医薬品の持ち込みについて
オーストラリアに医薬品を持ち込む
オーストラリア留学を予定している方の中には、日常生活を送る上で、薬を服用(常備薬)されている方も多いかと思います。このページでは、薬を日本からオーストラリア持ち込む際の注意点を掲載しています。
在日オーストラリア大使館のFAQにも記載がある内容ですが、日本から医薬品を持ち込む予定の方は、しっかりと規則を理解しておきましょう。
https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/faq_aboutaustralia_jp.html
オーストラリアに薬を持ち込む際の注意点
薬を持ち込む際の注意点は、以下の6点です
- 市販の薬も、薬の成分が分かるよう、パッケージやラベルは剥がさない。
- 係つけの医師から、英文の処方箋または診断書を用意。
- オーストラリアに入国の際は、必ず税関申告を行う。
- 薬を持ち込む際は必ず手荷物として。
- 利用目的は、自分自身もしくは同伴する家族のみ。
- 持ち込める薬の量は、最大3カ月。
パッケージやラベルは剥がさない
市販薬を持ち込む場合は、入国時の申請(入国カードの記入)他、市販薬であることが分かる状態(成分表がみえる状態)で持込んでください。パッケージに入っている場合でも、成分表が記載されていれば、基本的に見せるだけで問題ありません。
処方された薬については、薬の成分を証明する書類が必要です。通常は処方箋のコピーや薬の成分名が
英語で書かれたものが必要になりますから、医師(または薬剤師)から処方箋を受け取る際は英文で発行してもらうもしくは、日本語のものを英文に翻訳しておきましょう。
また、いずれの薬の場合も、入国審査の際、薬に関するいくつかの質問を受けることもあります。例えば、「これは、なんのために飲む薬ですか?」というような質問です。しかし、薬の説明を英語でおこなうのは大変ですし、とっさに質問を受けても英語で答えられないことも多々あります。
そんな時の為に、頭痛薬であれば「Headache(頭痛)」というような、大まかな薬の説明を薬瓶に記載しておくと、申告時の手続きがスムーズにおこなえます。
上記を踏まえ、常備薬が必要な留学生は、詳しい病名、薬の種類が書かれたリストを英文にて作成しておきましょう。薬局によっては、薬の名前と説明を英語で記載してくれますから、そのような場所にリストを依頼するのも、一つの方法です。日本でかかりつけの病院がある場合は、念のため病院名と先生の名前も記載しておくことをオススメします。
処方箋も準備しておこう
医師から処方されている薬(処方薬)を持参する場合、入国の際に、英文の処方箋を提示するのが確実です。
また、一般的に販売されている解熱剤や、風邪薬などであれば処方箋は必要ありませんが、日本で処方されている薬などは、オーストラリアでも処方箋が無ければ購入できないことが殆どです。つまり、現地の医師から、処方箋を貰う必要があります。
現在、自分がどのような薬を服用しているかを、現地の医師に説明するにも、英文の処方箋がある方が便利ですから、処方箋は忘れずに持参しましょう。
入国時には申請が必要
常備薬であっても、医薬品である以上、食物検疫の対象となります。その為、オーストラリア入国の際は、到着時に申請する必要があり、医薬品の申請はオーストラリアの入国カードにておこないます(2020年1月現在であれば、項目9の1番の問いに「はい」と答える必要があります)。
禁止または規制されている物。医薬品、ステロイド、不法わいせつ物、鉄砲、武器、不法な薬物
この申請を忘れると、持ち込みが認められている常備薬でも没収されることや、重い罰則または罰金が科せられる場合がありますから、ご注意ください。
薬の持ち込みは手荷物で
医薬品の持ち込みは、手荷物内(機内持ち込みまたは、預け荷物)に持ち込む医薬品に限ります。郵送は認められませんので注意しましょう(郵送の場合は別途許可が必要です)!
利用目的は自分自身もしくは家族
医薬品の持ち込みは、自分自身もしくは同伴する家族が服用するもののみ認められます。第三者の利用のための持ち込みは禁止になりますから「友だちに頼まれたので持参した」という理由は認められません。
事前許可が必要な薬
また、薬の種類によっては、事前に持ち込み許可が必要な場合があります。例えば、以下に該当する医薬品をオーストラリアに携帯するには、事前の許可が必要です。特にステロイド系の薬品は、許可が必要と、覚えておきましょう。
- アナボリック/アンドロジェニック作用の物質(テストステロン、DHEAなど)
- 中絶薬(ミフェプリストン、RU486など)
- サリドマイド
- 人・動物由来成分を含む注射剤 (ハイゼントラ、クレキサンなど、ただしインシュリンを除く)
- 選手やスポーツ関係者が、ホルモンやペプチド成分を含む医薬品を持ち込む場合
- 3か月分以上の医薬品服用分を持ち込む場合
上記の成分を含む薬を持ち込む場合は、Drug Control Section(DCS@health.gov.au)へご自身で連絡をとり、担当間の指示に従う必要があります。手続きを行わず、現地で手続きはできません。
持ち込み禁止の物質・医薬品
下記は、許可を得る云々ではなく、持ち込みが禁止されています。
- アミノフェナゾン
- アミドピリン
- アミノピリン
- dipyrone(メタミゾール)
- アミグダリン
- レートリル
- 大麻ならびに大麻派生品
市販薬やサプリメント・ビタミン剤は持ち込めるのか?
持ち込み禁止の市販薬やサプリメント、ビタミン剤のリストはありませんが、問題は製品の中に特定の成分や物資が含まれているかという点です。その為、事前の持ち込み許可が必要な成分についての詳しい情報は、下記のリンクをご参照ください。
通常のビタミン剤等は特に問題ありませんが、特定の成分が含まれている場合、輸入許可の申請を求められます。この点は、オーストラリア保健省(DCS@tga.gov.au)まで確認頂く必要があります。
オーストラリアに3ヶ月分以上の薬を持ち込みたい
実は、このお問合わせについては意外と多いのですが、結果からお伝えすると「相当な理由がない限り難しい」とお考えください。仮に、3ヶ月以上の薬を持ち込む場合は、下記の流れで手続きを行います。
- 英文の処方箋と、薬の成分表がわかるものを用意
- 現地の医師に連絡をとる
- 「この薬が現地で購入できるのか?」また、3ヶ月以上持ち込みたいのでTherapeutic Goods Administrationへ許可申請してほしい旨依頼
- そこで許可申請のレターを書いてもらえた場合は、オーストラリアのDrug Control Sectionに連絡。
- 審査の結果、許可をもらえるようであれば、3ヶ月以上の薬は持ち込み可能
- もちろん、入国の際は全ての医薬品を申告
ちなみに、Therapeutic Goods Administration(TGA)はオーストラリアの医薬品・医療機器に関する管轄機関です。薬の安全性を管理する、政府機関ということですね。
その為、オーストラリアで販売される医療機器は、安全性・機能性の評価を受けた上で、このTGAが管理する薬品登録制度(ARTG)への登録が義務付けられているのですが、いい変えれば「TGAが認める薬=オーストラリアの認可を受けて購入できる薬」とも言えます。
つまり、オーストラリアで購入できる薬なのであれば、オーストラリアで購入する方が良いので、Therapeutic Goods Administration」へ、許可申請を依頼する理由が、現地の医師にとって無いと言うのが現状です。
生徒さんによっては「先に薬を大量購入してしまった」「オーストラリアだと保険が効かないので薬が高い」などの理由で3ヶ月以上の持ち込みを希望する方もいらっしゃいますが、残念ながら「金銭面が理由」での許可はしてもらえません。
その為、「オーストラリアで購入できない薬の場合は、3ヶ月以上の持ち込み許可が出る場合もあるが、それ以外は難しい」と考えていただくほうが良いです。
もし申請をせずに持ち込んだら?
もし申請をせずに持ち込んだ場合、厳しい罰則を受ける場合があります。
しかも、2019年4月から新しい法律が施行されており、以前よりもさらに厳しくなりました。現在は「10年の懲役または、最大で420,000(3300万円)の罰金」となります。もちろん、取得したビザも無効となり、その後のビザ申請についても制限がかかりますので(数年間入国できない等)、気をつけてください。