オーストラリアに住む人々にとってワインは本当に身近なものです。
ワイン・オーストラリア(Wine Australia)の最新データによると、現在オーストラリアには65ものワイン生産地域があり、2361軒のワイナリーと6251軒ものブドウ栽培業者、そして163,790人を雇用していると言われております。近くのリカーショップに行けば、選べないほどのワインが溢れ、レストランのワインリストも豊富、そして車で気軽に行けるワイナリーがあちこちにあります。
また近年では輸出にも力を入れ成功を収めており、2020年9月までの1年間の輸出額は前年と比べて4%増の29.9億ドルとなったようで、今ではオーストラリアで生産されるワインの60%以上が輸出されています。
それだけ今「オーストラリア」のワインは世界から注目されています。
2020年の発表によると、オーストラリアからの輸出利益額が多かった国ランキングで日本は8位にランキングされているので、以前よりはオーストラリアのワインを日本でも目にすることが多くなったのではないでしょうか。
またオーストラリアは、イタリア、フランス、スペイン、アメリカについでワインの世界輸出量は第5位となり、毎日3,000万杯のオーストラリア産ワインが世界中で楽しまれていると言われています。年間450億ドル以上をオーストラリア経済に貢献していると推定されており、オーストラリアの産業の中でワインの生産そして輸出は非常に大きな役割を果たしています。
ワーキングホリデー中にファームで働いている方の中にも「ワイナリー」で働かれていた方も案外多く、留学生のアルバイト先にも人気です。
ですがその一方で、留学生向けにワインビジネスや栽培と醸造についてのコースを提供している大学の選択肢はあまり多くありません。今回はその中で、唯一オーストラリアのTAFE(州立職業訓練校)にて提供している
「ブドウ栽培とワイン醸造(Viticulture and Winemaking)」の学士号コースをご紹介したいと思います。
メルボルン・ポリテクニックのご紹介
「Viticulture and Winemaking」をオーストラリアで唯一開講しているTAFEは、ビクトリア州にあります
Melbourne Polytechnicです。
ビクトリア州には留学生用のコースが開講されているキャンパスはなんと6つあり、その中のエッピング・キャンパスにてこのコースは開講されております。
エッピングキャンパス内でワイン醸造を学ぶための施設が整っています。
メルボルン・ポリテクニックは州立の専門学校なので、主にはDiplomaコースなどの1-2年の専門コースの提供が多いのですが、オーストラリアで学士号としてみなされるBachelorコースもいくつか開講しております。ブドウ栽培とワイン醸造のコースもBachelorですので、修了後は学士号習得として履歴書に書くことが出来ます。
また専門学校でBachelorを習得するメリットとして、職業専門学校ゆえに実践的な内容が多く含まれること、があげられます。また大学に比べて学費が比較的安いのも、選ばれる理由のひとつです。
エッピングは、メルボルン市内から約21キロ北に位置し、電車だと市内にあるフリンダース駅から約50分でエッピング駅に到着します。キャンパスは駅すぐの場所にあるので、駅からは徒歩で約3分になります!
メルボルン・ポリテクニックは、ワイナリをEpping、Araratの2箇所、ヴィンヤード(ブドウ畑)をArarat、Eden Park、Yan Yeanの3箇所に所有しておりますので、こちらでも実習授業などが行われます。
入学概要
「BACHELOR OF AGRICULTURE AND TECHNOLOGY(Viticulture and Winemaking)」の入学概要は以下となります。
キャンパス | エッピング |
授業料 | 27,636ドル(約221万円)/1年 ×3年 ※2020年12月現在の費用参考 |
就学期間 | 3年 |
入学時期 | 2月のみ |
英語力基準 | IELTS Academic 総合点数6.0以上で各バンドスコアが5.5以上、もしくは同等の英語力 |
学力条件 | 高校卒業以上で数学や化学もしくは生物学を履修していること(履修していない場合も諦めずご相談下さい)
志望動機書の提出が必要の場合あり |
※英語力条件を満たせない場合は、付属英語学校で勉強をして、進学を目指すこともできます。
※BACHELORコースの英語詳細はこちらから。
※DIPLOMA OF AGRICULTURE経由で入ることが出来ますがその場合は合計で3.5年となります。DIPLOMA OF AGRICULTUREの体験談はこちらよりご参照下さい!
メルボルン・ポリテクニックで学ぶ理由
専攻でViticulture and Winemakingを選び農業全般の知識も得られる!
このコースはAGRICULTURE AND TECHNOLOGY(農業&技術)コースとなり、専攻としてViticulture and Winemaking(ブドウ栽培とワイン醸造)を選びます。3年間のコースは8単位×3年で構成され、コアユニットとして農業&技術の分野から12単位、メジャーユニットとしてブドウ栽培とワイン醸造の分野から8単位、選択ユニットして4単位を履修します。
様々な賞を受賞しています!
メルボルン・ポリテクニックはワイン業界で70以上の業界賞を獲得しています! それ故に業界とのネットワークも強く、コースの内容にも自信を持っています。プログラムはワイン業界全体で働くために必要な知識を提供するために、業界の専門家によって設計されており、講師はこの業界で現在も活躍されている方がほとんどです。
メルボルン・ポリテクニック所有のワイナリーやヴィンヤードで経験が積める!
キャンパスには世界基準の施設が備えられ、3つの箇所にある40ヘクタールの面積の学校所有のヴィンヤードを学生は利用できます。
また授業内でワイナリーを訪れるなどのフィールドトリップも沢山組まれています。フィールド・トリップではMount Langhi Giranを含む有名ワイナリーやヴィンヤードを訪れたり、商業ファーム、種子生産者などのリサーチや商業施設を訪れます。
また、選択授業でフィールドトリップが多い学科もあるので好みで増やすことも可能です。例えば「Vineyard and Winery Engineering」は2日間のフィールドトリップが含まれます。
コース修了後のキャリアも様々!
卒業生はオーストラリアのみならず、世界で活躍が期待されます。またより高い知識を身につけるために修士号を習得される方もいらっしゃいます。
・ブドウ栽培者
・醸造者(ワイン作りの専門家)
・セラーハンド(アシスタントワインメーカー)
・臨床技師
・ワインセラーマネージャー
・ヴィンヤードマネージャー
・ワイン輸出
・ワイン小売業者
・ヴィンヤード経営 などなど
コース内容と教科
ブドウ栽培とワイン醸造を専攻とした授業は、メルボルン・ポリテクニック所有のワイナリー、研究室、教育施設で行われ、業界で働くことに焦点を当てた実践的内容となります。ブドウの知識からワイングラスに至るまで、ワイン醸造のすべてを学ぶことができます。
物理的および生物学的科学の基礎知識を学ぶとともに、将来働く際に世界的に必要とされる広範囲で専門的な知識を得ることができます。
必須単位(12単位) |
- LANGUAGE AND LOGIC【言語と論理】
- AGRICULTURAL SYSTEM AND TECHNOLOGY【農業システムと技術】
- LIVING SYSTEM 1【リビングシステム1】
- RURAL BUSINESS MANAGEMENT【農村ビジネス経営】
- FOOD PRODUCTION IN A CHAGING WORLD【世界変化における食品生産】
- INDUSTRY PLACEMENT【業界インターンシップ】
- FUTURE FARMING TECHNOLOGY【未来の農業技術】
- STATISTICS AND EXPERIMENTAL DESIGN【統計学と実験的デザイン】
- ECOLOGICAL SYSTEM【生態系システム】
- APPLIED RESEARCH PROJECT 1【応用研究プロジェクト1】
- APPLIED RESEARCH PROJECT 2【応用研究プロジェクト2】
- ENVIRONMENTAL MANAGEMENT【環境マネジメント】
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専攻単位(8単位):Viticulture and Winemaking |
- WINE MARKETING【ワインマーケティング】
- VINEYARD MANAGEMENT 1【ヴィンヤード経営】
- WINE EVALUATION 1【ワイン査定1】
- WINE CHEMISTRY 1【ワイン化学1】
- WINE MAKING 1【ワイン醸造1】
- PLANT PHYSIOLOGY【植物生理学】
- LIVING SYSTEM 2【リビングシステム2】
- VITICULTURE ENGINEERING【ブドウ栽培工学】
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選択単位(4単位) |
「Elective」が可能な単位から4つ選べます。例えば INTERNATIOAL WINE STYLES(世界のワインスタイル)やTHE AUSTRALIAN WINE INDUSTRY AND ITS WINES(オーストラリアのワイン業界とワイン)などでワインの知識を更に深めたりすることも可能です。
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注目すべきポイント
✓業界プレースメントあり!
必須単位の中にプレースメントが含まれます。学校外のワイン施設での25日間のインターンシップを全学生は経験する必要があります。プレースメント先が自分で見つけられない場合は、学校側でもお手伝いをしています。
卒業後プレイスメント先で仕事を得た!という学生さんもいらっしゃるようです。
✓リサーチプロジェクトを行う!
こちらも必須科目となりますが、応用研究プロジェクトが2単位含まれます。まず1でリサーチの仕方、分析について理解を深めたり、倫理考察を学んだあと、実際に2が修了するまでの間に研究材料を選びプロジェクトを完成させます。
例えば今までのプロジェクトは「高グリセロール含量を作る厳選された酵母株を使用したアルコール含量の低い赤ワインの生産」や「ブドウ畑の土壌における有機肥料の分解と窒素鉱化」など興味深い題材が選ばれています。
自身のワイン作りからマーケティングの仕方まで学べる!
Wine Making(醸造)の授業では実際にブドウの収穫からボトルに入れるまでワイン作りの過程をすべて行い、自身のワインを作るところまで経験します! また、Wine Marketing(ワインマーケティング)の授業では、マーケティングの戦略に則って、キャンペーンの方法、WEBサイト促進、効果的なラベル作りなど実践的なマーケティング方法を学びます。
出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
2. 出願に必要な書類を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
- 高校の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- 高校の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
- パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォームを送信してください。出願の手続きをスタートします。
メルボルン・ポリテクニックTAFEの進学
オーストラリア留学センターは、メルボルン・ポリテクニックTAFEの日本の公式相談・出願窓口として、皆さまの進学を無料でお手伝いしております。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
コース選択から必要な英語力、出願方法までそれぞれのご要望にあったアドバイスをさせて頂きます!
※携帯電話のメールをご利用の場合は、セキュリティ設定の関係でメールが届かないこともございますので、パソコンからのメールを受信できるように設定をお願い致します。
※備考※
・本記事は2020年12月現在のTAFEの情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2020年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=80円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。
・コロナウィルスの関係で、授業がオンラインになったり一部提供できないサービスや授業がある場合があります。予めコース受講を決められる前に状況を弊社までご確認ください。