TAFE Queensland グラフィックデザインコースで学ぶこと

TAFE Queensland、Diploma of Graphic Designコース最優秀賞を受賞!卒業したばかりの真生さんに、留学前の準備や、実際の授業、課題内容をありのまま、詳しく聞いてみました!


真生さんが留学をした経緯や、グラフィックデザイン留学中に得たこと、乗り越えたこと、実体験からのアドバイスはこちらからチェック!

これからグラフィックデザイン留学を考えている人は必見です。

【体験談】TAFE、グラフィックデザイン留学!未経験から最優秀賞受賞までの道のり

留学準備・本科開始前について教えてください!

クリエイティブ系コースには出願時にポートフォリオ(作品)提出があることが多いです。どんなものを作成しましたか?

何を作ればいいか全くわかりませんでした。正直、ポートフォリオがなんなのかすらわかっていませんでした。タイポグラフィ(文字のデザイン)など5作品くらい提出しましたが、本当に何も知識がなかったため、Canvaなどを使って、小学生が作ったような作品を提出した気がします。

何が正解か分からないのでとりあえず出してみて、ダメだったらその時!と考えてそんなに時間はかけずに出した気がします。


■TAFE Queensland Diploma of Graphic Designコース/
出願時ポートフォリオの要件はこちら(2023年現在)


・Adobe等のソフトウェアを使用しての指定文のロゴ作成
・Adobe等のソフトウェアを使用してのタイポグラフィ作成(文字デザイン)
・イラストやドローイング、立体作品、写真作品、フォトショップなどを利用したデジタル作品(2-5点)

入学前、グラフィックデザインのスキルや知識はありましたか?

ゼロでした。

2019年、一度目の留学期間では、開始2ヶ月ほどで新型コロナウィルスが始まってしまい、授業がオンラインになってしまいました。私はオンライン授業を受けるのではなく、一度休学をして日本に帰国して、再度渡航することを選びました。

一度目の渡航では、最初の授業で課題の意味や授業が全く分からなくて、提出1週間前になっても分かっていませんでした。何を作ればいいかすら分からなかったというのが正直なところです。また知識がないのでもちろん専門用語も理解できない、先生が言っていることも何一つわからない状況でした。そんな折にコロナが始まり一時帰国することに。

自信をなくし、留学自体を諦めようか…と考えたことも。

実は一時帰国した時、このコースに再び戻ってくる自信がありませんでした。自分には向いていない、できないと思っていたからです。でも途中でやめるのは嫌でした。

他の州のTAFEに変更した方がいいか、DiplomaからCertificateに学位を落とした方がいいかなど、留学プラン自体を考え直したり、ブリスベンオフィスにいる担当の小林さんと相談をしたこともありました。オーストラリア留学自体もやめようかなと弱気になる時もありました。それはこのコースが想像を遥かに超えたレベルだったからです。

しかし一度始めたことは最後までやり遂げたい性格ということもあり、友達、家族にも相談し、背中を押してもらい、然るべき準備をして再度挑戦することを決めました。

一時帰国中、日本でどんな対策をしてきたの?

グラフィックデザイン対策


幸運なことに実家がお店を経営しているため、メニューやポスターなどが必要になった時にデザインを任せてもらえる機会がよくあり、自然とソフトウエアを使うことがありました。またお店のスタッフの1人がデザイナーだったので、分からないことは教えてもらったりしていました。一度通っていたことで、学校ではIllustrator、Photoshop、InDesignを使うことが多いことがわかっていました。なのでテキストを買い、独学も頑張りました。

英語対策

休学期間が1年と長かったこともあり、復学前にTAFEへIELTSのスコアを再提出しなければいけなくなりました。

またIELTSか..というプレッシャーもあったのですが、想像より早く、一発合格することができました。これは1度目に渡航した時に受講していたEAP(進学英語)コースでの勉強のおかげだったと思います。地元のニセコは海外のお客様もたくさんいるので英語での接客だったり、Netflixの字幕を英語にして洋画をみたり、洋楽聞いたりなど普段から英語に触れた生活をしていました。

満を持しての2回目の渡航!どんな気持ちだった?

空港に着いた時、シティに着いた時、戻ってきてしまった〜!という感覚でした。学校に戻ると1度目と同じ内容の課題が最初にあったので、復習期間のような形にもできました。また帰国時の独学でソフトウエアのスキルや英語力が上がっていたこともあり、断然理解度も違いました

通学していた時の時間割はありますか?

「時間割表は特にありませんでしたが、作りましょうか?」と言って、ものの5分ほどでささっと作ってくれた真生さんの時間割はがこちら。(さすがデザイナー!)

時間割は必修授業、選択授業から成り立っています。セメスター1、2共に週3日のスケジュール。午前だけの日もあれば、一日通しの日もあります。

授業ではどんなものを制作しましたか?

留学初期、最初のセメスターでやったこと

まずはアプリの使い方や業界のことなどの基礎的な知識を学び、最終的に作成するポートフォリオのために着実に作品を増やしていき、その後、自分のロゴやビジネスカードを製作し、SNSでの自分の作品の見せ方やクライアントの見つけ方なども学びました。


■ヨガ パンフレット

この課題は初めてindesignを使って提出するものでした。まずはポスターを作り、それをパンフレットにするレイアウトや文字の大きさ、画像の設定などをここで学びました。初めてのソフトウエアで使い方もよくわからないまま制作をしなければいけなかったので、先生やクラスメイトにたくさん質問をしながら進めていきました。

ヨガということから私はリラックスを連想し、テーマカラーを紫を選び、曲線などを使って全体的にゆったりしたイメージをもってもらえるようなデザインにしました。

留学中期

■本の表紙

本のジャンルを選び、自分で撮影した写真、ダウンロードしたもの、スキャンしたものを組み合わせて表紙をデザインするという課題でした。提出の2週間前になってもアイディアが全く浮かばず、手が進まない中突然浮かんだコンセプト。そこからはスムーズに進み、最初に選んでいたジャンルもSFからFantasyに変更し、提出日目前に完成した”The flower you stole”

■映画のポスター

ただの映画のポスターではなく、時代と映画をランダムにくじ引きをしてその時代にそってデザインをするというもの。私が引いた映画はKingsman、そして時代はFlat design。どうしてもすでにあるものに似てしまったりと、元々あるものの固定概念を外し、新たな方向から見なければいけないということにとても苦労しました。まずは映画のポスターからイラストを描き、自分の中では傑作ができたと思うくらい自信があるものが完成しました。

しかし先生に見せるとこれじゃあ公式ポスターと同じではないかと言われ、振り出しに戻ることに。(ちなみに提出1週間前)一気にどん底に。もう一度リサーチをし、自分で描いたイラストをどうにか使えないかと試行錯誤した結果、舞台であるイギリスカラーの青と赤をテーマに作品をなんとか提出前の残り二時間で作り上げることができました。先生にもMuch better!! You did it!!と褒めてもらえました!

留学終盤

■Ux/ Ui Design

XDというホームページやアプリのデザインをする専用のソフトウエアを使用して銀行のアプリをデザインする。このソフトウエアも一度も使ったことがなかったので慣れるまでにとても苦戦しました。私が作ったこのブランドは若い世代をターゲットにした銀行アプリで、太陽をコンセプトに毎朝太陽が上るように明るく前向きな未来をもたらすことを目指しています。フォントの特徴を活かしてロゴにし、色も2色使うことでコントラストを際立たせています。

■ポスター

この課題は卒展でメインとなるポスターで自分自身を表現するものです。私は先生の口癖でもあり、この1年間で私が大切にしていた言葉の一つでもある“Just believe in yourself”をポスターにするつもりでした。しかし、デザインを作ってもどれもしっくりこない、先生たちにフィードバックをもらってもなかなか進まない、新しいスタイルのデザインを考えようと思っても全然何も出てこない、などとにかく苦戦しました。

この時の私はきっと最初のコンセプトにとらわれてしまっていました。しっくりこないまま提出日になってしまい、その時点で出来上がっていた作品を提出することにしました。数日後、別の教科の先生から「これはあなたらしくない、あなたはもっとできる」と言われてしまいました。もう提出は終わっているし、印刷屋さんにも発注済みなのにどうしたらいいんだと相談すると、私がプリントしてあげるから自分が納得いくまでもう一度やってみなさい。と言われました。

私はもう一度このポスターと向き合うことにし、改めてリサーチからやり直すことにしました。そして、ふとした時に全く違う新しいアイディアが浮かび、やっと自分で満足のいく作品を完成させることができました。最初は誰もが簡単に理解できるものを作らないといけないと思っていました。しかし、その新しいアイディアが浮かんだ時、見る人全員に理解してもらう必要なんてないんだ、自分が作りたいものを作ればいいんだ。と突然考え方が変わり今までにない新しいデザインを作り上げることができました。

卒展、Graduation Exhibitionに向けて取り組んだこと

クリエイティブ系コースでは卒業が展示会で締めくくられます。

TAFE Queensaland、Graphic Designコースでは1年間の制作物をまとめたポートフォリオ、ポスター、スケートボード板のデザインをメインに、自分のブースのトータルデコレーションを含めた展示を行います。



■ポートフォリオ

今まで作った作品を一冊にまとめます。それにあたってどの作品を掲載するのか、文章などを自分で考え、6月中旬の展示に向けて4月頃から1ヶ月ほどかけて制作をしました。

スタイルは皆それぞれで紙の種類、質感、厚さ、バインディングの方法、サイズや形、ページ数、色など全て自分で決めていきます。


私のポートフォリオのこだわりは「シンプルを通す」というところです。シンプルの中でも少し人と違う感じを出したくて、仕上がりはありきたりなA4ではなく正方形のブックレットにしました。

まず制作に取り掛かる前に、印刷屋さんを探すところからスタートします。自分で印刷屋さんをリサーチし、連絡をして、「こういうものを作りたいのですが見積もりお願いできますか」と自分の要望を伝え、見積もりを出してもらうところから始まりました。

最初はハードカバーを考えていたのですが、印刷屋さんが「ハードカバーだと高価になるしポートフォリオは常に変わっていくものだから、そんなにお金をかける必要はないよ」などとアドバイスをくれ、お金をかけすぎなくてもクオリティを保つために私のコンセプトに適した紙とバインディング方法を勧めてくれました。

次はデザインです。

アイディアが浮かぶまでにはたくさんのリサーチやスケッチを重ねます。自分の中でアイディアが固まるまでにはものすごく時間がかかるのですが、思いつくと、早いんです。考えて、考えて、アイディアをしぼった後、1.2週間くらい かけて作り上げ、印刷屋さんにデータを提出しました。しかし受け取りに行くと画像の解像度が間違っていて全ての画像がぼやけてしまっていました。そこで急いでデータ設定を全てやり直し、提出日ギリギリで印刷屋さんに再度提出し、完成させました。

完成したポートフォリオを受け取ったとき、自分を誇らしく感じました。私はこの1年間、100%満足できる作品しか作っていません。自分の「好き」を突き通した全ての作品を一冊にまとめ、形になったことがとても嬉しかったです。

私のデザインはぜひこちらからチェックをお願いします。instagram: @gramao_design

留学したからこそ学べた、気づけたことってありますか?


私は日本のことを知らないことに気付かされました。オーストラリアはいろいろな国の方が集まっているので、いろんな国の方と出会う機会が多くあります。そこで自分の国について話すにあたって、聞かれても答えられない場面が何度もありました。少し恥ずかしかったです。異国にいく前に自国を知ることは大切ですね。そして、自分から動くことの大切さを学びました。何かを変えたかったり、何か欲しいと思ったら自分から行動しないとそれは掴めません。友達が欲しいならイベントに行ってみる、仕事が欲しいならレジュメをひたすら配るなど自分から行動することはとても大切だと思います。

制作に対して学んだこと


とにかくデザインはアイディア勝負です。どれだけアイディアを収集できるかで最終形態が変わります。また、自分の感情を大事にすること、誰がなんと言おうと自分が気に入るまでとことん追及する。ストレスを感じてメンタルがやられることもあるけれど、それを乗り越えてたどり着くものが必ずあります。また、このストレスも作品作りの一環であるということを学びました。この苦しみなしでは私の作品はこのような形にはなっていないと思います。

周りの学生から学んだこと


一番は「みんな違ってみんないい」これです。全員に気に入ってもらうことは不可能です。なぜなら、一人一人違うから。それでもみんないいところがたくさんあります。それぞれのかっこいい部分だったり、自分が知らない技法を使っていたり、影響を受けることがたくさんありました。

自分がわからないことがあったら教えてくれたり、逆に誰かが困っていたら私が助ける。デザインは個人個人ですが、私のクラスはみんなで頑張ろうっていう意識が高かったこともあり、みんなで苦しみながらも助け合い、一つひとつの課題をこなしていきました。

先生から学んだこと、心に残っているアドバイス


“Just believe in yourself”, “Don’t be scared”自分自身を信じる、怖がらないで。これは先生の口癖でした。課題に行き詰まった時、新しいことに挑戦する時、毎回先生はこの言葉を言ってくれていました。私はこの先生の言葉に何度背中を押されたかわかりません。そして先生も私たちが必ずできることを信じてくれていました。先生たちは常に私たちの味方でいてくれ、わからないことがあったらすぐに教えてくれて、間違いがあれば指摘してくれる。私は担当してくれた全ての先生に感謝でいっぱいです。彼らが私の先生だったからこうやって自分の才能を見つけることが出来たし、このコースも無事に卒業することが出来たと思います。

帰国してからのプランを教えて!


ニセコにある実家のカフェ営業と、デザイン活動を積極的に行っていくことが今の私の目標です!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号S618)
みなさんにも素敵な経験をしていただけるよう、実体験を踏まえつつ有用な情報をお伝えし、しっかりサポートしていきます! このカウンセラーに質問する

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