卒業生がご紹介「会計学では何を学ぶの?」

留学を考えている方の中には、「会計学には興味があるけど、自分は数学が苦手だから難しい」と考える方もいます。確かに会計学を学ぶためには、少なくとも中学レベルの数学を理解しておく必要はあります。しかし、会計学で学ぶことは計算だけではありません。計算という作業よりもその数字が何を示しているのか、そこから何が読み取れるのか理解することの方が重要になります。

また、ビジネスのグローバル化に伴い、公認会計士や会計担当者の業務も多様化しており、簿記や税務関係、タックスリターン、法理、企業監査、決算手続き、ビジネスに必要な数字的な情報の集約、ビジネスコンサルティング、M&A、プロジェクトへの参加など多岐に渡ります。経済状況の変化や法律改正など、世の中の動きに常に目を向けておくことも大事です。

主な科目と難易度

では、具体的にどんなことを学ぶのでしょうか。今回は私(サザンクロス大学 Master of Professional Accounting 2015年11月卒業)の経験や学生の声を参考にした難易度と共に主な科目についてご紹介します(同時期にBachelor of Business (Accounting Major)で学んでいた友人がいましたが、求められることに多少差はあるものの、会計学専攻科目の学ぶ内容はだいたい同じような感じでした。科目名は大学によって異なります。◎のついた科目の説明は次の項目をご覧ください)。

Business Accounting(難易度★)

会計学の基礎、いわゆる簿記論です。入学条件に出身学部の指定などがない場合は修士課程の科目にも入っているので初心者でも安心です。各項目の計算方法を学んだり、例題をもとに計算したりします。日本で簿記を学んだ人にとっては簡単とも言えますが、一部異なる部分もあるので注意が必要です。

◎Accounting Systems and Processes(難易度★)

会計業務の流れを学びます。売上入金や費用の支払いなどがどのようなプロセスで進むのか、会計業務をどのような流れにしたら経営戦略をサポートしたり、適切な判断をしたりできるのか、また作業効率を高めるための問題解決などについて学びます。

Financial Accounting and Reporting(難易度★★)

Business Accountingで学んだ会計処理の知識を応用して、決算報告のために必要な知識・スキルを決算分析を通して学びます。決算書類にはよく見る数字が並んだ書類の他に特記すべき事項が細かく記載された書類などもあります。これらを読み解き、期末時点でこの会社がどのような状態にあるのか、今後の見込みなどについて分析します。課題では、実際に公開されているオーストラリアの企業の決算書分析を行いました。

Business Law(難易度★★★)

商法・民法などビジネスに必要な法律知識を学びます。Common Lawと呼ばれる旧大英帝国の国々の判例や習慣を法として扱うなど、日本の法律と大きく違います。また、連邦国であるオーストラリアは各州独自のガバナンスが強いため、法律も州によって違うことがあり、ケーススタディの際には問題が起こった場所にも留意する必要があります。さらには会計やビジネスの科目で使わない専門用語であったり、そもそも概念を理解するのが難しい言葉だったりがたくさんでてくるので、難しい科目のひとつと言えます。実際、私も一番苦戦した科目で、再履修を覚悟したほどでした。後で友人から聞いたところ、パス率30%だったそうです。

◎Economics(難易度★

マクロ経済学・ミクロ経済学など経済学の基礎を学びます。グラフを利用してある物事が起こった際に他の要因がどう動くのかなどを学ぶので数学の知識も必要です。経済学部の卒業生にとっては物足りないかもしれません。

◎Finance and Financial Management(難易度★★★)

財務分析を学びます。財務諸表から得られる様々な情報を分析して企業内のお金の流れ、企業の資産の状況などを把握します。利回り計算や経営判断指数など計算式の理解が重要なポイントを占める科目です。利回り計算は複雑だし、経営判断指数は似たような計算式が多くそれぞれの指標の関連性も理解しなければならないため、苦手とする学生が多くパス率も低かったと聞きました。

◎Management Accounting(難易度★)

Cost Accountingとも呼ばれ、日本の簿記では「工業簿記」の部分にあたります。原価計算などビジネスにおける費用をコントロールするための財務諸表の味方や考え方、計算方法などを学びます。

◎Quantitative Methods(難易度★★)

財務に係る様々なデータを分析し情報を読取るのも会計士の大事な仕事のひとつです。そのために必要な数字的要素からデータを分析する方法を学びます。統計学的要素が強い科目です。

Taxation(難易度★★★)

オーストラリアの税法について所得税、GST、FBTなどを中心に幅広く学びます。範囲が広い割に税法の細部の理解も必要になるため、苦労する学生も多い科目です。また、課題と試験それぞれで50%以上を取らなければならないなど条件も厳しく、パス率30%と言われていました。

Audit and Assurance(難易度★★)

会計監査について学びます。会計手続きと規則や倫理をすりあわせて正しく手続きが行われているかどうかを確認する手順や考え方、会計士としての行動規範などを学びます。「概念」的な部分が大部分を占めるため苦労する学生もいますが、会計部門に特化しているため、Business Lawよりは理解しやすいといったところでしょうか。

Contemporary Issue in Accounting Theory(難易度★★)

会計学の理論や定義を理解し、それが実際の社会でどのように反映されているかを学びます。会計学において総仕上げのような科目になります。時事問題への問題意識なども問われます。私が受講していたタイミングで、日本の大手家電メーカーの粉飾決算が明るみに出たため、教授やクラスメイトからいろいろ聞かれて大変でしたが、勉強にもなりました。また、私の履修科目で唯一プレゼンテーションがあったのがこの科目で、とても緊張しましたが一緒に頑張れるグループメイトに恵まれて楽しかったです。

必修科目と選択科目

私が受講した時は上記11科目はすべて必修科目でしたが、◎の7科目+Taxation、Audit and Assuranceの9科目はCPA Australia認定コースのコア科目です。また、ビザなどに関係するANZSCO code(職業リストコード)においてAccountantはいくつかの職種に分かれており、Accountant (general) , Finance Manager, Management Accountantは◎の7科目、Taxation accountantは◎+Taxationの8科目、External auditorは◎+Audit and Assuranceの8科目の単位が必要ですので、認定コースでない場合などは将来どうしたいのかを含めて履修科目を確認する必要があります。

この他、選択科目についてはビジネス学部の他の専攻から選択することが多いです。私はCorporate Governance、Project Management、Leadership Managementなどを学びました。また、私のカリキュラムにはなかったのですが、次年度の入学者からは2科目分として扱われる企業研究(実際の企業について財務諸表の分析、企業訪問を行いレポートにまとめて発表する、日本の卒論のようなもの)が必修になっていました。

難易度には個人差がある

課題と試験、それぞれが評価に占める割合は60:40(課題1+課題2+試験)というのが多かったですが、会計担当者として絶対に間違えられないという科目では課題と試験それぞれ50%以上のスコアを取らなければならない(例えば、課題で45/60、試験で15/40だとすると、合計では50%超えていますが、試験で50%を割っているのでパスできない)というものもあり、これに苦戦した学生も多かったようです。私は試験に自信がなかったので、この試験で50%取らなければならない科目についてはいつも以上に勉強して挑みました。

また、難易度にも個人差があります。私は日本で働いていたときに財務分析を日常的に行っていたためクラスメイト達が苦戦していたFinance and Financial Managementは難しく感じませんでした。むしろ、日本語・略語・計算式をバラバラに覚えていたものが、英語だと単語そのものが数式まで表すので簡単に感じました。普段は英語の読解部分などでクラスメイトの助けを借りることも多かったので、得意な科目では逆にみんなの力になれるようにしていました。また、計算を多用する科目は言語のディスアドバンテージが少ないし、間違っていると感覚で「おかしい」とわかるので好きでした。


大事なところに付箋を貼っていたらこうなった税法のテキスト(2冊で1科目分)



こんな人にオススメ

つまり、会計学には数字を処理する簿記から財務分析までの「数字を正しく理解する」という側面と、会計法や倫理など「法律上正しい判断ができるか」という側面があります。ルールの中でやるべきこと&できることを探すことが好きで、細かい方に向いている学問だと思います。

*もっと詳しく会計学のことについて知りたい方は「オーストラリアで会計士を目指す」をご覧ください。
*本記事は2018年9月19日現在の情報に基づいており、科目などは変更されることもございますのでご留意ください。

自然療法の本場でリメディアル・マッサージを学ぶ!

日本でマッサージというとリラクゼーションマッサージを想像しますが、リメディアル・マッサージはリラクゼーション目的だけではなく、治療として用いるマッサージとして、肩こりや腰痛、関節痛等、オーストラリアでは幅広く認められている代替医療です。

パースの州立専門学校TAFE(テイフ)では、リメディアル・マッサージのセラピストを目指せるコースが開校されており、解剖学、生理学、病理学の知識を元に、マッサージの技術を習得します。


TAFEとは?

まずはTAFE(テイフ)という所がどのような機関なのかをご存知でない方も多いと思います。TAFEは(Technical and Further Education)の略で、オーストラリアの各州にある政府が運営をしている、”職業訓練校”です。TAFEでは留学生だけでなく、たくさんの現地オーストラリア人が専門的な技術を身につける為に学んでいます。キャンパスは、西オーストラリア州だけでも北のブルームから南はアルバニーまで、様々ところにキャンパスがあり、コースは250以上ものコースを開講しています。

その中でもリメディアルマッサージのコースは、3キャンパス(パースシティキャンパス、マードックキャンパス、ジェラルトンキャンパス)で開講していますが、最近マードックキャンパス(元フリーマントルキャンパス)が校舎を新設し、素晴らしいキャンパスに生まれ変わりました。



コース概要

マードックキャンパスでリメディアルマッサージコースを長年指導しておられる、Rebecca先生にリメディアルマッサージコースについてお伺いしました。

質問:このコースではどのようなことが学べますか?


ディプロマのリメディアルマッサージコースは、リメディアルマッサージセラピストとして、軟部組織の機能障害や筋骨格の歪みを患者に施術する為の、実践的でかつ学理的な技術を身につける為のコースです。

このコースでは、姿勢や可動域を知る為の筋骨格構造はもちろんの事、ディープティッシュー、トリガーポイント療法、リンパドレナージ、筋膜リリース、PNFストレッチなどの広範囲に渡った技術を学びます。

また学生はHBFマラソン、MACA Ride to Conquer Cancer、Solaris Care Sir Charles Gardener(ガン治療センター)、フィオナスタンリー病院、マードック・セントジョンオブゴッド病院(緩和ケアセンター)などのイベントに、リメディアルマッサージの学生として参加をします。さらに学生は、キャンパス内にある一般のお客様も訪れるクリニックで、スーパーバイザーの指導の元、200時間の実習を行います。

留学をお考えの方へのメッセージ


私たちは長い間留学生に指導をしてきた経験があり、皆さんと一緒に学べることをとても嬉しく思っています。

このコースの卒業生は、自営でクリニックをオープンしたり、ヘルスクリニックと並行して、カイロ、フィジオ(理学療法)、ナチュロパス(自然療法)などの分野、パーソナルフィットネストレーナーとして活躍する学生もいます。サウスメトロポリタンTAFEのリメディアルマッサージの学生は、技術や経験を認められ、通常コースを開始して6ヶ月以内に現地パースで仕事を見つける者がほとんどです。※コースの卒業者は、プロマッサージ協会を通して保険適用資格者(ヘルスファンドプロバイダー Health Fund Provider)としての登録ができ、保険適用資格者は保険適用トリートメントを患者に行うことができます。

そしてサウスメトロポリタンTAFEで学ぶ学生には、Myotherapy(リメディアルマッサージの上級資格) 協会のメンバーに12ヶ月無料で登録ができます。メンバーになると、協会のニュースレター、オンラインマガジン、業界ニュース、無料啓発セッションを受けることができ、コース受講中から深くマッサージ業界に関わることができます。


TAFEでリメディアル・マッサージを勉強された方の体験談
専門用語に苦戦!でもスキルを確実に得られるマッサージ留学!をご覧ください。

リメディアル・マッサージコースの費用


キャンパスマードックキャンパス
期間1年
入学2月、7月
費用12,240ドル(約104万円)
教材費が別途1,780ドル(約15万円程)必要です。
英語IELTS5.5(各セクション5.0以上)
学歴高校卒業以上で解剖学と生理学を含む理科系科目を受講していることが望ましい。


コースの入学基準

リメディアルマッサージのコースでは、専門用語病気の名前人体の部位筋肉の名前などが英語でたくさんでてきます。ですので、高校の時に生物学や解剖学を学んでおられる方は授業によりついていき易いです。

【入学英語基準について】

またTAFEのコースを受講するには、最低IELTS5.5レベルの英語力が必要です。すでにIELTS5.5をお持ちの方でも、プレゼンテーションやライティング、ディベートなどに慣れておられない場合は、進学英語コースを事前に受講される方が望ましいです。

①英語力が不足している場合
TAFE付属語学学校やTAFE提携の語学学校で英語の勉強をして、進学を目指すことができます。

②ご自身の英語力がわからない場合
IELTS等、英語力証明をお持ちでない方でも、弊社ではTAFEの英語レベルチェックテストを無料で受けて頂くことができますので、お気軽にお問い合わせください。



自然療法大国のオーストラリアで学ぶリメディアル・マッサージに少しでもご興味のある方、TAFEの英語力診断テストの受験をご希望の方、もっと詳しい情報をお聞きになりたい方は、ぜひお気軽にこちらからお問い合わせください!

※※備考※※
・上記は、2018年9月7日の情報に基づいており、今後予告なく変更となることもありますので、ご注意下さい。
・ご参考の日本円は、1ドル=85円換算としております。