【体験談】お祈りメール続きから、外資コンサル内定まで。高専卒・シドニー工科大学生が語る就活戦略

Takumaさん | シドニー | University of Technology Sydney | Computing and IT
日本の高専からシドニー工科大学(UTS)へ進み、見事、外資系コンサルティングファームから内定を獲得したTakumaさん。
前回の体験談「留学準備・大学生活編」に続き、今回は待望の「就職活動編」をお届けします。
海外大生の登竜門「ボスキャリ」で、いかにして13社もの選考を管理し、名だたる企業から内定を勝ち取ったのか?
Notionを使ったタスク管理、面接官を唸らせた決算書分析、そしてお祈りメールを乗り越えるメンタル術まで。独自の分析と徹底した事前準備でキャリアを切り拓いた、リアルな就活のプロセスに迫ります。
Takumaさんの留学・就活プラン

2023年3月 高専(高等専門学校)卒業

2023年7月 UTSカレッジ進学準備英語コース(20週間)

2024年2月 UTSカレッジDiploma of IT入学(1年間)

2025年2月 シドニー工科大学(UTS)Bachelor of IT 2年次へ編入

2025年8月〜11月 ボスキャリに向けた就職活動(内定獲得)

2026年12月 シドニー工科大学(UTS)卒業予定

2027年4月 外資系コンサル入社予定




就活のスタート|最初の不採用からボスキャリへの道のり

就職活動はいつ頃、どのように始めましたか?
動き出したのは8月上旬ですね。きっかけは、口コミサイトの「OpenWork」に登録していたところ、世界的な消費財メーカーから海外大生向けのスカウトが届いたことでした。「そろそろ就活の時期か」とスイッチが入りました。 「消費財は安定しているし、ITなら業務も大変じゃないだろう」と思って受けたんですが、一発目の面接で見事に落ちました。でも、そこで「なんで落ちたか」を徹底的に分析し、本腰を入れてボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム)の準備を始めました。

ボスキャリの前に、シドニーで開催される「シドニーキャリアフォーラム(8月頃)」には参加しましたか?
僕はボストンに狙いを定めていたので行きませんでしたが、これから就活の方には「本命をボスキャリにするなら、シドニーキャリアフォーラムに行って『ウォークイン』にチャレンジすること」を強くお勧めします。ウォークインとは、事前のオンライン選考を受けず、当日に直接企業ブースへ行って履歴書を出し、その場で面接枠をもらう飛び込み参加のシステムです。
事前の下調べが少ない状態で挑むことになるため合格率は下がると思いますが、目的は「面接の練習」と「落ちる経験(メンタル耐性)」を積むためです。面接は、数を打つと「今回は熱意をアピールしてなかったから落ちたな」といった感触が自分で分かるようになり、次に活かす最高の練習になります。

メンタル管理術|お祈りメール続きの挫折を乗り越える思考法

お祈りメール(不採用通知)を受け取ったときの心境はどんな感じ?
頭では分かっていても、実際にお祈りメールが立て続けに来ると、「こんなにずっとお祈りされて、なんだ俺は神か何かか」って本気で思うくらい、結構心に来るんです。 本命のボスキャリ本番でそのメンタル状態になってしまうと危険なので、シドニーの段階で早めに「落ちる経験」をして耐性をつけておくことは、就活戦略として非常に有効だと思います。

お祈りメールが続く中、どのようにモチベーションを保っていたのですか?
趣味で聴いていた「ゆる言語学ラジオ」という番組で、「自己肯定感と自己評価は違う」という話を聴いて、それがすごく腑に落ちたんです。就活で落ち続けると「自分という人間が否定された(=自己肯定感が下がる)」と錯覚しがちですが、実はお祈りメールは「今の自分の能力や企業とのマッチ度が評価されなかっただけ(=自己評価)」なんですよね。この2つを明確に切り離して考えるようにしたことで、「自分自身の存在価値が否定されたわけではない」と割り切れるようになりました。

タスク管理術|「Notion」活用法

ボストンキャリアフォーラム会場

ボスキャリに向けたスケジュールと、タスク管理はどのようにしていましたか?
ボスキャリ自体は11月の金土日にボストンで開催されますが、実際にエントリーが始まるのは9月・10月です。現地に行ってから一次面接が始まるわけではなく、一次面接は事前にオンラインで行い、受かったら「じゃあ2次面接からボスキャリの現地でお会いしましょう」という流れになる企業がほとんどです。早めに動き出し、「CFN(CareerForum.Net)」で情報を逐一確認することが絶対に必要です。

僕は最終的に13社にエントリーし、8社ほど面接を受けました。企業がいっぱいあるので、「Notion」のテーブル機能を使ってリスト化し、「最新の締め切り順」に並び替えて管理していました。一番上にあるタスクが終わったら列を変える、という方法です。

多くの企業の選考を並行する中で、失敗や反省点はありましたか?
はい、大きな反省点として適性検査(SPI)を軽視してしまったことがあります。コンサル特有の難易度の高い面接対策ばかりに集中しすぎて、SPI対策を後回しにした結果、ある企業の選考で落ちてしまいました。SPIは短時間でも対策すれば合格ラインに届くと言われているからこそ、その少しの準備を怠って落ちてしまったことが本当にもったいなく、足切りを舐めてはいけないと痛感しました。

いざ迎えたボスキャリ本番の3日間は、順調に進みましたか?
実は、別の外資コンサルティングファームで痛恨のミスをしてしまったんです。10月15日が履歴書とオンライン適性検査の締切だったんですが、過去の適性検査のトラウマでギリギリまで対策をしていました。いざ当日に受けようとしたら、オンラインなのに前々から予約が必要とわかり、期限内に受けられず現地ボストンでの「ウォークイン(当日飛び込み参加)」になってしまいました。

エントリーシート(ES)と自己分析

エントリーシート(ES)や自己分析はどう対策されましたか?
ESは、別企業の選考対策セミナーに参加し、「自分がいかに優秀かをアピールするのではなく、企業に入って何をしたいかが重要」「ESで全てを語り尽くすと面接で深掘りされなくなるので、あえて穴を残して面接で聞いてもらうようにする」といったESの本質的な考え方を学びました。

そして自己分析については、最初は「ワークライフバランス」を重視していたんです。でも、高専時代を振り返ると、めちゃくちゃ忙しい時期もあったのに、苦しそうにやっていたわけではなく楽しくやっていた感覚があったんですよね。それに気づき、必ずしもワークライフバランス重視でなくても良いと方向性を修正しました。 自分がどういう人間で、どういう働き方をしたいのか、常日頃から客観的に振り返っていたので、就活の自己分析にはそこまで時間をかけていません。

企業リサーチ術|「決算書」をチェック


企業リサーチはどのように進めましたか?
企業数が多すぎて何を調べていいか分からない壁にぶつかり、父親に「業界の先輩」としてアドバイスを求めました。 父からは「従業員数、採用人数、会社の立ち位置、組織体系、事業内容、そして自分の強みをベースにキャリアを築けるか」を調べるよう助言を受け、決算資料(IR)、YouTube、企業のHPを徹底的に調べ上げました。
志望度の高い企業は、決算資料を以下の「過去・現在・未来」の3点で徹底的に読み込みました。

  1. 過去(事業報告): どの事業が「何をしたか」を確認し、逆質問のネタにします。何をしたかは書いてあっても「なぜその決断をしたのか」は書かれていないため、そこを面接で深掘りすることで意欲をアピールします。
  2. 現在(事業別売上収益): 収益の柱を確認します。例えば「情報インフラ志望」なのに、その売上が全体の数%しかなければ志望理由の説得力が薄れ、ミスマッチになります。
  3. 未来(今後の展望): ここが一番重要で、自己アピールに使います。例えばSIer(システムインテグレーター)の開発職の場合、「私たちの注力領域はセキュリティです」「現在海外に対しての売上低迷が課題となっています」と明示されている部分に対し、「御社は今後こう展開すると記載されていましたが、私は自身の経験や知識をもってこう貢献できます」と提案します。
ボスキャリを通して実感したのは、ここまで決算資料を読んでいる学生は少ないということです。
面接でこれをベースに逆質問をした際、驚いた表情をされる面接官の方がいらっしゃいました。これが強力な差別化になったと思います。

職種選びについて

もともとITの技術力もありますが、なぜエンジニア(開発職)ではなくコンサルタントを選んだのですか?
ここは自分の中で明確な線引きがあります。開発職には「才能」が必要だと思っているんです。 僕の分類では、エンジニアには2種類の人間がいます。「やればできるけど、自分で作りたいものが特にあるわけではない人」と、「作りたいものがあって、ずっとコードを書いている人」です。

後者のような没頭型の天才たちを見てきて、「あ、敵わないな」と痛感したんです。日頃からコードを書き続けてノウハウが溜まっている彼らは、「何か作って」と言われた時に「あ、それもうできますよ」とサッとやってしまうんです。自分のように「じゃあ、作るためにこの言語が必要だから学びますね」と後から対応する人間とは全然違う。そういう人たちと技術一本で戦うのは厳しい。それならば、技術的なバックグラウンドを持ちつつ、コミュニケーションを主軸にして技術革新や課題解決を行う「コンサルタント」の方が、自分の強みが活きると考えました。

その職種選びにおいて、お父様からの決定的なアドバイスもあったそうですね。
はい。エンジニア職に絞るか悩んでいた時期に、父から言われた言葉に最もハッとさせられました。 「自身のバックグラウンド(技術)はあくまでベースであり、本質はその分野で身に着けた考え方(ソフトスキル)だ」と。 プログラミング等のハードスキルは必要になれば後からでも習得できますが、論理的思考や言語化能力などのソフトスキルは長い時間をかけないと身につきません。その強みを活かせるコンサルタント職への確信が持てました。この父からの言葉がなければ、コンサルファームに応募しようとも思っていなかったと思います。

面接への向き合い方

選考に向けて、事前の対策もかなり徹底されていたのですね。実際の面接で圧迫感を感じることはありましたか?
いえ、全くありませんでした。フェルミ推定やケース面接の対策、各社ごとの問答作成など、やるべき準備はすべてやり切っていたというのもありますし、日頃から父親とは業界の先輩としてずっと話をしていたので、面接も「先輩との対話」として楽しめました。 また、我が家の教育方針として、父が選択肢は提示してくれますが、最終的に「何を選ぶか、なぜ選ぶか」は常に自分自身が決めてきました。

「なんで高専?」「なんで留学したの?」「なんでこの会社?」
——すべての決断に明確な理由があるので、面接で深掘りされても「私はこう考えたからです」と迷いなく即答できました。

なぜ、最終的に現在の内定先の「サイバーセキュリティ部門」を選んだのでしょうか?
理由は明確で、「今後も確実に伸び続ける分野だから」です。日本の政府の動きを見ても需要が高まるのは承知していましたし、実際に楽天モバイル、アスクル、カクヤスといった大企業がサイバー攻撃を受けて甚大な被害を被っている事例も知っていました。これからの社会インフラとして、その重要性は尽きないだろうと確信して選びました。

【POINT】Takumaさんの「面接対策やることリスト」


  • フェルミ推定: 全難易度しっかり目を通して考え方を身に着ける。
  • ケース面接: 概要をしっかり調べて対策。(※ケース面接とは、フェルミ推定などで行った市場規模の推定に対して「どのように売り上げを伸ばすか」の提案を行うフェーズ)
  • 問答作成: 各会社によって話す内容の洗い出し。過去の面接記録を参考にオリジナルの問答を作成する。

高専時代の自分へ伝えたい「決意と熱意」


最後に、就職後のキャリアを通じた「5年後のビジョン」と、もし進路に迷っていた「高専時代の自分」や留学を考える後輩に声をかけるとしたら、どんなメッセージを送りますか?
「サイバーセキュリティを用いた社会の基盤を支えるプロフェッショナル」になりたいです。AIによるDX化は急速に進んでいますが、それらはすべて「セキュリティが確立されていること」が大前提です。ここが脆弱だと社会的な信頼を失い、深刻なリスクを招きかねません。社会のインフラであるサイバーセキュリティを通じて、企業のビジネス課題を解決したいと考えています。

留学について検討していた当時の自分、そしてこれから留学を考える後輩に声をかけるなら、「しっかり親と相談して、調べ上げて、決意をもって選択してください」ですね。留学にはお金がかかります。親を説得するためにも、熱意の裏付けとして自分なりにしっかり調べることが大切です。精度よりも熱意です。人生の先輩である親からは、自分が考えつかない情報や知識を得られます。リスクとリターンを理解し、納得した上で選択すれば、万が一問題が起きても対応の質が変わってくるはずです。

Takumaさんの就活についてインスタでも公開中

スタッフからのコメント

Takumaさん、本当にお疲れ様でした。

Takumaさんのお話から学べる最大のポイントは、単にITのスキルが高いから内定を獲得できたわけではなく、客観的な「自己理解」と、面接官が驚くほどの「企業リサーチ」をやり切った行動力にあります。 そして何より、ご自身の進路について「しっかり調べ上げて、決意をもって選択する」というブレない軸があったからこそ、UTSでの留学はもちろん、その後の就職活動でも迷いなく進めたのだと思います。

「自分の経験を共有して、誰かの役に立ててほしい」と語ってくれたTakumaさんの真っ直ぐな想いが、次に続く後輩たちの背中を力強く押してくれると確信しています。

UTS卒業まで残すところあと1年弱ですね。
サイバーセキュリティのプロフェッショナルとして社会の基盤を支えていくTakumaさんのこれからのご活躍を、心より応援しています。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号G175)
シドニー滞在歴15年を経て、現在東京オフィスで留学コンサルタントとして 皆さんのオーストラリア留学実現へ向けてサポートしています! 現地での滞在・進学経験を踏まえて、皆さんのご留学へむけての不安を解消して安心して出発の日を迎えられるよう、アドバイスしています。 まずはお気軽にご相談下さい! このカウンセラーに質問する

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