【体験談】農業大国オーストラリアで学ぶ農学 【Diploma編】

日野光太郎さん | メルボルン | Melbourne Polytechnic
メルボルンポリテクニックでDiploma of Agricultureを学ばれていた日野さん。コースのこと、日本との農業に関する考え方の違い、土壌の違いなど、興味深い内容をたくさんお伺いしました。

最終的には、Bachelor of Agriculture and Technologyまで進み、合計3.5年で学士号コースを修了されました。

この記事では、日野さんのDiplomaコースの体験記をご案内します。

オーストラリア留学&農業を選んだ動機について

日本で志望大学に入学できず他の大学の選択肢を考えた時に、他に行きたい大学が日本になかったので、海外を視野に入れたのが、留学を考えたきっかけです。

叔母さんがメルボルンにいることもあり、留学するのであればメルボルンを考えたのと、学歴社会から一歩外れて自分を客観視出来るということもあり、一旦海外に出てみようと決断しました。

私の性格上、手を動かしたり体を動かしているほうが自分にあっているので、そういったコースを探していたら、農業が自分の興味とやりたいことに合致しました。また、オーストラリアは農業は主要ビジネスなので、せっかく勉強するなら農業ビジネスまで学びたいと思い、学校を探し始めました。

最終目的としては学士号を取ることでしたが、基礎的な知識を最初に学ぶことが出来、かつ値段も安いということから、ディプロマからの就学を決意しました。農業を開講しているメルボルン・ポリテクニック・TAFEにてディプロマから学士号まで取れる合計3.5年のコースを選びました。


授業について

授業は週3−4日あります。始まる学期によってタイムテーブルが変わると思いますが、私の場合は最初少し学校での座学がありその後実習が始まりました。

座学は基本、エッピングキャンパス内もしくは、メルボルン所有農場のYan Yeanという地域で行い、実習はYan Yean農場で行うことが多いです。


授業では、牛の人工授精や、気候とリスクマネージメント、土壌のコンディション、害虫や作物コントロール等を勉強します。


【気候とリスクマネージメント】
過去の気象データーをみながら、どの季節にどんな風が吹いて、どんな気候になるのかを調査したり、気象庁が出しているデーターを見て自分で統計をとったりしながら、今後の農場経営のためのリスクマネージメントを行います。


オーストラリアの典型的な気候がどのようなものかわからなかったので最初は大変でした。気候に応じた作物を作るタイミングや、50年後気候がどのように変わっていって、どのような作物が作れなくなるか、どの土地で作れなくなるかを調査しました。

調査から、気候の変化や塩害とか侵食のリスクがどんどん高くなっているということも学び、オーストラリアの農業状況について深く学ぶことが出来たのはとても興味深かったです。また、オーストラリアがもともと農業にむいていない土地ということもその調査から知ることが出来ました。

土壌の授業などでも日本とオーストラリア、2つの国を比較して比べられるので、学んでいてとても面白いです。

【人工授精】
免許がないとできないので、獣医さんを実際に招き、助手として手伝います。家畜を扱うので安全靴を履きますが、肥料まみれになったり結構大変でした。ですが、実際に直で学べるのは興味深かったです。


ディプロマコースは経営的な側面もあるので、作物を植えたりというより、経営する上で知っておかなければいけない知識、例えばリスクや予算案、ファーム経営プラン、家畜についてを学びます。ケーススタディーが多く、自分が農場を持った時にどういうことが起こるかということを学び予測するような勉強もします。


一年かけて行う”実験”

一年間で行わければいけない一番大きい課題が実験です。自分で1レーン与えられて、植物もしくは野菜を植えて、それについて調査が必要になります。

何を植えてもいいので私はアブラナやベッチというソラマメ属の植物を植えました。ベッチには根粒菌が共生していて、根粒菌は窒素固定するので、他の作物が育ちやすくなる傾向があります。ベッチを植えることで、根粒菌がどのように働くかの実験を行いました。


十分な栄養のある土の中で根粒菌を植えた際の菌の増加と減少を観察していて、’減る”という結果になり、2018年の終わりにレポートとプレゼンテーションを行いました。 他のクラスメイトは肥料の量の調整や有機肥料の効果、植え方による収穫量の違いなどを実験していました。

自分で自発的に学ぶオーストラリア流授業

オーストラリアの授業は、開始してから知ることがとても多いです。日本のように1から丁寧に教えてくれません。ローカルの生徒はそのような授業に慣れていますが、そのような学習方法にも慣れておらず、農業の知識もなかったので正直最初は戸惑いました。ですが、留学生みんなで協力しながら支え合ってやっています。

ローカルと留学生は約50/50。バックグラウンドはそれぞれなクラスメイト

授業は基本郊外で行われるので、郊外メインの生活になり、メルボルンの洗練されたキャンパスライフとはまた違います。不便な場所となるので、車は必須。こちらにきてすぐに車を調達し今は車通学しています。

実習することが多く、肥料まみれになったり、ヒヤッとすることも何度もありましたが、体を動かし、みんなと実習することはとても貴重な経験となっています。クラスメイトは約15名。少人数だけど、仲間が出来る環境で学べるので、毎日楽しくやっています。


クラスメイトのローカルのほとんどは、すでに農業に携わった人もしくは実家が農業の人が多いです。なので留学生はディプロマ後もバチェラーコース(学士号)に進む人が多いのに対して、ローカルはディプロマで終える方がほとんどです。オーストラリアは農業の人員不足なので留学生も多く学んでいます。

意外にびっくりするのが、男女の比率です。半々となり、ローカルは女子が多いのも、オーストラリアならではという感じがします。いろいろな方がいますが、皆それぞれに農業を学ぶ個々の理由があるのは、話していても興味深いです。

オーストラリアで農業を学ぶということ

オーストラリアらしい事を学びたい人にはとてもお勧めのコースです。ですが、精神的にも試されることは多々あります。

食べ物を育てる以上、直面しないといけない現実というものあり、例えば学期終わりに学校で育った牛をBBQしたり、害獣と見なされるうさぎが駆除される様子を目のあたりにすることもあります。農業で生きるということは、そういった心構えが必要で、そしてそれが当たり前の現実としてあるので、残酷な現実に目を向けるという意味でも覚悟して臨んだほうがいいと思います。ベジタリアン等、食事に関して制限のある人は出来ない職業であると、改めて感じました。

7月からは同じくメルボルン・ポリテクニックで、BACHELOR OF AGRICULTURE AND TECHNOLOGY(学士号)に進みます。将来的には北海道で学んだ事を活かしたり、食物や植物を扱う仕事などもいいなと漠然と思っていますが、ゆっくりとコースを学びながら考えていこうと思っています。

もともとは東京生まれ東京育ちなので、田舎でずっと勉強しているとうんざりする時がたまにあるので、学校が落ち着いたらメルボルンの市内も体験して、将来の色々な選択肢を視野に入れたいと思っています。

スタッフからのコメント

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豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I138)
メルボルンは、市内に行くとおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、少し車で走ると自然が広がるオーストラリアのいいところを凝縮した街です。様々な国籍の方と一緒に学んだり、働いたりできる機会がたくさんありますので、是非一度いらっしゃってください! このカウンセラーに質問する

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