
【記事のポイント】
・日本の高校からシドニー大学へ進む方法を、当社の実際の案内事例をもとに解説しています。
・ルートは「テイラーズ・カレッジ(ファウンデーション)経由」「高校卒業+SATで直接入学」「日本の大学1年次修了後の出願」の3つです。
・どのルートでも、合否を分けるのは「成績」と「英語力」です。
シドニー大学(The University of Sydney)は、オーストラリアの最も古い大学で、日本の高校生・保護者の方からのご相談も多い大学です。
ご相談で最初に聞かれるのは、ほぼ決まって「日本の高校から、直接入れますか?」という質問です。
そして、答えは「高校の成績だけでは入れませんが、ルートは3つあります」となります。
この記事では、
それぞれのルートで何が条件になるのかを、当社の実際の案内事例と一緒にご紹介します。
まず知っておいていただきたいこと|日本の高校の卒業資格の扱い

シドニー大学が公開している「入学資格として認める各国の資格」の一覧では、日本の項目にあるのは大学入試センター試験のみで、日本の高校の卒業資格は載っていません。そのため、日本の高校の成績だけで学士課程(Bachelor)に直接出願することはできないという形となります。
一方で、同じ一覧には「高校の卒業資格+SATまたはACT」で出願できるルールがあり、ここが日本の高校生にとっての直接入学の入口になります。
出典:
The University of Sydney「Recognised qualifications」(各校の制度内容は変更されることがあります)
ちなみに、IB(国際バカロレア)を取得される方や、海外の高校を卒業される方は、IBスコア等で直接出願できる場合があります。詳しくは「
国際バカロレア(IB)生向け!オーストラリアの大学進学方法を徹底解説」をご覧ください。
シドニー大学へ進む3つのルート

シドニー大学とテイラーズ・カレッジは別の教育機関です。「大学への直接入学」と「テイラーズのファウンデーション」を同じタイミングで両方出すのではなく、どちらのルートで行くかを先に決めて出願する形となります。
| ルート |
向いている方 |
| テイラーズ・カレッジ(ファウンデーション)経由 |
日本の高校の成績で進む方。日本の普通高校を卒業される方の多くが、このルートとなります |
| 高校卒業+SATで直接入学 |
SATを受験済み、または受験する予定がある方 |
| 日本の大学で1年学んでから出願 |
日本の大学に在籍中の方、またはこれから日本の大学に進学する方 |
ルート1|テイラーズ・カレッジ(ファウンデーション)経由

シドニー大学のファウンデーションプログラム(USFP)は、テイラーズ・カレッジ・シドニーが開講しています。日本の高校の成績(5段階評定)で入学を判断してもらえるため、日本の普通高校から進む方の多くがこのルートとなります。
コースはスタンダード・インテンシブ・成績上位者向けのHAPPの3つで、高校2年修了時か3年修了時か、そして評定によって選べるコースが変わります。各コースの評定の目安、入学月、期間、費用は、こちらのページでまとめています。
→
テイラーズカレッジ〜シドニー大学進学パスウェイカレッジ〜
なお、Bachelor of Commerceへの進学を希望される場合、大学の規定により、テイラーズ・カレッジの語学コースとファウンデーションをセットにしたパッケージでの出願ができません。ファウンデーションの英語力条件を、ご自身で事前にクリアしておく必要があります。

ファウンデーションを修了すれば、どの学部にも進めるわけではありません。進学先の学部ごとに、ファウンデーションで取るべき修了成績が決まっています。人気学部を目指す方は、入学前に「どの学部に、いくつの成績が必要か」を確認したうえで、コースを選んでください。
ルート2|高校卒業+SATで直接入学

シドニー大学では、高校の卒業資格にSATまたはACTのスコアを組み合わせて、学士課程に直接出願することができます。必要なスコアは学部ごとに決まっています。
当社で案内した例をご紹介します。
| 項目 |
内容 |
| ご相談者の状況 |
高校の成績(5段階)4.4、SAT 1,370。ビジネス系の学部を希望 |
| Bachelor of Commerce |
SATの条件1,380に対して10点不足。SATを再受験するか、ファウンデーション経由を案内 |
| Bachelor of Arts |
SATの条件1,200を満たしており、直接入学の条件をクリア |
結果は個々の成績・履修内容・出願年度によるものですので、同じ結果をお約束するものではありません。
たった10点の差で、希望の学部に直接入れるかどうかが分かれるという形となります。SATを使う方は、希望学部の条件を先に確認し、受験の回数と時期に余裕を持たせておくことをおすすめします。
ちなみに、Bachelor of Artsで入学しても、シドニー大学には「Shared Pool」という仕組みがあり、ビジネス系の専攻を組み合わせて学ぶことができます。Commerceに届かなかった方にとって、現実的な選択肢となります。
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好きなことを組み合わせて学べる!シドニー大学の「Shared Pool(シェアード・プール)」とは
なお、AP(アドバンスト・プレイスメント)は、シドニー大学の規定ではアメリカの認定高校の成績(GPA)と組み合わせる形となっています。日本の高校に在籍している方は、SATまたはACTでの出願を前提にお考えください。

もう1つ、日本の高校に在籍しながら、SATで直接入学の条件付き合格を受けた事例をご紹介します。
| 項目 |
内容 |
| ご相談者の状況 |
日本の高校に在籍(3月卒業予定)。Bachelor of Arts and Bachelor of Laws(文学士+法学士のダブルディグリー)を希望 |
| 大学からの助言 |
最初のSATは1,340。大学の担当者から「SATの条件1,380を満たしてから出願した方が、確実な条件付き合格につながる」と助言があった |
| 示された別の選択肢 |
当時のスコアのまま、テイラーズ・カレッジのHAPPを経由して翌年2月に入学する案も、大学から示された |
| 結果 |
SATを再受験して1,410、IELTSも条件を満たしてから出願。約10日で条件付き合格となり、残る条件は高校の卒業証明書の提出のみ。奨学金(SISA)も条件付きで授与された |
| 入学時期 |
3月に高校を卒業し、同じ年の7月に入学 |
結果は個々の成績・履修内容・出願年度によるものですので、同じ結果をお約束するものではありません。
この事例から読み取っていただきたいのは、次の3点です。
・SATの条件を満たす前に急いで出願するより、条件をそろえてから出願した方が、結果が早く、条件も少なくなりました
・法学(Laws)を含む学位に出願する場合、SATのスコアはCollege Boardから大学へ直接送付する手続き(有料)が必要でした
・英語は、IELTSで条件を満たすほか、大学付属の英語コース(Direct Entry Course 5週間)で条件を満たす方法も示されました。ただし、この英語コースを使えるのは、先にSATで学力面の条件を満たしている場合に限られます
この方が出願時に提出した書類は、高校1・2年次の成績証明書(日本語・英語)、在学証明書(日本語・英語)、SATのスコア、IELTSのスコア、パスポート、奨学金用のエッセイです。
ルート3|日本の大学で1年学んでから出願

日本の大学で、1つの学位課程を1年以上フルタイムで修了していれば、その大学の成績でシドニー大学に出願できます。高校の成績ではなく、大学での成績(GPA)で審査される形となります。
当社では、日本の大学に在籍中の方について、シドニー大学の担当者に事前の審査を依頼したことがあります。
| 項目 |
内容 |
| ご相談者の状況 |
日本の大学に在籍(休学中)。累積GPA 2.03(4.0満点)。経済学・商学を希望 |
| 大学からの回答 |
概算でATAR 90相当。Bachelor of Economicsの成績条件は満たすが、Bachelor of Commerceには届かない |
| 追加で求められた書類 |
在籍証明書(学位課程の正式名称、学士課程であること、卒業に必要な年数と単位数を記載したもの)と、4.0換算の成績評価基準 |
| 英語 |
大学付属の英語コース(Direct Entry Course)を、当時は最長36週まで学部とセットで出願できると案内された |
結果は個々の成績・履修内容・出願年度によるものですので、同じ結果をお約束するものではありません。

この事例から読み取っていただきたいのは、次の2点です。
・日本の大学のGPAは、そのまま使われるのではなく大学側で換算されます。同じGPAでも、学部によって結果が分かれます
・成績証明書だけでは足りず、在籍証明書に書いてほしい項目が細かく指定されます。日本語の書類は、NAATI等の公認翻訳者による翻訳が求められました
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シドニー大学進学のための英語コース〜Centre for English Teaching(CET)
注意|人気学部は、留学生の受け入れ枠で締め切られることがあります

オーストラリアの大学には、国が定める留学生の新規受け入れ枠があります。当社の過去の案件では、シドニー大学のBachelor of Artsが、2月入学の出願期限より前に、留学生の直接出願を締め切ったことがあります。
このとき大学から示された選択肢は、同じ学期に別の学位(Bachelor of Liberal Arts and Science や Bachelor of Economics)で入学し、2学期目以降に学内で希望の学位へ移る方法か、7月入学に回す方法でした。
条件を満たしていても、出願が遅いと枠が埋まって出願できないことがあります。2月入学を目指す方は、高校3年生の夏から秋には出願書類をそろえておくことをおすすめします。
→
2027年オーストラリア大学別 留学生受け入れ枠一覧
高校3年生のうちに、いつ何をするか

シドニー大学を目指す場合、出願の時期が合否や入学時期に直結します。高校3年生の1年間の流れは、次のとおりです。
| 時期 |
やること |
| 高3の春〜夏休み前 |
評定・SAT・英語力から、3つのルートのどれで行くかを決めます。IELTSまたはTOEFL iBTを一度受けておきます |
| 高3の夏休み〜秋 |
出願します。高校の成績証明書(英語版・日本語版)、卒業見込み証明書、パスポートを用意します。直接入学を目指す方は、留学生枠の締切があるため、この時期に出願してください |
| 高校卒業(3月) |
最終の成績証明書と卒業証明書を提出し、条件付き合格を正式な合格にします。オファーには「空きがある限り」という条件が付くため、高校には英文の卒業証明書・成績証明書の発行を事前に依頼し、卒業式の日に受け取れるようにしておきます |
| 正式な合格の後 |
学費などを支払い、大学から入学許可書(CoE)が発行されてから学生ビザを申請します。直接入学で7月に入学した当社の事例では、4月中旬までのビザ申請、7月中旬の渡航という流れでご案内しました |
| 卒業後の入学 |
テイラーズ・カレッジ経由の場合、インテンシブ(4月開始)かHAPP(9月開始)なら翌年2月、スタンダード(7月開始)なら翌年7月にシドニー大学へ進む形となります。各コースの条件はテイラーズ・カレッジのページでご案内しています |
学部選び・費用・奨学金

学部ごとの紹介、学費、奨学金は、それぞれ個別のページでまとめています。
ちなみに、シドニー大学の留学生向け奨学金「Sydney International Student Award(SISA)」は、当社の事例では出願時にエッセイを一緒に提出し、条件付き合格と同時に授与されました。学費を年20%減額するもので、大学付属の英語コース(CET)にも適用を広げられると大学から案内されています。奨学金を希望される方は、出願の段階で準備を始めてください。
いつから準備するか

準備の流れは、学年ごとに別のページでまとめています。
よくあるご質問

| Q. 日本の高校の成績だけで、シドニー大学に直接入学できますか? |
| できません。日本の高校の卒業資格は、シドニー大学が認める入学資格の一覧に入っていません。直接入学を目指す場合は、高校の卒業資格にSATまたはACTを組み合わせる形となります。 |
| Q. 評定はいくつあれば、シドニー大学に行けますか? |
| テイラーズ・カレッジのファウンデーションに入る場合の評定の目安は、テイラーズ・カレッジのページでご案内しています。ファウンデーション修了後は、進学先の学部ごとに必要な修了成績が別に決まっています。 |
| Q. 英語力(IELTS)は何点必要ですか? |
| 学部とルートによって異なります。シドニー大学の英語力要件のページでご確認ください。英語が足りない場合は、大学付属の英語コース(CET)やテイラーズ・カレッジの英語コースを経由する方法があります。 |
| Q. 日本の大学を中退して、シドニー大学に入り直すことはできますか? |
| 1つの学位課程を1年以上フルタイムで学んでいれば、その成績で出願できます。当社の事例では、GPA 2.03(4.0満点)でBachelor of Economicsの成績条件を満たすと回答がありました。ただし、学部によって結果は変わります。 |
カウンセラーから一言(オーストラリア留学センター シドニーオフィス 鐵見 尚美 / Naomi Tetsumi)

日本の普通科高校からシドニー大学を目指す場合、多くの方はテイラーズ・カレッジのファウンデーションコースに入学し、そこから大学の学部へ進学するルートとなります。ファウンデーションの入学審査は、高校の成績にもよりますが、基本的には高校2年生の成績での査定が可能です。
これまで多くの海外大学進学者をサポートしてまいりましたが、やはり海外の大学を無事に卒業するためには、入学前にしっかりと「英語力の土台」を作っておくことが最大のキーになると痛感しております。目標スコアの取得は大変かもしれませんが、今ここで英語力を上げておくことが、必ず入学後の皆さんの助けとなります。