【体験談】国際平和に貢献する研究者を目指して

大久保常世さん | ブリスベン | The University of Queensland | Law
日本で国際関係論の修士号を取得したあと、この学問をさらに深く追究すべくクイーンズランド大学に留学した常世さん(Tokoyoさん)。専攻のPeace and Conflict Studiesコース(平和と紛争学)や留学生活についてお話をお伺いしました。国連やNGOなど国際平和維持におけるキャリアを目指す方も是非読んでみてください。

「平和と紛争」を学ぶ留学先としてクイーンズランド大学を選んだ理由は?


私は大学で研究職に就くことを目標とし、日本の大学で国際関係論の修士号を取得しました。その過程で、戦争と人間の本質の関係性や現代世界の平和構築活動などについて学ぶ必要性を感じたことが、海外でPeace and Conflict Studies(平和と紛争学)を専門的に勉強しようと思ったきっかけです。また、日本ではこの分野を深く学ぶことができないのですが、クイーンズランド大学(以下UQ)では著名な教授陣のもと世界トップレベルの環境で学ぶことができ、さらに、日本での経歴を評価して頂け、Master(修士課程)を1年で修了できることになったことも決め手になりました。

事前に英語はどのように勉強しましたか?


UQ修士課程への入学条件としてIELT6.5以上が必要でしたが、日本で数回受けた試験ではスピーキングの結果が5.0でした。また、長文読解やリスニングなどから離れてしまっていたため訓練不足も課題でした。そこで、まずUQ付属語学学校のBridging English Program(略称BEP)(本科進学英語コース)に10週間通いました。

BEPコースでは与えられた課題に加え、TEDなどを用いてのリスニング対策、さらに過去問を解き、ライティングは添削してもらうという実戦練習です。また、スピーキングを課題とするクラスメイトと授業時間外に一緒に実戦練習をしたことで、スピーキングも7.0を獲得することができました。
BEPコースでは弱点克服をベースにしたIELTS対策だけでなく、プレゼンの練習やエッセイの書き方なども学べたことが本科に進学してから役に立ちました。

Peace and Conflict Studiesは具体的にどのようなことを学び、将来どのようなキャリアを目指すコースですか?


UQでは、Peace and Conflict Studies(平和と紛争学)コースは、Faculty of Humanity and Social Science, School of Political Scienceという学部門に属しています。幅広い分野で、主に人間と紛争、平和について考察し、国際政治学、国際関係論、文化人類学、哲学、国際人道法など多種多様な分野が関連しています。

例えば、人間と紛争、平和に関して、国連のPKO活動の歴史と問題点の考察、非暴力運動の理論と現状の考察、紛争や平和構築活動とジェンダーについて、そして文化・紛争・平和構築活動の関連の考察など、様々な側面から学ぶことができます。

私のように研究者を目指す方はもちろん、国連などの国際機関やNGOで働きたい方、Peacekeeperとして紛争現場で働きたい方には必要不可欠な学問だと思います。

授業はどのような形式で行われましたか?


Peacebuilding(平和構築)やConflict Resolution(紛争解決)といった必修科目ではグループワークやプレゼンが多くこの分野の基本を学ぶことができます。そしてGender(ジェンダー)やNonviolence(非暴力)といった選択科目ではUQだけでなく他大学の教授がゲストとして授業に参加してくださることもありました。

授業は、基本的には授業計画に沿って指定された論文や本を読んで授業に臨みます。レクチャーやディスカッション、グループワークも含めた2時間から3時間のセミナー形式です。どのクラスも7人から20人ほどと少人数制だったので、学生や教授と親密な関係を築くことができました。

同じコースで一緒に学んだ周囲の学生についておしえてください


私のコースには、世界中から多種多様なバックグラウンドをもつ20代から60代までと幅広い年齢層の学生がいます。各々目標を抱き、学んだことで社会貢献するというモチベーションの高い学生達が多いです。半数以上の学生が、紛争地帯や国連等の国際機関での勤務経験があり、学んだことをPeacekeeperや国際機関の職員として現場で活かすことを目標にしていました。
また、紛争の火種を抱える母国の復興を担うアフリカや南米からの学生や、さらに、国連のPKOの指揮官や教育現場で校長として活躍された方々とも共に学んでいました。

日々どのように課題や授業に取り組んでいましたか?


はじめは日々の授業準備に加え課題も多く、自分の意見を英語で発信することの難しさに悩みましたが、事前に要点や質問を英語でまとめて授業に臨むことで自信がつき、積極的に授業に参加できるようになりました。平日は、友人達と朝から図書館でレポートや授業前の課題に取り組み、午後はラウンジで議論をしつつ勉強し、夕方からは授業へという生活です。

提出課題が多く、レポート提出前は寝る間も惜しんで打ち込みました。休日も基本的には図書館で勉強しましたが、シティやゴールドコーストに出かけるなど気分転換をしながら頑張りました。

やりがいや達成感を感じたエピソードをおしえてください


UQの授業では、受け身ではなく自発的な熱意のある学生が求められており、これが私にやりがいと達成感を与えてくれました。日々授業準備をして積極的に発言する中で、学生や教授から信頼を得ることができ、グループでのディスカッションやプレゼンでリーダーにも選ばれました。また、教授が私の学期末の研究レポートを他の学生への見本として選んでくださり、総合評価でも7(満点評価)を取ることができました。一所懸命に取り組むことを通してやりがいと達成感を得られたことは、私の大きな財産です。

ブリスベンで出会ったのはどのような方たちでしたか?


UQでは志やモチベーションの高い学生と共に学ぶことができ一生涯の友人達と出会うことができましたし、教授方はオフィスで気軽に話をきいてくれてとても気さくでフレンドリーでした。

住まいは学生専用のシェアハウスに住んでいたのですが、オーナーのオーストラリア人カップルが親切で優しくて「オーストラリアの我が家だと思って」と、とても温かいおもてなしをしてくれました。一緒にBBQをしたり、誕生日を祝ったり、ラグビー観戦をしたりとたくさんの思い出ができました。


今後の目標や将来のキャリアについておしえてください


留学を通して、自信を持って将来の夢に向かって進む原動力を得ることができました。様々な人の数だけ多様な考え方や価値観があるという多様性の大切さを肌で感じ、なぜ学び、どう生きていくのかを改めて考えることができました。
また、家族や子供と共に留学して学ぶ学生も多く、夫と一緒に留学した私は、彼らから人生観など学ぶこともたくさんありました。友人達と過ごす中で、今後は、大学で研究職に就くという目標に向けPhDで研究を続け、Peace and Conflict Studiesという分野を日本の国際政治を学ぶ学生達に広め、さらに世界レベルで情報発信ができるような人材になりたいと考えています。

スタッフからのコメント

今回常世さんが就学されたクイーンズランド大学の修士課程、Peace and Conflict Studies(平和と紛争学)には、それぞれ入学条件に応じて1年コース/1.5年コース/2年コースの3つがあります。
1年コース学士号取得(Honors)(国際関係に関連した分野)(成績GPA5.0/7.0以上)
1.5年コース学士号取得(国際関係に関連した分野)(成績GPA5.0/7.0以上)、または、国際関係に関連した職歴3年以上お持ちの場合は学士課程の分野は不問(成績GPA5.0/7.0以上)
2年コース学士号取得(分野問わず)(成績GPA5.0/7.0以上)
また、同学の学士課程ではBachelor of International StudiesコースまたはBachelor of Social Scienceコースで学ぶことが出来、それぞれのコースでは国際関係/国際開発学/平和と紛争学などの専攻を選ぶことが出来ます。国際関係の分野に興味のある方はお問い合わせください。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H318)
13歳でのメルボルン短期留学をきっかけに「英語」と「海外」に目覚め、その後カナダ(語学留学)とアメリカ(大学留学)にも留学。卒業後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ再渡豪し、オーストラリア留学センターでワーペリ。帰国と同時にオーストラリア留学センター日本窓口が開設され現職へ。留学生を現地オーストラリアで「迎え入れる立場」と日本から「送り出す立場」、両側での勤務経験を通して、双方の視点からアドバイスすることを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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