【体験談】メルボルン大学ファウンデーションコース 私は実際にこんな勉強をしています!

上村 明子さん | メルボルン | Trinity College
メルボルン大学進学を目指し、トリニティカレッジのファウンデーションコースで勉強中の上村さん。

本来であれば現地キャンパスにいるはずですが、コロナ禍で渡航ができず日本からオンラインで授業を受けています。

ファウンデーションでは合計5科目を勉強し、英語(進学英語・ドラマ・英文学)と思想史が必修科目、そしてメルボルン大学で学びたいコースに合わせて3科目の選択授業があります。

上村さんにファウンデーションコースで学ぶ実際の科目や勉強のコツ等を伺いました。また、コロナ禍で先行きが不透明な中、海外進学を目指す高校生にメッセージも頂きましたのでご覧ください。

上村さんが感じるオンライン留学のメリット・デメリットやファウンデーションの1週間の時間割は、上村さんのブログ「あっきーの人生勉強BLOG」に詳細がありますのでご参照ください。



進学英語(English for Academic Purposes:EAP)


大学で使うアカデミック英語を学ぶ授業で、1学期はエッセイライティングを学びました。

大学ではエッセイもたくさん書くので、その基礎的な部分を学んでおり、全く知らないことも多くあります。例えば、本文中で他の文献を引用する時、著者の名前の書き方等々細かく定められています。

今は学んでいるのは、ある物事に対してのカウンターアーギュメント(反対意見)の書き方です。

授業では先生の説明と、クラスメートと指定された文献に何が書かれていたかをディスカッションしたり、引用の仕方が正しいかどうかチェックしあったりしています。

課題の1つに1000文字のエッセイがあり、3つのトピックの中から選んで書きます。私は「留学生の勉強とメンタルヘルスの影響」を選びました。先生が参考文献を紹介してくれるので、それを参考にしながらエッセイを仕上げていきます。

エッセイに関係したプレゼンテーションやディベート、そしてグループエッセイ等も今後あります。

授業を乗り切るコツは、引用の仕方とリファレンスが一番難しいので何度もチェックをする必要があります。特に外国人の名前がよくわからなくなったり、引用の仕方によって姓名を逆に書いたりと、結構混乱しますし確認にも時間がかかります。

あとは、参考文献を読む量が多いのでコツコツ進めないと大変なことになります。

ドラマ(Drama)


ドラマは、英語でのコミュニケーションスキルや英語で話すことの自信を身につけるための授業です。

1学期目の授業内容は、例えば、10編くらいのポエムの中から1つを選び、その内容を演じて録画したものを先生に送りました。モノローグと呼ばれるものです。録画したものは、カメラワークも自分で考えることができますし、編集で音楽を入れることもできます。

ポエムは自分で演じますが、グループに分かれてお互いアドバイスをし合います。でも、先生は100人くらい学生がいる中で、活発な意見交換があるのは私がいたグループくらいだったと言っていました。

学期末の試験では、ポエムを暗記してライブで先生の前で演じます。

授業を乗り切るコツは、吹っ切れること、周りの目を気にしないことです。黒歴史をつくりました(笑)

個人的にはオンライン授業だと、誰もみていないので、気にしなければ思い切り演じることができます。対面だと他のクラスメートの目線があるので、かえって緊張してしまうかもしれません。

ちなみに、次の課題はグループ課題になり、自分たちでテーマを決めて抽象的に伝えたいことをその演技の中に内包して表現します。グループはくじ引きで決まるので、次のグループもやる気のある人たちが揃うことを願うばかりです。

※上村さんに、録画したものをブログにアップしませんか?とお願いしましたがNGでした。

英文学(English Literature)



1学期目はポエムと小説”The Haunting of Hill House”の分析等を行いました。

私のチュートリアルの先生は厳しく、毎週毎週課題が出ました。

例えば授業で扱うポエムが5個くらいあり、毎週1個ずつ分析をする課題がありました。でも、他のクラスの人に聞くと、先生がポエムについて説明するだけで課題はなかったようです。

ポエムについて1000文字のエッセイ課題があり、毎週勉強に追われて大変でしたが、ポエムに対して理解が深まっていたので、エッセイを書く時にすごく役立ちました。

エッセイを書く前に、エッセイプランを先生に見せるのですが、その時に「よく理解できてるね!」と褒められました。その後のエッセイの評価は95%以上だったので、毎週の積み重ねが英文学でも重要になってくるということがわかりました。

※エッセイプランの確認は、上村さんの先生オリジナル課題であったようなので、先生によって対応の仕方が変わります。

The Haunting of Hill Houseは、年末年始の2週間のお休みの時に読まなければなりませんでした。

「間に合わない!」と思ったので、まずは日本語でストーリーの概要を確認しました。そうすることで、読むスピードも上がり、理解もより一層深めることができました。

でも、ポエムは日本語に翻訳されていないものも多いので、英語で調べて他の人が分析している内容を参考にし、自分なりに解釈して考えをまとめていきます。そして、特にネイティブでなければわからない単語のニュアンスもあるので、先生に聞いたりもしていました。

思想史(History of Ideas:HOI)



HOIは思想史を学ぶ授業で、特に物事の捉え方や考え方、大学で重要となるクリティカルシンキングを身につけることを目的にしています。

今勉強しているのは啓蒙時代で、2月にそのエッセイ課題があります。読まなければならい文献も多く、そして理解がしづらく、1ヵ月くらいまだ時間はありますがこれは本当にもう大変です(このインタビューは1月中旬に行いました)。

授業はレクチャーとチュートリアルがあり、レクチャーは録画ですが、難しい、長い、眠い、の3重苦です(笑)。

思想系は日本語を読んでみても難しいのですが、英語だとさらにわけがわからなくなるので、課題エッセイを書くときはまずは日本語で概要を確認してから取り組んでいます。

1学期の課題でジョン・ロックとウィリアム・ゴドウィンの政治思想を分析して、なぜ私たちは政府に合意をするのか、どちらが納得行くかといった内容でエッセイを書きました。

情報を整理するために、手始めにロックとゴドウィンの考え方を日本語でまとめてから取り組みました。"philosophical approach"をして回答を作らなければいけないそうです。

今学んでいる啓蒙思想も、まずは日本語で概要をつかんでからのほうが早く理解できますが、数学のようなきれいな正解はなく、なかなか点数を上げにくい科目だと思います。

授業とは別にリーディングセッションの時間が設けられていて、内容について解説をしてくれるので、それに参加して理解を深めたり、エッセイを書く前に先生とエッセイプランを相談することもできるので、そういった機会を活用して授業を乗り切っています。

会計学(Accounting)


いわゆる簿記の授業で、財務諸表の読み解き方や、会計面からの企業の意思決定等を学びます。

会計学は実際に受けてみて、あまり好きでないことがわかりました(笑)。

授業はレクチャーで話を聞いて、その後チュートリアルワークシート(練習問題)に取り組み、答え合わせをします。

このワークシートが自分にはかなり応用問題のように思えて、レクチャーのノートを見返したりしても、なかなか思うように進めることができません。全く習ったことがない分野、また日本語でもなかなか理解できない分野を英語で学ぶので、よりハードルが高いと感じるのかもしれません。

答え合わせの時も解説が詳しくあるわけではなく、どんどん進んでいくのでついていくのが大変です。

さらに、先生もちょっと怖くてワークシートを間違えたりすると「ちゃんとやったの?」みたいな感じで言われ、質問をしても「テキストブックを見て」と言われて終わってしまいます。だから、ますます苦手意識が強くなってしまいます。

他の科目の先生はすごく親身になってくれる人も多いのですが、この先生はちょっと苦手です。

日本語で調べてみても会計学の用語がわからず難しく苦労していますが、東南アジア出身の学生で、すでに高校の時に会計学を学んだクラスメートもいます。

会計学の授業は、そういった友達の助けを借りて乗り切っています。

数学1・数学2(Mathematics 1・Mathematics 2)


※日本の数学I・IIと、ファウンデーションの数学1・2は、学ぶ分野の範囲が異なります。

数学1・2ではレクチャーは録画で学ぶ分野の解説をみて、チュートリアルでワークシートを各自で解いています。

ファウンデーションの数学で戸惑ったことは、答えに至るプロセスが重視されることです。

日本の高校では答えが合っていれば大丈夫なものもありましたが、オーストラリアでは、答えが間違っていても途中のプロセスが正しければ何点か得点できます。逆にプロセスをしっかりと書いておかないと、最終的な答えが正解でも得点ができません。

あとは、数学で使う記号が日本とは若干違うものもあり、オーストラリアでの数学の表記の仕方に慣れることが大変でした。

授業では、ワークシートの解答も配布されていて、答え合わせも自分でして、チャットでわからないところを先生に質問します。でも、プロセスが重視されるのに解答にはプロセスの解説がないので、わからないところは先生に確認をします。

正直面白味はありませんが、レクチャーは録画で何度も見返して理解を深めることもできますし、楽と言えば楽な授業です。

そして、毎週火曜日の夕方に1時間半ほど数学の質問セッションもあります。その時にわからないことがあれば先生に確認をすることもでき、テスト前はよく利用していました。

私は数学IIまで高校で勉強していますが、ファウンデーションの数学1はほぼ初めて学ぶ内容です。日本で数学IIIとかまで終えていればもっと楽だと思います。

数学1を乗り切るコツは、レクチャーも録画なのでさぼろうと思えばいくらでもさぼれます。だけど、さぼれるとどんどん勉強がたまっていくので、毎週しっかりとこなしていくことが重要です。

そして、「この分野わかるから」とレクチャーの録画を飛ばしてみていたこともありましたが、後で結局よくわかっておらず後悔したことがあります。「わかる」と思っても、しっかりと授業を確認して、本当にわかっているのか、それともわかっていないのか、把握して勉強をすることがお勧めです。

海外進学を考える高校生へのメッセージ


コロナ禍で実際にいつ海外へ行けるのかも不透明な状況ですが、モチベーションを保ちながら日々の勉強や英語を楽しむことは重要ですし、何よりも「自分がどうするか」がポイントになると思います。

アイルランドに留学した経験があるのですが、想像以上に田舎で何もないところでした。

その時、アイルランドに留学したからこそ得られた経験を日本に持って帰ろうと意識し始めました。アイルランドを留学先に選んだのも、他人と違う自分にしかできない経験をしたいと思い立ったからです。

だから、民謡音楽を学んだり、ヨーロッパの国々に旅行をしに行ったりと、他の国に留学していたら絶対にできなかったことを経験してきました。

今もコロナ禍でオンライン留学という特異な留学生をしていますが、今だからこそできることに着目して日々前向きに歩んでいます。

特に今はコロナの影響で先行き不透明ですし、私もオーストラリアへは行けず日本でオンライン授業を受けている状況です。

これから海外進学を考えている人も不安が色々とあると思いますが、人と比べる必要はなく、その環境をどうとらえるのか、そして、その環境を活かして自分はどうするか、ということが重要になると思います。

諦めずにいろんな挑戦をしていけば、きっと明るい未来が待っていると思います!

スタッフからのコメント

当時コロナの影響でオーストラリアの国境がどうなるかわからない状況であったり、ご自身のやりたいことを見直した結果、トリニティを卒業後、イギリスの大学へ進学することに決めた上村さん。

「高校生の時は、ファウンデーション期間が短いファストトラックで入学をして早くファウンデーションコースを卒業したい!と思っていましたが、きちんと1年間勉強して良かったと思っています。基礎をたくさん教えていただいて、ファウンデーションコースなしで入学してたら、恐ろしいことになってたな…と思う時本当に多いです。」

とのことで、イギリスの大学でもトリニティで学んだことはしっかりと役立っているようです。

実際に毎年一定数、トリニティからイギリスやカナダ、アメリカ等、他の大学へ進学をする学生もおり、ぜひこれからもがんばってくださいね!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H297)
現在はメルボルンからオーストラリア全土の留学相談をしております。色々な情報をインターネットで探せますが、やはり実際はどうなのか、何が本当なのか不安はつきまとうもの。まずはお気軽にご相談ください。考え過ぎて立ち止まるなら、一度動いてみませんか? このカウンセラーに質問する

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