
今回ご紹介するのは、幼少期から「サッカー」に明け暮れ、高校では化学や物理を専攻してきた「理系少年」だったYukiさん。英語は一からのスタート、特にスピーキングは「全く喋れない」という状態からオーストラリア留学へ飛び込みました。
語学学校から一歩ずつ階段を上り、ゴールドコーストにあるグリフィス大学の「Bachelor of Exercise Science(運動科学)」へ進学。いくつもの分厚い壁を乗り越え、ついに今学期に輝かしい卒業を迎えるYukiさんにお話を伺いました。
| Yukiさんの留学プラン |
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■インフォーラム・エデュケーション |
-日本の大学からオーストラリアへ留学を決めたきっかけを教えてください。

小学校からずっとサッカーをやってきたので、漠然とスポーツに関連したことを学びたいという思いがありました。勉強面では数学が好きで、高校では化学と物理を選択している完全な理系でした。それで日本の大学の応用化学科に進学したんですが、いざ入ってみたら「なんか自分には合わないな…」と感じてしまいました。
そんな時、父親の職場の繋がりで、グリフィス大学を卒業した方が身近にいたんです。そこで「日本だけじゃなく、海外の大学に行く道もあるんじゃない?」と提案してくれて。そこから一気にオーストラリア留学へと舵を切りました。
-もともと理系だったということですが、英語には自信がありましたか?
いえ、大学受験のためのリーディングとリスニングは結構頑張ってきた方なんですけど、スピーキングには全く触れてこなかったんです。だから、こっちに来て最初は私立の語学学校(インフォーラム)で一般英語から勉強したのですが、最初は英語を聞いて何言ってるか全然わからなかったですし、特にライティングとスピーキングは本当に難しかったですね。
-その後大学付属の英語コース「GELI」での英語の壁はどう乗り越えましたか?
GELIに進んでからは、一般英語とアカデミックライティングの違いに衝撃を受けました。IELTSのテストなどでは「I(私は)」や「You(あなたは)」を使って自分の意見を書きますよね。でも、大学のレポートは100%客観的でなければいけないので、一人称が一切使えないんです。
最初の課題でいつもの癖で「I think...」と書いたら、見事にバツにされてしまって。主観的な表現をすべて客観的な視点に変換するプロセスは、慣れるまで本当に大変でした。
-そこからグリフィスカレッジの「Diploma of Health Science(健康科学)」に進学されました。入学前にパスしなければいけない数学のテスト・Math Ready Quiz(MRQ)はどうでしたか?
入学前の数学テストは簡単です。日本の高校レベルなので、高校時代にしっかり数学を学んでいれば問題なく解ける内容でした。
-専門の授業で大変だった科目はなんですか?
「解剖学(アナトミー)」です。本当に過酷でした。専門用語だらけで、最初は先生が何言ってるか本当にわからなくて。日本語でも難しい解剖学の用語を、すべて英語でイチから覚えなきゃいけないんです。最初は単語をいちいち日本語に訳して、意味を理解するだけで膨大な時間がかかっていました。
テストは完全にガチの暗記ベースです。「この筋肉の名前を答えよ」みたいな問題をひたすら埋めていく形式。なので、24時間開いている大学の図書館に夜遅くまでこもり、徹夜で人体模型と睨めっこしながら必死に頭に叩き込みました。
アナトミーは2科目取らなければなりませんでした。最初は骨格や筋肉の一般的な名前から始まり、次は心臓などの内臓器官(生理学的なアナトミー)。さらにレベルが上がると、骨や筋肉に加えて、そこに通る動脈、静脈、神経まで全て完璧に覚えなければなりませんでした。
あと一番衝撃的だったのが、アナトミーの授業で使っていた大学のラボにある「人体模型」が、実は寄付された「本物の献体(綺麗に処理されたご遺体)」だったということ。かなり後にクラスメイトに教えてもらい、驚きました。
自分でメスを持って解剖するわけではないですが、本物の献体を見ながら、ステーションごとに現地の指導者から「これがこう繋がっているんだよ」と教わる形式でした。ただでさえ専門知識を英語で覚えるのが大変なのに、視覚的にもリアルで、本当にヘビーな環境で学んでいるなと肌で感じましたね。

-日本で理系だったことで、現地の勉強で役立つことはありましたか?
はい、Diplomaで学ぶ基礎の化学や生物などは日本の高校生レベルで、自分が元々得意としていた分野だったので比較的簡単にクリアできて、最高評価(High Distinction)をもらえました。
あとは理系だったおかげで、ローカルの友達が増えたというメリットもあります。化学・生物の好成績に加えて、必死にしがみついて受けた、例のアナトミーのテストで、なんと学年の「上位4人」に入ることができたんです。
貼り出された成績を見た周りの現地の学生たちが「え、Yuki、トップ4に入ってるじゃん!」って気づいて。そこから、ローカルの学生から「勉強教えてよ!」と言われることも多くなり、距離がグッと縮まりました。
実は、Diplomaに入った当初は現地の学生とのカジュアルな会話にめちゃくちゃ壁を感じていたんですが、1つ壁が崩れるだけで一気に関係性が近くなりましたね。
授業以外でもこうやって現地の学生たちとコミュニケーションを繰り返したことで、結果的に自分の実践的なスピーキング力が大いに鍛えられました。Diplomaのコースが30〜40人程度の少人数制で、ずっと同じメンバーで授業を受ける環境だったことも幸いして、クラスメイトとは深い信頼関係で結ばれた親友になれました。日本で必死に勉強してきた「科学の知識」が、ただ単位を取るためだけじゃなく、現地の学生との壁をぶち壊して一生モノのコネクションを作るための最強の武器になりました!
<⚫︎ カウンセラーからの一言Health系のプログラムを学ぶほぼ全ての学生の壁となるのが、解剖学(アナトミー)。現地で留学サポートしていても、アナトミー大変!という声をたくさん耳にします。Health系のプログラムに進むことが決まっている方は、できる限りアナトミーの知識を入れておくと良いでしょう またYukiさんのお話を聞くと、日本の高校で理系科目をしっかり学んでおくことの大切さがわかりますね。 |

-大学(Bachelor)へ進学し「Exercise Science(エクササイズサイエンス)」を本格的に学ばれていますが、カリキュラムの魅力はどこにありますか?
小学校からずっとサッカーをやってきたので、自分のベースにある「理系の知識」と「大好きなスポーツ」を掛け合わせたいと思ったんです。スポーツマネジメントのようなビジネス系も迷ったのですが、自分の強みを最大限に活かせるこのコースを選んで本当に正解でした。
グリフィス大学のプログラム構成はすごく合理的で、前の学期で習った基礎知識を、次の学期でリマインドしながらどんどん実技に応用していく実践的な内容です。

また3年目になると一気に実技が増えます。例えば「クリニカルエクササイズ」という授業では、運動前に患者さんのスクリーニングをして、血圧や心臓、肺の機能を実際の医療機械を使ってテストする実践的な内容をやりました。
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⚫︎コース紹介:Clinical Exercise Testing(3004AHS) 運動負荷テストの理論と実践を網羅する重要科目です。健康な人から慢性疾患のリスクを抱える人まで、安全かつ効果的に心肺機能や代謝機能、血圧などを測定・評価するための医療機械の操作技術を学びます。事前スクリーニングやテスト結果の科学的分析法など、臨床現場で即戦力となるスキルを身につけます。 |
「スポーツニュートリション(スポーツ栄養学)」もめちゃくちゃ面白かったです!ただ、最後の期末テストで50%以上取らないと、それまでの成績がどんなに良くても一発でフェール(落第)になるという厳しいルールがあって、クラスの半分くらいが落ちてしまったのは衝撃でしたね。(自分は受かりました)
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⚫︎コース紹介:Exercise and Sports Nutrition(3138AHS) 運動パフォーマンスの向上、リカバリーの促進、そして日々の健康維持における「栄養」の役割を科学的な視点から解き明かします。エネルギー代謝のメカニズムや水分補給戦略、サプリメントの有効性と安全性について深く学ぶほか、アスリート個人の目的に合わせた具体的な食事計画の策定プロセスを習得します。 |
-プログラムの一環として、実際の現場で働く「プレースメント(実習)」もあるんですよね。
はい、現在は民間(プライベート)のリハビリクリニックで合計140時間の実習をこなしています。大学側が提示してくれたリストから希望を出して決まったのですが、今は木曜と金曜にフルタイムで入っています。
現場では、フィジオセラピスト(理学療法士)などが作成したリハビリプログラムを患者さんが行う際、私たちが横についてフォームのテクニックやテンポ、スピードなどを厳しくチェックします。
患者さんはオーストラリア人だけでなく、世界中から来られるので発音もバラバラ。カジュアルな雑談をするだけでも最初は本当に難しかったです。でも、現場のスーパーバイザーが「今の動き、解剖学的にどうなってる?」と専門的な質問を容赦なく投げかけてくれるので、大学でインプットした知識を120%アウトプットする最高の勉強の機会になっています。
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⚫︎コース紹介:Exercise Science Practicum(3006AHS) 大学で学んできた理論と実践スキルを、実際の医療・スポーツ現場で応用するための必須実習科目です。プロの専門家の監督のもと、認定施設で規定時間(140時間など)の実務を経験します。クライアントの評価、プログラム設計、指導、そしてプロとしてのコミュニケーション能力を磨き、卒業後のキャリアへ直結させます。 |

-ずっとゴールドコーストにお住まいですが、生活環境や家探しはいかがですか?
ゴールドコーストは都会すぎず、一歩出れば最高の自然があるので、ゆったりした空気が自分にめちゃくちゃ合っています。
今はサーファーズパラダイスのトラム(路面電車)の駅近のアパートでシェアハウスをしています。探し方は「Flatmates」というサイトを使うのが一番おすすめです。大学へのアクセス、トラムの駅、スーパーが近いかを重視して探しました。
今の家は週275ドルで平均より安めですが、敷地内に屋外プール、サウナ、ジムがついていて環境は最高です!
大学がない時はアルバイトをしたり、少し前までは現地のサッカーチームでプレーをしていました。(今は勉強が忙しくて休止中)

-アルバイトと勉強の両立についても教えてください。
アルバイトは語学学生時代から何かしらずっと続けています。今働いているところは大学の友達の紹介で始めました。オーストラリアは学生ビザの就労制限(学期中は2週間で48時間まで)があるので、夏の長期休みにガッツリ働いて、次の学年の生活費を貯めています。家賃などは、親に頼らずすべて自分で稼いで払っています。
平日は大学の図書館にこもって「完全に勉強モード」、土日は「完全にバイトモード」とスケジュールをパキッと分けるのが両立のコツです。家だとダラダラしちゃうので、強制的に大学に行って集中しています。
-卒業後の目標やキャリアプランを教えてください。
卒業後は、まずは卒業生ビザを確保してオーストラリアに残る予定です。大学から定期的に求人情報のメールが届くので、まずはエクササイズサイエンスの業界に飛び込んで現場のキャリアを積みたいです。
ゆくゆくは、さらに上の資格である「エクササイズ・フィジオロジスト(運動生理学者)」や「フィジオセラピスト(理学療法士)」を目指して、大学院でさらに勉強を進めたいなと考えています。エクササイズサイエンスは主に健康な人が対象ですが、フィジオの領域になると、疾患のある方の診断や慢性期のリハビリまで扱えるので、より深く人の身体を支えられるようになりたいです。
日本に帰国する際には、英語力と専門知識・現地での就労経験を活かして、スポーツ界やサッカーの現場で通訳やトレーナーとして関わっていきたいですね。
-最後に、これからオーストラリア留学を考えている日本の若者、そして温かく送り出しようとしている保護者の方へメッセージをお願いします
留学を考えるとき、無難でイメージしやすいコースを選びがちだと思います。でも僕は、「日本であまりメジャーではないコースや、ニッチに特化したい学問こそ、オーストラリアに来て勉強するべき」だと伝えたいです。
グリフィス大学には、僕が学んでいるエクササイズサイエンスや、友人が学んでいる犯罪心理学など、日本の大学にはまだ少ないコースが開講されています。だからこそ、ここで学ぶことで帰国後も現地の就職でも、圧倒的にライバルが少なくなります。
オーストラリアの大学は正直甘くありません。何度も壁にぶち当たります。でも、この厳しい環境でいくつもの壁を乗り越え、現地の学生と対等に渡り合って培ったコミュニケーション能力は、将来どこに行っても「絶対に負けない強み」になります。
もし予定通りにいかないことがあったとしても、「英語で専門的な学問を修めた」という事実が人生の強力なバックアップとして一生残り続けます。 迷っているなら、ぜひこの最高の環境へ飛び込んできてください!

語学学校に通われていた頃から見守らせていただきましたが、ついに大学卒業の目前まで辿り着きましたね。
オーストラリアの大学、しかも日本人が少ない「Exercise Science」というハードな理系分野に飛び込まれ「Thrive(大活躍)」している姿は、本当に素晴らしいです。日本での理系の地盤を活かし、それを英語という武器に変えて現地に溶け込んだのは、他でもないYukiさんの毎日の努力の結果だと思います。
学業と仕事を完璧に両立して自立した留学生活を送った経験は、これからの人生において何にも変えがたい最大の財産になります。ここまでの壁を乗り越えてきたYukiさんなら、これから先の道も、間違いなく切り拓いていけるでしょう。
どこまでも広がるYukiさんの可能性とこれからの未来を、これからもずっと応援しています。夢に向かって、そのまま突き進んでいってくださいね!
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