
海や森が好き、体を動かすのが好き、人に何かを教えるのも嫌いではない。そんな人のための学位が、サンシャインコースト大学(UniSC)の
Bachelor of Recreation and Outdoor Environmental Studies(アウトドア・環境学士)です。この記事では、2つのメジャー、実習の中身、2027年の学費、入学条件、卒業後の現実までを、留学カウンセラーの視点で整理しました。
「自然が好き」を、趣味で終わらせずに「仕事の技術」へ変えていく3年間です。
アウトドア系の学位と聞くと、キャンプやハイキングを延々と楽しむコースを想像する方もいるかもしれません。ところが、このコースが育てるのは遊びの上手さではなく、人を安全に導く技術と、自然環境を読み解く知識です。
ただ、その分だけ「実習の日数」「小さな子どもに関わる許可証」「教員にはなれない」といった、入学前に知っておきたい現実もあります。良い面もそうでない面も、順番に見ていきましょう。
教室の外が、いちばん大きな教室になる

このコースの特徴は、卒業までに35日以上の野外実習(Outdoor Environmental Fieldwork)が必要になることです。野外実習とは、森や海辺などの屋外で、参加者を安全に導く方法や自然環境の読み方を、実際に体験しながら身につける授業のことです。
CRICOS(留学生向けに登録された課程を識別するコード)は094768G、プログラムコードはED312で、期間は3年です。入学時期は、3月からのトライメスター1(1年を3学期に分ける制度の第1学期)と、7月からのトライメスター2の年2回です。
教室でノートを取る時間だけでなく、屋外で判断し、行動し、振り返る時間が学びの中心になります。ここが、一般的な学部との最も大きな違いです。
大学によっては野外活動の技術だけを教える学位もありますが、UniSCの場合は環境の知識と、グループを率いる力の両方を、3年かけて組み合わせて学びます。
メジャーは2つ。海か、体育か

専攻(Major)は、Health and Physical Educationか、Marine Scienceのどちらか1つを選びます。そこに、マイナー(副専攻)を2つ組み合わせて、自分なりの学びの形をつくります。
マイナーの選択肢は、次の10分野です。
English、Mathematical Studies、Tourism Management、Marine Science、Geography、Sustainability、History、Environmental Management、Biological Sciences、Indigenous Studiesです。
Health and Physical Education —— 健康・体育
こんな人に向いている:スポーツや運動指導に関心がある人、体を動かすことを通じて人の成長を支えたい人に向いています。
運動や健康の理論を、アウトドアの現場と結びつけて学ぶ専攻だと当社では理解しています。将来スポーツコーチなどを考える人には、土台になるメジャーです。
ただし、この専攻を選んでもこのコース単独では、学校で教える資格にはつながりません。教員を目指す場合の選択肢は、後ほど別の章で触れます。
Marine Science —— 海洋科学
こんな人に向いている:海の生き物や沿岸の環境に強い関心があり、フィールドで自然を調べる仕事に近づきたい人に向いています。
マイナーにもMarine Scienceがあるため、「海を深く掘る」か「海を軸に別の分野と組み合わせる」かを、入学後に考える余地があります。
23科目・288ユニットの中身と、学習負担のリアル

全体は23科目・288ユニット(単位に相当する履修量。ほとんどの科目は1科目12ユニット)で構成され、そのうち選択科目は24ユニット分です。年間の学費は、1年に8科目を履修する前提で示されています。
共通で学ぶ必修科目のうち、主なものは次のとおりです。
| 科目コード |
必修科目の例 |
| OES100 | Outdoor Living and Travel Skills(屋外での生活・移動技術) |
| OES101 | Foundations of Outdoor Environmental Studies(アウトドア環境学の基礎) |
| OES104 | Learning in Australian Landscapes(オーストラリアの自然環境で学ぶ) |
| OES240 | Leading Groups in Outdoor Environments(屋外でグループを率いる) |
| OES302 | Outdoor Environmental Studies Extension(アウトドア環境学の発展) |
OES100〜104で土台を作り、OES240で人を率いる練習をし、最終学年のOES302で現場実習に出る、という順序です。
ここで大事なのが、有効なBlue Card(子どもや若者に関わる活動に必要な許可証)です。OES302の実習に出る前に必要で、発行までに約12週間かかるとされています。
留学生の方は、時期を逆算して準備を始めてください。「卒業直前に気づいて間に合わない」は、避けたい失敗の代表格です。
屋外の実習が多い分、天候や移動の都合で日程が動くこともあります。アルバイトや旅行を詰め込みすぎず、余裕のあるスケジュールを組んでおくと安心です。
卒業後の進路と、「好き」を仕事にするための現実

UniSCが進路の例として挙げているのは、次の職種です。ただし、これは「この学位から考えられる進路の例」であり、卒業すれば自動的に就ける職種ではありません。
| 職種 |
主な活躍の場 |
| アドベンチャーツーリズムのガイド | アウトドア体験を提供する観光会社 |
| エコツーリズムのガイド | 自然保護区や自然体験ツアー |
| 環境解説(インタープリテーション)ガイド | ビジターセンター、自然公園 |
| アウトドアガイド | 野外活動施設、体験プログラム |
| アウトドア・レクリエーション担当 | 自治体、地域のレクリエーション施設 |
| スポーツコーチ | スポーツクラブ、地域の団体 |
卒業生には、National Outdoor Recreation Leadership Scheme(アウトドアのリーダーを認定する制度)のメンバーになれる可能性があります。これは職業資格そのものではなく、業界での信頼につながる制度として案内されています。
ただ、ガイドやコーチの仕事は、学位だけで採用が決まる世界ではありません。野外活動の現場での経験、英語で安全説明をする力、人脈が、採用に大きく響きます。
在学中から、野外活動施設のボランティアに参加する、大学のキャリアサービスを使う、興味のある職種の求人票を読んで足りない技術を逆算する、といった準備を重ねてください。「学位+経験+技術」の3点で考えるのが、私のおすすめです。
こんな人におすすめ、そして別のコースも比べたほうがよい人

おすすめしたいのは、自然の中で体を動かすのが好きで、人を安全に導く仕事に興味がある人です。また、日本では学べない「アウトドア×環境×人」を、体系的に身につけたい人にも向いています。
「アウトドアは好きだけど、仕事にできるか自信がない」という方も、心配しすぎないでください。向いているかどうかは、頭の中で考えているうちは分かりません。実習を重ねるなかで、自分が力を出せる場面が見えてくることも多いと考えています。
一方で、別のコースも比べたほうがよい場合があります。たとえば、卒業後すぐに学校の先生になりたい方、科学的な研究を中心に進みたい方、屋外での活動に体力的な不安が大きい方です。
そうした方は、次の章で触れる教員養成との組み合わせや、運動科学の学位も合わせて検討してみてください。
同じUniSC内で迷ったら:運動科学・教員養成との違い
同じUniSCには、似た分野を扱う別の学位があります。違いは「何を軸に学ぶか」です。
| コース |
内容(2027年度の留学生向け目安) |
| Bachelor of Recreation and Outdoor Environmental Studies | ED312/CRICOS 094768G/3年/年間A$31,500(日本円で約3,528,000円)/屋外での実践とリーダーシップが軸 |
| Bachelor of Sport and Exercise Science | SC344/CRICOS 066289K/3年/年間A$33,500(日本円で約3,752,000円)/身体運動の科学が軸 |
| Bachelor of Education (Secondary)/Bachelor of Recreation and Outdoor Environmental Studies | ED315/CRICOS 088624G/4年/年間A$31,500(日本円で約3,528,000円)/中等教育の教員養成との組み合わせ |
このコース単独では、学校で教える資格にはつながりません。教員を目指すなら、中等教育との組み合わせである4年制のダブルディグリーを検討することになります。
運動の仕組みを科学的に学びたいなら運動科学、野外で人を率いる力をつけたいならこのコース、というように、優先順位で選び分けてください。
他大学の同分野との比較は、条件が年度ごとに変わるため、出願前のご相談の中で最新の情報をもとにご案内します。
入学条件と、3年間の学費の考え方

日本の高校を卒業した方の学歴条件は、高等学校卒業証書(Upper Secondary School Certificate of Graduation)と、最終学年の成績でGPA 3.0/5.0以上です。ただし、これは最低条件であり、満たせば合格が保証されるわけではありません。
英語力は、UniSCの標準要件が基本になります。
| 試験 |
目安のスコア |
| IELTS Academic | 総合6.0、各セクション5.5以上 |
| TOEFL iBT | 総合76、ライティング18以上 |
| PTE Academic | 総合50、各セクション50以上 |
プログラムごとの最新の要件は、出願の段階で当社が確認してご案内します。入学基準を満たすことと、授業を余裕をもってこなせることは同じではありません。
日本の高校の評定を大学がどう見るかは、学校の種類や履修科目、成績の推移まで含めて個別に判断されます。そのため、「評定平均がいくつなら大丈夫」と一律にはお答えできません。
学費の目安は、2027年度で年間A$31,500(日本円で約3,528,000円)です。3年間の総額は、単純計算でA$94,500(日本円で約10,584,000円)になります。
学費は毎年見直されるため、実際の金額は入学時の年度で確認が必要です。生活費、保険、航空券などの費用は、住む場所や暮らし方で大きく変わります。個別の条件をうかがって、お見積りします。
コース概要
最終確認:2026年10月26日(当社にて最新情報を確認)
| 項目 |
内容 |
| 大学名 | University of the Sunshine Coast(サンシャインコースト大学) |
| コース名 | Bachelor of Recreation and Outdoor Environmental Studies(アウトドア・環境学士) |
| プログラムコード/CRICOS | ED312/094768G |
| 期間 | 3年(23科目・288ユニット) |
| 学費 | 年間A$31,500(日本円で約3,528,000円)(2027年度) |
| 入学時期 | 3月(トライメスター1)・7月(トライメスター2) |
| キャンパス | クイーンズランド州、サンシャインコーストキャンパス |
| メジャー | Health and Physical Education/Marine Science(1つ選択) |
出願前によくいただく質問
このコースについて、日本からの留学を検討されている方からいただくご質問をまとめました。
先生になれるのか、実習の準備は何が必要か、そして学費はいくらか——実際に多いのはこの3つです。
| Q. このコースを修了すると、学校の先生になれますか? |
| A. このコース単独では、学校で教える資格にはつながりません。教員を目指す場合は、中等教育との組み合わせである4年制のダブルディグリー(ED315)を検討します。 |
| Q. 実習の前に、準備しておくことはありますか? |
| A. 最終学年の実習(OES302)の前に、有効なBlue Cardが必要です。発行に約12週間かかるとされているため、早めの準備をおすすめします。 |
| Q. 学費は年間いくらですか? |
| A. 2027年度の目安は年間A$31,500(日本円で約3,528,000円)で、3年間の単純計算ではA$94,500(日本円で約10,584,000円)です。学費は毎年見直されるため、入学時の金額を確認してください。 |
| Q. 体力に自信がなくても大丈夫ですか? |
| A. 屋外での実習が多いため、体力は一定程度必要になります。ただし、必要なのは長距離を走る力というより、屋外で安全に行動し続ける力です。不安がある方は、出願前に一度ご相談ください。 |
| Q. 卒業後は、オーストラリアで働けますか? |
| A. 学位だけで就職が決まるわけではなく、在学中の経験や英語でのコミュニケーション力が大きく影響します。ビザ制度は変更される場合があるため、最新情報はDepartment of Home Affairsで確認してください。個別のビザ相談は、Registered Migration AgentまたはAustralian legal practitionerへご相談ください。 |
カウンセラーから一言(オーストラリア留学センター ブリスベンオフィス 林 真生)
私なら、「自然が好きだから」という理由だけで、このコースをおすすめすることはありません。確認するのは、その「好き」を、人に教える仕事や、人を守る仕事に変えたいかどうかです。
屋外で人を率いるというのは、自分が楽しむことよりも、参加者の安全と満足を優先する仕事です。ここに面白さを感じるなら、このコースはよく噛み合います。
次に、卒業後に日本へ戻るのか、オーストラリアで経験を積みたいのかをうかがいます。答えによって、在学中に優先すべき経験が変わるからです。
もちろん、学校の先生を最初から目指している方には、この学位単独はおすすめしません。ただ、その場合も別の組み合わせがありますので、そこは一緒に整理できます。
まだ決めきれていない方も、焦らなくて大丈夫です。海や森に出る3年間の中で、自分の力の出しどころが見えてくることは、よくあります。一緒に、納得できる進路を考えましょう!
サンシャインコースト大学(UniSC)への進学相談はオーストラリア留学センターへ
学校の先生との組み合わせ、実習の準備、成績や英語力から見た現実的なルートなど、どんなことでも構いません。
お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。すべて
無料でサポートしています。