。他大学で Engineering(工学)は Foundation(1年) を経ての進学(優等学士 4年)となり、合計 5年間 の修学が必要ですが、アデレード大学の場合、最短4年間で修了することが可能です。
日本の高校を卒業してからアデレード大学のへ進学を目指す場合、高校の成績と履修科目次第で・・・
となります、
Degree Transfer Program 経由での進学
| コース | Degree Transfer Program Standard (Engineering Pathway) |
|---|---|
| 学費 | 年間 37,500ドル(約209万円)(2021年) |
| 期間 | 1年間 |
| 入学 | 2月、7月 |
| 英語 |
・IELTS 5.5 (Speaking と Writing 5.5以上) または ・TOEFL iBT 50 (Speaking & Writing 16 以上) または ・アデレード大学付属英語学校のPEP進学準備コースを規定レベルで卒業すること |
| 出願条件 |
・高校3年生修了以上で 評定平均3.0以上 ・高校にて「数学」と「物理」の履修済が必須 |
なお、International Baccalaureate (IB) 29 以上のスコアをお持ちの学生は学士号へダイレクト進学できます。
| コース | Bachelor of Engineering (Honours)(Petroleum) |
|---|---|
| 学費 | 年間 41,500ドル(約315万円)(2021年) |
| 期間 | 4年間 |
| 入学 | 2月、7月 |
| 英語 |
・IELTS6.5以上(各6.0以上) または ・TOEFL ibt 79以上(L13, R13, W21, S18) |
| 条件 |
・International Baccalaureate (IB) 29 以上 または ・SAT試験にて1270点以上 または ・アデレード大学付属カレッジの Degree Tranfer Program を規定の成績で修了し2年次へ編入 |
| 奨学金情報 | アデレード大学では 2021年〜2025年入学の学生へ奨学金を用意しています。詳細はこちらからご参考ください。 [2021〜2025年]アデレード大学から奨学金のお知らせ |
修士号への進学
アデレード大学の石油工学の修士号(Master of Petroleum Engineering)への進学を目指す場合、石油工学以外の分野でエンジニアリングの学士号(優等学位)またはそれに相当する学位を取得している(GPA4.0/7.0以上)必要があります。特に、理数系の要素が強い(地質学、地球物理学、地質科学、物理学、応用数学など) 関連の学士号をお持ちの方に有利です。
日本の大学において学士号にて石油工学を学べることは非常に少ないので、理数系、工学系コースを終えられている方には、石油工学をキャリアに加えるチャンスとも言えます。
| コース | Master of Petroleum Engineering |
|---|---|
| 学費 | 年間 46,000ドル(約368万円)(2022年) |
| 期間 | 1.5年間 |
| 入学 | 2月 |
| 英語 |
・IELTS6.5以上(各6.0以上) または ・TOEFL ibt 79以上(L13, R13, W21, S18) |
| 条件 |
地質学、地球物理学、地質科学、物理学、応用数学など理数系関連の学士号を修了していること |
| 奨学金情報 | アデレード大学では 2021年〜2025年入学の学生へ奨学金を用意しています。詳細はこちらからご参考ください。 [2021〜2025年]アデレード大学から奨学金のお知らせ |
石油工学とキャリア
現時点でエンジニアと呼ばれる職業の中で 最も「高給」なのが、石油エンジニアと言われています。しかし、それだけで石油工学を選択する学生ばかりではありません。石油工学を専攻した学生が必ずしも石油エンジニアになるわけではない、ということに注目してください。
・エネルギーの生産と供給を行う公共事業会社
・オペレーターに高技術ソフトウェアや機器を提供するサービス会社
・業界の規制や研究を行う政府機関や科学機関
・資源開発などの大規模プロジェクトに資金を提供する銀行や投資会社
などなど、石油、ガスはもとより、エネルギー関連の企業、政府機関などで現場からオフィス業務まで、さまざまなキャリアに就くことができます。
また、アデレード大学の同分野では、地下資源に関する実質的な工学的な知識を身につけるのに役立つため、金属、鉱物探査、地下水管理、地熱エネルギーの生産などのキャリアオプションも視野に入れることができます。
出願に向けての準備

1. まずは英語試験を受けましょう
まずはIELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
| 日本英語検定協会 http://www.eiken.or.jp/ielts/ |
| JSAF http://www.jsaf-ieltsjapan.com/?p=431 |
| IDP Education https://ieltsjp.com/ |
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
- 最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- 最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
- パスポートコピー
最後に、オンライン申込みフォームを送信してください。その後、正式にアデレード大学への出願手続きをスタートします。
留学相談&お問い合わせ先

当社オーストラリア留学センターはアデレード大学を含む全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで全て無料で提供しております。
・本記事は2020年11月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2021年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=76円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。






