【体験談】西オーストラリア大学院体験談〜Master of Professional Accounting(Vol.4)

洲崎のぞみさん | パース | The University of Western Australia | Accounting
西オーストラリア大学、大学院で学ぶ洲崎さんに毎学期の留学生活を振り返ってもらい、リアルな大学院生活をお伝えするシリーズ第四弾です。

洲崎さんの過去の体験談
・Vol1はこちら

・Vol2はこちら

・Vol3はこちら

Master of Professional Accountingをスタートしてからは2年目前期。長期インターンシップがスタートし、オーストラリアの会社勤めと学業との両立、難航したシェア探しの様子などをお尋ねしました。

留学生活について

7月から会計事務所で外部監査の長期インターンが始まりました。学期中は大学院の授業の傍ら、週に2日パース市内に通勤しています。気さくで優しい同僚や上司たちに恵まれ、監査の実務経験を積むだけではなく、オーストラリアでの会社勤めの体験も楽しんでいます。

日々の職務で特に感じる日本の職場との違いは、上司と部下の関係です。上司からの指示は最低限であり、部下は非常に独立していると感じます。例えば、新しいタスクに取り組むときも、上司が細かやかな指示をくれることはあまりなく、困ったら教えて、というスタンスです。もちろん質問をすれば、迅速に答えてくれますが、他の例を参照しながら、自分で考え、効率的に取り組まなければなりません。また、進捗状況を説明し、フィードバックを求めることも部下の責任であることを学んでいます。パートナーの監督のもと、10月には小さい組織のプロボノ監査を私1人で担当しました。まだ経験不足な点が多かったですが、先輩たちにも助けてもらい、何とか期限内に監査を終えることができました。また、仕事だけではなく、3ヶ月に1回ある社内交流イベントや、監査の繁忙期終了ランチ、ランニングイベントの参加、メルボルンカップの観戦会等、社内イベントも満喫しています。

私生活では、もうすぐ学生寮を出て、大学とパースシティの間のスビアコという地域に友人と住み始めます。オーストラリアの主要都市全てに当てはまることですが、賃貸市場は超激戦で、パースはコロナ以降、賃貸住宅の空室率1%以下が続いています。内覧には1つの時間枠に20組以上が訪れることは珍しくなく、オーナーは多数の応募の中から、相応しいテナントを選びます。そのため選考基準も厳しく、収入証明に加えて、雇い主からの推薦、過去の賃貸歴、自己PR等も用意する必要があります。まるで就職活動のようで、オーストラリア市民や永住権保持者でないと、さらにハードルは高くなります。私たちも15ヶ所以上応募した後に、ようやく場所を見つけることができました。留学生として、試行錯誤を重ねながらも、最終的には通学・通勤に便利であるだけではなく、ビーチにも行きやすい、閑静な住宅地の賃貸を借りることができました。不動産担当者から承諾の電話をもらったときは、飛び跳ねてしまうほど嬉しかったです。改めて振り返ると、長期インターンで安定した職を証明できたこと、アルバイト先の上司にも推薦を書いてもらえたこと、既に賃貸を借りている友人たちからアドバイスをもらえたこと、パースで築いた人間関係に助けられ、タイミングにも恵まれた非常に思い出に残る出来事でした。

履修科目

今学期は大学院の科目を修了することに伴い、Chartered Accountant Australia New Zealand(CAANZ/オーストラリア・ニュージーランド公認会計士資格)の科目が始まりました。CAANZはCPA同様、オーストラリアで最も認められている会計士資格です。私がUWAで勉強しているコースMaster of Professional Accounting (CA Program)は、公認会計士の科目が修士課程に含まれている点で非常に特殊であるだけではなく、最短路かつ効率的に資格要件を満たすことができるコースです。オーストラリア全土でもこのプログラムを実施している教育機関はUWA含め2校しかありません。下記は今学期に受講した大学院科目2つと、公認会計士科目1つです。

Financial Accounting: Theory and Practice

複雑な企業財務取引の会計処理方法のために、関連する国際会計基準を適用するスキルを学ぶ科目でした。難解な分野もありましたが、教授の説明は非常にわかりやすく、科目構成も難しい分野と易し目の分野のバランスが考慮されており、効率的に勉強することができました。

Contemporary Issues in Accounting

UWA会計修士号のキャップストーン科目でした。教授が新しい内容を教えることはなく、学生によるプレゼンテーション、グループディスカッション、ケーススタディによって構成された学びの総仕上げでした。今までの知識を活用しながら、特にITや環境問題、無形資産会計等の近年注目の分野について議論しました。また、毎週のケーススタディでは会計が実世界でどのような役割を果たしているか、理解を深めることができました。会計が制度化されたのは比較的最近のことで、会計基準は進化を続けています。公認会計士となった後も、学び続け、知識をアップデートし続けることの大切さを再認識しました。

Ethics, Risk and Technology

最初の公認会計士科目です。Ethicsは会計専門職に必要とされる倫理、諸規範を学び、倫理的な意思決定への意識を高めるための科目でした。専門職の肩書きをもつことの責任の重さを感じると同時に、今後に向けての決意が強まりました。Risk and Technologyはまだ学期中です。会計に特化した科目ではなく、一般的なITに関連するリスク、その管理等について学んでいます。公認会計士科目は基本的にはオンディマンドなので、自分で計画を立て、継続的に取り組まなければなりません。大学の休暇中はフルタイムで働いているため、仕事との両立が難しいときもありますが、時間を有効に使い、課題をクリアしたいです。

留学前の目標に対する今の気持ち

12月にはエネルギー関連の会社で短期のインターンを迎えます。オーストラリアは世界有数の資源国であり、その国の最大規模の会社でインターンを経験できることは今後のキャリア設計にも大きく影響を与えるのではと期待をしています。また、監査とは違う組織内会計の仕事を経験できることも非常に楽しみです。

渡豪してからもうすぐ2年が経ちます。振り返ると、色々なことに挑戦し続けた日々であったと感じます。先日は『留学ジャーナル』という日本の雑誌に私の経験を記事にしていただく機会にも恵まれました。新しい環境に馴染むだけではなく、ボランティアやキャリア関連で多くのチャンスを求めて、積極的に行動したことで、想像もしていなかった自分の大きな可能性に出会うことができました。同時に、勉強のストレスに上手く対処できない時、日本が恋しくなる時、異国の地で孤独を感じる時もあります。そのようなときに助けてくれ、励ましてくれる周りの人たちに出会えたことは、留学生活で得た何よりの財産であると心から思います。

2024年は公認会計士の科目で最難関と言われている財務報告と税務の科目があります。コースの修了が見えてきましたが、焦ることなく、一歩ずつ課題をクリアしていきたいです。

豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I005)
週末はガーデニングという名目の雑草取りに追われ、その疲れをパースのきれいな海とおいしいワインで癒しながら、この素晴らしい環境で生活できることを感謝。たまに野生のカンガルーに会いに郊外へ出かけたり、釣りをしながらアシカを見たり、野生のイルカと出会えるスポットがあるのも楽しみ。 このカウンセラーに質問する

サイトのご利用について

当サイト記載の情報の正確性には万全を期しておりますが、当社はそれらの情報内容に関し、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。また、情報は予告なしに変更となる場合がございますので、随時ご確認ください。

お問い合わせはお気軽に! 平日24時間以内にご返信いたします

無料メール相談

平日24時間以内にご返信いたします

お電話での留学相談はこちら