オーストラリアの学生ビザ
学生ビザとは?
学生ビザは、オーストラリアの教育機関(
語学学校、TAFE、専門学校、大学等)へ、3ヶ月以上の留学を目的とした場合に申請するビザです。
本ページでは、オーストラリア移民局の学生ビザについてのページから必要と思われる項目を日本語にてご案内しております。
学生ビザは、
政府認定校のコースをフルタイム(週25時間以上)で受講することが条件とされ、コース期間中オーストラリア国内に滞在できます。学生ビザ取得者は労働許可(ワークパーミッション)が付与されますから、2週で48時間までの就労がも認められ、学費をアルバイトで賄いながら、学校に通うこともできます。
学生ビザは、一定の出席率(各タームの80%)をクリアすることが条件とされ、この条件を達成していれば学生ビザを延長することも可能です。条件がクリアできないと、学校から移民局に通達され、学生ビザがキャンセルされる場合がありますので、ご注意ください。
学生ビザの申請条件
オーストラリアの学生ビザは、
オンライン申請(eVisa)で行います。
項目 |
条件 |
十分な資金がある |
原則「オーストラリア留学中に、困らないで生活できる資金」とお考えください。 |
政府認定校である |
入学先の教育機関が、政府認定校(CRICOS登録校)として認可されている必要があります。 |
学生ビザの規則を理解する |
学生ビザを取得するためには、オーストラリアの移民法が定める学生ビザの規則を十分理解している必要があります。 |
入学許可書 |
政府認定校に入学手続きを行い、学費の納入後に学校より発行される、COE(入学許可書)が必要となります。入学許可書は学生ビザ申請者にのみ発行され、ETASやワーキングホリデービザにて入学予定の方は発行はされません。 |
健康状態 |
心身ともに健康である必要があります。原則、日本国籍の方は健康診断、レントゲン診断は免除となりますが、申請内容によってはオーストラリア大使館指定病院で健康診断、レントゲン診断を受けるよう指示があります。 |
OSHCの加入 |
学生ビザ保持者は、OSHC(Oversea Students Health Cover)と呼ばれる、海外留学生保険に加入が義務付けられています。 |
年齢 |
申請時に6歳以上である必要があります。 |
扶養家族 |
扶養家族の有無に関わらず、学生ビザを申請することが可能です。 |
学生ビザの申請料金
学生ビザの申請費用は、日本国内、国外にかかわらず、1度目の申請は1600ドルとなります。
申請場所 |
申請方法 |
支払い方法 |
申請費用 |
日本 |
オンライン |
クレジットカードのみ |
1600ドル |
オーストラリア |
オンライン(1度目の申請) |
クレジットカード、BPAY |
1600ドル |
オーストラリア |
オンライン(2度目以降) |
クレジットカード、BPAY |
1600ドル+700ドル |
また、VISAカード、マスターカード、アメリカンエキスプレス、JCBカード、ダイナースカードでのお支払いの際、で、学生ビザ申請料金に加えて下記のカード利用手数料が課されますのでご了承下さい。利用手数料は以下のとおりです(2018年7月1日の時点)。
- American Express, JCB — 1.40%
- Diners Club International — 1.99%
- PayPal — 1.00%
- Union Pay — 1.90%
- Visa, Mastercard — 1.32%
学生ビザ申請に必要なもの
オーストラリアの学生ビザ申請時には、以下に記載されたものが必要となります。
項目 |
条件 |
パスポート |
オーストラリア留学中の期間有効かつ、余白ページが1枚以上あるパスポート |
入学許可書番号 |
入学手続き後、学校より発行される、入学許可書に記載された番号が必要となります。 |
経歴 |
最終学歴ほか、職歴等の情報が必要となります。 |
OSHC |
海外留学生健康保険です。通常は入学申込みの際、同時に申し込みますが、別途ご自身で加入頂くことも可能です |
クレジットカード |
クレジットカードが必要となります(クレジットカードは、本人ではなく親族名義でも利用可能です。)。 |
学生ビザの申請方法
2016年7月1日以降、オーストラリアの学生ビザはオンラインのみで受け付けられることになりました。ですが、以前と比較すると必須項目も多く、求められる書類の数も増えています。詳しくは
学生ビザ申請(日本語訳)のページをご覧ください。
学生ビザの申請時期
オーストラリアの学生ビザは、申請場所(国内か国外か)により申請できる時期が変わります。
申請場所 |
学生ビザの申請受付 |
日本国内 |
コース開始日より、4ヶ月前(124日前)から受付 |
オーストラリア国内 |
コース開始日より、3ヶ月前(93日前)から受付 |
学生ビザ発給までにかかる日数
本来オンライン申請であれば、必要書類提出後2~10日間程度で届きますが、移民局の状況により、日数は様々です。特に、2016年7月1日以降は、追加書類を求められることが多くなり、発給まで3週間ほどかかる場合もありますから、余裕を持って準備を進めましょう。
学生ビザの規則
オーストラリアは学生ビザで留学する生徒に対し、厳しい規則を設けており、これらの規則に従わない場合、ビザが取り消されます。ビザが取り消されると言うことは、日本に帰国する必要がありますから、下記の項目は十分理解した上で、学生ビザを取得しましょう。
- オーストラリアの法律を守る
- 政府認定校にて運営されるコースに在籍する
- フルタイムコースにて修学する(パートタイムでは認められません)
- コース期間中の出席率を 80%以上に保つ
- 学生ビザ期間中は、海外留学生保険(OSHC)に加入する
- 平均とされる、学業成績を保つ
- 同じコースを 2度以上修学しない(コースのやり直しは、1度のみ認められます)
学生ビザの種類(サブクラスについて)
オーストラリアのビザは、ビザの種類により、「Subclass(サブクラス)」と呼ばれる細かい区分けがされていますが、学生ビザは Subclass500に分類されます。たとえば語学学校に半年間の語学留学をする場合も、専門学校への長期留学をする場合も、Subclass500のビザを申請することになります。
現在は学生ビザをオンラインで申請する為、特にサブクラスを指定する必要はありませんが、自分自身が申請するビザの種類を知っていることは大切なことです。「学生ビザ=Subclass500」として、覚えておきましょう
サブクラス番号 |
クラス名 |
500 |
Independent ELICOS
英語集中講座などの英語コース |
Schools
小・中・高等学校への入学及び中・高等学校への 正規交換留学プログラム |
Vocational Education & Training
職業訓練学校のコース ( Certificate I~IV, Diplomaなど) |
Higher Education
大学学部生 (Bachelor degree,associate degree,graduate certificate,graduate diploma,Masters by coursework,Higher Education diploma,Higher Education advanced diploma.など) |
Masters/Doctorate
修士、博士課程 |
Non-award foundation studies/other
Foundation CourseやStudy Abroad(学部聴講)等 |
AusAID/Defence
AusAID又はオーストラリア国防省に招聘されて いる方がコースを受講する場合。 |
リスクレベルとは
今までは留学生の国籍を元にリスク(アセスメントレベル)を設定し、学生ビザ申請の方法および取得までの難しさがが決定していましたが、2016年7月1日以降は、留学生の国籍リスクに、「教育機関のリスク」を加え、総合的に判断していこうという仕組み(SSVF)に変わりました。
ちなみに、このリスクレベルですが、国のリスクレベルは学生ビザを取得した学生が、オーストラリア入国後にどれだけしっかりとビザのルールを守っているかにより、判断されます。つまり、ビザのルールを守らない人が多い国は、危険度が高い国と判断されています。このレベルは1〜3まであり、1は危険度が最も低く、3は危険度が最も高いと判断されます。
| 教育機関のリスクレベル | 国のリスクレベル | 必要書類 |
リスク無し | レベル1 | レベル1,2,3のいずれか | 英語力証明、資金証明書類提出は必要ありません。 |
レベル2 | レベル1,2のいずれか |
レベル3 | レベル1 |
リスク有り | レベル2 | レベル3 | 資金証明ほか、英語力証明の提出が必要 |
レベル3 | レベル2,3のいずれか |
日本国籍保持者は、国のリスクレベルが1に指定されています。その為、他国の留学生とくらべれば、比較的ビザ申請が簡単にできると言えるでしょう。また、家族を連れての長期留学を行う場合、資金証明が必須となりますのでこの点は注意が必要です。
また、以前から行われておりますGTE制度(純粋に一時入国者であるかどうかを審査する制度)は、リスクレベルにかかわらず引き続き行われます。そのため、移民局よりGTE関連の書類確認(戸籍謄本や、なぜその教育機関を選んだかのレター)が求められた場合は、速やかに提出しましょう。2016年7月現在、多くの方は、「身分証明書」、「海外留学生保険の加入証明」、「GTE」の提出が求められています。
学生ビザの有効期限
学生ビザは、コースの
コース期間 + 1~2ヶ月ほどのの滞在が認められます。コース終了日から残りの期間は、仮にコース期間中に病気やケガをしてしまい、就学予定期間中に授業が受けられなかった場合を考え、期間を繰り下げて授業を受けられるために用意されている期間です。
コース期間 |
学生ビザの有効期限 |
10ヶ月以下 |
コース期間+コース終了日から1ヶ月間 |
10ヶ月以上 |
コース期間 + コース終了日から2ヶ月間(※コース終了日が、11月~12月の場合、通常3月15日まで有効のビザが発行されます) |
学生ビザの就労条件
学生ビザには扶養家族も含めて就労許可が付与されます。
カテゴリ |
就労条件 |
学生ビザ申請者 |
コース期間中は2週間で48時間までの就労が可能です。その他、コース期間中の学校が認めた休暇期間などは無制限の就労可能です。ただし、コース開始前の就労はできません。 |
同行する扶養家族 |
2週間で48時間までの就労が可能です。ただし、修士号(コースワーク)に在学している学生ビザ保持者の扶養家族
、修士号(リサーチ)、もしくは博士号に在学している学生ビザ保持者の扶養家族、Aus AidもしくはDefenseにスポンサーされ、修士号・博士号に在学しているための学生ビザ保持者の扶養家族は、無制限の就労ができます。ただし、コース開始前の就労はできません。 |
学生ビザの付帯条件
学生ビザを取得すると、ビザの付帯条件が4桁の数字によって表記されています。これはVGNメールや、ビザの申請状況を確認する、
eVisa Status Inquiryで確認することができます。
番号 |
条件 |
8105 |
最高で週あたり20時間(2週間あたり48時間)までの労働が可能。また、授業などがない期間については無限に労働することが認められる。もし20時間以上労働したことが発覚した場合、ビザは無効となります。 |
8202 |
各学期において80%以上の出席率及び、十分な学業成績を維持すること。 |
8501 |
オーストラリア滞在中、OSHCに加入していること。 |
8516 |
同ビザ所持する間は、取得に関する全ての条件を満たさなければならない。 |
8517 |
義務教育が必要な年齢の子供を扶養家族として、3ヶ月以上オーストラリアに滞在させる場合、適切な学校手配をしなければならない。 |
8532 |
もしあなたが18歳未満の場合、両親、または両親が選んだガーディアン(保護者)、または21歳以上の親戚と滞在しな
ければならない。また、滞在先等は、自身が通学する教育機関に認可されたものでなければならない。 |
8533 |
オーストラリア到着後1週間以内に、学校へ連絡すること。転居時も同様に、1週間以内に、学校へ連絡すること。 |
8534 |
以下のビザを除いて、オーストラリア国内で他のビザを取得できません:
- 学生ビザ
- 保護者ビザの追加
- 難民認定に関する 1951 年国連条約の下でオーストラリアの義務に携わるビザ
|
8535 |
以下のビザを除いて、オーストラリア国内で他のビザを取得できません
- 労働許可付きの学生ビザ
- スポンサーである政府機関に支援を受けた学生ビザまたは
- 難民認定に関する 1951 年国連条約の下でオーストラリアの義務に携わるビザ
|
※8534や8535が付帯された場合、オーストラリア国内で他のビザ取得が困難となります。
TPSについて
TPSは、資金ぶりの苦しい英語学校から留学生の学費を守るため、留学生の大切な授業料を幾つかの数週に区切り、支払いが可能になるシステムです。
基本的には「いずれの教育機関も、留学費用は単一のコースで24週以上申し込みの場合最大50%までしか受け取ってはいけない」が、ESOS法の原則となります。
その為、語学学校によっては「24週間分の授業料で48週間の学生ビザが取得可能」という場合もありますが、コースの種類によっても変わりますし、各教育機関によって変わりますから詳しくは
お問い合わせください。
転校時の学生ビザ切替え
オーストラリアの学生ビザ取得後、転校を希望する際は、基本的に以下の条件を満たす場合のみ認められ、移民局へ転校の申請書類を提出する必要があります。
- 12ヶ月以上のコースに入学後、就学期間が12ヶ月以上経過している場合
- 学校側の方針により、予定のコースが開講しない、学校自体が閉鎖される場合
12ヶ月未満のコースに入学後、学生ビザ期間中の転校については、特別な理由が無い限り認められませんが、場合によっては学校側の編入許可書をもとに、転校できることがあります。その際は、現在通われている学校から、リリースレターを発行してもらい、進学先のオファーレターも準備する必要がありますので、余裕を持って準備を進めましょう