「マーケティングを英語で学びたい!」からスタートした私の留学計画
大学在学中の語学留学を経て、大学を卒業し、ITに関係の企業に就職しましたが、留学中に感じた「英語で何かに挑戦したい」という気持ちはまだ残っていたもののそれが何か分からないまま日々を過ごしていました。
留学しようと思ったきっかけは、所属部署がカスタマーサポートからマーケティング系の部署になったことです。
この部署は新しく立ち上げた部署で、日本人だけでなく外国籍の同僚もいました。みんなでマーケティングについて議論して1から作り出していくことが多かったので、その経験を通して英語でマーケティングをしっかり勉強したいという目標にたどり着くことが出来ました。
そこから、カウンセラーの方に相談をし、自分の条件を伝えました。私の条件は
・コース受講期間は1−1.5年
・マーケティングがしっかり学べ、質が高く、国籍豊か
・ブリスベン以外
という3点で、その中で私の条件にピッタリと当てはまったのが、メルボルンにある「メルボルン・ポリテクニックTAFE」でした。
選んで正解! メルボルンの魅力
条件を伝えて、選んだ学校がメルボルンにあったため、偶然メルボルンに行くことになったのですが、この都市にきて本当に正解でした。
メルボルンは他の都市(例えば私が以前住んでいたブリスベン)に比べて、冬は寒いですが、しっかり四季がありますので、まず気候が気に入りました。
そして夏は基本的にとても過ごしやすい温度となり、湿気もあまりなくカラっとしています。夏と言っても肌寒い日もありますが、それでも暑すぎて汗が止まらない、というような日は少ない気がします。
私は紅茶やコーヒーを飲むのが好きなので、そういうお店がたくさんあるのもメルボルンが魅力的な理由のひとつです。町並みも素敵ですし、小さすぎず大きすぎない市内のサイズやイベントとかもたくさんある街の様子は、留学するのにとてもいい環境だと思います。
コロナウィルスの時期にちょうど留学が重なったので、自粛しないといけないことはたくさんありましたが、それでも夏にセントキルダビーチに行ったり、夜はクラブやバーにいったり、楽しめることがたくさんあるので、最終的には私はブリベンより好きになりました。

※セントキルダビーチの桟橋からの景色
Certificate IV in Marketing and Communicationからのスタート
留学生がメルボルン・ポリテクニックでマーケティングを学びたい場合は、基本Certificate IVから開始する必要があります。
仕事でマーケティングに携わっていたとはいえ、実際に開始してから知らなかったこともたくさんあり、沢山の学びがありました。特にオーストラリアは日本に比べてオートメーション化(自動化)を求める国だな、と感じました。
授業でもいかに人の手を使わずに、ネットやソフトウェアを使ってより効率的に情報集めをしてマーケティングをするかが主流である事に最初は正直びっくりしました。
また、その中で、ソーシャルメディアを使ってどうやってマーケティング戦略を高めていくのか、どのツールがどんな場所に最適に使えるのかなどは、興味深かったです。
例えば、ソーシャルメディアは、マーケティング相手が対カスタマーだったら発揮しますが、対ビジネスではあまり効果がなく、マーケティングオートメーションツールなどがもっと有効など、その相手ごとにしっかりツールを使い分けないと効果を発揮しないことなども詳しく教えてもらいました。
またマーケティング相手をしっかり分析することも大事で、例えば商品の詳細、商品の寿命、マーケティングする時期がホリデーシーズンかどうか、対象の年齢層、対象会社の平均年齢など、その対象者に応じてマーケティング方法が違うので、そこをしっかり押さえてマーケティングすることも詳しく習いました。
私が会社で働いていたときは マーケティング相手はBtoB(ビジネス対ビジネス)だったので、BtoBのマーケティング方法はある程度知っていましたが、BtoC(ビジネス対カスタマー)はやったことがなかったので、両方バランス良く学べたことはとても勉強になりました。

※クラスメイトとのショット
Certificateコースの後のDiplomaコース
半年Certificateコースでしっかりマーケティングの知識をつけた後に、Diploma of Marketing and Communicationを開始しました。私的にもこの流れは正解でした。
というのも、Diplomaコースは実践的なことが多くて、理論を学ぶことにプラスして、統計学、会計学などが含まれてきます。
統計学では集めた情報をグラフを使って標準偏差や分散を調べ分析したり、会計学では実際にビジネスにかかってくる各費用、合計費用、利益を最終的に出す「決算報告書」のやり方まで学びました。
いきなりマーケティングの知識に自信がない人がここから入るのは結構厳しいです。あくまで知識がある程度あるという流れで授業が行われますし、クラスメイトには経営の経験者が沢山いるのでレベルが高いです。
一番苦労したレポート提出
Diplomaコースでは、プレゼンテーションやレポート提出が基本毎週ありました。
1つのユニット(教科)に対して、最低でも3−4個、多かったら5−6個のレポート提出があります。1個が2000字以上は必ず書かなくてはいけないくて大体20ページくらいはあります。
一つづつのレポートに対し、20ものカバーしないといけないタスク(必須項目)があって、それを全部調べて、すべての項目を含めた上でのレポート提出になります。これが本当に大変でした。
特にDiploma受講時は完全オンライン授業だったので、通常グループでやるはずのレポートて提出が、すべて自分ひとりの課題となりますので、それだけ手間も時間もかかりました。
授業自体は午前と午後の1日授業が週3日だけでしたが、半年で6ユニットとる必要があったので空き時間はレポートやプレゼンの準備にいつも追われていました。
その中でも、2回大きなレポート提出&プレゼンテーションの発表がありました。
レポートのテーマは、どちらも0から会社を立ち上げるというもので、1つ目は「まだこの世に生まれてない技術を考え商品化してオーストラリアで販売」というテーマでした。私のアイディアは、イヤホン型の同時通訳機。話したら自動的にネイティブが訳す形で、スムーズにオンタイムで会話ができるというものです。
2つ目は、「通勤者用のクラッシック(スポーツタイプじゃない)スタイルのバックパックの販売」というテーマでした。オンライン販売をメインとして、海外でも売ることを視野にいれたビジネスの設立を見立てる必要がありました。
これらのテーマで商品を具体化し、どこに売り込むか、どうやってマーケティングするか、予算、どういうマーケットをしたらどのくらいの売上になったかを分析する、等、すべての情報をレポートでまとめ、これから売り出す仮定で目標売上学も出しました。
それぞれのレポートが仕上がったら、その後発表会があり1時間かけて一人でみんなの前でプレゼンをします。
アルバイトもしており、他のレポート提出も重なることがあったので空いている時間はすべてレポート作成に使い、睡眠が2−3時間になることもよくありました。
特に意識したのは、どういう環境だったらいかにアイディアが生まれやすいかとか、効率的に資料を集めるにはどうしたらいいのか、などで、特に時間配分を工夫しました。
そんな大変なレポート作成でしたが、1時間のプレゼン発表は、"楽しかった"です。もちろん緊張はしましたが、1時間私のつたない英語でみんなを飽きさせないかという心配があったので、構成やアイディアで負けないように工夫をしました。
そういった努力の甲斐もあって、2つ目のプレゼンで、先生がみんなの前で「一番プロフェッショナルなプレゼンだった!」と評価してくれた時には本当に嬉しかったです。
発表会はみんなのプレゼンも聞きます。他のクラスメイトはほとんどビジネス経験者で人生の先輩。そのような方のアイディアを聞くのは本当に勉強になりました。
経験豊富な先生から学べる身のある授業
メルボルン・ポリテクニックの先生方は、インターナショナルのビジネス分野で何10年も活躍してきた人や、現在進行形で海外との取引を自営業でやってきている人など、皆本当に経験と知識豊富で、話を聞くだけで毎日勉強になることがたくさんありました。
質問しても教科書からじゃなくて、自分の経験から答えを出してくれました。
クラスメイトの経営者からすごく細かいマーケティング方法の質問や、ビジネス成功例への質問が出ていたのですが、それらにも具体的にアドバイスをしていたので、それを間近で見れたことはとても興味深かったです。
マーケティングする上で使える今まで聞いたこともないようなソフトウェアの種類や、先生が過去に経験してきた経験談や失敗談なども教えてくれました。
例えば大きな会社で働いていた時に、アナログで行っていたのものをデジタル化するプロジェクトを先生が担当したそうです。ですが長年働いていた年配の方がデジタル化を好まず、説得するのに苦労して、結局その方が退職することになったそうです。新しいアイディアと古いアイディアのすり合わせのバランスや、納得させるためにどういう説得方法をするか等も大事ということを教えてもらいました。
レポートの一つに「中国のとある産業用セラミック製品を扱う会社がイタリアに進出する。あなたならどうマーケットするか?」という課題のものがありました。
今までオーストラリアをベースにしたものばかりだったので、両方の国のことも全く分からず最初はどこから手をつけたらいいか正直戸惑いました。
最終的には、その広告を見る人のリサーチ(国のバックグラウンド、国民性、休日の過ごし方、国民の趣味、その業界のオーナーさんの平均年齢など)を行い、ビジネスの形態を調べた上で、どこにその広告を出したらいかに効果的なのかをまとめました。
一番手間がかかりましたが、とてもやりがいがありました。実際に海外進出は大変だとよく聞きますが、今までなにが大変かわからなかったけれど、自分でリサーチしてみて初めて気付くことが出来ました。
予想外だったオンライン授業
私のコースは2月から始まったのですが、3月末位からコロナウィルスでロックダウンすることになりそこからオンライン授業へと切り替わりました。
もちろん対面でみんなと会って話せない寂しさみたいなものはありますが、授業自体は質問も気軽に出来るし、なにより少人数(Diploma時は約8−10人)だったというのはよかったです。また録画したものを後から見直せるので特に復習が必要な会計学や統計学は何度か見直しました。
オンタイムでの授業で出席率もとられるので、授業をうけている感じも常にありましたし、先生もいつでも質問に答えてくれたので、やりやすかったです。
ただ一つ大変だったのは、先程も少し話しましたが、グループワークがなかったことです。
本当はグループワークが結構あるコースなんですが、それが出来ず全てのレポートを一人でこなしていました。
ほんとうは5−6人で分担できるところを自分でひとりでやるのでとりあえず時間がかかりすぎて、量も多くて大変でした。
準備段階で資料集めとアイディアを練ることに苦労しましたが、これらをするためにリサーチが必要でそれを母国語ではない英語で調べるということでよりローカルの学生よりは時間がかかっていたと思います。

※オンライン授業での様子
2021年1月に帰国。今度の展望
1年間しっかり知識を学んだことで、会社のビジネスの動き、システム、構造、時間の使い方などを理解することが出来ました。今後どんな部署に配属されたとしても、それらを意識して、仕事の流れを行うような気遣いのできる仕事の仕方は出来ると思います。
ですので、絶対マーケティング部署で働きたい、というよりは、過去の建築デザイナーの経験とマーケティングの知識を使える場所で働けたらと思っています。
今回1年の留学を経験してみて、学校もそうですが、アルバイトでも色々学ぶことが多かったな、と改めて思います。
日本に住んでいる時は100%の完璧主義でしたが、オーストラリアではチームで動くことの大切さを教えてもらいました。いかに効率よくチームに合わせて自分の実力をだしていくかが、重要でした。
このスキルを学校やアルバイトで体感して学べたことがとても大きな収穫となっています。日本食レストランで働いていましたが、働いている日本人は私一人という環境でしたので、英語力が鍛えられた事もとてもよかったです。
大変な時期での留学とはなりましたが、それでも学校もアルバイトも経験できて、将来につながるスキルや学びを得ることが出来ました!
スタッフからのコメント
コロナ渦でもいつでも前向きにしっかり着実に進まれていた川上さん。オンライン授業が多くはなりましたが、その中でも先生やクラスメイトとしっかりコミュニケーションをとって与えられた課題に日々向き合っていらっしゃいました。
今回川上さんが就学されたメルボルン・ポリテックTAFEのキャンパスはメルボルン市内から電車で約30分のPreston(プレストン)に位置します。
キャンパスの様子はこちらの動画、ご参照ください!
卒業生が案内!メルボルン・ポリテクニックTAFE
またマーケティングコースに興味のある方は是非こちらのコース詳細もご参照くださいね!
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