Kosukeさんの留学プラン 高校卒業
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2021年9月 西シドニー大学カレッジ進学準備英語コース(20週間)コロナ禍で日本からオンラインで受講
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2022年3月 西シドニー大学Bachelor of Planning 入学
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2024年12月 西シドニー大学卒業
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2025年2月 シドニー工科大学(UTS)Master of Planning(修士課程)へ 入学
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2026年6月 シドニー工科大学(UTS)卒業
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2027年4月 不動産大手デベロッパー入社予定
WSUからUTSへ。「都市を創る側」を目指して大学院を選択
西シドニー大学(WSU)のBachelor of Planningを卒業した際、そのままWSUの大学院に進む選択肢もありました。しかし、私は最終的にシドニー工科大学(UTS)のMaster of Planningへの進学を決意しました。

WSUではBachelor of Planningが社会科学部(Faculty of Social Sciences)に属していたこともあり、コミュニティや社会の視点から都市課題や持続可能性を考え、その解決策を学ぶ授業が中心でした。こうした学びは都市計画を学ぶ上で非常に重要で、多くのことを得ることができました。
一方で、将来は都市開発を事業として実現する立場を目指すのであれば、社会的な視点だけでなく事業性や開発のプロセスを理解することも必要だと感じるようになりました。
都市計画(Planning)と不動産開発(Property Development)の違い
私自身がWSUとUTSで学ぶ中で感じた違いを大きく整理すると、都市計画(Planning)では、行政が定める計画や制度、地域への影響などを踏まえながら、「この場所をどのように使い、どのような街をつくっていくべきか」を考える視点が重視されます。
一方、不動産開発(Property Development)では、そうした計画や制度を踏まえた上で、土地の取得や建設コスト、収益性、資金計画なども考えながら、「実際にこの開発を事業としてどう成立させるか」という視点がより重要になります。
PlanningとProperty Developmentはそれぞれ異なる専門分野ですが、実際の都市開発では、どちらの考え方も欠かせません。私はWSUでPlanningを学ぶ中で、将来デベロッパーとしてまちづくりに携わるのであれば、計画や制度を理解するだけでなく、
その計画を事業としてどう実現していくのかについても学びたいと考えるようになりました。
そのため、Bachelorで身につけたPlanningの専門性を軸にしながら、Property Developmentについても学べる大学院を探しました。
WSUとUTSをはじめ、複数の大学院のカリキュラムを比較した結果、最も魅力を感じたのがUTSでした。
UTSのMaster of Planningは、Faculty of Design, Architecture and Building(現在はFaculty of Design and Society)に属しており、不動産開発(Property Development)や不動産投資(Property Investment)など、建築環境(Built Environment)分野の学生と共通で学ぶ科目が多く、都市開発を事業として捉えるために必要な知識やスキルを学べるカリキュラムになっていました。
実践的な学びに加え、1.5年で修了できることも決め手に
また、ケーススタディやクライアント向けのレポートなど、
実際のプロジェクトを想定した課題が多いことも、UTSを選んだ理由の一つでした。
さらに現実的な理由として、UTSのMaster of Planningは1.5年コース(3セメスター)のため、シドニー大学やニューサウスウェールズ大学、マッコーリー大学など2年コース(4セメスター)の他大学と比較すると、学費も比較的抑えることができました。
自分が学びたい内容がコンパクトにまとまっており、学習内容と費用のバランスが良かったことも、両親を説得する上では大きなポイントでした。
振り返ると、UTSでは「都市を研究する側」ではなく、自分が将来目指していた「都市を創る側」に必要な学びを得ることができました。民間デベロッパーとしてまちづくりに携わりたいという自分の目標に対して、最適な進学先だったと感じています。
Planningだけでは見えなかった、UTSで学ぶ都市開発
「計画の適合性」だけでなく「事業の採算性」も考える
実際にUTSで学び始めると、進学前に期待していた「PlanningにProperty Developmentの視点を加える」という学びを、さまざまなグループプロジェクトを通して具体的に経験することになりました。
WSUとUTSを経験して最も大きく違うと感じたのは、都市計画を一つの専門分野として考えるのではなく、
異なる専門性を持つ人たちと協力しながら、一つの開発を成立させていくという視点を身につけられたことです。
特に印象に残っているのは、同じBuilt Environmentをバックグラウンドとしながらも、Planning、Property Development、Financeなど異なる専攻の学生が一緒になって、一つの開発提案を考えるグループプロジェクトです。
それぞれの専門分野から異なる意見が出る中で、一つの提案としてまとめていく経験は、WSUではなかった、大学院ならではの挑戦でした。
私はBachelorで都市計画を学んでいたため、Planningの立ち位置から、自分たちの開発コンセプトが行政の戦略計画や計画制度に沿ったものになっているかを考えながら、提案をまとめることが多かったです。
一方で、例えばFinanceを専攻する学生からの分析で「この計画では事業として採算が取れない」と指摘されると、単純に計画を諦めるのではなく、事業スキームを変えることで成立させられないか、といった議論になります。
自分の専門分野だけでは見えていなかった視点を知り、それを踏まえて提案を修正していく、という経験を通して、都市開発は一つの専門分野だけで完結するものではないということを実感しました。
「実現できる解」を探す、都市開発の難しさ
その中で特に強く感じたのが、環境・社会性・経済性といったさまざまな側面を満たしながら、一つの事業として成立させることの難しさです。
特に近年は建設コストの上昇などによって事業性を確保することがますます難しくなっています。一方で、シドニーのように人口が増え続ける都市では、住宅を継続的に供給していく必要もあります。
理想的な都市を描くだけではなく、さまざまな制約の中で「実現できる解」を探していくことが、都市開発の難しさなのだと感じました。
もちろん、大学で取り組んだのは実際の開発プロジェクトの一部を再現したエクササイズに過ぎません。
それでも、一つの提案を実現するために、異なる立場や専門性の意見を調整し、さまざまな条件を一つに結びつけていくことの難しさを十分に感じることができました。
こうした経験を通じて、以前より「異なる立場の人たちにとって納得する提案なのか」という視点を持つようになりました。
これから都市開発のキャリアを始めるにあたって、こうした複雑な条件を調整しながら事業を前に進めていくことには正直なところ難しさや不安も感じています。一方で、それらを一つずつ乗り越え、最終的に実際のまちとして形になったときには、大きなやりがいを感じられるのではないかと、今から楽しみにも感じています。
UTSならではの実践的な授業と、業界との近さ
課題+ゾーニングマップ
UTSで特に印象に残っている科目の一つが、15145 Development Negotiation and Community Engagementです。
この授業では、都市開発やまちづくりを進める際に、行政や開発事業者だけでなく、地域の住民など、異なる立場の人たちとどのように合意形成をしていくのかを学びました。
立場が変われば、見えるものも変わる。都市開発の「交渉」
授業では、行政側と地域の店舗オーナー側に分かれ、実際に当事者として複数回の交渉を行う演習がありました。
単に交渉の進め方を学ぶのではなく、それぞれの立場や利害を与えられた上で、相手とテーブルを挟んで議論しながら、最終的な合意を目指していきました。
題材となったのは、駅周辺にある古く雑然としたスペースの再整備です。駐車場を整理するとともに、地域の人が利用できる広場や洪水対策などを取り入れ、より良い公共空間に変えていくという計画でした。
私は行政側を担当しましたが、地域にとってより良い空間をつくりたい一方で、店舗側には「駐車場が減れば商売に影響する」「整備費用を負担するのは難しい」といった事情があります。
そこで、こちらの計画を一方的に押し通すのではなく、実際の交渉を通して相手が何を必要としているのかを理解しながら、双方が納得できる着地点を探していきました。
最後まで難航したのが、費用負担の問題です。店舗オーナー役の学生から提案されたのが、現実的かつ段階的な費用の分割方法でした。
実はその学生は、不動産業界で働きながらUTSで学んでいました。自分たちだけでは思いつかなかった解決策が、クラスメートの実務経験から生まれたことも、この演習で印象に残っていることの一つです。
教室の中でも感じた、業界との距離の近さ
このように、UTSでは都市計画や不動産業界で働いている人と一緒に学ぶ機会が多くあります。
また、授業には業界で働いている方がゲスト講師として招かれることも多く、
プロジェクトの現場で何が起きているのか、仕事の中でどのような難しさがあるのかなど、自身の経験をもとにしたリアルな話を聞けるのも面白いところでした。
中には、授業に来たゲスト講師の仕事に興味を持って学生から直接コンタクトを取り、それが採用や仕事の紹介につながったケースもありました。
自分自身がそのような機会を得たわけではありませんが、大学と業界との距離が近く、授業での学びがそのまま実務やキャリアにつながっていく環境は、UTSならではの魅力の一つだと思います。
うまくいかなかった最終プロジェクトから学んだこと
グループプロジェクトのメンバーたち
6人で取り組んだ、最後のグループプロジェクト
大学院生活の集大成となる「最終プロジェクト」では、シドニーのインナーサバーブにある駅周辺の再開発マスタープラン(土地利用、建物、公共空間、交通の総合計画)をグループで作成しました。
マスタープランとは、その地域を将来どのような街にしていくのか、土地利用や建物、公共空間、交通などの方向性を総合的に示す計画です。
私のグループは、私のようなPlanningを専攻する学生が2人、Property Developmentが2人、Financeが2人という構成でした。
異なる専門分野の学生が一つの開発を考えるという意味では、これまで学んできたことを総合的に活かせるプロジェクトでした。
私は行政の上位計画や戦略を調べる中で、このエリアは周辺住民の日常生活を支える地域の拠点として発展していくことが想定されていると考え、その考えをメンバーにも伝えていました。
しかし、別のメンバーからは、既存の容積率を約3倍にして、より大規模な住宅開発を行う案が出てきました。その案は、パラマタ周辺など西シドニーエリアで進められている大規模な再開発のように、より広域から人や都市機能を集める規模を想定したものでした。
もちろん、異なる視点からの提案自体はグループワークの面白さでもあります。
ただ、チーム内で方向性を十分にすり合わせないまま、Financeを担当するメンバーによる事業採算性の分析も、すでにその案を前提に進んでいました。さらに、他の授業との兼ね合いでプロジェクト全体の進行も遅れており、そこからコンセプトを大きく修正するには時間が足りませんでした。
その結果、最後まで全員で方向性を十分に共有することができず、最終的なレポートも少しちぐはぐなものになってしまいました。
「分担する」だけではチームにならない

振り返ってみると、一つの大きな原因はコミュニケーションの不足だったと思います。
最初の段階でスケジュールだけでなく、「このプロジェクトでどのような街をつくるのか」というコンセプトや、そこに至るまでの考え方について、もっと時間をかけて対面で議論しておくべきでした。
途中でも小さなミーティングは設定していましたが、進捗を報告して次のタスクを決め、それぞれの作業に戻るという「分担主義」に陥っていた部分がありました。
この経験から最も学んだのは、チームで何かをつくるときには、個々のタスクをきちんとこなすこと以上に、
最初に全員で「何を目指しているのか」という共通認識をつくることが重要だということです。
特に都市開発のように、Planning、Development、Financeなど異なる専門性を組み合わせて一つの事業をつくる仕事では、それぞれが自分の専門領域だけを完成させても、一つのプロジェクトとして成立するわけではありません。
そして、これは大学のプロジェクトだからこそ経験できた失敗でもあると思います。
実際の仕事では、計画や開発の方向性が決まった後に、途中から「そもそもコンセプトが違う」となってしまえば、時間だけでなく多くの人や資金も動かしているため、より大きな損失につながります。
学生のうちにこうした難しさを経験できたことは、最終的には大きな学びだったと感じています。
大学院の学びを実務へ。シドニーの不動産会社で働く
シドニー不動産会社でのインターン
セミナーでの出会いがアルバイトのきっかけに
大学院在学中は、現地の日系不動産仲介企業でアシスタントとして働いていました。
きっかけは、
AJS(Australia Japan Society of NSW)が主催した「日本の都市開発手法をいかにオーストラリアで活かすか」というテーマのセミナーに参加したことです。
もともと両国の都市開発に関心があり参加したのですが、その際に現在の勤務先である企業の代表とネットワーキングで知り合いました。
その後、一度は時間が空いたものの、前任のスタッフが帰国するタイミングで改めて自分から代表へ連絡を取り、働く機会をいただくことができました。
大学院での学びが、実際の仕事で活きた場面
仕事では現地の不動産エージェント資格を持っていないため、営業や仲介そのものではなく、主にリサーチや資料作成などのアシスタント業務を担当しました。
具体的には、現地のデベロッパーや卸会社が主催する新規物件のローンチや内見に足を運び、物件や周辺環境について情報を収集します。
シドニー不動産会社でのインターン
そして、その情報を日本人のお客様向けにプロジェクトの概要資料としてまとめたり、お客様が興味を持った個別のユニットについて、より詳細な資料を作成したりしています。
また、投資目的で購入を検討されるお客様に対しては、収支の概要を整理した資料を作成することもあります。
この仕事では、大学院で学んだことが特にエリアの将来性を考える際に役立ちました。
大学院ではNSW州やシドニーの行政が策定する戦略計画などに触れる機会が多く、シドニーの都心部が成熟していく中で、今後どのエリアをどのように発展させようとしているのか、その方向性を学びました。そのため、物件を見る際にも、建物そのものだけではなく、メトロや空港などのインフラ計画や周辺エリアの開発動向を踏まえ、中長期的な視点からその地域のポテンシャルを考えることができました。
さらに、こうしたエリアの将来性や背景を、シドニーに馴染みのない日本人のお客様にも伝わるように整理し、資料に落とし込むことにもつながりました。
現地へ足を運び、デベロッパーとの信頼関係を築く
一方で、実務を通して強く感じたのは、いかに正確な情報を、必要なタイミングで、分かりやすく提供することが重要かということです。
不動産は非常に大きな金額が動くうえ、オーストラリアでは海外からの購入者も含めて競争が激しいため、お客様の意思決定に役立つ情報を迅速に提供することが求められます。
そのためには、資料やインターネット上の情報だけに頼るのではなく、あらかじめ自分自身でできるだけ多くの物件を実際に見に行き、建物だけでなく周辺の街の様子まで確認することが大切だと感じました。
また、現地のデベロッパーや担当者から必要な情報を得るためには、日頃からコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくことも重要でした。
私はもともと新しい物件や建設中の現場を実際に見に行くことが好きだったので、予定が空いている限り積極的に視察に足を運んでいました。
シドニー不動産会社でのインターン
多国籍のバイヤーや仲介業者が集まる中で、何度も足を運ぶうちに担当者に自分の顔や名前を覚えてもらい、さらに普段の対話を通じて、私たちの日本人のお客様がどのような物件を求めているのかも理解してもらえるようになりました。
そうして少しずつ情報交換をしやすい関係を築き、自分の活動がお客様への情報提供や実際の仕事につながっていることを実感できたときには、大きな喜びを感じました。
オーストラリアから日本の就活へ。第一志望のデベロッパーに内定
日本ならではの「まちづくり」に携わりたい

卒業後の進路としては、日本の不動産デベロッパーを中心に就職活動を進めていました。
オーストラリアでは都市計画を専攻した学生がデベロッパーとして就職する機会が多くない点もありますが、私は空間をつくるだけでなく、その後の運営まで含めて人々の生活を形づくっていく日本のデベロッパーの街づくりの手法に魅力を感じていました。
志望業界を比較的早い段階から絞っていたこともあり、志望企業の数も多くはありませんでした。
そのため、各社の採用マイページに自分で登録し、直接情報を集めることを基本にしていました。
海外にいると日本の就職活動について相談できる先輩や友人が限られるため、SNSなども活用しましたが、インターネット上の情報をそのまま鵜呑みにせず、情報源や内容の信頼性を自分で判断しながら取捨選択することを意識していました。
また、企業研究では、各社がこれまでに開発した街や建物を実際に見に行くことも大切にしていました。
留学前から好きで行っていたことではありますが、シドニーで都市計画を学び、実際に暮らした経験を通して、同じ街や建物でも以前とは異なる視点から見ることができるようになりました。
一時帰国の際には、そうした視点を持って実際の開発事例を見て回ることで、企業研究を深めていました。
オーストラリアから、どう日本の就活を進めた?

スケジュール面では、UTSの授業形式をうまく活用しました。
私のMaster of Planningは、都市計画や不動産業界ですでにフルタイムで働いている学生も受講しやすいよう、通常の毎週の授業とは異なり、朝から夕方までの2日間のワークショップを一つのブロックとして、複数のブロックに分けて授業を行う形式がありました。
そのため、キャンパスに通う期間と期間の間にまとまった時間を確保することができます。その期間や大学の休暇を利用して就職活動を進めました。
大学院1年目の8月から9月には、日本に一時帰国し、6社のインターンシップに参加しました。
その後、11月から12月にかけて行われた海外大学生向けの本選考に臨み、授業との両立を図りながら就職活動を進めることができました。
Block Mode(ブロック授業形式): UTSのMaster of Planningで採用されている授業形式。通常は1科目の授業をセメスターを通して毎週受講しますが、Block Modeでは、1科目につき2〜2.5日間の集中授業を2回に分けて受講します。
面接で伝えた「何を学んだか」以上に大切なこと
面接や選考では、中学生の頃に海外の都市開発に興味を持って以来、自分なりに目標を持ち、そこから逆算して進路を選んできたことを、自分の強みとして一貫して伝えるようにしていました。
その一例として、都市の変化が激しいシドニーで、より実践的な学びを得られる大学やコースを自ら選択したことも伝えていました。
何十年という長い時間をかけて一つの街をつくっていくデベロッパーの仕事において、長期的な目標を持って計画的に行動する姿勢は親和性があると評価していただけたのではないかと思います。
もちろん、UTSでの専門的な学びや、シドニーの不動産会社での実務経験についても具体的に話しました。
ただ、日本企業の場合、入社後に必要な専門知識を改めて身につけていく側面もあるため、単に「何を学んだか」「どんな仕事をしたか」だけではなく、そこから自分がどのような都市に対する視点や価値観を持つようになったのかを、自分なりの言葉で説明することを意識しました。
また、知識や論理性だけでなく、授業のグループプロジェクトや実務経験を通じて、異なるバックグラウンドを持つ人と協働するための信頼関係をどのように築いてきたかなど、人間的な部分での成長についても、具体的なエピソードを交えながらその情景が伝わるようにし、「一緒に働きたい」と思っていただけるように工夫していました。
海外での大学院生活や実務経験そのものが評価されたというよりも、
そこで何を経験し、そこから何を考え、自分自身がどう変わったのかを、自分の言葉で説明できたことが大きかったのではないかと思います。
海外で学んだ専門知識だけでなく、異なる環境の中で自分で情報を集め、考え、行動し、人と関係を築いてきた経験そのものが、日本での就職活動における自分の強みになったと感じています。
学業・仕事・就活を両立した大学院生活
予定を早めに「見える化」して無理なく調整
学業・仕事・就職活動を両立する上では、まず予定をできるだけ早い段階で可視化することを意識していました。
授業や課題、就職活動のスケジュールはある程度事前に決まっているので、予定が決まった段階でスケジュール表に記入し、いつ何に取り組むのかをあらかじめ大まかに決めるようにしていました。
一方で、予定を立てる上でイレギュラーだったのが、シドニーの不動産会社でのアルバイトです。
シフト制ではなく、案件やタスクごとに依頼を受ける形だったため、仕事の依頼が来たらなるべく早く返信し、納期や仕事量を確認した上で、自分の他の予定と照らし合わせながら引き受けるかどうかを判断していました。
すべてを無理に引き受けるのではなく、全体のスケジュールを見ながら調整することが、結果的にそれぞれのことに集中することにもつながったと思います。
「夢中に勝る努力なし」。忙しくても続けられた理由
モチベーションについては、実はそれほど苦労した記憶がありません。
大学院の勉強も、仕事も、就職活動も、すべて自分が好きな「都市」に関わることであり、将来目指しているキャリアにもつながっていると感じていたからです。
それぞれの経験が将来どのように活かせるだろうかと想像しながら取り組んでいたので、忙しくてもワクワクしながら取り組めることが多かったです。
私の好きな言葉に「夢中に勝る努力なし」というものがあります。
コロナ禍にオンラインで英語コースをスタートし、その後シドニーで約4年半を過ごす中で、改めて自分が好きなことに打ち込むことは、大きなエネルギーになるのだと感じました。
忙しい毎日のリフレッシュは、シドニーの自然と草サッカー
友人たちとフットサル
もちろん、課題から仕事の資料作成まで一日中自室にこもって作業していると、どうしても体を動かしたくなることもありました。
そんなときは、なるべく外に出て自然の中で体を動かすようにしていました。
シドニーは、都市で暮らしながらも、まとまった自然や緑、水辺などにすぐアクセスできることが大きな魅力だと思います。
家から走って20分ほどのヨットが浮かぶきれいな入り江までランニングをしたり、近所の芝生のグラウンドで毎週日曜日に開催されていた多国籍な草サッカーに混ざったり、大学の友人とロードトリップをしてハイキングや釣りを楽しんだりしていました。
気晴らしの釣り
こうした都市での生活と自然が近接した環境で過ごす時間そのものが、良いリフレッシュになっていました。
そして面白いことに、そうして自然の中で過ごしていると、「こんなふうに近所の公園の芝生で家族とピクニックをしたり、きれいな水辺でゆったり過ごしたりできる暮らしを、東京でも実現できないだろうか」と考えることがありました。
結局、リフレッシュしているはずなのに、また都市のことを考えている(笑)。
それくらい、自分にとって都市やまちづくりは、勉強や仕事というだけではなく、日常生活そのものとつながった興味なのだと思います。
留学生活で身についた「自分で決め、やり切る力」
さまざまな選択肢から、自分で決断する
UTSでの大学院生活を終えて、最も成長したと感じるのは、さまざまな尺度から物事を考えた上で、
自分で決断を下し、その決断に責任を持って行動する力が身についたことです。
大学院への進学先を決めるときから、単純に「どの大学が良いか」ではなく、将来のキャリアにとって何が足りないのか、日本とオーストラリアのどちらで就職するのか、自分のやりたいことを実現できるのはどこなのか、といったさまざまな要素を考えながら判断してきました。
また、勉強や就職活動だけでなく、「今の自分だからこそできる経験は何か」「どんな人に会いに行くか」「どうやってオーストラリアでの生活を満喫するか」といったことも含めて考えるようになりました。
特に、3セメスターという限られた期間の中で、将来のキャリアのような中長期的な視点と、「今しかできないこと」の両方を考えながら何度も決断をする経験をしたことで、決めた後は迷い続けるのではなく、その選択に思い切りコミットしてやり切る力も身についたと思います。
日本の街に「シドニーのような豊かな広場」をつくりたい

来年4月からは、長い間憧れていた企業に入社する予定です。
就職先を決める際には、
「人生をかけて夢中になれる仕事ができるか」ということを一つの大きな判断軸にしました。
シドニーという都市での生活を通じて感じた「豊かな暮らし方」も大切にしながら、誰もが自然に集まることのできる「広場」があり、そこにいることで「自分もこの街の一員なんだ」と感じられるような安心感や、そこでの新しい出会いや体験にワクワクできるような都市をつくっていきたいと考えています。
もちろん、実際には、多くの人との調整やさまざまな制約があり、簡単には進まないことも多いと思います。
それでも、長い時間をかけて多くの人と関わりながら、一つの場所を実際のまちとして形にしていくことにこそ、面白さがあると思っています。
難しいことを乗り越えた先にある達成感を糧にしながら、自分が夢中になって取り組める仕事を、これからの人生の生きがいの一つにしていきたいです。
これから都市計画・不動産開発を学ぶ人へ
これからオーストラリアで都市計画や不動産開発を学ぼうと考えている方には、ぜひ現地の「都市そのもの」を楽しみながら学んでほしいと思います。
オーストラリアは、先進国として整った制度を持ちながら、今も人口が増え続け、都市として大きく成長・変化している国です。
その変化を実際に暮らしながら間近で感じられることは、都市計画や不動産開発を学ぶ上でとても面白い経験だと思います。
都市には、大規模なインフラや都市開発から、身近な公園やカフェ文化、住宅や公共空間での人々の過ごし方まで、本当にさまざまな切り口があります。
ぜひ「自分はこれが面白い」と思える切り口を見つけて、興味を持ったことに思い切り没頭してみてください。
そうして自分なりの視点を持って学んだ経験は、将来進みたいキャリアのヒントにもきっとなってくると思います。
スタッフからのコメント
Kosukeさん、UTS大学院ご卒業、本当におめでとうございます。
前回、西シドニー大学(WSU)卒業時の体験談に続き、こうしてUTSのMaster of Planningを無事に修了し、再び体験談をご紹介できることをとても嬉しく思います。
コロナのため日本からオンラインで英語コースをスタートし、その後シドニーへ。大学、大学院と、気づけば5年以上の長いお付き合いになりました。
これまでサッカーにも本気で取り組み、オーストラリアでの大学、大学院留学とずっとフル回転で走ってきたKosukeさん。6月に大学院を卒業し、来年4月の入社を控えた今は、ようやく少しゆっくりとした時間を楽しんでいるそうです。
留学のスタートから大学院卒業、そしてその先の進路が決まるところまで見届けることができた嬉しさと同時に、少し寂しいような気持ちもあります。
これから日本で始まる新しいキャリアでも、Kosukeさんらしく進んでいってほしいと思います。
そしていつか、Kosukeさんが携わった「まち」を実際に訪れる日を、今から楽しみにしています。