メルボルンRMIT大学で学ぶ「Laboratory Medicine」

日本では臨床検査技師の役割として検体検査業務と生理検査業務に分けられると思いますが、オーストラリアではこの2つの業務はそれぞれの技師の仕事として区別されています。それに伴い習得しないといけないコースも異なります。

今回は日本で言う検体検査の業務内容にあたる「Laboratory medicine」を学び、Medical Laboratory Scientistとして働くためのメルボルンの大学のコースをご紹介します。


目次

Laboratory Medicineとは

Laboratory Medicineとは、病理化学を使って検体検査を行うことです。検出した検査結果から病気を発見し診断することを任されています。

採取した体の一部(例:細胞や組織)、分泌液、体液(例:血液、尿や便、唾液や胃液など)を使用して検査、分析を行い、疾患を診断し、治療または将来の予防に関する情報を提供する役割を担います。病気の診断と治療において重要な役割を果たし、医師、病理学者、科学者、技術者、研究所助手と一緒にチームの一員として働くことが可能です。


RMIT大学で学ぶ理由

今回、ビクトリア州でLaboratory Medicineを学ぶ大学として、RMIT大学をお勧めします。
RMITは市内にもキャンパスがありますが、このコースは市内から約30キロ北に位置する「Bundoora(バンドゥーラ)」で開講されています。


約25億円かけて作られた受賞歴もある生物化学専用の大きなビルで在学生が最新の設備を備えて学習が出来るように環境が整えられています。


RMIT大学の卒業生はMedical laboratory scientistとして雇用先にて実践を積んでいけますし、研究者として働いている方もいらっしゃいます。働き先としては様々ですが、下記のような機関に雇用されています。

▪ Hospital laboratories【病院の研究所】
▪ Private pathology providers【プライベートの病理検査センター】
▪ Research centres【研究所】
▪ Pharmaceutical companies【医薬品会社】
▪ Food and cosmetic industries【食品・化粧品会社】
▪ Veterinary sciences【獣医学化学】
▪ Forensic science laboratories【法医学科学研究所】
▪ Universities【大学】
▪ Government agencies【政府機関】

RMIT大学では学士号のBachelorと修士号のMasterコースを開講しており、お勧めする理由はいくつかあります。

ビクトリア州ではAIMSに認可された唯一のコースです

Medical laboratory scientistとしてオーストラリアで働く場合、コースを修了していれば、国家資格などはいりません。ですが、団体の認可を受けてサティフィケートがあれば、今後の就職にも有利に働きます。

RMIT大学のコース卒業後、学生はAustralian Institute of Medical Scientists(AIMS)というオーストラリアの医療科学団体に申請が可能になり、サティフィケートが受領できます。ビクトリア州のコースでこの団体に認可されているのはRMIT大学のみとなります。
※Masterの卒業生でAIMS申請希望者はコース開始前にコーディネーターとユニットの取り方についてご相談ください。

またイギリスのInstitute of Biomedical Science(IBMS)でも認可されており、その他にもニュージーランドのInstitute of Medical Laboratory Scienceやアメリカのthe American Society for Clinical Laboratory Scienceの協会へも卒業後メンバー登録をすることが出来ます。

臨床病理分野を選び、特化して学べる

より特化したい分野を詳しく学ぶため、学士と修士共に選択教科として下記5つの臨床病理学分野のストリームから2つ選ぶことが出来ます。

・Clinical biochemistry【臨床生化学】
・Haematology【血液学】
・Anatomical Pathology【解剖病理学】
・Medical microbiology【医療微生物学】
・Transfusions and transplantation science【輸血・移植科学】

またBachelorコースでは、最終年度(4年目)に学生は研究分野に焦点を当てた医学研究プロジェクトを行う機会があり、研究スキルを磨くことができます。

3年目には40週の実習で実践力をつける

RMIT大学では卒業後に即戦力としてすぐに求められる人材作りを目指しています。Bacchelorの場合、3年目の後期から4年目の前期までの約一年間、在校生には授業の一環として40週のワークプレースメントを必須としています。

コース1−2年目でしっかりLaboratory Scienceの理論と臨床病理学の知識を学びますので、それらをこのワークプレースメントで活かしながら、専門家の指導の元、実務経験を積むことが出来ます。オーストラリアでは40週間となりますが、海外での経験を積みたい方は、すでにRMIT大学と契約されているイギリス、アメリカ、アイルランド、スウェーデン、シンガポール、韓国の研究所にて10−13週間のワークプレースメントをこの中に含めることも可能です。

現場での即戦力と専門分野での細かな知識を身につけることで、大学卒業後の高い就職率にも繋がる可能性が高まります。ワークプレースメントと研究プロジェクトを含めた4年間の実践的で専門的な技術取得と経験を経て、卒業後はmedical laboratory scientistとしてそれぞれの就職先で重要な役割を担うことが出来ます。

Bachelor of Biomedical Science (Laboratory Medicine)の入学要項


RMIT大学のBachelor of Biomedical Science (Laboratory Medicine)への入学概要は以下となります。

キャンパスバンドゥーラ・キャンパス
授業料38,400ドル(約307万円)/1年 ×4年 ※2021年度の費用参考
就学期間4年
入学時期 2月
英語力基準IELTS Academic 総合点数6.5以上で各バンドスコアが6.0以上、もしくは同等の英語力。
学力条件 高校をおよそ5段階中3以上の成績で卒業していること。化学もしくは生物学と数学もしくは物理学を高校で履修していること。
※英語力条件を満たせない場合は、RMIT大学付属英語学校(REW)で勉強をして、進学を目指すこともできます。
※大学のコース詳細はこちらから

コース内容と教科

上記でも説明しました通り、ワークプレースメント40週間を含む合計4年のコースとなります。RMIT大学では一年で96クレジットポイント(CP)の習得が必要になります。


それぞれの年度で勉強する教科と内容は下記となります。

1年目:8教科(合計:96CP)
生命科学の基礎基盤からしっかり学べる授業内容となります。また病院の研究室への訪問や、臨床分野の基礎知識の授業も含まれます。
  • Chemistry for Life Sciences【生命科学のための化学】(12CP)
  • Biology of the Cell【細胞生物学】(12CP)
  • Introduction to Laboratory Medicine【臨床検査医学入門】(12CP)
  • Introduction to Human Biosciences【人体生命科学入門】(12CP)
  • Introduction to Medical Biochemistry【医療生化学入門】(12CP)
  • Introduction to Microbiology, Immunology and Genetics【微生物学、免疫学、遺伝学入門】(12CP)
  • Statistics and Epidemiology【統計学と疫学】(12CP)
  • Systems Physiology【体系生理学】(12CP)

2年目:8教科(合計:96CP)
ワークプレースメントの準備として臨床分野を集中的に学びます。
  • Biochemistry and Molecular Biology 1【生化学と分子生物学1】(12CP)
  • Clinical Immunology【臨床免疫学】(12CP)
  • Histology【組織学】(12CP)
  • 選択教科×1(12CP)
  • Biochemistry and Molecular Biology 2【生化学と分子生物学2】(12CP)
  • Diagnostic Microbiology【診断微生物学】(12CP)
  • Anatomical Pathology 1【解剖病理学1】(12CP)
  • Haematology and Transfusion Science 1【血液学と輸血科学1】(12CP)

3年目:5教科(合計:96CP)
前期では一般的な病理学、分子遺伝学、診断技術を学びます。またご自身が特に習得したい臨床分野を2つ選び、専門的に学びます。後期は「Professional Practice」のみとなり、こちらは大学と別機関でのワークプレースメントの両方の経験を含みます。
  • General Pathology【一般病理学】(12CP)
  • Molecular Genetics and Diagnostics【分子遺伝学と診断】(12CP)
  • 2つの臨床分野からの各教科×2(24CP)
  • Professional Practice 1 – Laboratory Medicine【ワークプレースメント】(48CP)

4年目:4教科(合計:96CP)
前期は引き続き「Professional Practice」となります。後期は最終学期として統合的な病理学と臨床検査医学を学びコースの最終学期としてのプロジェクトも含まれます。
  • Professional Practice 2 – Laboratory Medicine【ワークプレースメント2】(48CP)
  • Integrative Pathology【統合病理学】(12CP)
  • Advanced Laboratory Medicine【先端検査医学】(24CP)
  • 選択教科×1(12CP)

Masters of Laboratory Medicineの選択肢もあり

Laboratory Scienceや関連分野を学士号で修了されている場合は、Masters of Laboratory Medicineの開始が可能です。

このコースは2年となり、研究機関での半年のプレースメントが含まれます。また、学士号と同様に5つの臨床分野のストリームから2つ専門分野を選ぶことが出来ます。

コース名Masters of Laboratory Medicine
キャンパスバンドゥーラ・キャンパス
授業料39,360ドル(約315万円)/1年 ×2年 ※2021年度の費用参考
就学期間2年
入学時期 2月もしくは7月
英語力基準IELTS Academic 総合点数6.5以上で各バンドスコアが6.0以上、もしくは同等の英語力。
学力条件 Laboratory Medicine、BiomedicalまたはBiological Sciences、またはMedicineの専攻で大学をおよそ4段階中2以上の成績で卒業していること。
成績が足りない場合は、5年以上の関連分野での職歴が必要。
※大学のコース詳細はこちらから

出願に向けての準備

1. まずは英語試験を受けましょう
まずはIELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
日本英語検定協会
http://www.eiken.or.jp/ielts/
JSAF
http://www.jsaf-ieltsjapan.com/?p=431
IDP Education
https://ieltsjp.com/
IELTSスコアは足りなくても出願可能です。その場合はRMIT付属語学学校とセットでのお申込みとなります。
2. 出願に必要な書類を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。

  • 高校の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • 高校の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
  • IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
  • パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、オンライン申込みフォームを送信してください。出願の手続きをスタートします。

RMIT大学への進学



オーストラリア留学センターは、RMIT大学の日本の公式相談・出願窓口として、皆さまの大学進学を無料でお手伝いしております。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

コース選択から必要な英語力、大学への出願方法までそれぞれのご要望にあったアドバイスをさせて頂きます!
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※備考※
・本記事は2020年7月現在のカレッジと大学の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2021年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=80円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I138)
メルボルンは、市内に行くとおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、少し車で走ると自然が広がるオーストラリアのいいところを凝縮した街です。様々な国籍の方と一緒に学んだり、働いたりできる機会がたくさんありますので、是非一度いらっしゃってください! このカウンセラーに質問する

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