【体験談】農業大国オーストラリアで学ぶ農学【学士号編】

日野光太郎さん | メルボルン | Melbourne Polytechnic | Agriculture | 2年
メルボルン・ポリテクニック・TAFEのBachelor of Agriculture and Technologyを2021年6月に修了された日野さん。

まずはDiplomaから開始し、その後同校のBachelorコースに編入されました。

日野さんの留学プラン
・日本の高校卒業
  ↓
・2017年7月〜 
メルボルン・ポリテクニック・TAFE付属語学学校に25週間就学
  ↓
・2018年2月〜2019年6月:Diploma of Agriculture受講⇒修了
  ↓
・2019年7月〜2021年6月:Bachelor of Agriculture and Technology受講⇒卒業

Diplomaコースの体験談も以前頂いてますので、ご覧ください!
「農業大国オーストラリアで学ぶ農学 【Diploma編】」

今回はバチェラーコースとディプロマコースの違いや、大学在学中の様子や教科について詳しくお聞きしました!

Bachelorコースについて

無事Diplomaコースを終え、Bachelorの2年目からスタートしました。Diplomaからのパスウェイであったことや、すでに2月の開始学生にあわせたカリキュラムになっていたこともあり、選択教科の選択はほとんどなく、数教科以外は定められた教科を取りました。ローカルの学生だと、馬学などの選択肢もあるみたいですが、馬学は留学生には提供していませんでした。

専攻が選べたので、Agronomy(農学)を選びました。高校の時から生物も含めた理系が少し苦手なところもあったので、少し心配していたのですが、Bachelorの授業内で生物や理科の基礎も科目として入っていたので、問題なく授業についていくことが出来たし、あまり数学要素を求められなかったのもよかったです。

なので文系の私でも、高校で勉強したことを再度思い出して復習しながら学んでいけたのはとてもいい点だと思います。

インダストリー・プレースメントについて

授業内にインダストリー・プレースメントが単位として含まれていて、農業企業に190時間働くことができます。有給無給は働く場所によりますが、ボランティアでもいいし、アルバイトという形でも可能です。


学校でも紹介しているのですが、私はメルボルンに叔母がいるので叔母の知り合いに紹介してもらったオーガニックファームに行きました。一日中働いていたので、プレースメント日数としては20日位でした。車で往復2時間、10時間働くという感じの生活です。

この農家では、20種類程の野菜を育てていて、毎週ファーマーズマーケットで売っています。学校では穀物や家畜の勉強をしていたので野菜はあまり勉強しなかった為、現場での体験はとても勉強になりました。


規模的には小規模ですが、扱っている野菜は多いので労働力で生産量が決まります。肥料もオーガニックなのであまり規模も広げられません。ではどうやって利益を得るのかというとブランド化して高く売るなどのビジネス戦略を強くしないといけません。オーガニックビジネスがビジネスとして成功する為には、たくさんの課題があることも学べました。

プレースメントは教科の一部なので、単位をもらう為プレゼンとレポートも必要でした。レポートは問題を定義して、その問題をどうやって解決するかを書きます。今回私は市場調査をし、小規模だったらいくら位で利益を出せるのか、そして需要と供給のバランスの見極め方など、経営戦略についてのレポートを書きました。

Bachelorで学んだ教科について

私がこのBachelorコースで履修した教科です。

Pestilence and Plague【伝染病と疫病】
植物の病気と害虫の対処の勉強をする基礎科目です。どういう害虫がいるのかや、寒天培地の方法(植物の病気になった部分を培養して、菌をわざと繁殖させて、どういう菌があるのか、寒天の上で研究すること)や病気についてを学びます。


Plant Physiology【植物生理学】
最初は中高の生物の授業から入り、どんどん詳しい植物に限った生物学に発展していく授業です。私にとっては一番大変だった授業かもしれません。

この授業では、実験が丸2日にわたって行われ、全部で10の実験をグループで行います。当日にマニュアルを渡されみんなで実験をやりながら、その日の内にレポートを仕上げて提出するという割と過酷なスケジュールでした。

マニュアルも渡された時に読む必要があり、実験している時にもノート取ったり、実験中もみんなで話し合ったり、レポートも書いたりなど、とりあえず忙しくてやることもいっぱいでスピード感のある授業でした。自分の理解も追いつかせながらレポートを仕上げていくことに苦労しました。

この授業のアセスメントは、テスト結果も40%考慮するので、アサインメントだけでなくテストで点数を上げることに特に力を入れました。

私の性格上、難しい教科にはより力をいれるので、結果的にはいいグレードをとれたのはとても嬉しかったです。

Livingsystem2【生物学2】
生物の仕組みや発展を学びました。英語文は理解できても内容がわからないことがあったので、日本語で説明された本を買ったことで理解が深まりました。


Applied Genomics and Plant Breeding【ゲノミクスと植物改良】
遺伝学です。最初は遺伝と細胞について学びます。本来は実験がある教科ですが、オンライン授業で出来なかったため、録画したものをみてレポートにまとめました。今話題のPCRの基礎についても学び、遺伝子組み換えについての勉強もしました。

Ecological systems【生態系】
Pointcookという場所に遠足(実地研修)に行って、沼で微生物のサンプルを取ったり、生態系の勉強をし、発表したりします。本来もっと実地研修がありますが、私の時はコロナで少し減っていました。

Statistics and Experimental Design【統計と実験計画】
主に統計学の基礎と統計がどういうものなのかを学びますが、メインは統計ソフトの使い方です。この統計ソフトは最後にやる研究に使うことになるので、その準備の科目でもあります。
最終テストとしては、ある例を出されて、それを統計システムを使って、分析して、最終結果を出し評価されました。結構苦労した授業のひとつでした。

Environmental management【環境影響評価】
人間の開発が地球環境や人間にどのような影響を及ぼすかについて学びました。
ケーススタディーも多くて、最終的にはそのケーススタディーから、今後引き起こると考えられる環境に及ぼす影響についてレポートの提出をしました。

Agronomy2【農学】
本来は学校の農場で実験するのですが、今回はオンラインで、肥料について評価しました。シュミレーションを使って、作物の分析方法を学びました。農学は幅広いので、土壌、作物の種類、疫病等も幅広くカバーします。

Integrated crop management【統合作物管理】
穀物と家畜の混合農業について学びます。利益的にもリスク的にもやりやすい統合されたビジネスのやり方を勉強します。

Restration of Aquatic Hbitat【水生生物の濾過】
選択科目で選んだ科目でこれはAquacultureで、水産学を学びます。川、海、湖の問題や水生環境の回復について学びました。

Filiel trip(実地研修)でPortphillip湾に行ってサンプルをとったり、外来生物(わかめ、昆布、うに)の問題を特定してその問題を考えたりしました。


最初はこういったAquacultureは日本のほうが学び甲斐があるかな、と思っていたのですが、学び始めると結構興味深く、オーストリアの水産産業に興味がでるような内容でした。

例えばウニがとれてもオーストラリアでは使い道がないので、その商業利用についてや可能性について考えたりしました。

私が勉強したメルボルン・ポリテクニックTAFEは、アクアカルチャーも専攻出来、この分野には強く、小さいですが養殖所も所有しています。最初は興味がなかったのですが、学ぶ機会が出来たのはとてもよかったです。

Applied research project1&2【リサーチプロジェクト】
自分で研究内容も決めて1年間でやる卒論(最終研究)です。先生もスーパーバイザーとして一人つきます。

ほとんどのクラスメイトが、卒業生の研究を引き継いだり、先生にいわれたものをやっていたみたいでしたが、私はDiplomaコースの時に豆を育てていたので、そこからヒントを得て、ビクトリア州の豆化作物の生育の実用性をシュミレーションする研究を選びました。


その豆から何トン小麦がとれるか等、シュミレーション出来るモデルと現実を比べて研究発表しました。ビクトリア州でこういうことを調べている人はまだいなくて私が初めてだったみたいです!

統計学的にはシュミレーション出来るけれど、生物学的には差があったというような結果でしたらが、結果が全てではないですし、それを突き詰めていく経過というのが楽しく、調べたことに意義があったと思います。

メルボルン・ポリテクニックTAFEでBachelorを勉強してみて

ディプロマから同校で勉強をしていますが、Bachelorコースに進んでからとてもアカデミック的に厳しい環境になりました。一つレポート書くのにも、盗作チェックや文章のチェックもありますし、レポートの仕様もすごく厳しくなりました。

アサインメントを提出する際に、盗作チェックのシステムにも提出もするので、何%類似性があるのかが出ます。ある一定の基準をこえると口頭審問にかけられる可能性もあるので、注意する必要があります。

Bachelor開始時には、Academic integrityという教科があるので、そこで大学レベルで必要になる論文のテクニックを学べます。

TAFEではアカデミックサポートもあるのですが、いつも期日ギリギリの提出だったのでサポートをしてもらう余裕は私はなかったので利用したことはありませんでした。ただ、期日1週間前だったら、先生もチェックしてくれます。

アサイメントは、多くの教科で纏まって同じような時期に課題が出されることも多く、期限もその後1−2週間以内の提出なので、いつも必死でした。

メルボルン・ポリテクニックTAFEの農学コースは内容も多岐カバーされていて、実地も本来ならたくさんありますので、お勧めです!

先生はビジネスを持っている人も多く、今現時点のリアルタイムの問題点を教えてくれるのは興味深かったです。研究者というよりは、実地経験の多いタイプの先生達なので、大学で学ぶよりも実戦的な授業内容になっていると思います!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I138)
メルボルンは、市内に行くとおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、少し車で走ると自然が広がるオーストラリアのいいところを凝縮した街です。様々な国籍の方と一緒に学んだり、働いたりできる機会がたくさんありますので、是非一度いらっしゃってください! このカウンセラーに質問する

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