Bachelor of Marketing and Mediaでは、全体としてどんなことを学びましたか?
1年生(ディプロマ)の時は、マーケティングの基礎とメディアの基礎を勉強しました。フィルミングなどのスキルも身につけました。
2年生(バチェラー/大学本科)から、メインはあくまでもマーケティングで、メディアはツールのような位置づけになりました。そして、ソーシャルメディアマーケティング、デジタルマーケティング、Google広告、Eメールマーケティングといった、マーケティング戦略をメディアの力を通じて広めていくことに焦点が当てられました。
選択肢としては、ジャーナリズムなど他のものも選択できますが、私はマーケティング中心に選びました。
先生やチューター、クラスメイトはどんな方たちでしたか?
教授は「会社を経営してました」という方や、リタイアして教職をする方が多かったので、彼らがビジネスをしていた時の話を聞けるのが、とても面白かったです。チューターはPhD(博士課程)の学生が多く、アカデミックなアドバイスをたくさんもらえました。
私のお気に入りの教授たちは、優しくて、名前をすぐに覚えてくれて、頑張りを認めてくれる方たちでした。教授の中には、授業の後に「今日のレクチャーどうだった?」「あなたの国はどう?」とフランクに話をしてくれるので、その時間がとても楽しかったです。オーストラリアでは「教授が気さくにコーヒーキャッチアップ(カフェでお茶)もしてくれるんだ」というのも新しい発見でした。
ディプロマのクラスメイトはアジア人が半分くらいでしたが、バチェラー(本科)に進むとアジア人は少なくなり、ローカルのオーストラリア人が多くなりました。次いでベトナム、中国という感じでした。
大学で大変だった科目、楽しかった科目、就職に役立った科目など教えて下さい。
一番大変できつかったのは「マーケティングテクノロジー」です。マーケティングのITツールや分析ツールを扱う科目で、Salesforce、SAS、Tableauなどのマネジメントツールを扱ったのですが、ものすごく複雑で手順が多く、「保存ボタン押さなかったら全部消えてしまう!!」と、常に緊張感がありました。ただ、それを分析してレポートにまとめるのはすごく楽しかったです。
この科目は一番難しかったのですが、「間違いなく就活で使えるだろう」と思ったので、必修の2000レベル(2年生の科目)だけでなく、選択科目の3000レベル(3年生の科目)でも受講しました。実際、オーストラリアで就活をしてみて「これらのツールは使えるか?」という質問もありましたので、これから学ぶ方にもお勧めです。
一番楽しかった科目は「スタートアップマーケティング」です。自分で新しいビジネスアイデアを考えて、それをどうマーケティングしていくかという授業だったのですが、先生が「特にどの戦略を使うとかもないので、もう自由にやっていいよ」というものでした。
正解がないゼロからの課題だったので、今までに習ってきたものを全部詰め込み、自分のアイデアを最大限に活かしました。もう詰め込みすぎて、規定2000ワードのレポートでしたが、表(テーブル)を含めて、1万2000ワードくらい書きました。提出した時、先生には苦笑いされましたけど、成績はとても良かったので、楽しさが溢れてたのだと思います。これは一生「家宝」として大切にしようと思ってます笑
課題ではどんなことをやりましたか?どのくらい時間がかかりましたか?
マッコーリー大学の課題はとても実践的だったと思います。
例えば「まだオーストラリアに出ていない好きなブランドを1つ選んで、それをどうオーストラリアでマーケティングをするか、どのようにソーシャルメディアでプロモーションしていくか」をすべて考え、プレゼンしてレポートにまとめるということをやったりしました。
課題は、1科目につき基本的に3つ課題が出ます。通常、個人でやるレポートは1週間あれば大丈夫ですが、1万ワードぐらい書いたときは、3週間ぐらいかけてやりました。課題が4つほど一気に出る提出シーズンには、もう1週間はほとんど勉強しているという感じでした。ラスト2週間は働かない方がいいかもと感じるくらいは勉強していましたね。
私は、学校とアルバイト以外にも、インターンシップをやっていたため、本当にいつも忙しい状態でした。
グループワークはありましたか?どのように課題を進めましたか?
プレゼンは基本的に全てグループでやります。大変だったのは、自分と課題の進め方が合わない学生とグループになってしまったときです。例えば、私はみんなで早く終わらせたいタイプですが、真逆のメンバーがいたりするとなかなか大変です。オーストラリアでは自己主張は「当たり前の当たり前」なので、「課題がうまく進まない」「担当箇所を期日までにやってくれない」など、何か問題が発生したときには「怖がらずに言うのが一番いい」と学びました。
ここから得たサバイバルスキルは、クラス初日に「しっかり勉強したいと思っている人を見極め、隣に座る」というスキルです。本当に色々な人がいますので「勉強したいと思っている人と一緒に勉強したい」という意識が大切です。私は、1年生(ディプロマ)の時に出会ったベトナム人の友達と、3年間必須科目を一緒に取る「スタディバディ」となり、困難を共に乗り越えることができました。
大学のすべての課題が終わった時、どんな気持ちでしたか?
正直、その瞬間はあまり終わったという実感はなかったです。とりあえず目の前の課題をこなしたという感覚でした。しかし、やはり最後の課題は、文字数とかリサーチとかがとても多かったので、この課題が終わった時はとてもほっとしました。そして「解放感」みたいなものがありました。
大学生活について教えて下さい。勉強以外にどんな活動をしましたか?
結構積極的に色々なことをやっていました。
例えば、マッコーリー大学の日本サークルのマーケティングディレクターをやったり、社会人コミュニティや県人会のイベントへ参加、インカレのコラボイベントの立ち上げをするなど、積極的に社会人のいる場所へ行くようにしていました。
私は人と話すのが好きなので、コミュニティに入って仲間ができたのは大きかったです。特に日本サークルのメンバーとは卒業してからも、よく合ったり旅行に行ったりしています。
また、インターンシップも積極的に行い、有給、無給、学校の単位取得のものも含めて合計6個経験しました。最後はマーケティングの会社で有給のポジションをもらえたのが嬉しかったです。
※Kanasaさんのインターンシップの探し方については、 こちら
マッコリー大学の学習環境や周辺の雰囲気はどうでしたか?
マッコーリー大学は、シティから離れているからこそとても静かですし、自然に囲まれていて、いつもユーカリの香りに囲まれているようなところです。私にとっては、図書館の中で勉強するより、ベンチでお気に入りの湖を眺めながら勉強できる環境がすごく良かったです。
また、キャンパス内は屋外にもたくさん机があるのですが、屋外の机でも充電がしっかりできるようになっていて、Wi-Fiも通るので、勉強環境は最高でした。
マッコーリーエリアは治安が良く便がいいですよ。変な人は歩いてないし、シティへのアクセスもいい(メトロで30分ほど)。マッコーリー大学の学生はほとんどマッコーリーの周りに住んでいるので、みんなで集まりやすいのも、良い点だと思います。

勉強自体は正直、どこの大学に行ってもすごく差があるわけではない思いますが、マッコーリーはいい出会いが一杯あると思います。私自身「人生が変わる」経験ができたので、マッコーリーを選んで良かったと思います。
シドニーは「日本人コミュニティ」があり、日本人の社会人がたくさんいるので、キャリアの相談ができる社会人の知り合いがたくさんできたのも良かった点の一つです。
留学中の一番のハイライトはなんでしたか?
昔は「家に引きこもるタイプだった」のが、今では「毎日人に会いたい、人と話したい」というソーシャルな人間に変わったことです。性格診断のアウトゴーイング度が、もう90%ぐらいになっていました笑
この変化のきっかけは、働く社会人の集まりに参加したことです。入りたい会社のある方から、「3回落ちても諦めずに、1年以上会社にアプローチを続け、やっとポジションをゲットした」という話を聞いて「私は何もチャレンジしてないな」「自分も行動しなければ」と強く思いました。そして「 空振りだったとしても振り続ける方が、可能性がゼロじゃないし、後悔がない」と思うようになりました。
また、自己主張が出来るようになったり、リーダーになったりするとは思いもよらない変化でした。インターンなどを通して、自分に自信もついたと思います。
これから海外大学進学を目指す後輩へ、メッセージをお願いします
私自身大変な思いをたくさんしてきたので、正直、「簡単にはお薦めできない」です。挑戦するなら、それなりの覚悟持ってきてほしい。ただ、覚悟を決めてチャレンジするなら、その苦難を乗り越えた後の達成感はすごいものがあります。日本のようにレールがあるわけではなく、「行動力次第で世界が変わる」ところです。英語を単なるツールとして使い、専門分野を深めたい人、海外で活躍したい人であれば、絶対に来た方がいいと思います!
スタッフからのコメント
一旦帰国後就職が決まっていたにも関わらず、卒業生ビザで現地就職にチャレンジをしているKanasaさん。
日本の地元でお給料も良いマーケティング会社に内定をいただいていましたが、「もっとチャレンジをしてみたい」「もっと成長をしてから日本に帰りたい」という思いが強くなり、シドニーに戻ってきたそうです。
成績優秀でツールも使えて、アルバイトやインターンで実務経験もあるKanasaさんですが、シドニーの就活では、一つのマーケティングポジションに700人の応募が来るような世界。ハードルは高い・・・それでも失敗をしたことはすぐに反省して次に活かし、様々なアプローチで就活を頑張っています。
Kanasaさんにタフな就活を続けるための「メンタル維持」はどうしているかきいてみると「今までやってきたことで自信を保ち、それでも落ち込みそうなときは誰かに会いに行く、行けないときは寝て強制的に頭をシャットダウン」など、いくつかメンタル維持のための方法を持っていて、うまく使い分けているようでした。これも留学時代に身につけた一生物のスキルですね!
海外の大学留学では大変なこともたくさんありますが、やり遂げれば自分の人生へ良い影響をあたえられる、人生の素敵な投資だなと、再確認をしました。
改めまして、Kanasaさん卒業おめでとうございます!大変なことをもありますが、好きな仕事が好きなだけ出来るよう、自分に合った素敵な会社をみつけてくださいね。